マングースはどんな動物?ハブ駆除を目的に入されたマングースが駆除の対象に!?
ハブ駆除を目的として導入されたマングースが駆除対象になっています。今回は沖縄や奄美大島でマングースが増加し、駆除対象に至った経緯を紹介します。
マングースとはどんな動物?
マングースの特徴
マングースはアフリカ、インド、東南アジアなどに生息する小型の哺乳類です。細長くイタチに似た姿をしています。元々は日本に生息していない外来生物です。
コブラやハブなどの毒ヘビとの対決ショーが有名で、俊敏な動きに定評があります。沖縄や奄美大島に放たれたマングースは、フイリマングースという種類のマングースで雑食です。
沖縄や奄美大島では、ネズミによる農作物の被害や、農作業中にハブに咬まれる被害に悩まされていました。そこでマングースはネズミやハブ駆除の対策として、沖縄や奄美大島に導入されました。マングースがネズミやハブを捕食してくれると期待され、ネズミ・ハブの駆除対策としてマングースを野に放ちました。
マングースが増えた原因
日本では沖縄や奄美大島などにしかいない生息しないマングースは、捕獲や駆除作戦が実施されました。功を奏し、奄美大島では2019年以降は姿を確認されておらず、沖縄でもその数は激減したものと推測されています。
人間の手によって野に放たれたマングースは沖縄や奄美大島で爆発的に増え、皮肉にも野に放った人間の手によって捕獲や駆除されました。
マングースがもたらした災い
ネズミやハブの駆除対策の切り札として期待されていたマングースでしたが、実際には人間が考えるようにはいきませんでした。
マングースでハブ駆除できなかった
マングースは昼間に行動する昼行性ですが、ハブは夜間に行動する夜行性のため、自然界では対決ショーのようにマングースとハブが対決することはありませんでした。
また、雑食であるフイリマングースは毒ヘビであるハブを苦労して捕まえなくても、楽に食べられる農作物や小動物を食べて増え続けました。
在来生物の減少
マングースはハブを駆除することはなく鶏卵やヒナ、小動物などで捕獲しました。中でも問題になったのが在来生物の減少です。奄美大島のアマミノクロウサギやアマミイシカワガエル、沖縄のオキナワキノボリトカゲやヤンバルクイナなど島固有の在来生物がマングースに捕食され、減少の一途をたどりました。
マングースを駆除するようになった経緯
ハブ駆除どころか、このままマングースを放置していれば希少な「在来生物がいなくなってしまう…」ということで、人間の手によって放たれたマングースを、今度は駆除することになりました。
時期 | 駆除対策の内容 |
---|---|
2000年~ | 沖縄県による防除事業開始 |
2001年~ | 環境省による防除事業開始 |
2005年~ | 外来生物法に基づきマングースが特定外来生物に指定され、環境省と沖縄県が連携して防除事業を実施。雇用従事者の駆除チーム「やんばるマングースバスターズ」による防除事業を開始 |
2009年~ | 訓練を受けた探索犬による探索開始 |
時期 | 駆除対策の内容 |
---|---|
1993年~ | 市町村単位でマングース捕獲開始。マングースを捕獲すると賞金がもらえるという市民中心の対策が開始 |
2000年~ | 環境省によるマングース駆除事業開始。マングース捕獲に関する講習を受講し、登録した市民がマングースを捕獲すると賞金を出すという制度 |
2005年~ | 雇用従事者の駆除チーム「奄美マングースバスターズ」による防除事業開始。マングースを捕獲すると賞金がもらえる報奨金制度が終了 |
2008年~ | 訓練を受けた探索犬による探索開始 |
成果をあげたマングース駆除
マングースバスターズや探索犬の活躍により、一時は数万頭にまで増えたマングースも、今では数頭しかいないと推測されています。マングース駆除も、あともう一息です。
マングースバスターズの主な作業内容は、広範囲に数万個にも及ぶ罠を仕掛けて捕獲する、カメラを設置して様子を確認するという地道な努力の積み重ねでした。
また、探索犬は優れた嗅覚によりマングースの生体や糞を探知して、マングースの生息場所を特定し、マングース駆除の効率を上げてきました。
