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手すりの取り付け

階段の手すりの種類から取り付けまで紹介!DIYで設置する方法や費用相場も解説

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住宅の階段の手すりの取り付けは、建築基準法で設置が義務付けられています。DIYが流行している昨今、ホームセンターで材料を揃えれば階段の取り付けは可能です。そこで今回は階段の手すりを選ぶポイントや取り付け方法、費用相場を紹介します。

住宅の階段に手すりを取り付ける4つの注意点

住宅の階段に手すりを取り付ける4つの注意点
住宅の階段に手すりを取り付ける4つの注意点

自宅のリフォームやリノベーションしようと考えた時に、安全を確保するためにも階段に手すりを取り付けることは必須条件です。近年では階段に手すりを設置することが法律にも加わり、義務化されるようになりました。

階段の作りによっても取り付けられる手すりの種類は異なるため、どの手すりがいいか考えている方も多いのではないでしょうか?

階段に手すりを取り付ける4つのポイントを紹介します。

  • 可能であれば両端に手すりを取り付ける
  • 手すりの両端を壁側に曲げる
  • グリップなどの滑り止めを付ける
  • 水平部分の手すりを長めに設置する

可能であれば両端に手すりを取り付けることで、片方だけの時よりも安心感が高まり安全確保にも繋がります。

手すりの先端に服が引っかかってしまうと転倒や転落など事故を招く原因にもなります。そういった事故を未然防止するためにも、手すりの端を壁側に曲げておくといいでしょう。

高齢者は加齢とともに握力が低下するのでグリップなど滑り止めで加工されていると安心して階段の昇降ができます。同様に高齢者がいる場合は、上の階の壁に「縦向きの手すり」を取り付けると体を引き上げやすくなります。

  • 階段の手すりの取り付けは建築基準法で設置が義務付けられている

建築基準法施行令第二十五条で「階段には手すりを設けなければならない」という法律があります。

  • 階段や踊り場の両側には、側壁(又は側壁と代用できるもの)を設置しなければなりません

片側に壁がある場合は壁と反対側に手すり、両側に壁がない場合は両側に手すりを設置する必要があります。

  • 階段の幅が3m以上の場合は、その中間に手すりを設置する必要があります

但しけあげが15cmより小さく、尚且つ踏面が30cm以上のものについてはこれに限らない。また、高さが1m以下である階段部分については適用しない。

以上の内容で2000年の法改正で「階段の手すりの設置」が義務化されました。そのため2000年よりも前に建設された物件には手すりがついていないという場合もあります。こういった築古物件をリノベーションする時は、新しく階段に手すりを設置しなくてはなりません。

階段の手すりを取り付けることは法律で決まっていますが、高さなどは特に規定はありません。しかし、建築基準法施行令第二十三条で住宅の階段に取り付ける手すりの寸法(高さ以外)については決まりがあります。

  • 踏面(足で踏む板の部分)・・・15cm以上
  • 蹴上げ(上下の踏面間の段差の部分)・・・23cm以下
  • 階段と踊り場の幅・・・75cm以上

階段を取り付ける高さと階段の4種類の特徴

階段を取り付ける高さと階段の4種類の特徴
階段を取り付ける高さと階段の4種類の特徴

階段の手すりの高さは70~80cm程度が、多くの人が使いやすい高さとされています。目安は腕を下げた状態で床から手首までの高さです。

家族のサイズを中心に考えてみるといいでしょう。家族の中で身長差がある場合は手すりを使う頻度が高い人にあわせて高さを決めたり、子供が小さい場合には子供用にもう一本手すりを取り付けましょう。子供用の手すりを取り付ける時の高さの目安は60~65cmです。家族の身体の状態や身長なども含めて検討してみてください。

階段には主に4つの種類があります。

直階段

直階段とは下の階と上の階が一直線で繋がっている階段を言います。昔ながらの日本家屋などで使われていることが多かったり、一般の住宅でも一番多く使われている階段でもあります。

直階段の特徴はスペースがそんなに要らないため、費用も他の階段に比べると低価格ですみます。少ないスペースの中で階段を作るため勾配がきつくなっったり、一直線なので足を踏み外した時は一番下まで落ちてしまう危険性もあります。

かね折れ階段

かね折れ階段は途中に踊り場があり、踊り場を中心に90度L字に折れているタイプの階段です。この階段の最大のメリットは階段の途中に踊り場があるため、万が一転落しても一番下まで落ちないところです。階段の作り方によっては収納スペースを作れるのが魅力の一つです。

デメリットは途中でL字に折れている部分がある分、広い面積を必要とします。それに伴い費用もかかります。

折り返し階段

折り返し階段は途中でU字に折れている特徴的な階段です。メリットとしては階段の途中に踊り場があるのでかね折れ階段と同様に転落防止に繋がります。同じ高さで階段を作る場合は、直階段に比べるとこういった折り返しのある階段の方が段数が多くなるのでなだらかな勾配となり、一段毎の幅も広いので安全が確保しやすいといったメリットもあります。

