冷蔵庫は大きくて重く、精密な家電製品なので、引っ越しの際には慎重な対応が求められます。「自分で運べるかな?」「いつ電源を切ればいいの?」「古い冷蔵庫の処分はどうするの?」といった疑問を感じる方も多いはずです。
そこで今回は冷蔵庫を安全に運ぶための準備や手順、引っ越し当日の注意点から、設置後の通電タイミングを紹介します。初めての方でもわかりやすく丁寧に解説しています。自分で運ぶ予定の方も、業者への依頼を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
冷蔵庫の引っ越しはなぜ注意が必要なのか?

引っ越しの中でも、冷蔵庫の移動は特に注意が必要な作業です。なんとなく運べば大丈夫と思われがちですが、ちょっとしたミスが故障や水漏れ、床の傷といったトラブルを引き起こすこともあります。
よくあるトラブルと原因
- 故障:傾けて運ぶとコンプレッサーにダメージになり、通電前の待機時間を守らないのもNG
- 水漏れ:製氷機の残水や霜取り水を処理せず運ぶと、移動中に漏れて床が濡れる
- 床の傷:無理に動かしたり、引きずったりするとフローリングに深い傷がつく原因になる


冷蔵庫以外に、洗濯機の水抜き方法や、洗濯機の運び方については下記の記事で詳しく紹介しています。


自分で冷蔵庫を引っ越す手順とポイント

冷蔵庫の引っ越しは業者に任せるのが安心ですが、場合によっては自分で運ぶこともありますよね。ただし、自力で運ぶときにはいくつかの手順と注意点をしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、安全に冷蔵庫を移動させるための準備から運搬後の対応まで、わかりやすく紹介します。
引っ越し前にやるべき事前準備
①電源オフする
電源をオフにすることは忘れやすいので、注意しましょう。引っ越しの当日に慌てて電源を抜くと、運搬中に霜が溶けて水漏れが起き、他の荷物がビショ濡れになることもあります。
②冷蔵庫の中身を空にする
冷蔵庫の引っ越し日が決まったら、引っ越し日に向けて食材を計画的に消費しましょう。食材の購入は最低限にして、できるだけ冷蔵庫の食材を活用しましょう。
どうしても食材を使いきれず、残ってしまった時はクーラーボックスに詰めて新居に運びましょう。夏場の引っ越しではオススメしませんが、移動時間が短いのであれば、クーラーボックスで運べるかもしれません。
③冷蔵庫の霜取りする
冷蔵庫に霜がある時は、霜取りする必要があります。霜取りする前にコンセントを抜きアース線も外しましょう。コンセントを抜くと当然冷蔵庫が使えないので、霜取りするまでに食材を消費しておきましょう。
④発情皿にたまっている水を捨てる
冷凍庫を冷やすために内部にある冷却器が動き、霜がどうしても付着します。冷蔵庫内部で霜を溶かすと、発情皿という場所にたまる仕組みになっています。蒸発皿を外して水を捨てましょう。
冷蔵庫によっては傾けないと排水できないものもあるので、排水前に説明書などで確認しておきましょう。水を捨てるのは引っ越し当日でも大丈夫です。
当日の運び方
①ドアや中のトレイを固定する
冷蔵庫のドアや中のトレイをテープでしっかり固定しましょう。引っ越し前日に電源を抜く時に、一緒にドアやトレイを固定しておくとスムーズです。
②毛布でくるんで運搬する
冷蔵庫を運搬する時は、思いがけずドアや壁などにぶつけてしまうことがあります。毛布でくるんで運搬すると傷や破壊するのを防げます。
③立てて運搬する
持ち上げるときは腰を落として、ひざの力を使ってゆっくり持ち上げるのがコツです。また、冷蔵庫はできるだけ垂直に近い状態で運ぶのが理想です。どうしても傾ける必要がある場合は、できるだけ45度以内にとどめておきましょう。
階段や段差を越えるときは慎重にしましょう。急に動かしたり衝撃を与えると、内部の部品にダメージを与えてしまうことがあります。
トラックに載せる時は荷台で冷蔵庫が倒れないようにロープなどで固定し、必ず立てたまま積み込みましょう。
運搬後の注意点
新しい設置場所に冷蔵庫を置いたら、すぐに電源を入れるのはNGです。運搬中に傾けたり揺れたりした影響で、冷媒オイルが偏ってしまっている可能性があるため、内部が安定するまで数時間待つ必要があります。
目安としては、最低でも2〜3時間、できれば半日ほど置いてから通電すると安心です。この待機時間をしっかり取ることで、冷蔵庫を長く安心して使えます。
冷蔵庫の引っ越しは業者に依頼した方が安心

