相場を把握し適正価格を見極めるには、3社以上の見積もり比較が推奨されます。1社だけでは料金やサービス内容が適正かどうか判断が難しく、複数社に依頼することで価格交渉もしやすくなります。特に繁忙期は料金に大きな差が出るため、少なくとも3〜5社程度に見積もりを依頼し、比較検討するのが失敗しない引っ越しの基本です。
引っ越し見積もりはいつから取ればいい？引っ越し予定日の1か月前から、遅くとも2週間前までに依頼するのが理想です。早めに動くことで希望日時の予約が取りやすく、料金も抑えやすくなります。とくに3月などの繁忙期は1〜2か月前でも埋まることがあるため、日程が決まり次第すぐに見積もりを開始しましょう。比較検討の時間を確保する意味でも、余裕を持ったスケジュールが重要です。
引っ越しの見積もりは訪問と電話で何が違う？訪問見積もりは荷物量や搬出経路の確認が可能なため、最も正確です。電話やメールでの見積もりは簡易的で手軽ですが、実際の荷物量や建物の条件が反映されないことがあり、当日の追加請求のリスクもあります。正確な料金を把握したい場合や荷物が多い場合は、訪問見積もりを選ぶのが安心です。
引っ越しを控えている方にとって、最初のハードルが「どの業者に頼めばいいの？」という見積もり問題です。業者によって料金やサービス内容に大きな差があるため、事前に比較せずに決めてしまうと、数万円も損してしまうケースも少なくありません。
そこで今回は引っ越し見積もりの取り方や費用相場、安くて安心な業者の選び方を紹介します。一括見積もりサイトの活用方法や体験談も交えながら、初めての方でも失敗しない引っ越し準備をサポートします。
引っ越し見積もりの基本
引っ越しをスムーズに進めるためには、「見積もり」を取ることがとても大切です。見積もりとは、引っ越し業者が荷物の量や移動距離、作業の内容などをもとに費用を算出し、提示してくれるものです。これを複数の業者から取って比較することで、納得できる価格とサービスを選べます。
引っ越し見積もりの種類
①訪問見積もり
引っ越し業者が自宅に来て、荷物の量や搬出経路などを確認したうえで正確な見積もりを出してくれます。一番正確な見積もりが出る方法ですが、時間の調整が必要です。
②電話見積もり
電話口で荷物の量や、内容を伝えて見積もりを出してもらう方法です。概算になることが多いため、追加料金のリスクも頭に入れておきましょう。
③メール見積もり
必要事項を入力してメールでやりとりする方法です。手軽ですが、やはり概算見積もりとなるケースが多いです。
④LINE見積もり
最近ではLINEで見積もり依頼ができる業者も増えています。写真や動画を送ってやりとりできるので、訪問せずにある程度正確な見積もりが可能になることもあります。
相場がわかると値段交渉がしやすい理由
引っ越し費用には「これくらいが妥当」という相場があります。複数の業者から見積もりを取って比較すると、だいたいの相場が見えてきます。相場を把握しておくことで、不当に高い料金を避けられたり、「他社では〇万円だった」と交渉材料にできたりメリットがあります。
また、繁忙期や曜日、時間帯によって料金が変わるため、相場を知っていると「この日は割安になるんだな」と判断しやすくなります。
引っ越し費用の相場を一覧表でチェック
引っ越し費用は、「荷物の量（人数）」と「移動距離」によって大きく変わります。以下に、単身・家族別、距離別の相場を一覧にまとめました。あくまで目安ですが、見積もりを取る際の参考になります。
引っ越し費用の相場
| 種別 | 移動距離 | 費用相場（通常期） |
|---|---|---|
| 単身 | ～20km（市内程度） | 2万〜4万円程度 |
| 単身 | 〜50km程度 | 3万〜5万円程度 |
| 単身 | 100km以上（長距離） | 4万〜8万円程度 |
| 家族（2〜3人） | ～20km | 5万〜8万円程度 |
| 家族（2〜3人） | 〜50km程度 | 7万〜12万円程度 |
| 家族（4人以上） | ～20km | 8万〜13万円程度 |
| 家族（4人以上） | 100km以上 | 10万〜20万円程度 |
作業内容（梱包・荷解きの有無）やオプションサービス（エアコン取り外しなど）によっても変動します。
一人暮らしの引っ越し費用については下記の記事で詳しく紹介しています。
時期によっても費用は大きく変動
