毛虫駆除方法から予防法のまとめ!毛虫に刺された時の対処法も合わせて解説
毛虫は駆除しないと刺されてしまったり被害を受ける場合があります。チャドクガなどの毛虫は有害な毒針毛を持っているので、早めに駆除する必要があります。今回は毛虫の種類や駆除する方法、予防する方法や刺された時の対処法を紹介します。
代表的な7種類の毛虫の特徴
毛虫は大きく分けて毒の有無で種類が2つに分かれます。毒を持っている毛虫も、持っていない毛虫も蝶や蛾(が)の幼虫です。
毛虫は全身に毛やトゲなどが生えています。特に明確な定義はありませんが、毛やトゲがないものは「イモムシ」と言います。イモムシの中でも体が緑のものは「青虫」と呼ばれています。毛虫は4月~11月に大量に発生しますが、毛虫の種類によっては毒針が残っている場合もあります。素手で触らないように注意しましょう。
毒がない毛虫「マイマイガ」の特徴
ドクガ(毒を持っている毛虫)に、間違わられることが多いのがマイマイガですが毒針を持っていません。マイマイガの体長は50~60mm程度の大きさで、頭の部分に目のような模様があり、身体にはカラフルな2列の点々の模様があります。ドクガの毛は剛毛で触ると、毛が刺さり痛みを感じることもあります。
マイマイガは産卵すると卵にお腹の鱗毛(りんもう)を付けます。鱗毛に触るとかぶれることもあるので注意しましょう。マイマイガが発生する時期は、春先に卵から孵化し毛虫になります。7月~8月頃に成虫になり産卵します。産卵後1週間程で死んでしまいます。
毒がない毛虫「オビカレハ」の特徴
オビカレハは水色の胴体にオレンジと白のラインが入っています。オビカレハの体長は60mm前後で毒はありません。孵化すると糸でテントを作り集団生活して、大きくなると個別で移動します。
オビカレハが発生する時期は、幼虫は3~4月に孵化しテントを作ります。5~6月にはマユを作り2週間くらいで羽化します。その後産卵します。
毒がない毛虫「アメリカシロヒトリ」の特徴
アメリカシロヒトリは北海道を除く日本各地で生息しています。戦後日本に渡米してきた無毒の毛虫です。アメリカシロヒトリが幼い時は、糸で覆った巣(巣網)を作って集団で生活するため一度に数百匹の幼虫がいることがあります。
アメリカシロヒトリに幼虫が発生する時期は5~7月と8~9月の2回あります。
毒がない毛虫の「クスサン」の特徴
クスサンは、成虫(蛾)になると10cm以上羽を広げるくらい大きくなります。幼虫は4~7月頃に出てきて、体長80mmにも及ぶ青白色の長い毛で覆われた大型の毛虫です。栗の木が好きでクリケムシとも呼ばれています。
クスサンが発生する時期は4月頃に孵化して、8月~10月頃にかけて羽化します。
毒を持っている毛虫「チャドクガ」の特徴
チャドクガは日本を代表する毒毛虫で、北海道を除く日本各地で生息しています。チャドクガは漢字で表記すると「茶毒蛾」と書きます。漢字の通りお茶の木や、サザンカ等の木に発生するのでチャドクガと呼ばれています。チャドクガについては下記の記事で詳しく紹介しています。
チャドクガが発生する時期は4月~5月と8月~9月の年2回卵が孵化します。幼虫は集団で行動し葉裏にいます。チャドクガの毒は幼虫や成虫全てに毒がある危険な毛虫です。身体を揺らし毒針毛を抜き、風に乗せて適を攻撃します。
毒を持っている毛虫「ドクガ」の特徴
目にする機会が多い毛といえばドクガです。ドクガのメスは1.5cm前後で、オス2cm前後です。35~40mmくらいのサイズで幼齢のころは頭が黒、胴体がオレンジ色です。成長すると黒くなっていきます。毒があるのが目立った長い毛ではなく、内側の毒針毛に毒があります。毒針の数は約600万本で抜けやすくなっています。
ドクガが発生する時期は6月~8月に発生します。ドクガの毒は卵、幼虫、成虫全てに毒があるので危険な毛虫です。卵に毒針はありませんが、産卵時の毒針毛がくっつくため素手で触るのは危険です。
毒を持っている毛虫「キドクガ」の特徴
日本全国で生息しているキドクガの幼虫は、30mmほどの大きさです。キドクガは鮮やかな黄色の2本線が特徴です。キドクガも毒針を持っているので注意が必要です。
キドクガの発生時期6月~7月と、9~4月の年2回卵が孵化します。キドクガの毒毒針毛を主に背中に束になって持っています。毒針毛の長さは0.1~0.2mm程で非常に抜けやすくなっています。
自分で毛虫駆除する2つの方法
殺虫スプレー
毛虫を殺虫スプレーを使って駆除しても効果があります。殺虫スプレーを使用する時はマスク、ゴーグル、手袋が必須です。殺虫スプレーは人体にも影響を及ぼすほど強力なもので、散布しすぎると植物にも影響がでるので注意しましょう。殺虫スプレーを使用すると毛が飛ぶことがあるため、気を付けながらスプレーを散布しましょう。
