市販の殺虫剤や防虫スプレーを使えば、自分で毛虫を駆除することも可能です。ただし、種類によっては毒針毛による皮膚炎やかゆみなど健康被害のリスクがあるため、肌を露出せず、風上から慎重に作業する必要があります。高所や大量発生の場合は、無理せず専門業者に依頼するのが安全です。特にチャドクガのような毒性の強い毛虫は要注意です。
チャドクガの毛虫はどうやって駆除するのが安全ですか?チャドクガは非常に細かい毒針毛を持ち、わずかな接触でも皮膚炎を引き起こします。自力での駆除はリスクが高く、基本的には専門業者への依頼が推奨されます。どうしても自分で行う場合は、厚手の衣類・ゴーグル・マスクを着用し、薬剤を使って風上から散布後、袋に入れて処分してください。掃除機の使用は針毛の拡散につながるため避けましょう。
毛虫を見つけたらすぐに駆除したほうがいいのはなぜですか?毛虫は短期間で大量発生するため、早期発見・即時対応が非常に重要です。放置すると産卵が進み、次の世代が一斉に孵化して被害が拡大するおそれがあります。また、毒性を持つ種類の場合、周囲の人やペットへの被害も広がる可能性があるため、見つけ次第すぐに対応するのが基本です。
春から秋にかけて、庭木やベランダで頻繁に見かける毛虫。中でもチャドクガなどの有毒毛虫は、見た目以上に危険で、触れずとも皮膚にかゆみや炎症を引き起こすことがあります。
そこで今回は、毛虫の駆除方法や、万が一刺された場合の応急処置、毎年繰り返さないための予防策まで紹介します。初めてでも実践しやすいよう、必要な道具や手順も詳しく紹介しているので、毛虫対策に不安がある方はぜひ参考にしてください。
毛虫の種類と危険性を見極めよう

毛虫は大きく分けて毒の有無で種類が2つに分かれます。毒を持っている毛虫も、持っていない毛虫も蝶や蛾(が)の幼虫です。
チャドクガやドクガ、イラガなどの有毒毛虫は「毒針毛」を持ち、風で飛散するため、接触しなくても皮膚炎を引き起こすことがあります。以下の特徴を参考に、発見時には冷静に対応しましょう。
危険な毛虫の共通サイン
- 葉の裏に集団で密集している
- 派手な配色や警戒色(黒×黄など)
- 接近するだけでかゆみや違和感が出る
こうしたサインを早期に把握することで、被害を未然に防げます。
①毒がない毛虫「マイマイガ」の特徴

ドクガ(毒を持っている毛虫)に、間違わられることが多いのがマイマイガですが毒針を持っていません。マイマイガの体長は50~60mm程度の大きさで、頭の部分に目のような模様があり、身体にはカラフルな2列の点々の模様があります。ドクガの毛は剛毛で触ると、毛が刺さり痛みを感じることもあります。
マイマイガは産卵すると卵にお腹の鱗毛(りんもう)を付けます。鱗毛に触るとかぶれることもあるので注意しましょう。マイマイガが発生する時期は、春先に卵から孵化し毛虫になります。7月~8月頃に成虫になり産卵します。産卵後1週間程で死んでしまいます。
②毒がない毛虫「オビカレハ」の特徴

オビカレハは水色の胴体にオレンジと白のラインが入っています。オビカレハの体長は60mm前後で毒はありません。孵化すると糸でテントを作り集団生活して、大きくなると個別で移動します。
オビカレハが発生する時期は、幼虫は3~4月に孵化しテントを作ります。5~6月にはマユを作り2週間くらいで羽化します。その後産卵します。
③毒がない毛虫「アメリカシロヒトリ」の特徴

アメリカシロヒトリは北海道を除く日本各地で生息しています。戦後日本に渡米してきた無毒の毛虫です。アメリカシロヒトリが幼い時は、糸で覆った巣(巣網)を作って集団で生活するため一度に数百匹の幼虫がいることがあります。
アメリカシロヒトリに幼虫が発生する時期は5~7月と8~9月の2回あります。
④毒がない毛虫の「クスサン」の特徴

