流水で3〜5分洗い、保冷剤で10〜15分冷却し、抗ヒスタミン外用薬を塗ります。掻かずに清潔を保ち、症状の推移を落ち着いて確認してください。
どんな症状が出たら病院を受診すべきですか?腫れが直径10cm以上、発熱や水ぶくれ・膿、息苦しさやじんましんは受診目安です。3日以上改善しない場合も皮膚科などの医療機関に相談しましょう。
アブに刺された腫れやかゆみはいつ治りますか?多くは3日〜1週間で自然軽快します。体質や部位によっては10日以上続くこともあるため、適切な冷却と外用薬で悪化を防ぎながら経過を見てください。
アブの刺し傷は蚊とは異なり、皮膚を切り裂いて吸血するため炎症を起こしやすく、適切な対処を怠ると症状が長引いたり、悪化したりすることもあります。
そこで今回は、刺された直後に行うべき応急処置、かゆみや腫れの原因、病院を受診すべきかどうかの判断基準、さらに効果的な予防策まで紹介します。万が一に備えて、正しい知識を身につけておきましょう。
アブに刺されたらすぐにやるべき応急処置

アブに刺されたときの対応が遅れると、激しい腫れやかゆみ、二次感染を引き起こす可能性があります。症状を最小限に抑えるには、刺された直後の応急処置が重要です。以下の手順で冷静に対処しましょう。
アブに刺されたときの応急処置
1.患部を流水で洗う(3〜5分)
刺された部分を流水でしっかり洗い流しましょう。アブの唾液や皮膚表面の汚れを取り除くことで、炎症や感染のリスクを軽減できます。石けんがあれば併用するとさらに効果的です。
2.氷や保冷剤で冷やす(10〜15分)
タオルで包んだ保冷剤や氷で患部を10〜15分ほど冷却しましょう。これにより、腫れやかゆみ、痛みを抑える効果が期待できます。冷やしすぎは避け、適度な時間で行いましょう。
3.市販の外用薬を塗布する
かゆみや赤みがある場合は、抗ヒスタミン成分やステロイド系の市販薬(例:ムヒアルファEXなど)を使用すると症状が和らぎます。皮膚科医も初期の塗布を推奨しており、早めの対処がカギです。
4.患部を掻かない
掻いてしまうと細菌が入り込み、二次感染やとびひの原因になります。小さなお子さんの場合は、掻かないよう注意して見守りましょう。必要に応じて冷却を繰り返すことでかゆみを緩和できます。
【参考】
日本皮膚科学会 虫刺され - 皮膚科Q&A(公益社団法人
アブとは?
アブとは、昆虫綱ハエ目(双翅目)ハエ亜目(短角亜目)の一群の総称です。見た目はハエと似ているものが一般的に知られています。体が黄色く蜂に似たものから頭が大きく身体がスリムなものまで、大きさの違いを含め実に様々な種類がいます。
アカウシアブやウシアブ、イヨシロオビアブは人間を刺す(というより噛む)種類として知られています。
人を襲うのはアブの雌(メス)だけと言われています。人を噛むアブばかりではなく、なかにはムシヒキアブ科のシオヤアブのように害虫を捕食する種もあり、益虫としての一面を持ったアブもいます。
ハナアブはミツバチと同じように植物の受粉を助け、幼虫は植物の大敵であるアブラムシを捕食してくれます。日本国内には約100種類のアブがいると言われ、そのうち人に襲い掛かるアブは約10種類です。
なぜアブに刺されると腫れや痛みが強いのか?

アブに刺されたときの症状は、蚊やブヨに比べてはるかに強く出ることがあります。その理由は、アブの吸血方法と体内に注入される成分にあります。
皮膚を切り裂いて吸血する
アブは鋭いノコギリ状の口を使って皮膚を物理的に切り裂き、にじみ出た血液をなめ取るように吸います。刺された瞬間に強い痛みを感じるのはこのためです。蚊のように細い針で刺すわけではないため、傷も大きくなりやすく、出血を伴うこともあります。
唾液の成分が強い炎症を引き起こす
アブの唾液には、血が固まらないようにする抗凝固成分が含まれています。この成分が皮膚に入り込むと、体の免疫反応が起きて、赤みや腫れ、かゆみといった強い炎症症状を引き起こします。
症状の強さには個人差がありますが、ひどい場合には1週間以上腫れやかゆみが続くこともあります。アレルギー体質の人は注意が必要です。
腫れ・かゆみ・発熱が続くときは?病院に行くべき症状と判断基準

