女王アリを捕まえるだけではシロアリを駆除できない!女王アリの見分け方から駆除方法
シロアリは木材を食べる害虫で、コロニーという群れを作って暮らしています。女王アリは、このコロニーの中心的役割をもった存在ですが、女王アリだけを捕まえてもシロアリを根絶することは難しいといわれています。今回は女王アリの役割や特徴、シロアリ駆除の方法を紹介します。
女王アリの特徴とシロアリの見分け方
シロアリはゴキブリの仲間
シロアリは、よく見かけるクロアリとは別の生き物です。シロアリはゴキブリの仲間、クロアリはハチの仲間になります。シロアリの女王アリは巣の中から出てきませんが、繁殖期になると羽アリが巣から飛び立ちます。
シロアリは家を支える柱や、床下の木材を食べてしまう害虫です。ゴキブリと同じように生命力と繁殖力が強いため、見つけたら早く駆除しなければなりません。羽アリはクロアリと異なる見た目をしています。見分け方を覚えてすぐに判断できるようになりましょう。
シロアリの体の色は白だけじゃない
基本的に日本のシロアリは、その名の通り白色です。しかし、熱帯地方に行くと白色ではなく茶褐色や黒など様々です。
女王アリは羽アリより大きい
シロアリの女王アリは一年中卵を産み続け子孫を残す働きをするアリです。このため、いつも腹部に多くの卵を入れておく必要があり、頭や腹部にくびれがありません。カブトムシの幼虫のような白く太い体をしています。
女王アリの体は約1.5~4cmあり、羽アリより3~5倍以上大きいのが特徴です。外敵から身を守るため、常に巣の中に籠って生活しています。
各項目 | シロアリ | クロアリ |
---|---|---|
分類 | ゴキブリ目シロアリ科 | ハチ目アリ科 |
体の形状と色 | 寸胴でくびれがない、乳白色 | 腹と胸にくびれがある、黒色 |
羽の形状 | 4枚が同じ大きさ | 前が大きく、後が小さい |
触覚の形状 | 直線 | くの字に曲がっている |
活動場所 | 床下など日の当たらない場所 | 日の当たる場所 |
食べ物 | 木材、畳、本など | 糖分、他の小さい虫 |
女王アリの役割と寿命
普段よく見かける黒アリとシロアリは特徴が全く違うので、シロアリの女王アリの産卵も普段の黒アリの産卵とは全く違います。
女王アリの重要な役割は「卵を産む」こと
女王アリの役割は卵を産むことです。働きアリにエサを運ばせて、常に王アリと一緒に生活しながら交尾して、毎日卵を産み続けなければなりません。一匹の女王アリの産卵数は1日数百個といわれており、腹部が異様に肥大化しているため見た目からすぐに判別できます。
産まれた卵は約30~90日で孵化するため、1ヶ月程度で数百匹のシロアリが誕生することになります。女王アリが毎日産卵していることを考えると、その繁殖スピードの速さがよくわかります
シロアリの女王アリが産卵する卵の数
- 日本のシロアリ(ヤマトシロアリ)1日25個
- 熱帯のシロアリ1日5万個
女王アリの寿命は長い
女王アリの寿命は約10~20年です。シロアリは他の昆虫よりも寿命が長い傾向があり、働きアリや兵アリも2~5年近く生きるといわれています。シロアリが長生きできる理由は、不要な活性酸素を体内で無害化できる仕組みをもっているためです。
女王アリの生態がわかる動画
時間のある方は、以下の動画で女王アリの生態について確認できます。シロアリの女王アリは一日に3万個の卵を生み、そのまま1年放置すると1000万個の卵が孵化します。一生のうちに約1億6500万個という驚異的な数の卵を産みます。
女王アリを支えるシロアリ階級
シロアリ社会には明確な階級があり、その階級ごとに役割が違います。女王アリは、その頂点にたち、働きアリや兵アリに支えられています。
女王アリ・王アリ
女王アリと王アリを「生殖階級」といい、生殖によって幼虫を生み出す役割をもっています。1回の交尾では十分な数の産卵ができないため、女王アリは常に王アリと一緒に生活して毎日卵を産みます。
