エアコンを取り付ける前に「部屋の状態」「電気容量」「取り付ける場所に電源」を確認しましょう。「エアコンを取り付ける前に確認したい3つのポイント」で詳しく紹介しています。
エアコン取り付け工事費用の相場はいくら?エアコン取り付け工事費用の相場は6~12畳で12,000円~16,000円、14畳以上で18,000円~23,000円程度です。ただしこれは標準工事に含まれている内容の料金です。
エアコン取り付け工事費用が高くなる場合とは?エアコン設置面が特殊な材質であったり、エアコン専用コンセントの増設が必要になった場合は、追加工事費用が発生した分だけ高くなります。
エアコン取り付け費用は、エアコン本体の対応畳数(冷房能力)や追加工事の有無によって金額が変動します。エアコン取り付け費用を適切な価格に設定するためには、標準工事と追加工事の基本的な作業内容と費用相場を知ることが大切です。そこで今回はエアコンの取り付け費用相場や、費用が高くなるケースと安く抑えるコツを紹介します。
エアコン取り付け工事にかかる費用相場

エアコン取り付け工事はエアコン本体の対応畳数(冷房能力)によって変動します。まずは、対応畳数別に、標準工事の費用相場を確認しましょう。追加工事の作業内容や、費用は後ほど解説します。
対応畳数 | 標準工事の費用相場 |
---|---|
エアコン取り付け6~12畳 (冷房能力2.2~4.0kW) |
12,000~16,000円 |
エアコン取り付け14畳~ (冷房能力5kW以上) |
18,000~23,000円 |
エアコンの取り外し | 3,000~5,000円 |
エアコン回収 | 0円~3,000円 |
配管化粧カバー (室内) |
9,000円~12,000円 |
配管化粧カバー (室外) |
6,000円~10,000円 |
※2024年4月時点のすまいのホットライン費用相場です
エアコンを取り付ける前に確認したい3つのポイント

古い家や賃貸にエアコンを取り付ける場合、「エアコンを購入したのに取り付けができない」「予定外の追加費用が発生した」というケースが考えられます。
エアコン取り付け費用を適切な金額に設定するためにも、まずは取り付け前に確認したい3つのポイントを確認しましょう。
エアコンを取り付ける部屋の状態を確認する
1つ目のポイントは、エアコンを取り付ける部屋の状態です。
一軒家の場合、地震や台風に耐えられるよう、家の各部分に耐力壁(補強材)が設けられています。家の耐力壁(補強材)が入ってある壁に、エアコンを取り付ける際は注意が必要です。壁に配管用の穴を開けると、構造上の問題が生じることがあります。そのため、エアコンを取り付ける前に「自宅の壁が耐力壁かどうか」を確認しましょう。
マンションの場合、部屋の状態によってエアコンを取り付けられないケースがあります。特に共用廊下や建物の真ん中に部屋がある場合、エアコンの配管スペースや室外機を置く場所がないためエアコンの取り付けができません。
電気容量を確認する
電気容量が足りない場合は、エアコンが取り付けできません。電気容量とは契約容量とも呼ばれ、同時に使用できる電気の最大容量を指します。
電気容量が足りない場合、エアコンを取り付けても電源を入れる度にブレーカーがダウンして他の電化製品も使えなくなることがあります。この場合は、電気容量を増やすことで解決できます。「電気工事士」の資格を持つ専門の業者に電気工事を依頼しましょう。
また、エアコンには100Vの電源で作動するタイプと、200Vの電源で作動するタイプがあります。エアコンを取り付ける箇所のコンセントが、100Vと200Vのどちらなのか必ず確認しましょう。
【参考】
契約容量とは何か知りたい
エアコンを取り付ける場所に電源があるか確認する
取り付け位置や電気容量に問題がなくても、取り付け箇所に電源がなければエアコンは使えません。電源がない場合は、エアコン取り付け箇所に電源を用意する必要があります。また、コンセントの増設を依頼する際も、火災や漏電などの事故を防ぐために電気工事士の資格を持つ業者に依頼しましょう。
エアコン取り付け標準工事に含まれる5つの作業内容

