クマバチは基本的におとなしく、攻撃して刺すことはほとんどありません。クマバチは大型で羽音も大きいため威圧感がありますが、攻撃性は極めて低く、近づいても刺されることは稀です。特に飛び回っているのはオスで、そもそも毒針を持っていません。メスは刺す能力がありますが、手でつかむなど強い刺激を与えない限り刺すことはありません。むやみに追い払わず、落ち着いて距離を取るだけで安全です。
クマバチとスズメバチの見分け方は?クマバチは黒くて丸い体型、スズメバチは細身で黄色の縞模様が特徴です。クマバチは体がずんぐりと丸く、全体的に黒っぽい色合いで、胸部に毛が多く見られます。一方、スズメバチは体が細く、はっきりした黄色と黒の縞模様が特徴で、動きも素早く攻撃的です。羽音も異なり、クマバチは低く重い音、スズメバチは鋭く速い音を立てます。見た目や行動を冷静に観察すれば識別は可能です。
家の木材に穴を開けるクマバチの被害とは?クマバチのメスは木材に穴を掘って巣を作り、建物に被害を与えることがあります。クマバチは腐食や乾燥が進んだ軟らかい木材を好み、直径1〜2cmの穴を開けて中に産卵室を作ります。軒下・ウッドデッキ・木製の柱や梁などが被害に遭いやすく、長期間放置すると木材の強度が低下する恐れがあります。活動期に穴を見つけた場合は、被害の拡大を防ぐためにも早めの調査と処置が重要です。
クマバチは、黒くて丸っこい体に低く響く羽音をまとわせて、庭先やベランダをブンブン飛び回るハチです。一見スズメバチのようで驚かれることも多いですが、実はとても穏やかで人懐っこい性格です。ただし、木材に穴を開けて巣を作るため、放っておくと住宅に被害を与えることもあります。
そこで今回はクマバチの見た目や性格、駆除や予防の方法を紹介します。
クマバチとは?温厚な性格のクマバチの特徴

春から夏にかけて、庭やベランダで「ブーン」と低く響く羽音を聞いたことはありませんか?その正体はクマバチかもしれません。見た目はちょっと怖そうですが、実はとてもおとなしく、人を刺すこともめったにないハチです。
クマバチの大きさ
クマバチ(熊蜂)は、ミツバチ科クマバチ属に属する昆虫の総称で、一般に大型のハナバチのことです。地方によってはクマンバチとも呼ばれます。日本の在来種はクマバチ(キムネクマバチ)、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチ、オガサワラクマバチの5種が知られています。
クマバチは体長2cmを超えるずんぐりとしたハチで、胴体が太いためぱっと見でとても大きく見えます。全身真っ黒ですが、胸の部分にもふもふとした鮮やかな黄色い毛が生えています。
オスとメスでは見た目がやや異なり、オスは目が丸く大きいのが特徴で毒針はありません。メスは顔全体が黒く顎が大きく、お尻には毒針を持っています。
クマバチは花の蜜や花粉を主なエサとしており、特に「藤の花」を好みます。藤の花はクマバチがこじ開けることで初めて花が開くため、クマバチは花粉の媒介者としても一役買っています。
ミツバチやスズメバチとの違い
クマバチはその大きさや色からスズメバチと見間違われやすいですが、性格はまったく異なります。スズメバチは縄張り意識が強く攻撃的なのに対し、クマバチは非常に温厚で、自分から刺すことはほとんどありません。
また、ミツバチとも違い、クマバチは単独で行動する「単独性」のハチで、木材に穴を開けて巣を作る習性があります。ミツバチのように集団で巣を作ったり、蜜を大量にためたりすることはありません。
「人懐っこい」と言われる理由とは?
クマバチは人の周りをふわふわと飛び回ることがあり、それが「人懐っこい」と感じられる理由です。オスのクマバチは縄張り意識が強く、人に興味を示して近づいてくることがあります。ただし、オスには針がなく刺すことができませんので、見かけても慌てる必要はありません。
クマバチを触ってみた(動画)
時間のある方は、以下の動画でクマバチをわかりやすく確認できます。
クマバチは刺す?危険性は?