クスサンは、成虫(蛾)になると10cm以上羽を広げるくらい大きくなります。幼虫は4~7月頃に出てきて、体長80mmにも及ぶ青白色の長い毛で覆われた大型の毛虫です。栗の木が好きでクリケムシとも呼ばれています。
クスサンが発生する時期は4月頃に孵化して、8月~10月頃にかけて羽化します。
⑤毒を持っている毛虫「チャドクガ」の特徴

チャドクガは日本を代表する毒毛虫で、北海道を除く日本各地で生息しています。チャドクガは漢字で表記すると「茶毒蛾」と書きます。漢字の通りお茶の木や、サザンカ等の木に発生するのでチャドクガと呼ばれています。チャドクガについては下記の記事で詳しく紹介しています。
チャドクガが発生する時期は4月~5月と8月~9月の年2回卵が孵化します。幼虫は集団で行動し葉裏にいます。チャドクガの毒は幼虫や成虫全てに毒がある危険な毛虫です。身体を揺らし毒針毛を抜き、風に乗せて適を攻撃します。
⑥毒を持っている毛虫「ドクガ」の特徴
目にする機会が多い毛といえばドクガです。ドクガのメスは1.5cm前後で、オス2cm前後です。35~40mmくらいのサイズで幼齢のころは頭が黒、胴体がオレンジ色です。成長すると黒くなっていきます。毒があるのが目立った長い毛ではなく、内側の毒針毛に毒があります。毒針の数は約600万本で抜けやすくなっています。
ドクガが発生する時期は6月~8月に発生します。ドクガの毒は卵、幼虫、成虫全てに毒があるので危険な毛虫です。卵に毒針はありませんが、産卵時の毒針毛がくっつくため素手で触るのは危険です。
⑦毒を持っている毛虫「キドクガ」の特徴
日本全国で生息しているキドクガの幼虫は、30mmほどの大きさです。キドクガは鮮やかな黄色の2本線が特徴です。キドクガも毒針を持っているので注意が必要です。
キドクガの発生時期6月~7月と、9~4月の年2回卵が孵化します。キドクガの毒毒針毛を主に背中に束になって持っています。毒針毛の長さは0.1~0.2mm程で非常に抜けやすくなっています。
毛虫を安全に駆除する方法

殺虫剤を使用する前に、装備や手順を確認しておくことで、二次被害を防げます。
殺虫スプレーを使って駆除する方法
毛虫を殺虫スプレーを使って駆除しても効果があります。殺虫スプレーを使用する時はマスク、ゴーグル、手袋が必須です。殺虫スプレーは人体にも影響を及ぼすほど強力なもので、散布しすぎると植物にも影響がでるので注意しましょう。殺虫スプレーを使用すると毛が飛ぶことがあるため、気を付けながらスプレーを散布しましょう。
また、毛虫の死骸を残しておくと毒針がそのまま残ることになります。きちんと袋に入れて破棄するか、火で燃やして破棄するようにしましょう。
準備物
- 毛虫用殺虫スプレー
- マスク
- ゴーグル
- 手袋
- 剪定バサミ
- ビニール袋
- 割りばしまたはピンセット
殺虫スプレーで毛虫駆除する手順
- 毒毛虫の場合は針毛固着剤を散布する。
- 殺虫スプレーを散布する。
- 毛虫がいた枝や葉を切り落とす。
- 地面に落ちた死骸を割りばしやピンセットで拾って、ビニール袋に入れて処理する。
熱湯をかけて駆除する方法
毛虫は熱に弱く、50度以上の熱湯に入れることで駆除できます。その場合は毛虫に直接熱湯をかけたり、熱湯を入れたバケツに毛虫を入れる必要があります。そのため、生きている毛虫に近づかなければならないのでオススメできません。
洗剤を使った駆除方法もありますが、やり方は熱湯と同じため毛虫に近づかなければ駆除できません。
また、大切に育てた野菜や植物に熱湯をかけて傷んでしまいます。木や壁に少しだけついているような場合は、熱湯をかけて駆除するのがオススメでいいでしょう。
毛虫に刺された時の応急処置

