湿気と有機物が原因。梅雨〜夏に活発化し、排水口や生ゴミ、観葉植物の土で繁殖します。発生源の清掃と換気で予防できます。
台所の羽虫を今すぐ減らす方法は?発生源を断つこと。生ゴミを密閉廃棄し、排水トラップのヌメリを除去。塩素系で殺卵→十分な水流し→乾燥+粘着トラップで抑制します。
観葉植物の土から出る小さな羽虫の止め方は?過湿を改める。表土1〜2cmを新しい用土に交換し、受け皿の水を捨てる。乾湿サイクルを徹底し、黄色粘着板で成虫を捕獲します。
気づいたら洗面所やリビングに小さな羽虫が飛び回り、不快に感じた経験はありませんか?放置すると数が増え、衛生面の不安も大きくなります。羽虫にはコバエやチョウバエなど種類があり、発生源ごとに駆除法が異なります。原因を見極めて正しく対策することが再発防止の近道です。
この記事では、家庭でできる駆除と予防の方法をわかりやすく紹介します。
今すぐできる羽虫の駆除・撃退法

台所や排水、土や屋外照明など、「どこで増えているか」に合わせて今すぐ取るべき手順と、逆効果になりやすい注意点をまとめました。最初に該当する場所を選び、手順通りに進めてください。
台所の羽虫を今日止める
台所の羽虫は、生ゴミと排水のヌメリを断つと一気に減ります。殺虫剤だけに頼らず、まずは臭いと水分の源をゼロにするのが近道です。
準備物
- ゴム手袋
- 使い捨て袋
- 排水口ブラシ
- 塩素系クリーナー
- 粘着トラップ
30秒手順
- 生ゴミを密閉して屋外へ出す。三角コーナーとネットも撤去。
- シンクの排水トラップを外し、ブラシでヌメリをこすり落とす。
- 塩素系クリーナーを規定量流し、10分放置後に充分な水で流す。
- 換気して乾燥を保つ。粘着トラップをシンク脇に設置する。
殺虫剤をスプレーできない場所や、薬剤を使いたくない場合などにおすすめの商品です。キッチンやゴミ箱付近に使用しましょう。
逆効果になりやすい対処
- 成虫だけ殺虫スプレーで追い回す(発生源が残り再発)
- 三角コーナーを洗わずにネット交換のみで継続使用
発生源チェック
- ディスポーザーや排水ホースの接合部にヌメリや隙間がないか
- 調味料の垂れやコンロ下の食べこぼしがないか
再発防止ルーティン
- 生ゴミは都度密閉し毎日撤去。週1で排水トラップ分解清掃
- 夜間はシンクを乾燥状態で終える。布巾は漂白後に完全乾燥
風呂・排水口の羽虫を根絶する
チョウバエ類は配管近くのヘドロで育ちます。表面の拭き掃除では残るため、分解清掃と乾燥で卵と幼虫まで断ちましょう。
準備物
- 排水ブラシ
- 使い捨てブラシ
- 中性洗剤
- 塩素系
- 粘着トラップ
30秒手順
- 排水口の蓋とヘアキャッチャーを外し、目視できるヘドロを除去。
- ブラシと中性洗剤でカップ内側と配管上部をこする。
- 塩素系を投入して殺卵まで行い、換気扇を回して乾燥。
- 排水カップに粘着トラップを吊るし、数日観察する。
排水口や排水管に発生するチョウバエにおすすめです。
逆効果になりやすい対処
- 表面だけ拭いて終了(幼虫や卵が残る)
- 熱湯直流しのみで済ませる(奥のヘドロが残存)
発生源チェック
- 浴槽エプロン内部の汚れ、排水トラップの乾きや欠損
再発防止ルーティン
- 週1で排水カップ分解清掃。入浴後は壁面や床の水切りをして乾燥。
洗面所の羽虫を最短で止める
歯磨き粉や皮脂の残りが栄養になります。夜間の臭い上がりは水封切れの合図なので、水位確認も同時に行いましょう。
準備物
- 小型ブラシ
- 塩素系
- キッチンペーパー
- 手袋
30秒手順
- 排水口のゴミ受けを外し、ブラシで汚れを落とす。
- 塩素系を薄めて投入し10分放置、十分に水を流す。
- トラップの水位を確認し、不足時は水を補充。
逆効果になりやすい対処
- アロマ等で臭いを上書きして放置(源が残る)
発生源チェック
- オーバーフロー穴、S字トラップの漏れや傾き
再発防止ルーティン
- 毎晩最後にオーバーフローへ水を流し、水封を維持
観葉植物の土から出る小さい羽虫を止める
過湿の鉢と腐植が温床です。まずは表土を新しくし、乾湿のリズムを作るだけで発生は大きく下がります。
準備物
- スプーン
- 新しい培養土または赤玉小粒
- 黄色粘着シート
- ジョウロ
30秒手順
- 受け皿の水を捨て、鉢周りの落ち葉を除去。
- 表土1~2センチをスプーンで掻き取り、新しい用土や赤玉小粒で置換する。
- 黄色粘着シートを鉢際に設置し成虫を捕獲する。
逆効果になりやすい対処
- 毎日の少量水やりで常時湿った状態を続ける
