インターネットは、回線工事が必要な場合は申し込みから利用開始まで2〜3週間かかることがあります。引っ越しが決まったら、できるだけ早めに手続きを始めるのが安心です。工事不要のモバイルWi-Fiなどを一時的に使うのも一つの方法です。タイミングによっては引っ越し当日に使えないこともあるので注意が必要です。
住所変更はどこに届け出ればいいですか?住所変更の手続きは、まず市区町村の役所で住民票の異動(転入届)を行う必要があります。そのほか、運転免許証は警察署や免許センターで、健康保険や年金は役所で手続きします。
引っ越しが決まったら、家具や荷造りだけでなく「入居前にやるべきこと」がたくさんあります。ライフラインの手続きや住所変更、室内のチェックや掃除、防犯対策まで、やり忘れがあると後から困ることも少なくありません。初めての引っ越しや、久しぶりの引っ越しでは「何から始めたらいいの?」と戸惑う方も多いはずです。
そこで今回は入居前にやることを整理できるチェックリストを紹介します。思わぬ抜け漏れを防ぎ、安心して新生活をスタートさせるために、参考にしてください。
入居前にやるべきこと・チェックリスト

引っ越し前後は多くの手続きや準備が重なり、時間に追われる場面が増えます。そのため、全体のスケジュールをあらかじめ把握しておくことが重要です。主な流れは以下の通りです。
全体のスケジュール
- 【約1か月前】:ライフラインの連絡、転出届の準備
- 【2〜3週間前】:インターネットの手続き、家具の購入
- 【1週間前】:荷造りの最終チェック、掃除、引っ越し業者との最終確認
- 【前日〜当日】:鍵の受け取り、搬入準備、室内確認

入居前チェックリスト
新居に住み始める前に、やっておくべきことをリスト化しました。チェックしながら進めていきましょう。
①ガス・電気・水道の契約
- ガス・電気・水道の開始連絡
- 開栓・立ち会い予約(ガスは要注意)
②住所変更・住民票の手続き
- 旧住所での転出届、新住所での転入届を忘れずに提出する
- マイナンバーや免許証の住所変更もセットでするのがおすすめ
③室内の掃除・確認
- 入居前の状態を写真に残す
- 傷や不具合があればすぐに管理会社へ連絡する
- 必要であれば簡易清掃や消毒もしておくと安心
④家具・家電の搬入準備
- 搬入経路(エレベーターや階段の幅)を事前に確認する
- 新居に合わせて家具・家電のサイズを見直す
- 組み立てサービスや設置サポートの予約も検討
入居前の掃除と室内チェックポイント

多くの物件ではハウスクリーニングが行われているとはいえ、実際には換気扇の奥や収納の隅、照明器具の上など、細かい部分に汚れが残っていることも少なくありません。入居してから気付いて掃除するのは手間がかかるため、事前に済ませておくと安心です。
また、掃除だけでなく、室内に傷や汚れ、水漏れなどのトラブルがないかをチェックしておくことも大切です。入居後に発見すると、修理の対応や費用の負担でトラブルになることもあるため、気になる点は入居前に管理会社や大家さんに伝えておくとスムーズです。
入居前に掃除すべき場所5選
以下の5箇所は汚れが溜まりやすいので、入居前に自分の目で確認して掃除しておくのがおすすめです。
①換気扇・レンジフード
油汚れやホコリがたまりやすい場所です。フィルターは取り外して洗えるタイプが多いため、入居前に洗浄しておくと安心です。
②窓・サッシ・網戸
一見きれいに見える窓でも、サッシの溝や網戸には細かい砂やホコリがたまっていることがあります。乾いたブラシや掃除機で溝の汚れを取り、水拭きですっきりさせましょう。
③床・フローリング
見た目には気づきにくいですが、床には皮脂汚れやホコリが薄く残っていることがあります。雑巾での水拭きや、フローリング専用のシートで拭き掃除をしておくと清潔に使えます。
④水回り(シンク・洗面台・浴室・トイレ)
水アカや石けんカス、排水口のぬめりなどが残っていることがあるため、クエン酸や重曹などを使って軽く掃除しておくと、入居後すぐに快適に使用できます。
⑤照明・スイッチまわり
照明器具の上やスイッチのまわりも、ホコリがたまりやすい場所です。天井照明の上部は目につきにくいため忘れがちですが、乾いた布や除菌シートでさっと拭くだけで部屋全体が清潔に感じられます。
部屋の状態チェックリスト
掃除と合わせて、部屋の状態をチェックしておくことも非常に大切です。もし傷や故障があっても、入居前に気づいて管理会社に伝えておけば、後から「入居者の責任」と言われる心配もなくなります。
以下のポイントを参考に、スマホで写真を撮りながらチェックするのがおすすめです。
壁・天井
- クロスの破れや汚れ、穴、画鋲跡はないか?
- 天井にシミやカビ跡がないか?(雨漏りの可能性あり)
床・フローリング
- 傷やへこみ、フローリングの浮きはないか?
- 歩いたときにきしむ音がしないか?
収納・クローゼット
- 扉の建て付けや棚のグラつきはないか?
- カビ臭や虫の死骸がないか?
換気扇・通気口
- 正常に動作するかどうか
- 異音やホコリの詰まりがないか?
水回り(キッチン・浴室・洗面所・トイレ)
- 蛇口から水がきちんと出るか(温水・冷水)
- 排水の流れが悪くないか、ニオイがしないか?
- シャワーやウォシュレットなどの機能が正常かどうか?
ライフラインの事前手続き