冷蔵庫は大きくて重たいだけでなく、内部に繊細な部品が詰まった精密機器でもあるため、運び方を間違えると故障や思わぬトラブルの原因になってしまいます。状況によっては無理をせず、専門の業者にお願いした方が安全で安心です。
大型冷蔵庫・階段のある家・女性一人暮らしなど
家庭によくある2ドアの冷蔵庫であってもかなりの重量がありますが、ファミリー向けの大型冷蔵庫になると、その重さは100kgを超えることもあります。大型冷蔵庫を持ち運ぶには力だけでなく、バランスの取り方や搬出経路の確保といった知識も必要です。
玄関まで階段を使わなければならない家や、マンションのエレベーターが小さい場合などは、無理に自分で運ぼうとすると危険が伴います。また、女性の一人暮らしや高齢の方など、力作業が難しい方にとっては、無理せず業者に依頼することで安全かつスムーズに引っ越しを進められます。
冷蔵庫だけ運ぶ業者はいる?
「冷蔵庫だけ運んでほしいけど、引っ越し業者に頼むのは大げさかも…」と思っている方も多いかもしれませんが、実は冷蔵庫1台だけの運搬に対応してくれる業者もたくさんあります。
こうした単品輸送サービスを行っているのは、引っ越し業者のオプションプランや、軽貨物配送、便利屋サービスなどです。費用の相場は、近距離(10km以内程度)であれば5,000円〜15,000円程度が目安になります。運搬時に階段作業があるかどうか、搬出入が難しい構造かどうかなどで料金が変わる場合があるので、事前にしっかり見積もりを取っておくと安心です。
探すときは、「冷蔵庫 運搬 単品 ○○(地名)」で検索してみたり、比較サイトで口コミをチェックするのもおすすめです。
古い冷蔵庫の処分方法は?

古い冷蔵庫を使っているなら、引っ越しの機会に新しい冷蔵庫に買い替えるのもいいかもしれません。新しい冷蔵庫は電気代を節約できたり、新居への送料も無料になったりすることが多いです。
最近購入した冷蔵庫であれば引っ越し先に持っていた方がいいですが、そうでなければ買い替えも視野に入れてみるといいでしょう。冷蔵庫のおすすめについては下記の記事で詳しく紹介しています。

古い冷蔵庫を処分する方法
古い冷蔵庫を処分する時は、リサイクル料を払って処分する必要があります。廃棄する前にリサイクル券を買い指定された場所へ持ち込みましょう。冷蔵庫を処分する方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

新しい冷蔵庫を買ったお店で、リサイクルを依頼するのもいいですね。引っ越し業者によっては冷蔵庫のリサイクルを依頼できる業者もいるようです。気になる方は、見積もり時に相談しましょう。
親戚や友人に譲ったり、リサイクルショップに売ったりすることもできます。この場合は処分費用はかかりませんが、自分で運ばないといけないことを頭に入れておきましょう。
冷蔵庫の処分費用が不要という無料回収業者に依頼する人もいますが、後から高額請求する悪質な業者もあるので注意しましょう。
年数が経った冷蔵庫をお持ちの方は、新しい冷蔵庫にした方が安上がりになることもあります。引っ越し時に冷蔵庫を買い替えることも検討してみてはいかがでしょうか?
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は冷蔵庫を安全に運ぶための準備や手順、引っ越し当日の注意点から、設置後の通電タイミングを紹介しました。冷蔵庫は重くて壊れやすい家電なので、少しの不注意が故障や水漏れなどのトラブルにつながることもあります。
紹介した内容を参考にすれば、自分で運ぶ場合でも安全に作業ができるはずです。ただし、大型冷蔵庫や階段のある家では無理は禁物です。引っ越しの負担を減らし、冷蔵庫を確実に運びたい場合は、経験豊富な業者に依頼するのが一番安心です。