キクイムシの発生原因や駆除する方法は?キクイムシが好む木材の種類も紹介
「キクイムシ」聞きなれない方も多いかもしれませんが、家を食害する虫として代表的なシロアリと同じように大切な家や家具に被害をもたらす虫です。そこで今回はキクイムシの発生原因や駆除方法、予防方法を紹介します。
キクイムシとはどんな虫?
キクイムシという言葉を聞いたことも、見たこともないという人が多いと思います。キクイムシの生態や特徴を覚えておくことで、キクイムシの早期発見に繋がります。「虫の話はちょっと苦手…」という人も、見た目の特徴だけでも覚えておくといいですね。
キムイムシの生態
キクイムシ(木食い虫)とは、文字通り木を栄養源として成長する害虫の1種です。日本では主に「ヒラタキクイムシ」という種類が被害をもたらしています。輸入された木材についてきて、木材の内部に卵や幼虫が潜んだまま屋内に持ち運ばれてくるというのが主な発生原因です。
成虫が出てくる時期は5月~8月頃で、最も発生する時期は5~6月頃と言われています。しかし、冬の間も室内の暖房により幼虫の生育が早くなるため、発生する場合があります。
また、夜行性でメスは木材の表面近くに産卵し、幼虫の期間(約10か月)に周辺の木材を食害します。キクイムシの寿命は1.5ヶ月と短いです。
キムイムシの特徴
- キムイムシの色は赤~黒褐色で細長く顎が強い
- キムイムシの体長は3~8mm程度でとても小さい
- キムイムシは樹木の繊維の中に入り込み繁殖する
- キムイムシの卵は白く透明で米粒のような大きさ
- キムイムシの大好物はキリ、ケヤキ、カシ、ラワン材、ナラなどの広葉樹
- キムイムシはスギ、ヒノキ、ツガ、マツなどの木造建築で柱や梁などの構造体に使われる針葉樹には棲みつかない
- キムイムシは竹も好物です
キクイムシはとても小さいので、すぐに発見するのは難しいです。
キクイムシの被害に気付くポイント
小さくて見つけにくいキクイムシですが、家や木製の家具に潜んでいる場合は兆候があります。キクイムシに食い荒らされた木材や、竹材は見た目にはシロアリの被害ほどボロボロにはなりません。床や家具に「細かいパラパラとした木くずが落ちている…」、それがキクイムシ被害のサインです。
シロアリ駆除や料金相場については下記の記事で詳しく紹介しています。
日曜大工もしていないのに、なぜか細かいオガクズが家の中に散らばっている時はキクイムシの発生が疑われます。キクイムシに食い荒らされた木材は見た目以上に内部がボロボロになっており、木材や竹材の強度も大幅に低下しています。
この木くずが落ちているのは、キクイムシが羽化して成虫になって木材から飛び出す時に穴をあけて出てくる時に出るものです。1つの穴に対して虫は1匹ですが、数か所穴が空いている場合は中に幼虫がいる可能性もあります。
他のまだ見えていない部分にも、キクイムシが潜んでいるかもしれません。何だか細かい木くずが落ちているな…「ま、いっか!」と放置して、どんどん被害が広がっていったという話も聞くので、見つけ次第早めに対策しましょう。
便利屋の筆者が実際に聞いたことのある被害は、輸入物のケヤキでできた室内ドアがキクイムシによって内部を食い荒らされ、扉に組み込んであったステンドグラスの重みに枠材が耐え切れず落下してしまったケースがありました。
また、別のケースではディスカウントショップで購入した桐たんす(相場の半額以下)も、まだ使用していないのに引き出しの中に細かいオガクズが無数に散らばり、面材を見ると無数に細かい穴が開いていたという話も聞きました。お気に入りの家具を手に入れたのに悲しいですよね。
キクイムシが好む木材の種類
キクイムシはどんな木材でも食べてしまうのかというと、そうではありません。
キクイムシが好む木材
- ケヤキ
- カシ
- キリ
- ナラ
- もみじ
- ラワン合板
- 竹
キクイムシは広葉樹を食害する特徴があります。竹は木材ではありませんが、キクイムシが食べてしまう物の1つです。一方で針葉樹は食害しないと言われています。針葉樹にでんぷん質が少ないのと、導管が小さく産卵しにくいのが理由のようです。
キクイムシは人への被害はないと言われていますが、大切な家や家具などを食べられるのも困ります。大量に発生すると、見た目もとても不愉快です。最初はたったの数匹の死骸を発見しただけが、気づけば大量発生して「泣きそうに…」というならないためにも対策しましょう。
キクイムシが棲みつかない木製品の選び方
