女郎蜘蛛は人に危害を加えることがないので、巣を取り払って追い出す程度で十分です。気になる方は家に入ってここないよう、巣を作らせないためのスプレーを散布しておきましょう。また、クモの餌となるゴキブリやハエなどの害虫を駆除しておけば、クモの侵入予防することができます。
見た目が派手でやサイズの大きい女郎蜘蛛(ジョロウグモ)は、夏から秋にかけて大きな網目の巣を作るクモです。今回は女郎蜘蛛(ジョロウグモ)の特徴や毒性の有無、人体に与える影響や駆除方法を紹介します。
女郎蜘蛛(ジョロウグモ)とは?
女郎蜘蛛とは、どんな特徴があるクモでしょうか?特徴や見分け方、生息地や活動時期などを解説します。
クモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属に属する虫

女郎蜘蛛はクモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属に属する虫で、8本の足があります。メスは黄色と緑青色のしま模様で知られる女郎蜘蛛。夏から秋にかけて活発に活動し、あらゆる場所に大きな網を張って巣を形成します。オスよりもメスのほうが体は大きく、そのためメスのほうが強いといわれています。
名前の由来
女郎蜘蛛という名前の由来ですが、遊郭の女郎からきているという説と、大奥の高級女官であった上臈(じょうろう)からきているという説があります。
女郎蜘蛛の生態と生息地

女郎蜘蛛の特徴
- 黒と黄色の縞模様で脚が長い
- オスよりメスの方が倍以上大きい
- 日本各地でよく見られる蜘蛛の一種
- 主な活動時期は秋頃
- 肉食で視力は弱い
黒と黄色の縞模様で脚が長い
メスの腹部の形は楕円形で脚が細長く、黄色と黒色の縞模様になっているのが特徴です。腹部は幅広い黄色と緑青色の横縞模様になっており、腹部下には赤い模様があるのも識別する時の大きなポイントになります。
メスの方が体が大きい
女郎蜘蛛はオスとメスの体の大きさが極端に違います。オスよりメスの方が倍以上大きいです。オスとメス一緒の蜘蛛の巣にいる姿は、まるで親子のように見えます。

- オスの体長6~13mm
- メスの体調17~30mm
日本各地に生息している
女郎蜘蛛は日本では北海道以外のほとんどの地域に生息しているため、誰もが一度は目にしたことがあるぐらい身近なクモです。夏から秋にかけて大きな網の巣を作ります。家の軒先や庭に貼られている蜘蛛の巣は、この女郎蜘蛛のものであることが多いです。コガネグモと混同されることが多いクモですが、はるかに大きくて複雑な網を張り、網の糸は黄色を帯びてよく目立つのが特徴です。蜘蛛の巣を見れば、すぐに女郎蜘蛛のクモの巣と識別できるはずです。
また、生息している地域によって種類も少し異なってきます。南西諸島に生息しているオオジョロウグモなどは体が大きく、人の手のひらのサイズほどもあります。見た目がでかい大きなクモなので恐怖を感じてしまいますが、体の大きさによって毒性が強くなるわけではないので、オオジョロウグモを見かけても、過度に恐れる必要はありません。
主な活動時期は秋頃
女郎蜘蛛の活動時期は9月から11月にかけてです。秋の紅葉の季節に山間部に行くと、大きな巣を貼っている女郎蜘蛛を見かける人が多いと思います。夏頃に見かけることもありますが、この時期は脱皮を繰り返す途中のため、秋に比べて大きさは少し小さめです。また、寒さが厳しくなってくる冬場には、産卵を終えた親グモは死んでしまいます。1年も経たないうちに生涯を終えるため、クモの中でも短命の部類に入ります。
肉食で視力は弱い
女郎蜘蛛は肉食で、自身の巣に引っかかったハエや蚊、蛾などの小さな虫を主食としています。女郎蜘蛛の視力は弱く、蜘蛛の巣の振動を頼りにエサを捕食するため、体の小さなオスがうっかりメスに近づこうものなら、エサと勘違いしてメスに食べられてしまいます。そのためオスはメスの様子をうかがい、メスが捕食中にこっそり背後から近づき交配します。まさに、子孫を残すために命がけと言えます。
オスとメスの大きさの違いがわかる動画
時間のある方は、以下の動画で実際に動く様子を確認できます。
女郎蜘蛛は微量の毒を持っている

