日本に生息するハチで人への被害が多いのは「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」の3種類の蜂がいます。実はこの中でも、細かく種類に分けられます。「家の近くに蜂の巣ができて怖い…」「危ない蜂だったらどうすれば…刺されるかも」そんな経験ありませんか?いざ見つけても何をすればいいのかわからず、毎日が不安になりますよね。
自分で蜂の巣を駆除する時の判断基準
蜂の巣を自分で駆除するには、死亡事故が起きるほどの危険がともないます。少しでも危険を感じたり自信がない場合は、無理をせずに専門の駆除業者にお願いするようにしましょう。
蜂の巣に手に届く
蜂の巣ができている場所によっても、安全に駆除できるかを判断できます。具体的に言うと「手に届く場所」に巣があるかどうか。蜂の巣周辺の空間に余裕があり、梯子を使わなくても簡単に手が届く場所にできた蜂の巣なら、比較的安全に駆除できます。反対に閉鎖的に巣がある環境の場合、駆除時に蜂が密集しやすく刺される可能性が高くなり、事故につながる危険度が跳ね上がってしまいます。
蜂の巣の大きさが「10cm未満」
自分で駆除ができるのは「できてから間もない巣のみ」です。具体的な大きさで言うと、一辺が10cm未満の巣となります。もし駆除しようとしている巣が10cmを超える大きさの場合、働き蜂の数が急激に増えており、巣に刺激をあたえてしまうと多数の蜂が一斉攻撃してくるため、駆除が著しく難しくなります。業者や役所にお任せすることを強くおすすめします。
駆除の流れと必要な道具
【道具】
・厚手のゴム合羽の服(上下)
・ 革手袋(薄手の手袋はNG)
・ 厚手の帽子とタオル
・長靴か革製の安全靴(サンダルはNG)
・ 市販の駆除スプレー
・蜂の巣を入れるゴミ袋 蜂の巣が入るポリバケツ
- 1.蜂に刺されないように防護服やタオルで頭を守る準備する
- 上下とも厚手のゴム合羽がおすすめです。ない場合は厚手のウィンドブレーカーの下に長袖シャツで代用ください。頭皮保護のためタオルを頭に巻いて厚手の帽子を着用してください。皮膚が露出しないことがポイントです。万が一蜂に攻撃されても皮膚まで毒針が通らない対策してください。
- 2.巣から2~3m離れた場所から巣の表面に3分ほど殺虫剤を噴射する
- 巣から少し離れた場所から、巣の表面めがけて殺虫スプレーを噴射します。残量が足りなくならないよう、大容量の殺虫剤をご購入ください。蜂が飛び出してきて大きな羽音がしますが、怯まずに少なくとも3分は続けてください
- 3.長い棒を使って蜂の巣を地面に落とす
- 巣の下にゴミ袋を被せたバケツを置いて、長い棒を使って巣を落とします。なかなか巣が落とせない場合は無理をせずにプロに相談しましょう。駆除しきれなかった蜂が襲ってきた場合は、慌てて急に動いたり大声をあげて立ち向かったりせずに、ゆっくりと後退してください。巣があった場所に殺虫剤を撒いておくことで、再び同じ場所に巣ができるのを予防できます。
- 4.ゴミ袋を被せて殺虫剤でとどめを刺す
- ゴミ袋内に殺虫剤を噴射してから閉じます。燃えるゴミとして処分してください。蜂は死んでも1日ほどは針の部分だけ反射的に動くので、刺されてしまう可能性があります。駆除時に退治して死んだ蜂が周辺に落ちている場合は、むやみに触らないようにしてください。
スズメバチの生態や特徴
日本で最も被害が多いと言われているのが「スズメバチ」です。スズメバチの怖いところは、特に刺激しなくても巣の近くを通りかかっただけで襲われることです。これは巣を守るために攻撃的なスズメバチの特徴の1つです。
スズメバチは威嚇性と攻撃性が非常に強く、人間を刺すのが1番多い蜂です。特にスズメバチは9〜10月頃の秋口に繁殖の時期になるため攻撃性が高まり、5m以上離れた場所にいても刺してきます。
スズメバチは針から毒液を出して、毒液が続く限り何度でも刺せるのも特徴です。万が一刺された場合は早急に病院へ行きましょう。スズメバチに刺されてアナフィラキシーショックを起こして命を落とす人も多いです。
強い毒性を持つアシナガバチとは?