- 砂や腐葉土の厚盛りで通気を悪化させる
発生源チェック
- 未処理の腐葉土・カビの出たマルチング材・受け皿の常水
再発防止ルーティン
- 用土は乾いてから鉢底から流れる程度にたっぷり与える乾湿サイクル
- 室内は扇風機や換気で過湿を避ける
観葉植物に発生したコバエについては下記の記事で詳しく紹介しています。
ベランダ・玄関で群がる羽虫への即効対策
夕方の群飛は光と水に引き寄せられます。照明の色を変えるだけでも体感が変わるので、まずはここから着手しましょう。
準備物
- 屋外用粘着トラップ
- ブラシ
- ホース
- 照明用電球(電球色)
30秒手順
- 屋外照明を昼白色から電球色へ変更し、必要時のみ点灯する。
- 排水溝や植木鉢受け皿の水を抜き、ぬめりを除去する。
- ドア周りに屋外用粘着トラップを設置する。
光で羽虫を誘い、電撃で殺虫する電撃殺虫器もおすすめです。
逆効果になりやすい対処
- 夜間に白色高輝度の常時点灯。放置された水たまり
発生源チェック
- 雨樋や排水桝の詰まり、エアコン室外機ドレン周りの水だまり
再発防止ルーティン
- 週1で排水周りの清掃する
- 夜間は照明を必要最低限にする
窓・網戸からの侵入を封じる
隙間と粗い網目が主な入口です。位置合わせとパッキン調整だけでも侵入数は減るので、まずは固定と密閉から始めましょう。
準備物
- 隙間テープ
- 網戸パッキン
- 網押さえローラー
- 誘引トラップ
30秒手順
- 網戸を窓の外側に正しい位置で重ねる。サッシの隙間をパッキンで補う。
- 破れやたるみがある網は張替えを検討。
- 窓際に誘引トラップを暫定設置して流入数をモニタリング。
逆効果になりやすい対処
- 網戸を室内側にして半開で使う。網目の粗いまま継続使用
発生源チェック
- 網目の規格が粗い(20メッシュ未満)・サッシの歪み・戸車の摩耗
再発防止ルーティン
- 24〜30メッシュ相当へ更新。季節前に戸車とレール清掃を実施
羽虫とは?

羽虫とは文字通り羽(ハネ)があり、飛び回る虫のことを呼びます。
羽虫の主な種類と特徴
羽虫と一口に言っても、いろんな種類の羽虫がいます。家に侵入してくる代表的な羽虫はコバエ、ユスリカ、蚊、羽アリなどです。それぞれの特徴や生態は次の通りです。
①コバエ
コバエは小さなハエの総称です。
| コバエの種類 | 特徴 | 生態 |
|---|---|---|
| ショウジョウバエ | 体長2~3mm程度で、体は黄褐色で目が赤い | 腐った物を好み生ゴミやゴミ箱、三角コーナーなどに発生する |
| ノミバエ | 体長2~3mm程度で、体は褐色で動きが素早い | 腐った物を好み生ゴミやゴミ箱の他、浄化槽や腐った動植物などにも発生する |
| キノコバエ | 体長2~4mm程度で体は黒褐色 | 湿気を好み腐った植物や、観葉植物の腐葉土に発生する |
| チョウバエ | 体長はホシチョウバエ1~2mm程度、オオチョウバエ4~5mm程度でハートを逆さにしたような形のハネが特徴的 | 湿気を好み排水口や排水管、浄化槽などのヘドロやスカム(汚水の汚泥)に発生する |
②ユスリカ・蚊
ユスリカと蚊はよく似た形をしています。種類も多く体長は種類により1~10mm程度と様々です。ユスリカと蚊の大きな違いは蚊は吸血するのに対し、ユスリカは吸血しません。大量発生したユスリカの駆除や対策方法については下記の記事で詳しく紹介しています。
③羽アリ
羽アリはクロアリの羽アリとシロアリの羽アリに分かれます。羽アリの見分け方と対処方法については下記の記事で詳しく紹介しています。
羽虫がシロアリの羽アリだった場合には、家に大きな被害をもたらす可能性があります。シロアリは木材を食べます。羽虫がシロアリの羽アリだった場合は、すぐに専門業者に依頼して駆除してもらいましょう。
| 羽アリの種類 | 特徴 | 生態 |
|---|---|---|
| クロアリ | ハネ:後ろのハネに比べ前のハネが大きい 触覚:くの字に曲がっている 胴体:くびれがある |
土の中に巣を作り、集団で生活する |
| シロアリ | ハネ:前後のハネの大きさが均等 触覚:まっすぐで数珠状 胴体:くびれがなく寸胴 |
木材の中または土の中に巣を作り、集団で生活する |
羽虫の見分け方
羽の形と大きさ
- シロアリは4枚の羽がすべて同じ長さ
- クロアリは前羽が後羽より大きい
体の形
- シロアリはくびれのない寸胴型
- クロアリは胴体が「くびれて」いる
色・飛び方・発生場所
- コバエやチョウバエは小さく、1匹ずつ飛ぶ