女郎蜘蛛はエサとなる昆虫を捕食する時に、昆虫の動きを封じるため昆虫に毒を注入します。女郎蜘蛛にはわずかながら毒性がありますが、女郎蜘蛛の毒は小さな虫には有効ですが、私たち人間に影響を及ぼすほどのものではありません。女郎蜘蛛に噛まれたからといって心配することはありません。
女郎蜘蛛(ジョロウグモ)は駆除しない方がいい?

女郎蜘蛛は害虫を捕食してくれる益虫なので、むやみに駆除する必要はありません。昔から「朝の蜘蛛は仇でも逃がせ」ともいわれており、朝見つけた蜘蛛を殺してはいけない、罰が当たるとされています。
きっと昔の人も蜘蛛が役に立つ生き物だと、承知していたのではないでしょうか?とはいえ、家の周りが蜘蛛の巣だらけでは見栄えがよくありません。女郎蜘蛛を駆除するのではなく追い払いましょう。蜘蛛が嫌いな香りやホウキで退治する方法
については下記の記事で詳しく紹介しています。
しかし、女郎蜘蛛を含め蜘蛛は苦手という人も多いでしょう。少しでも蜘蛛の巣がはっているのは、嫌だと感じる人もいると思います。そのような場合は女郎蜘蛛を駆除しなくてはなりませんが、女郎蜘蛛を駆除すれば多少なりともハエや、蚊、ハチ、蛾などの害虫が増えることを覚悟しなければなりません。
女郎蜘蛛の駆除方法は、蜘蛛の巣を取り払う方法がオススメです。蜘蛛の巣を取り払う方法は、棒に蜘蛛の糸を巻きつければ完了します。しかし、蜘蛛の糸は粘着力があり、強度もあるため棒に巻きつけた蜘蛛の糸を棒から外すのは大変です。そのため落ちている木の枝や割り箸など、そのまま捨てられる棒状のものに糸を巻きつけて捨てるといいでしょう。
女郎蜘蛛が蜘蛛の巣を貼るのは理由があり、蜘蛛の巣をはる周辺には女郎蜘蛛のエサになる虫がたくさんいるということです。一度蜘蛛の巣を取っても再び蜘蛛の巣をはる可能性が高いです。
女郎蜘蛛を寄せつけたくないのであれば、蜘蛛の巣を取った後に蜘蛛の巣をはらせないスプレーをスプレーするといいでしょう。蜘蛛の巣だけでなく女郎蜘蛛自体を駆除するのであれば、殺虫スプレーを使用するのがお手軽な駆除方法です。
女郎蜘蛛が害虫を捕食することを考えれば、他の害虫対策も考えなくてはいけませんね。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は女郎蜘蛛(ジョロウグモ)の特徴や毒性の有無、人体に与える影響や駆除方法を紹介しました。益虫である女郎蜘蛛ですが「蜘蛛が苦手…」という人にとっては駆除したいところです。怖いと感じる場合は、知識と経験が豊富なプロに任せるのが得策といえるでしょう。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
女郎蜘蛛は人を刺したり噛んだりすることがありますか?
女郎蜘蛛は基本的に人を刺したり噛んだりすることはありません。性格はおとなしく、人間に対して攻撃性はほとんどありません。もし触ったり刺激した場合に噛まれることはありますが、毒性は弱く、健康な成人であれば特に問題はないケースが多いです。ただし、アレルギー体質の方や小さな子どもがいる場合は、念のため早めの駆除や環境整備がおすすめです。
家の中に女郎蜘蛛がいる場合はすぐに駆除すべきですか?
屋内で女郎蜘蛛を見つけた場合は早めの駆除をおすすめします。屋外に生息するのが一般的な女郎蜘蛛が室内に入ってくるのはまれですが、換気口や隙間から侵入することがあります。 巣を張られてしまうと取り除くのが面倒になるほか、小さな虫を呼び寄せる原因にもなるため、早めの対処が望ましいです。 特に小さなお子さんやペットがいる家庭では衛生面からも駆除が推奨されます。