クマバチは見た目が大きくて羽音も大きいため、「刺されるかも…」と不安になる人も多いですが、実はそれほど危険なハチではありません。
オスのクマバチには針がなく、人を刺すことはありません。縄張り意識が強いため近づいてくることはありますが、威嚇するだけで攻撃してくることはないので安心してください。
一方で、メスのクマバチは針を持っています。ただし非常に穏やかな性格で、こちらから捕まえたり強く刺激したりしない限り、自ら刺してくることはめったにありません。
クマバチに刺された場合の症状と応急処置
万が一クマバチに刺された 場合、症状としては局所的な痛み・腫れ・かゆみが出ることがあります。スズメバチほどの強い毒性はありませんが、アレルギー体質の方は注意が必要です。

応急処置としては、刺された部分を流水でしっかり洗い、冷やして炎症を抑えましょう。市販の抗ヒスタミン薬や虫刺され薬を使うのも効果的です。呼吸困難や吐き気などの全身症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
クマバチの巣の作り方や発見のポイント

クマバチは、木材に穴を開けて巣を作るハチです。土に巣を作るタイプのハチとは違い、木の中にトンネル状の空間を作ってそこで暮らします。
特に気をつけたいのが、ベランダの木製手すりやウッドデッキ、屋根裏の木材部分など。日当たりが良く、雨が当たりにくい木材は、クマバチにとって巣作りに最適な場所です。
巣の見つけ方
クマバチの巣は、直径1cmほどの丸い穴が目印です。木の表面に不自然な穴があったり、その周囲に細かい木くずが落ちていたりしたら、巣がある可能性が高いです。
また、巣の周辺で「ブーン」といった低い羽音が聞こえることも、巣が近くにあるサインです。放っておくと毎年同じ場所に巣を作られることもあるので、早めの発見と対策が大切です。
家の周りにクマバチがいるときの対処法

クマバチが家の周りを飛んでいると、不安に感じる方も多いと思います。巣を作られてしまうと木材の劣化や、騒音の原因になることもあります。早めの対処が大切です。
市販のスプレーや防虫ネットで対策
市販されているクマバチ用の忌避スプレーを使えば、寄りつかせないようにすることができます。巣を作られやすい場所(ウッドデッキ、手すり、屋根裏など)に定期的にスプレーしておくと効果的です。

クマバチが巣に帰る夕方~夜間が駆除に適した時間帯です。クマバチの巣穴に殺虫剤のノズルを密着させて10秒程度殺虫剤を噴射します。巣穴に満遍なく殺虫剤成分が行き渡るように、ノズルを上下左右に動かすとより効果的です。
巣穴がまだ浅い場合や、開口部が大きな場合はこれで駆除できます。
また、換気口や屋根裏のすき間に防虫ネットを張るのも予防に役立ちます。
クマバチを対策する方法
クマバチの駆除に成功したら、今度はクマバチが棲みつかないように対策が必要です。クマバチは一度掘った巣を再利用することが多いので、再利用できないように木質パテなどで穴埋めしましょう。