副女王アリ・副王アリ
副女王アリと副王アリを「副生殖階級」といい、女王アリと王アリが死んだときに跡を引き継ぎます。
羽アリ
ニンフが成長して羽アリになります。新しいコロニーを作るために巣立つ次世代の女王アリと王アリ候補です。羽があるため「羽アリ」と呼ばれていますが、飛んでいるのではなく風に流されて移動します。
羽アリの見分け方については下記の記事で詳しく紹介しています。
ニンフ(幼虫)
羽アリの前段階の幼虫です。羽が生えるまでは働きアリと共にエサを集めたり巣を拡張したりします。
働きアリ
働きアリは「職アリ階級」といわれ、女王アリの世話や巣の補修、他のシロアリのためにエサを集めるなどシロアリ社会の存続に関わる仕事全般を行います。
兵アリ
兵アリは巣を外敵から守る働きを担っています。戦闘のために東部の先が角(ツノ)のように尖っています。戦うことが任務のため自分でエサを捕れないアリです。暗闇で生活するシロアリは、羽アリ以外は視力を持ちません。仲間とのコミュニケーションは、さまざまなフェロモンを使って行っています。女王アリは他のシロアリの生殖を抑制し、新女王が誕生しないようにするフェロモンを分泌しています。
また、働きアリは仲間に自分の場所を教えるフェロモンを出しているなど、シロアリはフェロモンによって集団生活を可能にしています。
女王アリが死んだ後はどうなる?
生殖能力が衰えた女王アリは、同じ巣の副女王アリに産卵の役目を任せて最後を迎えます。卵を産むことが女王アリの生きる役割です。役割を終え寿命を迎えた女王アリは、生きたまま体を働きアリに食べられ栄養となります。
副女王アリはオスの精子と受精しない生殖方法で生まれたシロアリです。単為生殖で生まれるため、女王アリの遺伝子を受け継いでいるクローンのような個体と考えられています。
4~5月にかけて土の中にいるシロアリが羽アリとなって巣から飛び立ちます。この現象を「群飛(ぐんぴ)」といい、ニンフが羽アリに成長し飛び立った場所で雌雄ペアとなって新たな女王アリと王アリになります。
羽アリが数匹いるのを見つけたら、その辺りで新たなコロニーが形成されると考えましょう。女王アリが一匹死んでも巣を出た羽アリが新たな巣を作り始め繁殖を続けます。
女王アリの捕まえ方と駆除方法
シャベルで巣を丸ごと掘り出す
女王アリを捕まえる時は、シャベルで地中の巣を丸ごと掘り出しましょう。女王アリはシロアリの中でひと際大きいためすぐに判別できます。女王アリの腹部には、たくさんの卵が詰まっているため捕まえても不用意につぶさないように注意しましょう。
巣を探し出すためには建物の日陰や、湿りがちな北側がおすすめです。倒木や庭の枕木なども探してみて下さい。捕まえた女王アリは逃げ出さないようにしっかり処分しましょう。放置して自宅がシロアリの被害に遭わないように注意が必要です。
巣ごと徹底的に駆除する
女王アリを捕まえても副女王アリが跡を継ぎ産卵するため巣は滅びません。シロアリを徹底的に駆除するためには、巣を残さないことが大切です。しかし、女王アリは身を守るために地中深くの巣の中に籠っていることが多いため見つけるが難しいです。
シロアリを見つけるポイントは「羽アリが飛んでいるか、いないか」です。繁殖期に新しいコロニーを作るために飛びたった羽アリを発見できれば早く駆除できます。
まとめ
今回は女王アリの役割や特徴、シロアリ駆除の方法を紹介しました。女王アリはたくさんのシロアリに支えられて卵を産み続けます。女王アリを駆除するだけではシロアリの巣は滅びません。巣ごと徹底的に駆除しなければ、また新たな女王アリが誕生し繁殖してしまいます。
しかし、住宅の床下などシロアリ駆除を自分で行うことは大変難しいです。家の周りで羽アリを見つけたら、知識と経験豊富なプロにシロアリ駆除を依頼しましょう。
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