キクイムシは木材の繊維の奥深くに入り込んでしまうので建具や、家具のように製品化されてしまった状態で発見することが困難です。丸太を切り出して板状や、柱状に製材する時点で木材の繊維の中に潜むキクイムシを駆除することが理想的です。
樹木を建材や家具などにするためには切り出してきた丸太を乾燥させてから板状や柱状に加工するのですが、ただ乾燥させるだけでは不十分です。また、その乾燥時間や方法が適切でない場合は、キクイムシやその他害虫を追い出せていない事があります。そこで少し値段は上がりますが、製材までに燻煙や加熱処理することでキクイムシなどの害虫が棲みつかない木材ができます。
キクイムシは熱や煙に弱いので、製材する時点で燻煙処理や熱処理を適切に施した木材にはキクイムシが棲みつきません。
よく古民家や地方の民宿などにある「囲炉裏(いろり)」の周りにはキクイムシや、シロアリが棲みつきにくいと言われているのは常に囲炉裏端は薪や炭をおこしているため、囲炉裏端の木材が常に加熱や燻煙されているからです。建具や家具などの木製品の中には「燻煙処理済」や「加熱処理済」の木材を使用していると表記している製品もありますので、木製品を選ぶ時の選択基準にするといいでしょう。
キクイムシを発見した時の3つの対処方法
キクイムシを発見したらすぐに対処する必要があります。しかし、完全な駆除するのはとても難しいです。ひとまず発見したキクイムシを自分で対処してから、業者に相談するのがオススメです。
殺虫剤を使う
キクイムシに効果がある殺虫剤も販売されています。見つけたキムイムシに直接吹き付けて駆除できますが、木材の内部に潜んでいる場合はピンノズルで小さな穴から噴射します。
一度だけでは効果がなく、数時間おきに何度も繰り返す必要があります。殺虫剤だけでキクイムシを完全に駆除するのは難しいので、応急処置として使いましょう。
熱処理で対処する方法は現実的には難しい
熱に弱いというキクイムシの性質から熱処理で駆除ができるという情報もありますが、現実的には難しいようです。熱処理する場合は木材自体の温度を50~60度に上げなくてはなりません。ドライヤーやスチームアイロンで木材の表面を熱することはできても、内部まで温度を上げるのは困難です。
プロでもスチームクリーナーを用いた駆除は条件によって、可能な場合を不可能な場合があるそうなので素人だとなおさら難しいです。
業者に依頼する
キクイムシを見つけたら、業者に依頼するという流れが理想です。何度かお伝えしていますが、自分でキクイムシを完全に駆除するのはかなり難しいです。プロの知識と経験を持っている害虫駆除の業者に相談する方が安心です。
自分でキクイムシを駆除する2つの方法
一般的にキクイムシの駆除はエアゾール系の害虫駆除剤を使う場合と、燻煙系の殺虫剤を使う場合の2つの方法があります。
エアゾール系の害虫駆除剤を使う
準備物
- エアゾール系の害虫駆除剤
エアゾール系の害虫駆除剤を使う手順
- 細かい木くずが散らばっている場所の近くの木材を調べ、細かい穴が開いている箇所を見つける。
- キクイムシが開けた穴を発見したら、そこにエアゾール系の害虫駆除剤を注入する。
害虫駆除剤は木材の繊維の奥底まで届かせる必要があるため、注入する穴から駆除剤が垂れる程度までしっかりと注入しましょう。
燻煙系の殺虫剤を使う
準備物
- 燻煙系の殺虫剤
- 雑巾またはモップ
煙系の殺虫剤を使う手順
- 隙間から殺虫剤が漏れ出ないようにしっかりと窓を締め、換気扇の隙間を塞ぐ。
- 殺虫剤成分が触れては困る家具や、家財道具をビニールなどでしっかりと養生しペット、金魚鉢、観賞用の動物等も屋外に避難させる。
- 燻煙系の殺虫剤の所定時間を置き、燻煙系の殺虫剤が家の隅々まで行き届くのを待ってから部屋に入る。
- 窓を開けてしっかり換気し、床などに残留する殺虫剤を拭き取って完了。
薬剤自体は日光や温風などにより成分が自然分解されるものが多いが、念のため拭き掃除やモップ掛けなどしましょう。
まとめ
今回はキクイムシの発生原因や駆除方法、予防方法を紹介しました。害虫の発生は家や家具に被害をもらたすだけではなく、精神的にもとてもストレスですよね。
キクイムシは自分で駆除するのも難しく、専門的な知識と技術のある業者に依頼する方が確実で安心といえます。しかし、たくさん業者がいるのでどこに依頼するか悩みますよね?信頼できる業者を探すのは、いくつかの業者のサービス内容や料金を比較することがオススメです。
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