- 羽アリは一斉に大量発生しやすい
羽虫は見た目が似ていても、発生源や駆除方法は大きく異なります。まずは「どの種類か」をしっかり見分けて、適切な対策を取ることが再発防止のポイントです。
羽虫が家に大量発生する原因

羽虫の大量発生は、気候や生活環境、ちょっとした油断が重なることで起こります。原因を知ることで、的確な駆除と再発防止が実現できます。
季節や気候による発生リスク
梅雨から夏の高温多湿の時期は羽虫の活動が活発になり、気づかぬうちに家の中へ入り込みます。雨上がりや夕方は、外からの侵入や一斉発生が起こりやすいタイミングです。
- 高温多湿の時期は要注意
- 雨上がりや夕方に大量発生しやすい
家の中・ベランダで発生しやすい場所
羽虫は「湿気」「有機物」「隠れ場所」がそろう場所に集まりやすいです。以下の箇所は特に注意しましょう。
- 台所の生ゴミ、シンクや排水口
- 浴室・洗面所・観葉植物周り
- ベランダや屋外の水たまり、排水溝
見落としがちな隠れた発生源
- 使っていない水槽や花瓶に残った水
- ペットの餌皿やケージ周り
- 古い木材、ダンボール、家具の隙間
- エアコンや換気扇のフィルターに溜まったホコリ・カビ
羽虫を発生させない予防・再発防止策

羽虫対策として重要なことは2つ、羽虫を発生させないことと、羽虫を家の中に侵入させないことです。
羽虫を発生させない対策
①食べ残しや飲み残しを放置しない
食べ残しや飲み残しはコバエを誘います。すぐに片づけ、容器はすすいでおきましょう。
②生ゴミの処理
三角コーナーの生ゴミはその都度片づけましょう。生ゴミはビニール袋に入れ、ビニール袋の口をしっかりしばり、必ずフタつきのゴミ箱に入れましょう。
ゴミ箱のフタにコバエコナーズゴミ箱用を貼っておくと安心です。
③排水口を掃除する
チョウバエは排水口や排水管、浄化槽などのヘドロやスカム(汚水の汚泥)に発生します。排水口のヌメリを取り除くのはもちろん、排水管や浄化槽で発生した羽虫が排水管を通って家の中に侵入する可能性があるため、排水管も掃除しましょう。
排水口及び排水管の掃除には、排水口 コバエ退治 ヌメリとりプラスがおすすめです。
④花や観葉植物を管理する
受け皿の水は捨て、傷んだ花や観葉植物を放置しないことが重要です。花や観葉植物はしっかり管理しましょう。
花や観葉植物の鉢に羽虫が発生してしまった場合は、天然成分の殺虫剤(イカリ消毒 コバエ駆除 コバエ用スプレー)で羽虫を駆除しましょう。
⑤雑草や材木、溜まった水を放置しない
雑草や溜まった水があると、ユスリカや蚊が発生しやすいです。家のまわりの雑草はこまめ草取りし、プランターや容器などに溜まった水は捨て、使わない物は片づけましょう。
腐った材木はシロアリの大好物です。家のまわりに放置しないようにしましょう。また、床下の通気口をふさいでしまうと床下の換気ができず、シロアリが好む環境をつくってしまいます。床下の通気口をふさぐ物は片づけましょう。
羽虫を侵入させない対策
①網戸を確認する
網戸が破れていたり、隙間があると羽虫が家の中に侵入してきます。網戸を張り替えたり、隙間テープで隙間をなくしましょう。網戸を張り替える時は、より細かい目の網戸を選ぶといいでしょう。自分で網戸張り替えする方法については下記の記事で詳しく紹介しています。
②光を外に漏らさない
羽虫をはじめ多くの虫は光に集まります。光を外に漏らさないようにするには、遮光カーテンがおすすめです。
③虫よけプレートを使用する
羽虫は家の開口部から侵入してくることが多いです。家の開口部である窓や玄関には虫よけプレートを使用しましょう。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は、羽虫が家に大量発生する原因や駆除・予防方法、効果的なおすすめグッズを紹介しました。羽虫が家に大量発生する主な原因は、生ゴミや排水口、観葉植物の土など、湿気や腐敗したものにあります。種類ごとに発生源や対策が異なるため、まずは見分け方を押さえ、発生源をしっかり取り除くことが大切です。
市販の殺虫剤や捕虫グッズも効果的ですが、定期的な掃除や換気など、日頃の予防策も欠かせません。それでも繰り返し発生する場合や自分で駆除できないと感じたら、害虫駆除のプロに依頼することで、根本的な解決と安心を得られます。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
家の中で羽虫が増えやすくなる条件は何ですか?