引っ越しの料金は、「いつ引っ越すか」によっても大きく変わります。3月〜4月の繁忙期は、通常の1.5倍〜2倍の料金になることもあります。
- 【繁忙期（3月〜4月）】：新生活・転勤シーズンで予約殺到・通常期の1.5〜2倍
- 【閑散期（6月〜11月）】：業者の予約が取りやすく割安
- 【土日・祝日】：利用者が集中しやすく、平日より高め
- 【平日（火〜木）】：比較的空いている
引っ越し見積もりを安くする5つのコツ
引っ越し費用はちょっとした工夫で数千円〜数万円も節約できることがあります。ここでは、誰でもすぐに実践できる「引っ越し見積もりを安くするコツ」を5つ紹介します。
荷物を減らす
引っ越し費用は、トラックのサイズや荷物の量に比例します。荷物が少なければ少ないほど費用も安くなります。「単身プラン」で済む量に収まれば、料金は大幅に下がることもあります。
使っていない家電や家具、衣類はこの機会に断捨離やフリマアプリで処分するのがおすすめです。
時間帯や曜日を選ぶ
引っ越しは土日・祝日や午前中に集中しやすいです。人気の時間帯は高くなりやすいので、平日・午後便・フリー便などを選べば、その分費用も下がります。フリー便とは、業者側が都合のいい時間帯に作業を行う代わりに、料金が安くなるプランのことです。
相見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼すること（＝相見積もり）は、安く引っ越すための基本中の基本です。他社の見積もり金額を提示することで、料金交渉にも有利になります。最低でも3社以上に見積もりを依頼するのが理想です。
不要なオプションを省く
引っ越し業者の中には、梱包サービスや家具の分解・組み立て、エアコン取り外しなどのオプションを最初から見積もりに含めてくることがあります。必要ないものは遠慮なく外して、本当に必要なサービスだけを選ぶようにしましょう。
一括見積もりサイトを活用する
相見積もりを効率よく集めるなら、一括見積もりサイトの活用が便利です。数分の入力で、複数の業者からまとめて見積もりが届きます。営業電話が多く来ることもあるので、対応できる時間帯に申し込みましょう。
初めてでも安心の見積もりの取り方・流れ
「引っ越しの見積もりってどうやって取るの？」という方のために、わかりやすく解説します。事前に流れを把握しておくことで、スムーズに見積もりから契約まで進められます。
１．条件入力（見積もりサイトで基本情報を入力）
まずは一括見積もりサイトにアクセスし、以下のような引っ越し条件を入力します。
- 引っ越し元・引っ越し先の住所（市区町村まで）
- 引っ越し予定日（だいたいでもOK）
- 世帯人数と荷物量
- エレベーターの有無
- 希望するオプション（梱包・エアコン移設など）
２．業者からの連絡対応
見積もり依頼後、各業者から電話やメールで連絡が来ます。このときのやり取りで、訪問見積もりや詳細確認の日程を決めます。「連絡はメールでお願いします」と一言伝えておくと、電話の数を減らせる場合もあります。
３．訪問見積もりまたは、オンライン確認
業者が実際に荷物を見て正確な見積もりを出す「訪問見積もり」や、写真・動画を送って対応する「オンライン見積もり」などがあります。
訪問見積もりのメリット
- 荷物の量や搬出経路をプロが確認するので、追加費用が発生しにくい
- 当日の作業もスムーズに進みやすい
オンライン確認のメリット
- 忙しくても対応しやすい
- 一部業者はLINEなどでも対応可能
４．業者の選び方と契約ポイント
すべての業者の見積もりがそろったら、価格だけでなくサービス内容もチェックして比較しましょう。
チェックすべきポイント
- 作業人数と所要時間
- 含まれているオプションの有無
- 補償内容（破損や紛失に対する対応）
- キャンセル料の有無と発生日
引っ越し日が決まったら、なるべく早く見積もり依頼を出すことが大切です。早ければ早いほど、日程の自由もきき、料金交渉もしやすくなります。
実際に見積もり比較して感じた体験談
実際に引っ越し見積もりを比較した人たちの体験談を紹介します。
単身女性のケース
- 東京都在住／30代女性／ワンルーム → 1K／同市内
良かった点
- 見積もり金額が業者によって最大2.4万円の差
- メール中心のやり取りで、しつこい営業電話がなくて助かった
- 当日来た作業員が明るく丁寧で、好印象
後悔した点