アブに刺されたあと、軽いかゆみや赤みは数日で自然に治まることが多いですが、症状が長引いたり悪化する場合は注意が必要です。以下のような症状があるときは、早めに皮膚科など医療機関を受診しましょう。
病院に行くべき症状
- 腫れが直径10cm以上に広がっている、または3日以上引かない
- 強いかゆみや痛みが続く、水ぶくれや膿が出てきた
- 発熱やリンパ節の腫れなど、全身に症状が出ている
- じんましん、息苦しさ、吐き気など、アレルギー反応が疑われる
呼吸が苦しくなる、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性もあるため、迷わず救急を呼んでください。
アブに刺されたときは何科を受診すればいい?
症状に応じて、以下の診療科が適しています。
軽度〜中程度の皮膚トラブルは皮膚科
腫れやかゆみ、赤み、水ぶくれなどが主な症状であれば、まずは皮膚科を受診するのが一般的です。炎症を抑える外用薬や内服薬を処方してもらえます。
アレルギー症状が出た場合はアレルギー科または内科
じんましん、吐き気、息苦しさなどの全身症状がある場合は、アレルギー科または内科でも対応可能です。呼吸器症状が出ている場合は、早急に対応してくれる救急外来を選ぶと安心です。
受診前に準備しておくと良い情報
- 刺された時間と場所
- 症状が出始めたタイミングと変化の経過
- 使用した薬や処置の内容
アブに刺されないためのアブ対策と予防法

アブに刺されると強い痛みや腫れが残るため、刺される前の予防が何より重要です。とくに夏場のキャンプやアウトドアなど、アブの多い地域では徹底した対策を心がけましょう。
服装の工夫
アブは黒や濃い色に反応しやすいため、白やベージュなどの明るい服を選びましょう。肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用することで刺されるリスクを大幅に減らせます。
虫よけスプレーの活用
DEET(ディート)や、イカリジン配合の虫よけスプレーがアブにも効果的です。露出部分にしっかりスプレーし、汗をかいたらこまめに塗り直しましょう。
肌に直接塗るタイプ、ベビーソープの優しい香りですが効果は本格的、最大約8時間効果が続きます。
天然由来成分100%で使って安心、ユーカリ、ティーツリー、セイヨウハッカ、ローズマリー、ラベンダーの相性のいい5つの精油をブレンドし爽やかな香りがします。国産で赤ちゃんのデリケートな肌にも使えます。
この他にアブ予防も蜂除けもできる最強アイテムとして、おすすめなのがハッカ油スプレーです。
準備物
- 精製水
- ハッカ油
- 無水エタノール
- 空のスプレーボトル(普通のプラスチックボトルだとハッカ油成分で溶けてしまう恐れがあるため、ポリエチレン製あるいはポリプロピレン製)
ハッカ油スプレーの作り方
- 空のスプレーボトルに無水エタノールを入れる
- 無水エタノールが入ったスプレーボトルにハッカ油を20滴容器に垂らし、容器を軽く振って攪拌する。
- スプレーボトルに一気にドボドボと精製水90ccゆっくりと注ぐ。
無水エタノールは引火性の物質です。火の気のないところで取り扱いましょう。無論、咥えタバコでの作業はNGです。
ハッカ油スプレーの作り方と使い方については下記の記事で詳しく紹介しています。
森林香や虫除け線香の使用
キャンプや釣りなど、屋外で長時間過ごす場合は、森林香や虫除け線香を使用するのが有効です。風上に設置しておくと、周囲に虫が寄りにくくなります。蚊取り線香の効果については下記の記事で詳しく紹介しています。
時間帯に注意する
アブは早朝や夕方に活動が活発になります。とくに水辺近くでは飛来しやすいため、その時間帯の屋外活動はできるだけ避けるのがベストです。
アブ・ブヨ・ハチの違いと症状の見分け方