湿気と有機物がそろう環境で一気に増えます。梅雨〜夏は活動効率が上がり、排水口のヌメリや生ゴミ、観葉植物の受け皿が温床です。まず清掃と換気で発生源を断ち、日常の再発防止ルーティンを習慣化しましょう。
台所の羽虫を短期間で根本から減らす最善手順は何ですか?
発生源除去→殺卵→乾燥の順です。生ゴミを密閉廃棄し、排水トラップと周辺を清掃、塩素系で卵・幼虫まで処理します。最後に十分な換気と乾燥、粘着トラップで残存成虫を捕獲。衛生と省エネの両面で効果が続きます。
風呂や洗面所で見かける小さな羽虫を防ぐ基本は何ですか?
配管ヘドロの徹底除去と乾燥です。チョウバエは排水口・配管上部の汚れで繁殖するため、分解清掃と殺卵処理が必須。入浴後の水切りと換気扇で湿気を下げれば再発防止に有効で、清掃頻度を上げるほど効果が安定します。
観葉植物の土から出る羽虫を増やさない水やり管理は?
過湿を避ける乾湿サイクルです。表土1〜2cmを入れ替え、鉢皿の水を捨て、土が乾いてからたっぷり与える方法に切り替えます。黄色粘着板で成虫を抑えつつ管理すると、衛生面と植物の生育効率の両方で安定します。
ベランダや窓周りに夕方集まる羽虫への即効対策はありますか?
光と水をコントロールします。屋外照明を電球色に替え、必要時のみ点灯。排水溝や受け皿の水を除去し、屋外用粘着トラップで入口を封じます。遮光や点灯時間の見直しは冷暖房効率や省エネにも好影響です。
網戸やサッシからの侵入を減らす具体策は何ですか?
隙間対策と網目の適正化です。網戸位置の調整、パッキンや隙間テープで密閉し、破れは張替え。20メッシュ未満は見直し、24〜30メッシュ相当へ更新すると侵入が減少。定期清掃は衛生維持と再発防止に直結します。
黒い小さな羽虫と白っぽい羽虫では対処が変わりますか?
種類で対処が変わります。黒い小型はコバエ類が多く、生ゴミや排水の清掃が基本。白っぽい群飛はユスリカやシロアリ羽アリの可能性があり、発生源(湿地・建材)の確認が必要。シロアリ疑いは専門業者へ早期相談を。
再発させない日常ルーティンは何を押さえれば良いですか?
湿気・有機物・隙間の三点管理です。生ゴミは毎日密閉廃棄、排水カップとトラップの週次清掃、布巾の漂白乾燥。網戸や戸車の点検、ベランダ排水の清掃を加えると、衛生を保ちながら省エネ・快適性も維持できます。
子どもや高齢者がいる家庭で注意すべき衛生リスクは?
食品や水回りの二次汚染です。コバエやチョウバエは排水口など不衛生箇所で増え、雑菌や悪臭を拡散させます。調理周りの清掃と換気、排水の殺卵処理、トラップ併用を徹底すれば、日常の衛生レベルを安定して保てます。
自力対処で限界を感じたら、どの段階で業者に依頼すべきですか?
発生源が不明、短期で再発、シロアリ疑いのいずれかで相談を。配管奥や換気経路など目視困難な箇所は専門調査と薬剤処理が効率的です。料金や口コミを確認し、清掃と防除を一体で行う業者なら再発防止まで期待できます。