アシナガバチは比較的おとなしい性格の蜂ですが、巣に近づいたり人から攻撃されると防衛や攻撃します。アシナガバチの毒はかなり強力で、スズメバチ同様に刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす危険性があります。
アシナガバチの巣はグレー系の色で、六角形が外からでも確認できるのが特徴です。目立たない場所に巣を作るので見つけにくいことや、一度駆除しても再び同じ場所に巣を作る厄介な場合もあります。
比較的穏やかなミツバチ(蜜蜂)とは?
ミツバチといえば、ハチミツ(蜂蜜)を想像する人も多いですよね?ミツバチは花の蜜を採取して巣に持ち帰り、蜜を巣に貯蔵します。花の種類によって様々なハチミツ(蜂蜜)があります。ミツバチは攻撃性が低いのですが、刺激を受けると攻撃してくるミツバチもいます。寒い時期は攻撃性が高まり、集団で人を襲う場合もあります。
ミツバチに刺されると針が皮膚に残るためピンセットで抜き、中の毒を絞り出しながらしっかり洗浄し患部を冷やしましょう。腫れやかゆみがヒドイ場合は、薬剤師に相談して市販のぬり薬を購入すれば大丈夫です。
ジガバチとはどんな蜂?
ジガバチと言っても種類は様々で総称するとジガバチ族と呼ばれています。ジガバチの名前の由来は巣穴を掘ったり、削ったりする時に羽を振動させる音がジガジガと音がすることからジガバチと言われています。ジガバチは群れで生きることはなく単独で生活しています。ジガバチはアオムシを捕食しますが、同科で似ている生態のジガバチ亜科はクモを捕食します。このようにジガバチは、他の蜂(ハチ)とは違います。
ジガバチの体長は雄と雌で違います。
・ジガバチの雄の体長は19mm程度
・ジガバチの雌の体長は23mm程度
体の色は黒色で第1~第2腹背節は赤色、第3腹背節は藍色で真ん中は細長いです。
ジガバチは日本全土に生息しており、ユーラシア大陸の広範囲に分布しています。ジガバチの生態や特徴を覚えて、公園や道端で観察してみるのもいいでしょう。
クマバチとは?
クマバチ(熊蜂)は、ミツバチ科クマバチ属に属する昆虫の総称で、一般に大型のハナバチのことです。地方によってはクマンバチとも呼ばれます。日本の在来種はクマバチ(キムネクマバチ)、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチ、オガサワラクマバチの5種が知られています。
クマバチは体長2cmを超えるずんぐりとしたハチで、胴体が太いためぱっと見でとても大きく見えます。全身真っ黒ですが、胸の部分にもふもふとした鮮やかな黄色い毛が生えています。<オスとメスでは見た目がやや異なり、オスは目が丸く大きいのが特徴で毒針はありません。メスは顔全体が黒く顎が大きく、お尻には毒針を持っています。
クマバチは花の蜜や花粉を主なエサとしており、特に「藤の花」を好みます。藤の花はクマバチがこじ開けることで初めて花が開くため、クマバチは花粉の媒介者としても一役買っています。
ミツバチ同様人間生活の役に立っているという見方もできるため、駆除対象にするにはかわいそうという人もいます。クマバチは真っ黒で大きく「ブーン」と重低音の羽音を鳴らして飛びまわるため「とても怖いハチ」といった印象を受けますが、クマバチは極めて温厚な性格です。近づいただけで攻撃されることはないため、突然クマバチが寄ってきても怖がる必要はありません。毒針を持つメスを手で振りはらったり、刺激を与えると刺されることがあります。
クマバチは木や竹に長い穴を掘って巣を作ります。メスが強いアゴで木を削り直径1.5cm全長30〜40cmほどの巣を作り、産卵して子育てします。木材に巣穴を掘り住み着くことが、クマバチを駆除する一番の理由です。クマバチの寿命は1年、スズメバチなどと違い集団生活をせず単独行動します。
地面付近を飛び回るツチバチの特徴
ツチバチの特徴と生態
・体長…10~25mm程度
・色や模様…体全体にうっすらと毛が生えており黒っぽい色です。種類によりお腹に赤、黄、白色の斑紋やしま模様がある
・性格…おとなしい性格でこちらから危害を加えない限り攻撃してくることはまずない
・毒性…刺されれば痛みはありますが人に影響する程の毒性はない
・行動単位…単独行動
・巣…巣と呼べるようなものは作らない