いくら毛虫を駆除したり、予防しても完全に防ぐことはできません。毛虫に刺されてしまった時の対処方法を覚えておくと、刺された部分が悪化せずにすみます。
準備物
- テープ
毛虫に刺された部分は、絶対に掻かないようにする。掻いてしまうと毒針が皮膚の奥に入り、発疹を広げてしまう場合があります。
毛虫に刺された時の対処法
- 毛虫に刺されたら粘着力のあるテープで患部を優しくおさえて剥がす。これを繰り返し、毒針をある程度取り除く。
- 石けんと強めの流水でしっかり洗浄する。
- 痒みや痛みを抑えるため薬を塗る。ステロイド系外用薬(市販薬も可)抗ヒスタミン薬の服用(かゆみと炎症の抑制)
痛みやかゆみが引かない、激痛になってしまったという場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。すぐに対処することによって炎症や発疹などを抑えられます。そのまま放置しておくというのが、一番危ないことなので絶対にやめましょう。
毛虫の種類によっては毒を熱で無毒化できる種類もいます。その場合は50℃のお湯で熱したスプーンを刺された部分にあてたり、タオルで当てたりしましょう。
もし、毒針が服についてしまった場合は蒸しタオルで拭いたり、熱いお湯で洗うといいでしょう。子どもであれば掻いてしまうということもあるので、かゆみ止めの薬を塗った後は少し乾かしてから包帯などを巻いてあげるといいでしょう。
【参考】
アトピー性皮膚炎 日本皮膚科学会
毛虫の再発を防ぐ予防策

一度駆除しても、翌年また発生するケースは少なくありません。年間を通じた予防管理が重要です。毛虫が発生すれば駆除するしかありませんが、毛虫が発生する前なら予防できます。
年2回の剪定
庭木剪定することで葉や枝が少なくなり、毛虫が隠れる場所が少なくなり早期発見に繋がります。毛虫の天敵である鳥に見つかりやすくなるため、鳥が毛虫を駆除してくれる可能性もあります。
また、剪定して日当たりや風通しがよくなると、毛虫は日当たりや風通しが悪いところを好むため毛虫が好む環境を作らずにすみます。
予防薬剤や木酢液を散布する
毎年、毛虫が発生する家もあると思います。そんな時は薬剤すれば散布予防できます。3月や4月などの幼虫が発生する前に、毛虫がよく発生する樹全体に散布しましょう。2週間ほど間隔をあけて2回ほど散布すると安心です。
庭木の消毒については下記の記事で詳しく紹介しています。
定期的に葉の裏側を確認し卵やマユ早期発見
毛虫が発生する4月~11月は定期的に庭木を確認しましょう。葉の裏側も見逃さないように確認しましょう。少なくとも1週間に1回程度は庭木全体を確認するのがおすすめです。確認する時は葉や枝に食われた跡があるか、糞が落ちているかどうかなどを意識しましょう。
冬の落葉期に卵やマユなどを探して葉ごと除去しましょう。卵にも毒針がついているので注意しましょう。
自分で毛虫を駆除できないときは?