U字に折れているため、L字のかね折れ階段よりも多くの面積を使った踊り場が必要になります。踊り場を広くとることでフリースペースなどの部屋としても使うこともできます。

らせん階段

らせん階段はホテルやデパートなどにもよくある階段で、ステップがらせん状になっておりおしゃれな雰囲気があるところが特徴です。

複雑な形であることや、ステップが三角形となっていることが多いため階段の中心に近づくにつれてステップの幅は狭くなり、他の階段に比べると安定感は劣ります。形によっては省スペースですむ場合も多くリビングに置いている家庭も多いようです。

階段の手すりを選ぶ時の3つのポイント

階段の手すりを選ぶ時の3つのポイント
階段の手すりを選ぶ時の3つのポイント

手すりの高さ

高齢者や小さな子供が階段の手すりを使う時は、利用する人の身体状況に応じて高さや太さなどを選ぶことでより高い効果を得られます。

手すりの高さは法的な決まりはないものの、大体の人が地面から75~85cmくらいの高さを選択しているようです。目安となるのは腕を下げた状態で床から手首までの高さとされているので、階段で手すりを利用する頻度の高い人にあわせてみてもいいですね。

手すりの太さ

手すりの太さは28~35mmが握りやすい太さと言われています。その人の握力や手の大きさなどによってもどちらが握りやすいかは異なるので可能であれば、一度握ってみて、どちらが握りやすいか、支えやすいのはどの太さかを確認してから太さを選択しましょう。

一般的には35mmの手すりが支えやすく、32mmが握りやすいと言われています。握った時に指先が触れるくらいの太さを目安にするといいでしょう。

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手すりの形

手すりの形状は円柱型だけではなく上部平坦型など、楕円に近い形状もあります。リウマチなどで手すりを握るのが難しい時は、手や肘を手すりに乗せて移動できる形状のものを選ぶといいでしょう。

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階段が暗い場所がある場合は、光る手すりも販売されています。手すりが光ることで夜など暗い所でも階段のステップの場所などが分かるため安心して昇降できます。

DIYで階段に手すりを取り付ける方法

DIYで階段に手すりを取り付ける方法
DIYで階段に手すりを取り付ける方法

手すりは柱のある場所にしか設置することはできません。そのため下地探しという道具を使って壁の内部の柱を探します。

マンションの壁などは鉄筋コンクリートなので取り付けが難しいです。壁の種類によっては強度が弱く取り付けが難しい場所もあるので事前に確認をしておきましょう。

準備物

  • 下地探し
  • インパクトドライバー(14V以上のパワーがあるもの)
  • のこぎり
  • メジャー
  • 木製の棒
  • 中間ブラケット
  • エンドキャップまたはエンドブラケット
  • マスキングテープ
  • 自在ジョイント(かね折れ階段、折り返し階段廻り階段の場合は必要)

階段に手すりを取り付ける手順

  1. 階段の長さに合わせて手すりに使用する棒を切る。
  2. 棒の端にある切り口をエンドキャプで覆い、棒に穴をあけてネジで固定する。
  3. 床からの高さを測定し固定個所にマスキングテープでマークする。
  4. 中間ブラケットを取り付ける。
  5. 最後に手すりと中間ブラケットを固定する。
  6. 手すりに力をかけてみたり、昇降して強度やバランスに問題がないかを確認して完成。

手すりに使用する棒は、廻り階段の場合は曲がり角ごとに必要な本数を切りましょう。自分で切るのが難しい時は長さを測って、ホームセンターで棒を購入することも可能です。

床からの高さは一般的に床から60~75cmくらいが目安と言われています。利用する人の身体状況などによっても異なるので、目安にあわせるのではなく利用者の状態に合わせましょう。

中間ブラケットの個数目安は間柱の数ですが、ホームセンターなどで売っている手すりセットなどには8~9個くらい入っているので大方の階段ではこれで足ります。手すりの角度を確認しながら中間ブラケットをインパクトドライバーを使って仮止めしましょう。仮止めで手すりを載せた角度を確認し、問題がなければ中間ブラケットをしっかりと止めましょう。中間ブラケットは90cmに1つくらいを取り付ける目安です。踊り場などで階段が曲がる箇所は自在ジョイントをつけて手すりを繋ぐというのも手です。

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中間ジョイントや手すりの角度を調整す時は、2人で作業した方がスムーズにできます。

階段の手すりを両側に取り付けることが安全面から考えると望ましいのですが、難しい場合は「階段を下りるときを最優先」で高さや場所などを決めるようにしましょう。階段を踏み外す時に多いのは、上る時よりも降りる時です。降りる時に手すりを持つ手が利き手側になることが理想と言えるでしょう。