本格的に駆除事業が始まってから20年以上経っています。あともう一息とはいえ、人間の手によって野に放たれたマングースの駆除は現在も続けられています。マングース駆除には多くの人手と努力、費用が欠かせないことを忘れてはいけません。
>>【参考】4.マングース対策 - 農林水産省
>>【参考】マングース防除事業の概要 - 環境省
マングース駆除以外にも新たな問題発生
奄美大島では2018年に1頭のマングースが捕獲されて以降、捕獲0が続いています。マングース完全駆除の可能性が高まっている中、新たな問題が発生しています。
ノネコやノイヌの増加
人間が飼いきれなくなって野に放った猫や犬は、野生化し増加しています。野生化した猫や犬は「ノネコ」「ノイヌ」と呼ばれ、近年問題になっています。
マングース監視のために設置されたカメラにノネコやノイヌの姿が撮影されており、中にはアマミノクロウサギを襲うノネコの姿も確認されています。そのためノネコやノイヌも捕獲・駆除の対象になっています。
都心部でも外来生物の増加
ノネコやノイヌの存在は、何も奄美大島だけの問題ではありません。日本全国どこにでもノネコやノイヌは存在します。人間の都合で野に放たれ増加した点では、マングースもノネコ・ノイヌも一緒かもしれません。
さらに、郊外はもちろん都市部でも近年問題になっているのが外来生物の増加です。アライグマやハクビシンなどの外来生物による被害が都心部でも増加しています。アライグマやハクビシンなどの外来生物による被害は、マングース被害と同様に在来生物への被害や農作物の被害はもちろん、屋根裏などに住みつくなどの被害や感染症を媒介する危険性などです。アライグマやハクビシンも駆除の対象になっています。
アライグマの駆除後は予防対策や、ハクビシンの駆除については下記の記事で詳しく紹介しています。
マングースは沖縄や奄美大島に限られますが、アライグマやハクビシンなどは多くの地域で問題になっているのです。
>>【参考】アライグマ・ハクビシンについて - 東京都環境局
マングースなど自分で害獣駆除するのは難しい
マングースに関しては環境省や県が駆除に乗り出しましたが、アライグマやハクビシンに関しては、マングースのようにマングースバスターズや探索犬などの大々的な駆除対策はされていません。
農作物の被害や屋根裏に住みつくなどの被害を考えると、アライグマやハクビシンなどを駆除する必要があります。しかし、アライグマやハクビシンなどの害獣を自分で駆除するのは難しいです。
鳥獣保護管理法・外来生物法により、鳥獣を勝手に捕獲や駆除することはできませんし、外来生物の取り扱いは規制されています。
鳥獣の保護、管理、狩猟の適正化を図るためにあるのが鳥獣保護管理法です。この法律により、狩猟鳥獣に指定された鳥獣しか捕獲、駆除できません。また、捕獲、駆除するには狩猟によるか、許可が必要です。
- 狩猟:狩猟免許を所持し、登録を受けた者が狩猟期間中に定められた方法で狩猟鳥獣に指定された鳥獣を捕獲すること
- 許可:環境大臣または都道府県知事(一部は市町村長)の許可を受けて狩猟鳥獣を捕獲すること
外来生物法では、特定外来生物に指定された生物の飼育、運搬、保管、輸入、野外に放つ行為、許可を受けていない者への譲渡が禁止されています。
アライグマは鳥獣保護法に基づき狩猟鳥獣、及び外来生物法に基づき特定外来生物に指定されています。ハクビシンは鳥獣保護法に基づき狩猟鳥獣に指定されています。
アライグマやハクビシンは狂暴な上、感染症のリスクもあります。知識と経験なくして捕獲、駆除するのは危険です。自分で捕獲、駆除することはおすすめできません。害獣駆除は専門業者に任せましょう。
自治体によっては業者を手配してくれる事もありますが業者が限られており、日程も希望通りにはいかない場合もあります。
まとめ
今回は沖縄や奄美大島でマングースが増加し、駆除対象に至った経緯を紹介しました。ヒーローになれずに、駆除の対象になってしまったマングースはかわいそうな気もします。ただ、この事実を作りだしたのは人間だということを忘れてはいけません。
日本においてマングースの生息地は限られています。しかし、私たちの身の回りには多くの害獣が生息しています。害獣駆除を自分で行うことは難しいです。害獣駆除はプロに任せましょう。
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