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室内コンセント増設・電気スイッチの修理(交換)

ブレーカーはなぜ落ちる?3つの原因と安全に電気を復旧する方法を紹介

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今回はブレーカーの役割や仕組み、ブレーカーが落ちたときの正しい対処法まで詳しく解説します。

この記事で分かること
  • ブレーカーの場所や種類、落ちた原因などが理解できる
  • ブレーカーが落ちたときの具体的な復旧方法がわかる

ブレーカーが落ちるとは?ブレーカーの場所と役割

ブレーカーが落ちるとは?ブレーカーの場所と役割
ブレーカーが落ちるとは?ブレーカーの場所と役割

突然、電気が使えなくなったとき、「ブレーカーが落ちた!」「ブレーカーが飛んだな…」と思ったことがある方も多いはず。そもそも「ブレーカー」とはどのようなものなのでしょうか?

ブレーカーが落ちる原因を知る前に、まずはブレーカーの場所や役割について知っておきましょう。

ブレーカーはどこにある?主に設置されているのはこの4箇所

設置場所は主に「玄関」「キッチン」「洗面所」「廊下」の付近にあります。ワンルームや1Kなどの比較的狭い部屋の場合は、配線コードが短くできるので工事の手間が減るという理由から、玄関に取り付けられていることが多いです。

チェックポイント
稀に収納の中にあるなど、わかりにくい場所に設置されている物件もあるので、探しても見つからない場合は、大家さんや管理会社などに事前に確認しておきましょう。

ブレーカーは電気回路に異常が起きたときに電気を遮断するスイッチ

ブレーカーは電気の流れを遮断(break)するスイッチのことを指します。室内の壁上部に設置されている四角い「分電盤」ボックスの中に配置されているスイッチがブレーカーです。

ブレーカーは電気回路に何らかの以上が行ったときに、電気の流れを遮断する機能を担っています。ブレーカーがあることで、電気の使いすぎや漏電による火災などを未然に防げるので、誰でも安心安全に電気を使用できるようになっています。

一般家庭にある電気ブレーカー3種類の名称と役割

分電盤の中には複数のブレーカーがありますが、一般家庭の場合は大きく分けると「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」の3種類です。それぞれの役割についてご紹介します。

住宅全体の契約電気量を管理する「アンペアブレーカー」

住宅全体の契約電気量を管理する「アンペアブレーカー」(サービスブレーカー)
住宅全体の契約電気量を管理する「アンペアブレーカー」(サービスブレーカー)

アンペアブレーカーは、家庭(建物全体)で同時に使う電気量を制限するスイッチです。電力会社との契約アンペア数(電流値)を超える電気が、同時に使われた場合に電流を遮断する役割があります。

このブレーカーが落ちた場合は、住宅全体が停電するのが特徴です。このアンペアブレーカーが落ちた場合は、契約しているアンペア数と電気の利用量が合っていない可能性があります。

アンペアブレーカーには「30A」「40A」などの数字が記載されています。電気料金は契約しているアンペアの量で決まり、30A、40A…とアンペア数が大きくなるにつれて電気料金が上がります
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    最近ではアンペアブレーカーの代わりに、電気の使用量をデジタル計測できる「スマートメーター」が普及して、アンペアブレーカーが撤去されている場合もあるみたい。この機会に分電盤の中身を確認しておこうね。

漏電を検知して火災を未然に防ぐ「漏電ブレーカー」

漏電を検知して火災を未然に防ぐ「漏電ブレーカー」
漏電を検知して火災を未然に防ぐ「漏電ブレーカー」

漏電ブレーカーは住宅の漏電を検知して、電気の流れを止めるスイッチです。火災の発生や感電事故を防ぐことが目的です。「漏電ブレーカー」と記載されていることが多く、分電盤の中を確認するとすぐに見分けがつくと思います。

アンペアブレーカーと同様に漏電ブレーカーが落ちた場合も、住宅全体の電気が使えなくなります。漏電ブレーカーが落ちたということはどこかで漏電している可能性があり、トラブルの深刻度はアンペアブレーカーに比べて格段に上です。早急に対処する必要があります。

チェックポイント
漏電ブレーカーが落ちてしまったときは、すぐに電気事業者や電気工事会社、不動産管理会社などに連絡して点検・修理を依頼しましょう。漏電は感電や火災などの重大な事故につながる可能性があり、素人感覚で修理したり、放置したりするのは大変危険です。

部屋ごとの電気使用量を管理する「安全ブレーカー」

部屋ごとの電気使用量を管理する「安全ブレーカー」
部屋ごとの電気使用量を管理する「安全ブレーカー」

安全ブレーカーは部屋ごとの電気を遮断できるスイッチです。家庭(建物全体)の電気の流れを一括で遮断できるアンペアブレーカーに対して、安全ブレーカーは室内の箇所ごとに電気を遮断できる仕組みになっています。