階段の手すりを取り付ける費用相場

階段の手すりを取り付ける費用相場
階段の手すりを取り付ける費用相場

DIYで階段の手すりを取り付ける費用相場

DIYで階段に手すりを取り付けるの費用は5~10万円が相場です。手すりを設置する壁の強度や、階段の形状によっても費用は変わります。

DIYで階段の手すりを取り付ける費用相場の内訳は以下になっています。

  • 手すり本体(2mの棒が1本につき3,000円~8,000円、4mの棒が4,000円~15,000円)
  • 手すりエンドブラケット(1個につき700~5,000円)
  • 手すり中間ブラケット(1個につき600~2,000円)
  • 手すりジョイント(1個につき500~3,000円)
  • 手すりジョイントブラケット(1個につき1,000円~6,000円)

業者に依頼する費用相場

階段に手すりを取り付ける時に最も大事なことは「安全性の確保」です。壁の下地や適切なブラケット設置のための位置確認を丁寧、正確に作業するには手間や労力がかかります。業者に依頼するというのも一つの手です。業者に依頼した際にかかる費用の相場は以下の通りです。

  • 直階段(部品、工事費込みで4~10万円程度)
  • かね折れ階段(部品、工事費込み5~15万円程度)
  • 折り返し階段(部品、工事費込み7.5~15万円程度)
  • らせん階段(10~15万円)

最初から業者を一つに絞るのではなく、何社か見積もりを取りながら相談して検討しましょう。

手すりを取り付ける時に利用できる制度や助成金

手すりを取り付ける時に利用できる制度や助成金
手すりを取り付ける時に利用できる制度や助成金

介護保険制度

介護保険に加入している人の中で、介護サービスを利用できる人は手すりの取り付け費用が助成されます。手すりの取り付けには住宅改修制度を利用することが条件となり、介護保険には40歳以上なら全ての方が加入している保険です。

介護サービスを利用できる人は2種類に分かれます。

  • 65歳以上で介護が常時必要とする状態や、日常生活に支援が必要な状態の方が対象です。介護や支援を必要とする理由については問われない。
  • 40歳~64歳のがん末期、慢性関節炎リウマチ、パーキンソン病など特定16種類の病気を理由に介護や支援が必要な人が対象です

また、要介護・要支援認定(介護認定で要支援1~2、要介護1~5)を受けている65歳以上の方が生活環境をよりよくするために手すりを取り付けた場合には、その費用の9割(一定所得以上の場合は7~8割)を補助してもらえます。上限は20万円までで、手すりと共に段差の解消を目的としたリフォームなども対象になります。

自治体による助成金

自介護保険制度とは別で各自治体が独自で行っている高齢者住宅改修費支援制度や、障害者住宅改造費助成制度などの助成制度があります。

お住いの地域によっても制度の有無や助成内容は異なりますが、例にあげると千葉市には高齢者住宅改修費支援サービス事業というものがあります。要介護認定者である65歳以上の方を対象に、最大70万円まで自宅に手すりを取り付けるなどのリフォームした場合に助成されます。

他にも東京都江戸川区においては「介護認定を受けている60歳以上の方、もしくは60~64歳までの方で身体障害者手帳が交付されていて介助を必要としている方」を対象として改造費用上限200万円まで助成する制度があります。

自治体によって適用となる条件や助成内容は異なりますので、住んでいる地域でどういった助成制度があるのか確認してみてください。

情報収集が難しい時は専門業者に依頼する

業者によってはケアマネージャーの資格を持ったスタッフがサポートしてくれるところもあります。このようにケアマネージャーがいる業者だと介護保険を利用した居宅介護支援に必要な情報や手続きについても教えてもらえて、プロの目線から最適なアドバイスや提案を貰うこともできるので心強いです。

ケアマネージャーの他にも福祉用具専門相談員や、福祉住環境コーディネーターなど介護やリフォームに関する有資格者がいる業者であれば、介護保険を使った補助金の申請・手続きなどの代行してくれるところもあります。

介護保険住宅改修においての受領委任登録業者に依頼すると、工事費を立て替えてもらえるなど便利なシステムもあります。自分で自治体に問い合わせをしたり、利用できる助成制度を調べるのが難しいという方にはこのような業者に依頼することをオススメします。

まとめ

今回は階段の手すりを選ぶポイントから取り付け方法まで紹介しました。階段の手すりの取り付けは建築基準法で設置が義務付けられています。

DIYで階段の手すりを取り付けることもできるが、安全の確保のため業者に依頼するのも一つの方法です。手すりの取り付けは介護保険制度や自治体による助成金も利用することが可能です。条件などが満たしていれば自己負担の費用も少なくなります。

不安なことや、不明点があれば専門業者に相談や依頼しましょう。

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