毛虫の発生がひどい場合、無理に自力で駆除しようとすると、毒針毛による健康被害や安全リスクが高まります。チャドクガなどの毒性の強い種類は、皮膚炎やかゆみを引き起こすことがあり、専門業者への依頼が安全かつ確実です。
業者に依頼すべき場合
- 2階以上の高さや屋根付近に毛虫が発生している
- 駆除してもすぐに再発を繰り返してしまう
- 隣家や通行人に被害が及び、トラブルになる可能性がある
毛虫駆除業者を見極めるポイント
- チャドクガなどの毒虫にも対応した実績があるか
- 作業範囲・料金・アフターケアについて明記されているか
- 口コミや業者比較サイトで評価が高いか
庭木1本あたりの駆除料金は、おおよそ3,000〜15,000円程度が目安です。自治体によっては駆除費用に対する助成制度を設けている場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
【参考】
訪問販売業者5社に対する行政処分について 消費者庁
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は毛虫の駆除方法や、万が一刺された場合の応急処置、毎年繰り返さないための予防策まで紹介しました。毛虫は見つけた時にすぐ対応することが被害を最小限に抑えるポイントです。チャドクガなどの有毒毛虫は、触れずとも症状を引き起こすため、駆除には十分な注意と正しい知識が必要です。
ご家庭でも対応は可能ですが、高所作業や大量発生時には無理をせず、専門の駆除業者へ相談することをおすすめします。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
毒のある毛虫の見分け方と接触時の注意点は?
毒を持つ毛虫には、体毛が密集している・色が鮮やか・動きが遅いなどの共通点があります。とくにチャドクガ、ドクガ、イラガは代表的な毒毛虫です。見分けがつかない場合は、むやみに触れず写真を撮って調べるか、専門業者に相談するのが賢明です。もし触れてしまった場合は、こすらず粘着テープで針毛を除去し、流水で洗い流すのが基本の対処法です。
毛虫に刺されたときの応急処置はどうすればよいですか?
毛虫に刺された直後は、まずこすらずにテープで毒針毛を取り除き、石けんと水で優しく洗い流すのが第一ステップです。その後、抗ヒスタミン剤入りの市販薬(かゆみ止め)を塗布すると症状がやわらぎます。症状がひどい・腫れが広がる・呼吸が苦しいなどの場合は、すぐに皮膚科や救急に相談してください。特に小児や高齢者は早めの対応が重要です。
自宅の木に毎年毛虫が発生するのはなぜですか?
毛虫が毎年発生する主な原因は、前年に残った卵や繭が越冬して再び孵化するためです。特にチャドクガやイラガなどは、葉裏や樹皮に卵を産みつけるため、剪定や駆除が不十分だと再発を繰り返します。また、風通しが悪く密集した枝葉も発生しやすい環境になります。
毛虫の発生を防ぐにはどんな予防策が効果的ですか?
毛虫の発生を防ぐには、定期的な剪定と自然由来の忌避剤の散布が効果的です。5月と9月頃に枝葉を剪定することで、産卵や越冬のリスクを減らせます。木酢液やニームオイルなどのスプレーは、毛虫が寄りつきにくい環境をつくります。あわせて葉の裏に卵がついていないか定期的にチェックすることも、再発を防ぐ重要な習慣です。
毛虫が発生しやすい時期や季節はいつですか?
毛虫の多くは5〜6月と9〜10月に発生のピークを迎えます。特にチャドクガは年2回発生することがあり、春と秋の発生タイミングに注意が必要です。暖かくなり始める春先から産卵や孵化が始まり、気温が20〜25度に達する時期に活動が活発化します。予防や駆除を計画するなら、この前後のタイミングが最適です。
市販の殺虫剤で毛虫を駆除する際に注意すべき点はありますか?
市販の殺虫剤で毛虫を駆除する際は、風向きや周囲への飛散に十分注意することが大切です。特に毒針毛を持つチャドクガなどは、散布中に皮膚や呼吸器へ影響を及ぼす可能性があります。作業時は長袖・手袋・マスク・ゴーグルの着用が推奨されます。使用前には対象害虫・使用可能な植物を確認し、用量を守ることが安全な駆除の基本です。
ベランダや玄関まわりに毛虫が出たときの正しい対応は?
ベランダや玄関まわりで毛虫を見つけたら、慌てず殺虫スプレーを使って駆除し、取り残しがないか確認するのが基本です。特にチャドクガのような毒性のある種類は、風で毒針毛が拡散するため、掃除機やほうきでの処理は避けてください。周辺の植木や壁に卵や繭がないかもチェックし、発生源を突き止めて早めに対処することが重要です。