安全ブレーカーが落ちた場合は、その箇所のみ電気が使えなくなります。各部屋などで使用している電化製品やコードが故障などによりショートした場合や、その回路で電気を使いすぎてしまった場合に回路の電気を遮断してくれます。

アンペアブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

アンペアブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法
アンペアブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

アンペアブレーカーが落ちるのは、一度に電気を使いすぎているのが原因です。具体的には、同時に使用する電気の量が契約アンペア数を超えたときに落ちる仕組みになっています。

例えば契約アンペア数が30Aの場合、同時に使用できる電気の総量は30Aが上限となります。これを超えると「契約以上の電気を使っている」と判断されて電気回路が遮断され、住宅全体が停電します

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    普段より消費電力の大きな電化製品をたくさん併用していないか確認してみてね。電子レンジや電気ケトルなどの調理家電やドライヤー、電気ストーブやエアコンなどの空調機器の消費電力が高いらしいよ。

アンペアブレーカーが落ちた時に正しく復旧する流れ(3つの手順)

アンペアブレーカーの復旧方法は、基本的にはブレーカーをもう一度オンに戻すだけです。

復旧手順

  1. 電化製品の電源をすべてオフ(OFF)にする。
  2. アンペアブレーカーをオン(ON)にする。
  3. 電気が復旧したの確認後、一度に使用する電化製品の数を減らす。

ブレーカーが落ちる直前まで使用していた電化製品の電源を、すべてオフにしてください。特に消費電力の大きな家電の場合は、念のためにコンセントも抜いておきましょう。(例:電子レンジ、電気ケトル、炊飯器、ドライヤー、電気ストーブ、エアコンなど)

電気の使い過ぎでブレーカーが落ちたため、ブレーカを戻した後に使用する電気量を減らなければ再びアンペアブレーカーが落ちてしまうので注意しましょう。

漏電ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

漏電ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法
漏電ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

漏電ブレーカーが落ちる場合は、使用中の電化製品や配線などが漏電している可能性があります。家電で使用される電線やケーブルが経年劣化などで傷むと、電気が外に漏れ出てしまうことがあり、この現象を漏電といいます。この状態のまま電気を使用すると、漏電ブレーカーが異常を検知して、住宅全部の電気を遮断するためにブレーカーが落ちて停電する仕組みとなっています。

漏電ブレーカーが落ちてしまったときは無理をせず、まずは専門家に連絡して点検修理の相談することをおすすめします。漏電は感電や火災などの重大な事故につながる可能性が高く、素人判断での対応や放置は危険です。

しかし、家中の電気が使えない状態で生活するのは非常に不便です。修理が済むまで待っていられないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、一時的な方法ではありますが、漏電が起きている箇所を特定し、それ以外の場所だけの電気を復旧する方法を紹介します。

チェックポイント
夜間や十分な明るさがない状況で作業すると思わぬ事故につながる恐れがあります。懐中電灯やスマートフォンのライト機能などを活用し、手元をしっかりと確認しながら作業してください。

漏電ブレーカーが落ちた時に正しく復旧する流れ(6つの手順)

漏電が起きている箇所を特定し、それ以外の場所だけの電気を復旧する方法を以下に紹介します。ただし、漏電ブレーカーの復旧作業を不用意に行うと思わぬ事故を招く恐れがあります。下記の操作は自己責任のもとで行ってください。専門家への点検・修理依頼が最優先と考えましょう。

復旧手順

  1. 安全ブレーカーをすべてオフ(OFF)にする。
  2. 漏電ブレーカーをオン(ON)にする。
  3. 安全ブレーカーを1個ずつオン(ON)にして、どの箇所で漏電ブレーカーが落ちるかをチェックする。
  4. 漏電している箇所が特定できたら、再びすべての安全ブレーカーをオフ(OFF)にして漏電ブレーカーをオン(ON)にする。
  5. 漏電している箇所以外の安全ブレーカーをオン(ON)にする。
  6. 漏電が疑われる箇所で使っている電化製品のコンセントを抜く。

安全ブレーカーを1つずつオンにすることで、漏電が疑われる箇所の範囲を特定していきます。

漏電している箇所や原因が分からない場合は、無理をせずに電力会社へ連絡して対処してもらってください。

安全ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

安全ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法
安全ブレーカーが落ちる主な原因と復旧方法

安全ブレーカーが落ちた場合、そのブレーカーで制御している場所での電気の使いすぎや、電化製品の故障などによるショートが原因として考えられます。

特定の箇所だけ電気が使えない状態になったら、安全ブレーカーの状態を確認したうえで、「普段より多くの電化製品をその場所で使っていなかったか」「電化製品やコードから焦げ臭くないか」をチェックしてみましょう。