また、毛虫の死骸を残しておくと毒針がそのまま残ることになります。きちんと袋に入れて破棄するか、火で燃やして破棄するようにしましょう。
準備物
- 毛虫用殺虫スプレー
- マスク
- ゴーグル
- 手袋
- 剪定バサミ
- ビニール袋
- 割りばしまたはピンセット
殺虫スプレーで毛虫駆除する手順
- 毒毛虫の場合は針毛固着剤を散布する。
- 殺虫スプレーを散布する。
- 毛虫がいた枝や葉を切り落とす。
- 地面に落ちた死骸を割りばしやピンセットで拾って、ビニール袋に入れて処理する。
熱湯をかける
毛虫は熱に弱く、50度以上の熱湯に入れることで駆除できます。その場合は毛虫に直接熱湯をかけたり、熱湯を入れたバケツに毛虫を入れる必要があります。そのため、生きている毛虫に近づかなければならないのでオススメできません。
洗剤を使った駆除方法もありますが、やり方は熱湯と同じため毛虫に近づかなければ駆除できません。
また、大切に育てた野菜や植物に熱湯をかけて傷んでしまいます。木や壁に少しだけついているような場合は熱湯をかけて駆除するのがオススメでいいでしょう。
自分で毛虫を予防する4つの方法
毛虫が発生すれば駆除するしかありませんが、毛虫が発生する前なら予防できます。
予防薬剤や木酢液を散布する
毎年、毛虫が発生する家もあると思います。そんな時は薬剤すれば散布予防できます。3月や4月などの幼虫が発生する前に、毛虫がよく発生する樹全体に散布しましょう。2週間ほど間隔をあけて2回ほど散布すると安心です。
庭木の消毒については下記の記事で詳しく紹介しています。
卵やマユのうちに駆除する
冬の落葉期に卵やマユなどを探して葉ごと除去しましょう。卵にも毒針がついているので注意しましょう。
定期的に剪定する
庭木剪定することで葉や枝が少なくなり、毛虫が隠れる場所が少なくなり早期発見に繋がります。毛虫の天敵である鳥に見つかりやすくなるため、鳥が毛虫を駆除してくれる可能性もあります。
また、剪定して日当たりや風通しがよくなると、毛虫は日当たりや風通しが悪いところを好むため毛虫が好む環境を作らずにすみます。
葉の裏側を定期的に確認する
毛虫が発生する4月~11月は定期的に庭木を確認しましょう。特に葉の裏側も見逃さないように確認しましょう。少なくとも1週間に1回程度は庭木全体を確認するのがおすすめです。確認する時は葉や枝に食われた跡があるか、糞が落ちているかどうかなどを意識しましょう。
毛虫に刺された時の対処法は?
いくら毛虫を駆除したり、予防しても完全に防ぐことはできません。毛虫に刺されてしまった時の対処方法を覚えておくと、刺された部分が悪化せずにすみます。
準備物
- テープ
毛虫に刺された時の対処法
- 毛虫に刺された部分は、絶対に掻かないようにする。掻いてしまうと毒針が皮膚の奥に入り、発疹を広げてしまう場合があります。
- 毛虫に刺されたら粘着力のあるテープで患部を優しくおさえて剥がす。これを繰り返し、毒針をある程度取り除く。
- 強めの流水でしっかり洗い流し、痒みを抑えるため薬を塗る。
痛みやかゆみが引かない、激痛になってしまったという場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。すぐに対処することによって炎症や発疹などを抑えられます。そのまま放置しておくというのが、一番危ないことなので絶対にやめましょう。
毛虫の種類によっては毒を熱で無毒化できる種類もいます。その場合は50℃のお湯で熱したスプーンを刺された部分にあてたり、タオルで当てたりしましょう。
もし、毒針が服についてしまった場合は蒸しタオルで拭いたり、熱いお湯で洗うといいでしょう。子どもであれば掻いてしまうということもあるので、かゆみ止めの薬を塗った後は少し乾かしてから包帯などを巻いてあげるといいでしょう。
まとめ
今回は毛虫の種類や駆除する方法、予防する方法や刺された時の対処法を紹介しました。毛虫の駆除は薬剤をまいたりできますが、駆除している時に自分が刺されてしまえば全く駆除の意味がありません。毛虫を予防する時も卵や、マユにも毒針がついているので刺されて炎症や発疹を起こしてしまうということもあります。
そこで自分で駆除や予防するのではなく業者に依頼するといいでしょう。業者なら毛虫に刺されないように対策して駆除して、予防も隅々までしてくれます。
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