クマバチが寄り付かないように殺虫剤をまいたり、クマバチが嫌う酸性の酸っぱい匂いの木酢液や竹酢液等の天然成分由来の忌避剤をまくのも効果的です。

巣穴が予想以上に奥深く、駆除した後の死骸や卵を取り出すことが難しそうな場合は業者に依頼するのが一番です。
危険を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回はクマバチの見た目や性格、駆除や予防の方法を紹介しました。見た目はちょっと怖そうなクマバチですが、実は温厚で人に危害を加えることはめったにありません。とはいえ、木材に巣を作る習性があるため、家の劣化や再発のリスクを考えると放置は禁物です。
市販のスプレーや予防対策も有効ですが、巣が高所にある・数が多いといった場合は無理に自分で駆除せず、専門の害虫駆除業者に相談するのが安全で確実です。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
クマバチの活動が活発になる時期はいつ?
クマバチは春〜初夏(4〜7月)にかけて最も活発に活動します。クマバチの活動は気温が上昇し始める4月頃から活発になり、特に5月〜6月にかけてはオスが縄張りを巡回し、メスが巣作りや産卵を行うため頻繁に見かけるようになります。日中の暖かい時間帯に飛行が盛んになるため、庭や木造住宅まわりでの遭遇率が高くなります。秋以降は活動が減り、冬は休眠に入ります。
クマバチの巣はどこに作られることが多い?
クマバチは軒下・ウッドデッキ・木製の梁など乾いた木材内部に巣を作ります。 クマバチの巣はスズメバチのような外見の巣ではなく、木材の中にトンネル状の巣穴を掘って作られます。使用されやすいのは屋外の乾燥した木材部分で、特に建物の軒裏・木の柱・ベランダ・フェンスなどが対象になります。小さな丸い穴が並んで開いている場合はクマバチの営巣の可能性があるため、注意が必要です。
クマバチが家のまわりを飛び回るのは何のため?
クマバチのオスは縄張りを守るために、決まった場所をホバリングしています。クマバチのオスは繁殖期になると、メスを待ち構えるために一定の空間を巡回し、同じ場所でホバリングを繰り返します。この行動は威嚇や攻撃ではなく、あくまで縄張りの監視や求愛の一環です。オスは針を持たず刺すこともないため、近くを飛んでいても基本的に危険はありません。見かけても落ち着いて距離を取れば問題ありません。
クマバチを放置すると被害が広がることはありますか?
放置すると巣穴が増えて木材が劣化し、建物の構造被害に発展する恐れがあります。クマバチは木材内部にトンネル状の巣を掘って営巣するため、被害を放置すると複数の巣穴が開き、木材の強度が落ちてしまうことがあります。特に、軒下・柱・ウッドデッキなど屋外の構造材が多く利用されます。初期は小さな穴でも、毎年同じ場所に再営巣されると損傷が進行するため、早期の点検と対策が推奨されます。
クマバチのオスとメスは行動に違いがありますか?
オスは縄張り行動のみで刺さず、メスだけが巣作りや刺す能力を持ちます。クマバチのオスは繁殖期に縄張りを巡回し、他の虫を追い払うような行動をとりますが、針を持っていないため刺すことはありません。一方メスは木材に巣を作り、必要があれば防衛的に刺すことがあります。ただし、メスでも人に対して積極的に攻撃することはほとんどなく、刺激を避ければ安全に共存可能です。
クマバチの羽音が大きいのはなぜ?
大きな羽音はクマバチ特有の体格と飛行構造によるもので、威嚇ではありません。クマバチは体が大きく、羽ばたきの力も強いため、飛行時に「ブーン」という低音の羽音が響きます。この音はオスの縄張り主張やメスの飛行中によく聞かれますが、威嚇や攻撃の前兆ではありません。羽音が大きいほど存在感はありますが、実際には温厚で攻撃性は低いため、音だけで過度に警戒する必要はありません。
クマバチに効果的な忌避対策はありますか?
クマバチ専用の忌避スプレーや、木材の保護処理が予防に有効です。クマバチは未加工の木材を好むため、防虫塗料や塗装で木部を保護することで巣作りを防げます。また、市販のクマバチ専用忌避スプレーや、ペパーミント・ハッカなどの精油を使った自然系スプレーも一定の効果が期待されます。既に飛来している場合は、営巣場所の封鎖や専門業者による巣の除去も検討が必要です。
クマバチとカマバチなど他の大型蜂の違いは?
体型・色・巣の場所・性格が異なり、正確な識別が重要です。クマバチは丸くて黒っぽい体型、カマバチは細身で脚が長く、体が反り返るような特徴があります。クマバチは木材に巣を作りますが、カマバチは寄生バチの一種で、他の昆虫の巣に産卵します。どちらも単独行動で攻撃性は低めですが、スズメバチなどと混同しやすいため、行動や形状を冷静に観察することが大切です。