刺された虫を正しく見分けることも、正確な対処や病院受診の判断に役立ちます。
| 虫の種類 | 刺し方 | 痛みの強さ | 腫れの持続 |
|---|---|---|---|
| アブ | 噛む | 強い | 3日〜1週間 |
| ブヨ | 咬む | 中程度 | 1〜3日(遅れて腫れる) |
| ハチ | 刺す | 激痛 | 数時間〜重症化あり |
ブヨとは?
アブとブヨは同じ仲間であるかのような扱いを受けることがよくありますが、個体種としては全く別な生物です。アブが2~3cmの体長なのに対し、ブヨは2~3mmと小さいのが特徴です。刺された直後の痛みや、かゆみの出方も違います。
ブヨに刺された時の対処方法
- ブヨに刺されたら必ず傷口を絞る
- 患部を冷やさず43℃以上のお湯で30分以上温める
アブとブヨの大きな違いは、ブヨは刺した時に毒素を注入することです。刺されたところから毒をギュ~ツと絞り出しましょう。
また、アブに刺された場合は冷やしますが、ブヨの場合は温めます。この2点の違いを頭においておくといいですね。
蜂とは?
昔から「あぶはち取らず」ということわざが言い伝えられていますが、ブヨ同様にアブと蜂を同様に考えている方が結構いるようです。アブと蜂は色が似ていることが多いのですが、よく見ると姿が少し違います。
アブはハエのようなイメージで、蜂はアリに翅が生えたイメージです。元々アブはハエや蚊と同じ双翅目(翅が2枚)であり、蜂の分類がアリと同じ膜翅目に属します。
アブと蜂の大きな違は毒針の有無です。アブに毒針はありませんが(アブは人間を襲うときは刺すのではなく噛みつく)、蜂にはお尻に毒針を持つ種類がいます。
飛び方にも違いがありアブは静止せず一直線に飛びますが、蜂はゆっくりと飛び回る種類が多く時には空中でホバリング状態になります。そして蜂は基本的に自ら攻撃することはなく、人間などの外敵に襲われた時に自衛行動として毒針を使って攻撃します。これに対しアブは吸血を目的として人を襲います。蜂に刺されたらどうするかについては下記の記事で詳しく紹介しています。
蜂に刺された時の対処方法
- ミツバチに刺された時のみ傷口から毒針を抜く
- 蜂に刺された傷口の毒素を搾る
- 蜂に刺された傷口を43℃以上の熱いシャワーで洗いそのまましばらく温める
- 一通りの処置が終わったら抗ヒスタミン軟膏やステロイド剤などの薬を塗るか病院に受診する
蜂の毒素はたんぱく質が主成分で熱に弱いので、ブヨと同じく温めて処置します。意外なことに蜂の毒はそれほど強くないともいわれており、1000匹以上に刺されても生きてる人がいるほどですがとにかく痛みがひどいのは確かです。
自分で様子を見るだけでは不安ですし、なるべく早く病院に行くことをオススメします。また、スズメバチに刺された時は、まずは病院に行きましょう。
【参考】
日本赤十字社 動物にかまれた・蜂に刺された|講習の内容について
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は刺された直後に行うべき応急処置、かゆみや腫れの原因、病院を受診すべきかどうかの判断基準、さらに効果的な予防策まで紹介しました。アブに刺された場合は、まず冷静に対処し、患部を流水で洗い流して冷却し、市販薬で処置を行うことが大切です。強い腫れやかゆみが続く場合は、早めに皮膚科を受診して重症化を防ぎましょう。子どもや高齢者は症状が出やすいため、注意が必要です。
日頃から虫よけ対策を心がけることで、刺されるリスクを大幅に減らせます。
また、ご自宅やその周辺でアブや毛虫などの害虫が多く発生している場合は、早めに専門の害虫・毛虫駆除業者に相談・依頼することをおすすめします。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
アブに刺された直後にやってはいけない行為はありますか?
患部を温める、強く揉む、掻き壊すのは避けます。理由は血流が増えて腫れや痛み、二次感染が悪化するためです。具体例として入浴直後の長湯や患部マッサージは控え、冷却と清潔保持を優先します。
応急処置の冷却は氷と保冷剤のどちらが適していますか?
どちらでも良いが、タオルなどで包んで10〜15分の間欠冷却が適切です。理由は凍傷や皮膚刺激を防ぎつつ炎症を抑えるためです。具体例として保冷剤を布で巻き、痛みや腫れが再燃したら短時間の冷却を繰り返します。
市販薬はどの成分を目安に選べばよいですか?
抗ヒスタミンやステロイド配合の外用薬が有効です。理由はかゆみ・赤み・腫れを素早く抑え、掻き壊しを防げるためです。具体例として抗ヒスタミン配合や軽いステロイド配合製剤を患部に薄く塗布します。
刺された部位の消毒や洗浄はどう行うのが安全ですか?
まず流水で3〜5分しっかり洗い、石けんがあれば併用します。理由は唾液や汚れを除去し感染リスクを下げるためです。具体例として擦りすぎは避け、清潔なガーゼで水分を拭き取り、冷却へ移ります。
入浴や運動、飲酒はいつ再開してよいですか?
当日は控え、翌日以降に症状が落ち着いてから再開します。理由は温めや血流増加でかゆみと腫れが増悪しやすいためです。具体例として短時間のぬるめ入浴から様子見し、刺激を感じたら中止します。
子どものケアで特に注意する点は何ですか?
冷却と年齢に合う外用薬を使い、掻き壊しを防ぐことです。理由はとびひ等の二次感染を起こしやすいためです。具体例として爪を短く整え、就寝前に冷却→薬を行い、悪化時は小児科や皮膚科へ相談します。
アブとブヨで応急処置はどう違いますか?
アブは冷却が基本、ブヨは傷口の毒素対策として温め処置が用いられます。理由は刺傷の機序が異なるためです。具体例としてアブは洗浄→冷却→外用薬、ブヨは傷口を絞り43℃程度の温水処置が知られています。
跡を残さないためのコツはありますか?
早期の冷却と適切な外用薬で炎症を抑え、掻かないことが最重要です。理由は色素沈着や瘢痕の多くが炎症遷延と損傷によるためです。具体例として夜間のかゆみには冷却を追加し、刺激の強い摩擦は避けます。
アウトドアでの予防策は服装と虫よけのどちらを優先すべきですか?
両方を併用します。理由は濃色や露出で刺されやすく、化学的忌避のみでは限界があるためです。具体例として明るい長袖・長ズボンに帽子を合わせ、忌避剤をこまめに塗り直してリスクを下げます。
応急処置後、どのくらい自宅ケアを続ければよいですか?
症状が落ち着くまで冷却と外用薬を継続します。理由は炎症が再燃しやすく、初期対応の徹底が経過を左右するためです。具体例として1〜3日を目安に様子を見て、悪化兆候があれば早めに医療機関へ相談します。