女郎蜘蛛はどんな場所に巣を作りやすいですか?
女郎蜘蛛は風通しがよく、日当たりの良い場所に巣を作りやすい傾向があります。庭の植え込み、塀、ベランダ、窓枠、軒先などが主な巣作りのポイントです。人の出入りが少ない場所や、虫が集まりやすいエリアを好んで定着します。 巣を定期的に取り除くほか、網戸や窓の隙間をふさいで室内への侵入を防ぐことで、再発のリスクを下げることができます。
女郎蜘蛛が大量発生する原因にはどんなものがありますか?
エサとなる小さな虫が多い環境では女郎蜘蛛が増えやすくなります。女郎蜘蛛はコバエや小さな昆虫を主食としており、虫の多い庭や植栽、照明の周辺に集まりやすい性質があります。庭木の手入れ不足や、屋外照明の光に虫が集まりやすい状態が続くと、結果的に女郎蜘蛛が巣を張る場所も増えてしまいます。 発生源を断つためには、定期的な掃除や虫対策が効果的です。
女郎蜘蛛は自然にいなくなることがありますか?
季節が変わると自然にいなくなることはありますが、必ずしも放置が最適とは限りません。女郎蜘蛛の活動時期は夏から秋にかけてが中心で、冬になると自然に姿を消すことが多いです。ただし、繁殖期には卵を残して翌年も発生する可能性があり、完全に駆除せずに放置しておくと翌年も同じ場所に巣を作られることがあります。 継続的な予防には、早期の除去と住環境の見直しが有効です。
女郎蜘蛛の巣を見つけたらどう対応すればよいですか?
女郎蜘蛛の巣は早めに取り除くのが基本ですが、高所や大量発生している場合は業者への相談がおすすめです。1匹だけであれば自分で除去しても問題ありませんが、再び巣を張られることも多く、定期的な対処が必要です。 高所や手の届かない場所、卵がある場合などは、安全面からもプロの駆除業者に依頼した方が効率的で安心です。
女郎蜘蛛と他のクモの見分け方はありますか?
女郎蜘蛛は特徴的な黄色と黒の縞模様の胴体と、大きな網状の巣で見分けることができます。成体は脚が長く、背中に赤い模様があるのも特徴です。 一方で、屋内によく出るハエトリグモやアダンソンハエトリとは体の形や動き方も異なります。 ただし、見分けが難しい場合は無理に判断せず、業者の無料調査を活用すると確実です。
小さな子どもがいる家庭で女郎蜘蛛は危険ですか?
女郎蜘蛛は基本的におとなしく、危険性は低いものの、誤って触れてしまうリスクはあります。強い毒は持っていませんが、噛まれると赤く腫れることもあり、アレルギー体質の子どもには注意が必要です。 屋外で巣に引っかかったり、誤って手で触れると驚いて噛む可能性もあるため、子どもの安全を考えるなら、早めの巣の除去や発生予防が望ましい対応です。
女郎蜘蛛の活動が活発になる時期はいつ頃ですか?
女郎蜘蛛は6月〜10月頃にかけて活動が活発になります。特に気温が高く虫が多くなる夏場から初秋にかけて、巣を張る・エサを捕らえる動きが盛んになります。 10月以降は繁殖期を迎え、卵を産み残して死滅しますが、翌年春にまた孵化して再発生します。 巣が目立ち始める夏前から、早めの駆除・予防対策を始めるのが効果的です。
女郎蜘蛛が屋根裏や外壁に巣を作っている場合の対処法は?
高所や屋根裏など手の届かない場所に巣がある場合は、無理せず業者に駆除を依頼するのが安全です。脚立や道具を使って除去することも可能ですが、転落の危険や、卵を取り残すリスクもあるため注意が必要です。 専門業者であれば、安全な方法で巣を除去し、再発防止の処理(忌避剤の散布など)もあわせて行ってくれるため、確実な対応が期待できます。