引っ越しの前に忘れてはいけないのが、ライフラインの手続きです。電気・ガス・水道・インターネットなど、生活に欠かせないインフラは、入居当日からスムーズに使えるように、早めに準備しておく必要があります。
ガスの開栓には立ち会いが必要なケースが多く、直前に申し込むと希望の日に予約が取れないことがあるため、余裕を持って1〜2週間前には手続きを済ませておくと安心です。ここでは、ライフラインごとの申し込みタイミングや注意点をわかりやすくまとめました。
電気・ガス・水道の申し込みと開通タイミング
電気・ガス・水道は、引っ越しの1〜2週間前までに手続きするのが理想です。引っ越し当日にすぐ使えるように、事前に各社へ連絡して使用開始の日時を指定しておきましょう。

- 【電気】:基本的に立ち会いは不要。Webや電話で申し込み可能。ブレーカーを上げれば当日から使用できる
- 【ガス】:開栓には本人または代理人の立ち会いが必要なため、希望日の予約が埋まる前に早めに申し込みする
- 【水道】:地域の水道局に連絡して使用開始の日時を伝えるだけで、立ち会い不要の場合がほとんどです

忘れずに旧居の「使用停止手続き」も同時に行っておくと安心です。
インターネットやWi-Fi契約はいつやる?
インターネット回線の手続きは、遅くとも引っ越しの3週間前までに行うといいでしょう。光回線などは工事日が混み合うことが多く、引っ越し直後にネットが使えないケースも珍しくありません。
手続きの流れ
- 現在の契約回線が「引っ越し先でも使えるか」を確認する。
- 継続できない場合は、新しい回線を申し込み(回線業者+プロバイダ)
- 工事が必要な場合、工事日程を予約しておく。
- Wi-Fiルーターの準備(新調または再利用)
防犯・安全対策も忘れずにしよう

新生活のスタートにあたって、防犯・安全面の確認も非常に重要です。一人暮らしや小さなお子さんがいるご家庭では、入居直後からしっかりと対策しておくことで安心感が格段に変わります。
引っ越し作業や手続きに追われて忘れがちですが、入居初日から「安全な暮らし」ができるよう、基本の防犯チェックとグッズ導入をおすすめします。
カギの交換
賃貸住宅では、前の入居者の合鍵が残っている可能性もゼロではありません。管理会社や大家さんに「鍵は交換済みですか?」と確認することは必須です。心配であれば、自費での交換を相談してみるのも一つの方法です。
窓・ベランダの施錠を見直す
窓のクレセント錠だけでは不十分な場合もあります。防犯補助錠や補助ロックを追加することで、侵入リスクを大幅に下げられます。1階や、ベランダ側の窓は特に注意しましょう。
インターホン・ドアホンの動作確認
モニター付きインターホンであれば、カメラ映像がきちんと映るか確認しましょう。録画機能があるタイプは、訪問者の記録もできるため安心です。古い機種や音が聞こえづらい場合は、交換を検討するのもありです。
おすすめの防犯グッズ
引っ越しを機に、防犯グッズを導入する方も増えています。ホームセンターやネット通販で気軽に買えるものも多いため、できる範囲で備えておくと安心です。
窓用補助ロック

窓のクレセント錠に加えて使うことで、こじ開けや無理な開閉による侵入を防ぐ効果があり、より高い防犯性を確保できます。特に1階や人目の届きにくい窓に取り付けておくと安心です。
防犯ブザー・アラーム

ドアや窓の開閉時に大音量で警告音が鳴るタイプの防犯ブザーは、不審者の侵入を即座に知らせて威嚇できるのが特徴です。夜間や留守中はもちろん、就寝時の防犯対策としても非常に効果的です。
センサーライト

人感センサーで玄関やベランダ付近が自動で点灯するセンサーライトは、不審者への威嚇効果があるだけでなく、帰宅時や夜間の出入りを安全にサポートしてくれるため、防犯と利便性の両方に優れたアイテムです。
ドアスコープカバー

ドアスコープカバーは、外からのぞき見されるのを防ぐためのアイテムで、特に女性の一人暮らしや高齢者のいるご家庭では、防犯対策として取り入れておくと安心です。マグネット式で簡単に取り付けられるタイプが多く、手軽に導入できます。
必要な家具・家電の準備リスト