エアコンを取り付ける際の標準工事は、エアコンが正常に稼働するための基本工事です。主に次のような5つの作業が含まれていますが、業者によって対応してくれる標準工事内容が異なることがあるため注意しましょう。
標準工事の他に追加工事が必要な場合、追加工事分の費用が標準費用に追加されます。また、業者によって標準工事の内容が異なるケースがあります。エアコン取り付け費用の相場を知るために、標準工事に含まれる内容を確認しましょう。
室内機の設置
エアコンの室内機を部屋の壁に取り付ける作業は、標準工事に含まれます。室内機の上下左右に5cm以上スペースが必要です。室内機の大きさと設置スペースも考えて購入しましょう。
配管を通す壁の穴開け
エアコン取り付け工事では、室内機と室外機をつなぐ配管を通すために、壁に穴を開ける必要があります。木造やモルタル壁などに1箇所の穴を開ける際は、標準工事で対応できます。しかし、コンクリート壁やタイル壁など穴を開けにくい壁材の場合は、追加工事が必要になります。
配管類の接続
エアコン取り付け工事では3つの配管類を接続します。3つの配管類とは、室外機に電力を送る電線、空気の熱を運んで循環させる銅管、室内機から排水するドレンホースです。これらの配管類が4mの長さに収まる場合は、標準工事として扱われます。
室外機の設置
エアコンの室外機を、室内機の近くにあるベランダや地面に置くときは標準工事として扱われます。エアコン取り付け費用の中に、プラスチック製の土台や固定器具も含まれるでしょう。しかし、特殊な箇所に設置する場合は、追加工事が発生するため取り付け費用が高くなります。
真空引き
真空引きとは、室内機と室外機を接続後、銅管の中から空気や水分を抜き真空にする作業です。エアコンの取り付け工事では、エアコンの効きをよくするため、故障を防ぐために真空引きをしなければなりません。エアコンを正常に使うために欠かせない作業のためエアコン取り付け費用に含まれます。
【参考】
なぜ「真空引き」が必要ですか。 - 配管機材 - Panasonic
エアコンの取り付け費用が高くなるケース

エアコン取り付け費用が高くなるケースとはどのようなものでしょうか。具体的なケースを解説します。
特殊な材質の壁に穴を開ける
標準工事には、一般的に配管用の「穴開け」が含まれています。しかし、エアコンを設置する壁がタイルやレンガ、コンクリートなど特殊な材質の場合、大掛かりな工事が必要になり追加料金が発生します。費用の目安は5,000~15,000円です。
室外機を特殊な場所に設置する
エアコンの室外機をベランダや地面以外に設置する場合は、エアコン取り付け費用が高くなります。例えば、屋根の上に置いたり、壁や天井から吊り下げたりと特殊な場所に設置するときは、固定器具やはしご使用料が追加されるのが一般的です。費用の目安は10,000~20,000円です。
特殊な設置パターン
- 天井から吊り下げる
- 壁に掛ける
- 屋根に設置する
- 室外機の二段重ね
配管の長さが4mを超える
エアコン本体と室外機が別の階にある場合、配管の長さが4mを超えてしまうことがあります。この場合、延長工事が必要になります。延長1mあたり3,000円程度の追加料金が発生するでしょう。
配管カバーを付ける
配管カバーとは、配管類を覆うプラスチック製の化粧カバーです。標準工事では配管をテープでグルグル巻きにしますが、時間がたつとテープが劣化して剥がれてきます。配管カバーは日光や風雨から配管を守り、室内の雰囲気や建物の外観を美しく仕上げるために役立ちます。配管カバーの取り付け費用の目安は14,000~20,000円です。
隠ぺい配管にする
隠ぺい配管とは、壁の内側に配管を埋め込んで、外側から見えなくする方法です。外側から配管が見えないため家の外観が美しくなり、配管の劣化も防げます。取り付け工事に手間がかかるため、エアコン取り付け費用は高くなります。費用目安は10,000~15,000円です。
エアコン用コンセントの新設や電圧の交換
エアコンの種類によって、専用のコンセントがなければ設置できないタイプがあります。エアコンを設置する場所の近くに専用コンセントがない場合、また差し込み口の交換が必要な場合は電源工事費が追加されるでしょう。
さらに部屋の電圧とエアコンの電圧が異なるときは、電圧変換工事が必要です。一般的な電圧変換工事費用は3,000円です。電源工事費と電圧変換工事費用をあわせると、エアコン取り付け費用として10,000~20,000円が必要となります。
エレベーターが無い物件で3階以上に搬入する
エレベーターのない物件にエアコンを取り付ける際は、階段の上り下りが発生します。エアコンの搬入に時間がかかるため、こちらも追加費用が発生します。3階以上の部屋にエアコンを取り付ける際は、階数に応じて取り付け費用が高くなる傾向があります。追加費用の目安は1,000~3,000円です。
エアコンの取り付け費用を安く抑えるコツ

繁忙期を避ける
エアコンの取り付け費用は、繁忙期を避けることで安く抑えられます。進学や就職で引っ越しが多い3~4月、暑くなる前の5~6月はエアコン取り付け工事が多い時期です。工事費が通常より2割程度高くなることがあるため、できれば繁忙期を避けて依頼したほうが取り付け費用を安く抑えられます。
複数の業者に見積りしてもらう
エアコン取り付け費用は、依頼する業者によって金額が異なります。複数の業者に、標準工事の内容や追加工事にかかる料金の見積りをお願いして、ご自身にあった業者を選びましょう。なお、あらかじめ物件に配管用の穴が開いていれば、その分を取り付け費用から差し引いてくれるかもしれません。
エアコン取り付け業者に依頼する
家電量販店などでエアコン本体を購入すると、取り付け工事費がセットになっている場合が多いです。自分で取り付け業者を探す手間が省けますが、工事費には量販店が取り付け業者に支払う依頼料が含まれています。取り付け工事は、本体とは別に他の取り付け業者に依頼した方が費用を安く抑えられます。
古いエアコンを処分する3つの方法