チェックポイント
安全ブレーカーのスイッチには、「玄関」「洗面所」「洗濯機」など対応箇所の名前と、それぞれの場所で使用可能なアンペア数が記載されていることがあります。スイッチ箇所のアンペア数が20Aだった場合、その場所で同時に使用できるのは30Aまでということです。これを超えると電気の使い過ぎのため電気回路が遮断され、その場所のみが停電します。

安全ブレーカーが落ちた時に正しく復旧する流れ(3つの手順)

単純にスイッチをオンに戻すだけでは、またすぐに安全ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。まずは安全ブレーカーが落ちている場所にある電化製品の電源プラグをコンセントからすべて抜いて、電気が使用されていない状態を作った上でスイッチをオンにしましょう。

復旧手順

  1. 安全ブレーカーが落ちた場所の電化製品を一度すべてオフ(OFF)にする。
  2. 安全ブレーカーを上げてオン(ON)にする。
  3. 電気の復旧を確認し、一度に使用する電気量を減らす。
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    安全ブレーカーの復旧方法はアンペアブレーカーとほぼ同じだよ。まず電化製品を一度オフにしてから、落ちたブレーカーを上げ、一度に使用する電力を調整しながら復旧してみてね。

ブレーカーが頻繁に落ちる時の対処方法

ブレーカーが頻繁に落ちる時の対処方法
ブレーカーが頻繁に落ちる時の対処方法

いくつもの家電を同時に使用しない(タコ足配線も減らす)

同居している家族の人数が多いほど、電化製品を同時に使用するタイミングも当然多くなると思います。しかし同時に使用する電気量が一定数を超えるとブレーカーが落ちるので、できるだけ時間差で使用することを心掛けてください。

テーブルタップを用いたタコ足配線は、コンセントが少ない部屋で便利なのですが、定格電力を超過して使用していると漏電のリスクが高まります。極力コンセント数は少なく利用して、定格電力を超えないように注意しましょう。

チェックポイント
タコ足配線にほこりが溜まったまま放置すると、火災の原因にもなります。日頃からこまめに掃除することも大切です。

アース線を取り付けて漏電対策する

電化製品に付いているアース線を、コンセント付近にあるアース端子に取り付けると、漏電したときに電気を地面へ流して感電リスクを減らせます。アース線は水回りで使用する電化製品(冷蔵庫やトイレの温水便座など)に付いていることが多いです。

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    アース線の取り付けはマイナスドライバーを使うので、取り付けが面倒に感じてつけていない家庭も多いんじゃないかな。でも電化製品は経年劣化するものだから、感電しないように必ずアース線を付けておいたほうがいいよ。

電気の使用量にあうように契約アンペア容量数を上げる

ブレーカーが落ちる頻度が多いようなら、契約アンペア数が足りていないのかもしれません。同居している人数が多い家庭などは、たくさんの電化製品を同時に使用するシーンが多いので、電力会社に連絡してアンペア数を上げることをおすすめします。

まとめ

今回はブレーカーの場所や役割、落ちた時の復旧方法についてご紹介しました。ブレーカーが落ちたときには漏電や感電、発火の危険性があります。正しい復旧手順を確認の上、慎重に対応してください。

ブレーカーが落ちた箇所や原因が特定できなっかたり、不安が残っている場合はすぐに専門業者に連絡して対処してもらいましょう。配線などの電気工事は素人にはできないので、必ず専門業者に任せましょう。

ブレーカーとは?
ブレーカーは電気の流れを遮断(break)するスイッチのことを指します。室内の壁上部に設置されている四角い「分電盤」ボックスの中に配置されているスイッチがブレーカーです。詳しくは「ブレーカーは電気回路に異常が起きたときに電気を遮断するスイッチ」で説明しています。
ブレーカーの設置場所はどこにある?
ブレーカーは主に「玄関」「キッチン」「洗面所」「廊下」の付近にあります。ワンルームや1Kなどの狭い部屋の場合には、玄関に取り付けられていることが多いです。詳しくは「ブレーカーはどこにある?主に設置されているのはこの4箇所」で説明しています。
ブレーカーが頻繁に落ちる時の対処方法とは?
ブレーカが落ちる原因は「タコ足配線」「漏電」「契約アンペア数の不足」が考えられます。詳しくは「ブレーカーが頻繁に落ちる時の対処方法」で説明しています。

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電気工事士2種、一級塗装技能士 松浦 隆之介
監修者

電気工事士2種、一級塗装技能士

松浦 隆之介

元請け足場専門会社として誕生し、さまざまな施工現場で技術を取得しました。全工程を自社で一括施工できるように塗装工事を含む事業を展開中です。