引っ越し直後は、荷ほどきや手続きよりも「まず生活できる環境を整えること」が最優先です。家具・家電は、引っ越し当日から必要なものと、生活が落ち着いてからでも問題ないものに分けて準備するとスムーズです。買い忘れや手配ミスがないように、優先度を意識してチェックしておきましょう。
最低限必要なものとあると便利な家具・家電
①入居当日から必要な家具・家電
- 【ベッドまたは布団】:睡眠環境の確保は最優先です
- 【カーテン】:プライバシー保護と防犯のため必須
- 【冷蔵庫】:食品保存に必要です(夏場は早めの設置)
- 【洗濯機】:すぐに使う予定があるなら事前搬入
- 【照明器具】:物件によっては備え付けがないこともある
②あると便利な家具・家電
- 【電子レンジ・電気ケトル】:食事の準備が格段にラクになる
- 【テーブル・椅子・ソファ】:段ボール生活を早く卒業したい人は早めに
- 【掃除機・収納棚・テレビなど】:生活の快適さアップに貢献
- 【炊飯器・トースター・デスクライト】:必要に応じて徐々に揃えるのがおすすめ
カーテンのサイズはいつ測る?
カーテンは防犯やプライバシーを守るために、最初に準備すべきアイテムのひとつです。夜になると部屋の中が丸見えになるため、事前の対策が不可欠です。
理想は、内見時や契約後に採寸の時間を設けて、窓の幅と高さを正確に測っておくことです。カーテンはオンラインでも購入できるので、サイズがわかれば引っ越し前に用意しておけます。
もし採寸の余裕がない場合は、突っ張り棒とカフェカーテンなどの仮カーテンで一時的に対応するのも一つの手です。
引っ越し当日までに準備しておきたいもの
- 【延長コード・電源タップ】:レイアウトが未定でも電源確保に便利
- 【トイレットペーパー・ゴミ袋・ウェットティッシュ】:生活必需品はすぐ使える場所に
- 【工具セット】:家具の組み立てや調整が必要な場面に対応できる
- 【飲み物・軽食・紙皿・紙コップ】:食事の準備ができなくても困らないように
- 【室内用スリッパ】:引っ越し作業中の足元を清潔に保てます
行政手続き・住所変更の流れ

引っ越しをしたら、忘れずに行わなければならないのが住所変更に関わる行政手続きです。手続きをしないままでいると、郵便物が届かなくなったり、保険や銀行の登録情報が古いままになってしまい、後々トラブルの原因になることもあります。
住民票の異動は法律で義務付けられており、期日を過ぎると過料(罰金)が発生するケースもあるため注意が必要です。引っ越し直後は何かと忙しくなりますが、余裕を持ってスケジュールを組み、早めに手続きを済ませるよう心がけましょう。
住民票・免許証・銀行・保険などの変更手続き一覧
以下は、引っ越し後に必要な主な手続きを一覧にまとめたものです。市区町村や個人の状況によって多少異なりますが、基本的にはこの順番で進めるとスムーズです。
手続き内容 | 変更先・窓口 | 期限 |
---|---|---|
住民票の異動(転出・転入届) | 転出元・転入先の役所 | 引っ越し後14日以内 |
マイナンバーカードの住所変更 | 転入先の役所 | 引っ越し後14日以内 |
運転免許証の住所変更 | 警察署・運転免許センター | 早めが望ましい(期限なし) |
健康保険(国保または社保) | 市役所または勤務先 | 引っ越し後すぐ |
銀行・クレジットカード | 各金融機関のWebまたは窓口 | できるだけ早く |
郵便物の転送届 | 郵便局(Webでも可) | 引っ越し前〜直後 |
学校・保育園・児童手当の変更 | 教育委員会や市役所 | 早めに |
携帯電話・NHK・通販サイトなど | 各種サービスのマイページ | 引っ越し後すぐ |


やらないと困る手続きはどれ?
すべての住所変更手続きが大切ですが、その中でも「やらないと特に困る」重要度の高い手続きは以下のとおりです。
①住民票の異動(転出・転入届)
14日以内に行わないと、過料(罰金)が科されることがあります。マイナンバーカードや児童手当など、他の手続きにも影響するので最優先で対応しましょう。
②健康保険の変更
国民健康保険の加入・脱退や、勤務先の健康保険の住所更新を怠ると、病院で保険が使えなかったり、保険料に差額が出る場合があります。
③郵便の転送届
郵便物が旧住所に届き続けると、重要書類や請求書を見落とす可能性があります。Webから数分で手続きできるので、早めに済ませておきましょう。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は入居前にやることを整理できるチェックリストを紹介しました。入居前は何かと慌ただしく、手続きや準備を後回しにしがちですが、事前にやるべきことをしっかり整理しておくことで、入居後のトラブルやストレスを大きく減らせます。
荷造りや当日の運搬に不安がある方は、無理せずプロの引っ越し業者に依頼するのもおすすめです。安心・安全に新生活をスタートさせましょう。