- 梱包資材の無料提供がない業者を選んでしまい、段ボール代が追加出費
ファミリーのケース
- 神奈川県在住／40代夫婦＋子ども2人／3LDK → 4LDK／同県内
良かった点
- 訪問見積もりで、価格交渉に成功して3万円ダウン
- 業者の対応やトラックの台数など、詳細を見て選べた安心感
- 荷解きサービス付きプランで、引っ越し翌日からすぐ生活できた
後悔した点
- 土日希望で料金が高騰、平日にずらせば安くなったのにと後悔
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は引っ越し見積もりの取り方や費用相場、安くて安心な業者の選び方を紹介しました。引っ越し費用を抑えながら、安心して任せられる業者を選ぶには、複数社の見積もりを比較することが何よりも重要です。料金だけでなく、サービス内容や口コミ、対応の丁寧さなども総合的に判断することで、後悔のない引っ越しが実現できます。
オンライン見積もりやLINE対応など便利なサービスも充実しており、忙しい方でも簡単に比較が可能です。無理に自力で済ませようとせず、プロの事業者に依頼することで、時間も手間も大幅に削減できます。引っ越しは人生の大切な節目。ぜひ信頼できる業者選びで、スムーズな新生活をスタートさせましょう。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
ネットだけで引っ越しの見積もりはできる？
簡易な見積もりであればネット完結でも可能ですが、正確な金額は訪問が基本です。引っ越し業者の多くは、Webフォームに情報を入力することで概算見積もりを出してくれます。ただし、詳細な料金や追加費用を含めた正確な見積もりには、訪問や電話確認が必要なケースが多いです。忙しい場合は、まずネットで比較してから、絞り込んで訪問依頼すると効率的です。
引っ越しの見積もりはキャンセルできる？
見積もりだけなら基本的に無料で、キャンセルも可能です。ほとんどの引っ越し業者は、見積もりの段階では契約ではないため、依頼後に断っても費用はかかりません。ただし、作業日の予約や契約書へのサイン後はキャンセル料が発生する場合もあります。トラブルを防ぐためにも、正式な契約内容を確認しておくことが大切です。
引っ越し見積もりで聞かれる内容はどんなこと？
主に「荷物の量」「建物の条件」「引っ越し日」「移動距離」などが確認されます。見積もり時には、部屋数や家具・家電の内容、トラックが停められる場所、エレベーターの有無などを詳しく聞かれます。正確な料金を出すために、事実と異なる回答は避けましょう。訪問見積もりの場合はスタッフが現場で確認するため、事前に整理しておくとスムーズです。
引っ越しの見積もり金額が高くなる要因は？
繁忙期・距離・作業量・オプション利用が料金を押し上げる主な要因です。3月・4月などの繁忙期は需要増により価格が高騰します。また、移動距離が長い、大型家具が多い、エレベーターなし、梱包サービスやエアコン脱着といったオプションを追加した場合も費用は上がります。複数社で比較することで、適正価格の見極めがしやすくなります。
荷物が少なくても見積もりは必要？
単身や荷物が少ない場合でも、トラブル防止のため見積もりは取るべきです。ミニ引っ越しだからといって見積もりを省略すると、当日の作業で追加料金が発生するリスクがあります。事前に荷物の量や作業範囲を明確にしておくことで、料金のズレを防げます。ネット見積もりや電話見積もりを活用すれば、手間も最小限で済みます。
見積もり後の追加料金は発生する？
正確な見積もりであれば、基本的に追加料金は発生しません。ただし、申告していなかった荷物の追加や、建物条件の変更（エレベーターがない等）があると、当日に追加費用が発生することもあります。訪問見積もりで現地を確認してもらえば、こうしたトラブルはほぼ回避できます。契約前に「追加料金が発生する条件」も必ず確認しておきましょう。
見積もりで値引き交渉はできる？伝え方のコツは？
他社の見積もりを提示し、相場を踏まえて交渉するのが効果的です。値引き交渉は可能ですが、単に「安くしてほしい」と言うだけでは難しいことも。具体的には「A社では〇円だった」と提示するか、「予算〇円以内で検討している」と伝えると現実的です。複数社を比較する前提で、誠実な態度で交渉すれば、柔軟に対応してくれる業者も多くあります。
