暑くてジメジメする夏はダニが増加する季節です。スプレータイプやシートタイプなどさまざまなダニ退治グッズが販売されています。また、ダニに寄生された猫は、命に関わる重い症状を発症することがあります。一緒に暮らす飼い主や他のペットにとっても危険です。
コナダニとは?
コナダニとは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目コナダニ亜目(無気門亜目)に分類されるダニの一種です。
・コナダニの体長は0.3~0.5mm程度の小型のダニ
・体は白く柔らかく、足が短い
・背中には細長い毛がたくさん生えていて、長い毛を引きずるように這いずりまわる
チリダニ、イエダニ、ツメダニと共に、家の中に発生するダニの代表的な種類の一つです。これらのダニは大きさはコナダニと同じくらいで、同じダニとしてひとくくりにされやすいですが、イエダニやツメダニのように吸血することはありません。もっと大型で吸血し感染症を媒介するマダニほど危険性はありませんが、非常に厄介なダニの一種です。
気温20~30℃、湿度60~80%くらいの環境で大量発生すると言われています。日本では5月下旬~7月上旬の梅雨時に大量発生します。
カツオブシムシとは?
カツオブシムシは鰹節を好むため、その名がついたと言われています。しかし、カツオブシムシが好むのは鰹節だけではなく乾物や衣類、カーペット、毛布なども好みます。日本に生息するカツオブシムシとして、ヒメマルカツオブシムシとヒメカツオブシムシの2種類が知られています。
ヒメマルカツオブシムシの特徴
・体長…4~5mm
・幼虫の特徴…太めの円筒状で色は茶褐色、体全体が短い毛で覆われている。尾には槍状毛(そうじょうもう)と呼ばれる長い毛の束があり、護身に役立っている。毛は鋭いが毒はない
・成虫の体長…2~3mm
・成虫の体長特徴…色は白、茶褐色、黒のまだら模様で、細かく短い毛に覆われている
ヒメカツオブシムシの特徴
・幼虫の体長…7~10mm
・幼虫の特徴…イモムシのような形で、色は赤褐色~茶褐色、体全体が短い毛で覆われている。尾には、槍状毛(そうじょうもう)と呼ばれる長い毛の束があり、護身に役立っている。毛は鋭いが毒はない
・成虫の体長…3~5mm
・成虫の特徴…色は茶褐色~黒褐色で模様はない
シバンムシ(死番虫)とは?
シバンムシを漢字で書くと死番虫で、害虫の一種です。シバンムシは、シバンムシ科に属する甲虫の総称です。1995年現在で世界には2,000種程度、日本から62種が記録されており、最終的には全世界で既知種の数倍、日本産は150種程度には達すると推測されています。
シバンムシの成虫は長楕円形から円筒形で、色彩は赤褐色から黒色です。体長は1mm程度で、長楕円形のものの外形はカブトムシの雌をごく小さくしたようにも見えます。基本的に枯死植物に依存する食性で乾燥木材を主に食べる食材性の群と、きのこを主に食べる食菌性の群に別れます。
日本の家屋等に棲息するシバンムシは、ほとんどが「タバコシバンムシ」と「ジンサンシバンムシ」だと言われています。タバコシバンムシは、葉タバコに住み着いていたことから呼ばれるようになりました。タバコシバンムシは世界中で確認されており、日本国内にも生息していますが北海道にはあまりいません。小型の甲虫で成虫でも2.5mmで、体型はゴマのようにプックリしており色は茶褐色です。
ジンサンシバンムシは朝鮮人参を食べていたことからそう名付けられました。ジンサンシバンムシの生息場所は日本各地を含め世界中に生息しています。成虫は小さく2mm~3mm程度で、体型はタバコシバンムシと同じくゴマのようですが、身体全体に微妙な毛が生えておりツヤはなく茶褐色です。
猫が注意するべき4種類のダニ
ダニはどのような種類でも、猫にとって有害な影響を与えます。ダニの種類を把握して予防に繋げましょう。
マダニ
マダニだけでも世界中で800種類以上が確認されており、日本には47種類のマダニが生息しています。主に温かい春や夏の季節に活動しますが、気候によっては秋や冬にも活動するダニです。植物に付着して近づいた動物や人間に噛みつき、そのまま離れません。体長3mm~8mmのダニですが、吸血することによって1cm~2cmの大きさになることもあります。
ツメダニ
ツメダニの種類には、猫に寄生する代表的なダニであるネコツメダニがあります。猫がネコツメダニに寄生されると、大量のフケや痒みの症状が出るツメダニ症を発症します。体長は0.3mm~0.5mmとマダニよりも小さく、頭にある大きな爪が特徴です。人間がツメダニに噛まれると強い痒みや、痛みを伴う症状が見られます。
ヒゼンダニ
ヒゼンダニに感染すると激しい痒みに襲われて皮膚炎を発症することもあります。猫が寄生されると、寄生された猫を抱っこした飼い主や一緒に暮らす他のペットに感染することもあります。
ミミヒゼンダニ
ミミヒゼンダニは耳介から鼓膜の間に寄生するダニです。耳疥癬症や耳ダニ症を発症する恐れがあります。