古いエアコンから新しいエアコンに取り換える場合は、外した古いエアコンの処分が必要です。通常のゴミと一緒に気軽に捨てられないのが面倒ですが、エアコンは家電リサイクル法の対象項目です。正しくエアコンを処分する5つの方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

購入店で引き取ってもらう
新しいエアコンを購入したら、エアコンの取り付けと同時に古いエアコン引き取ってもらえないか販売店に確認しましょう。業者によっては、エアコンの取り付け費用に、古いエアコンの処分費用が含まれていることもあります。
エアコン取り付け費用に処分費用が含まれていない場合でも、別途料金を支払うことで古いエアコンを引き取ってくれるケースがあります。新しくエアコンを購入する際に、古いエアコンの処分方法を購入店に相談してみてください。
指定引取場所に持ち込む
地域指定の処分場などに、自分で持ち込みむ方法です。引き取りに来てもらうこともできますが、持ち込みで処分場に依頼すれば費用をおさえられます。場所や処分費など、詳しい内容はお住まいの市区町村で確認して下さい。
回収業者に依頼して処分してもらう
不用品の回収業者に依頼して、処分してもらうこともできます。古いエアコン以外に同時に処分してもらいたい家具や、家電が数点ある場合は費用が安く済む場合もあります。上記の方法の中から、ご自身にあった方法を選びエアコン取り付け費用を安く抑えましょう。
エアコン取り付け業者を選ぶ3つのポイント

最近は、インターネットで家電を購入する人も増えています。インターネット販売は、自宅から好きな商品を選べるというメリットもありますが、取り付け業者は自分で探す必要があります。そこで重要なのが業者選びです。
残念なことにエアコン取り付け業者の中には、悪質な業者も存在します。悪質な業者に依頼するとエアコン取り付け費用が高額になってしまうかもしれません。ここでは、取り付け業者を選ぶ3つのポイントを紹介します。
取り付け場所を確認してくれる
取り付け業者を選ぶ際は、エアコンの取り付け場所を確認してくれる業者を選びましょう。取り付け箇所の状態をよく確認せずに設置することは、エアコンの取り付け工事の中でやってはいけないことの1つです。
一軒家には耐力壁があり、その壁に配管用の穴を開けてはいけません。家の構造上の耐力が低下する恐れがあり、倒壊の原因となる可能性もあります。取り付け前に現地調査して、部屋の状況を確認し、取り付け工事の内容を説明してくれる業者を選びましょう。
エアコンの設置場所が離れている時や狭い時については下記の記事で詳しく紹介しています。

費用の内訳を明確にしてくれる
工事の内容と費用の内訳を明確に提示してくれる業者を選びましょう。 エアコン取り付け工事では、想定外の追加工事が発生することもあります。そのため、追加費用が発生するケースも、めずらしいことではありません。
しかし、それを悪用する業者が存在します。「エアコン取り付け作業一式」など、不明確な見積りしか出してくれない業者に依頼すると、エアコン取り付け費用が高額になってしまうかもしれません。
また、古いエアコンを回収してもらう場合は、処分費用の内訳も確認しましょう。
電気工事士の資格がある
エアコンの取り付け工事では、電気工事士の資格を必要とする作業があります。例えば、一般家庭にエアコンを取り付ける際は、第1種電気工事士免状または第2種電気工事士免状が必要です。また、電気工事業法では、資格が必要な電気工事において、無資格者の作業を禁止しています。
エアコンのトラブルによる事故を防ぐためにも、エアコン取り付けの際は必ず電気工事士の資格を持つ業者を選びましょう。
【参考】
経済産業省|家庭用エアコンの設置・修理の工事について
エアコン取り付けなら地元の業者が安くておすすめ
エアコンの取り付け費用は、標準工事と追加工事の内容で決まります。エアコンの取り付け工事を依頼する際は、工事内容と費用相場を知っておくことが大切です。
エアコン取り付け費用を安く抑えるためには、多くの方がエアコンを購入する繁忙期を避け、複数の業者に見積りを依頼することがポイントです。また、信頼できる業者を選ぶことで、購入後も安心してエアコンを使用できるようになります。
エアコンは快適な暮らしを送るために役立つアイテムです。適切な金額で安全にエアコンを取り付けてもらい、これからも過ごしやすい毎日を送りましょう。