洗濯パンは洗濯機からの水漏れを受け止めるアイテムです。「ガタガタ」と洗濯パンから異音が聞こえたら、洗濯機に異常が発生しているサインです。そこで今回は洗濯パンの異音の原因や、洗濯パンの異音を小さくする方法を紹介します。
洗濯パンの異音原因は?

洗濯パンは洗濯機の下に設置されている防水性の受け皿です。洗濯機が故障して水漏れした場合に、水が床にあふれ出ないように受け止める役割があります。「防水パン」とも呼ばれ、洗濯機の裏や下の結露から床材を守るように設置されています。
洗濯パンがあると洗濯機を使用している時の振動や、騒音を周りに響きにくくしてくれます。マンションなどの集合住宅は、階下への音に気を使わなければなりません。特にドラム式洗濯機は振動音が大きい傾向があるため、洗濯パンが設置されていると音を吸収して小さくしてくれます。
しかし、逆に洗濯機の設置方法に誤りがあると、洗濯パンに異音が伝わり大きく響きます。
洗濯機の異常サイン
洗濯パンは洗濯機の水漏れを防ぐために必要なものですが、「ガタガタ」「ゴボゴボ」「キュルキュル」など異音が聞こえたら洗濯機に何らかの異常が発生しているサインです。
洗濯パンから異音を感じたら、3つの原因を疑ってみましょう。
- 洗濯機設置の仕方が悪い
- 排水の流れが悪くなっている
- 洗濯機そのものに異常がある
洗濯パンからガタガタと異音したら?

洗濯機が水平に設置されていない
洗濯機が不安定な状態で設置されていると、洗濯パンから激しい振動や異音が響きます。洗濯機が傾いて壁に当たっていませんか?
洗濯機には水平を測る「水準器」が付いています。この水準器の中の気泡が赤枠に中に位置しているか確認しましょう。気泡の位置が赤丸から外れている場合は、洗濯機の足を調整したり、板やマットを下に敷いたりして水平にします。
床面の強度が弱い
洗濯機は重量があるため、設置する床面には強度が必要です。正しく設置していても、柔らかい床材の場合、脱水のときに振動が大きくなる傾向があります。特にドラム式の洗濯機は、垂直に回転するため振動が洗濯パンに伝わりやすく、大きな異音を感じます。洗濯機を置いている場所は、湿気や重みによって劣化して凹みやすいため、早めに床の修理や補強を行いましょう。
洗濯機の足の調整不足
洗濯機は足の高さを合わせて設置します。しかし、足の高さがしっかり調整できていないと、洗濯機が不安定になり洗濯パンがガタガタと異音をたてます。設置する床に傾斜や凹凸があったり、洗濯パンに歪みがあったりする場合は、異音をたてないように足の高さをきちんと調整しましょう。
輸送用ボルトが付いたままになっている
ドラム式の洗濯機は、輸送するときに洗濯機が動かないように「輸送用ボルト」が側面に付けられています。輸送用ボルトは、洗濯機の移動に必要なもののため、付けたまま使用すると振動や騒音の原因になり、洗濯パンも大きな異音がします。ドラム式洗濯機を設置した際は、輸送用ボルトを外すことを忘れないようにしましょう。
洗濯パンからゴボゴボと異音がしたら?

洗濯機は排水の流れに問題があると、脱水槽と洗濯槽の間に水が残ってしまい脱水槽の回転バランスが悪くなり激しい振動が起こります。振動が洗濯パンに伝わりガタガタと異音が響くと感じたら、排水の流れを確認しましょう。
排水の流れが悪い原因は2つ考えられます。
- 排水ホースが長すぎて排水がうまくできない
- 排水フィルターや排水口にゴミが溜まっている
排水ホースが長過ぎる
排水ホースが長過ぎると途中で折れ曲がり、詰まって排水がうまくできなくなります。また、排水ホースが洗濯機に押しつぶされて破れたり、洗濯パンに排水が流れ出ている場合もあります。さらに、排水ホースが途中で10cm以上の高さまで立ち上がったり、逆に下がっていたり不自然な高低差があるとうまく排水できません。
排水ホースが長い場合は折れた部分に水が詰まったり、ゴミが溜まったりしていないか排水ホースを手で持って確認しましょう。排水ホースは取り外して内部を掃除すると詰まりを解消できます。折れ曲がった部分に穴が開いている場合は、ホームセンターなどで排水ホースを購入して交換しましょう。

排水口や排水フィルターにゴミが詰まっている
洗濯パンの排水口に、ゴミが詰まっているとゴボゴボと異音がします。排水口やドラム式の排水フィルターは、排水ホースから流れ出る糸くずやホコリ、皮脂などが溜まりやすい場所です。異音が聞こえたらヘドロが溜まり排水がむずかしくなっているため掃除しなければなりません。洗濯機の排水口掃除については下記の記事で詳しく紹介しています。

排水口で詰まりが起こると、排水が洗濯パンに溢れてきます。汚れた水垢が洗濯パンに流れてきていないか日頃から確認しましょう。
洗濯機からモーター音がする場合は洗濯機の故障を疑う

洗濯機の設置や、排水の流れにも問題がないにもかかわらず、洗濯パンの異音が止まらない場合は洗濯機が故障しているかもしれません。洗濯機の中の軸が歪んでいたり曲がっていたりすると、回転の際にガタガタと異音が鳴ります。まず異音の原因が、洗濯パンにあるか洗濯機にあるのか見極めましょう。
洗いのみ「ブーン」と異音がする
洗いのみ「ブーン」というモーター音が聞こえたら、洗濯機の給水バルブの開きが甘いことが考えられます。給水バルブが故障して水を吸い上げられなくなっているかもしれないためメーカーに修理を依頼しましょう。
また、排水ホースが詰まっていてモーター音が聞こえます。掃除をしてゴミを取り除けば解消できます。
「キュルキュル」という擦れた異音がする
洗濯機内で「キュルキュル」と擦れた異音がしたら洗濯機を回転させるベルトがすり減って洗濯槽が空回りしている可能性があります。専門業者に交換を依頼しましょう。
洗濯パンの異音を小さくする方法

防振ゴムを敷く
洗濯パンに防振ゴムを敷くと異音を抑えることができます。防振ゴムは、洗濯機の下の四隅に設置するゴムで作られた土台です。防振ゴムは、洗濯パンの内側にも外側にも置けるため、洗濯機の大きさに合わせて設置したいときにも便利に使えます。

補強材を設置する
洗濯パンは床にしっかり取り付けられている場合が多く交換がむずかしいです。床が傷んでいても修理ができない場合もあるでしょう。すぐに床の張り替えや洗濯パンの交換ができない場合は、洗濯機用の補強材を設置するのがおすすめです。補強材が振動や異音を吸収し小さくしてくれます。

洗濯機クリーニングを依頼する
「ポコポコ・ゴボゴボ」という音は、排水弁が自動的に開閉しているときに聞こえます。あまり大きな異音が聞こえる場合は異常が発生しているかもしれません。洗濯機クリーニングを依頼して、排水弁や洗濯パンの排水口もきれいにしてもらいましょう。
まとめ
今回は洗濯パンの異音の原因や、洗濯パンの異音を小さくする方法を紹介しました。洗濯機が正しく設置されていなかったり、排水口が詰まっていたりすると洗濯パンから異音がします。しかし、自分で対処しても異音が止まらない時は、洗濯機の故障が考えられます。洗濯機の分解や修理は難しい作業です。プロに洗濯機修理を依頼して異音を解消しましょう。