手軽に除去するには、雑草取り用の道具を使って手作業で抜くのが基本です。根をしっかり取り除くことが重要で、雨上がりなどで土が柔らかくなっているときに作業すると効果的です。
雑草が芝生全体に広がってしまったら?雑草が芝生全体に広がってしまった場合、芝生専用の選択的除草剤を使用して雑草を枯らすのが効果的です。その後、雑草を取り除き、必要に応じて芝生を再播種することで密度を回復させましょう。また、エアレーションや肥料の施用で土壌を改善し、健康な芝生が再び成長するようにサポートしましょう。
芝生に生える雑草に悩まされていませんか?せっかく整えた庭でも、気づけば雑草が目立ち、美観や芝の健康を損ねてしまうことがあります。除草剤を使えば簡単に見えるものの、ペットや小さなお子さんがいるご家庭では安全面が心配という声も多いはずです。
そこで今回は、雑草が生える根本的な原因や、薬剤に頼らずにできる自然派の除草対策を紹介します。2025年の最新情報をもとに、季節ごとの管理ポイントやおすすめグッズもあわせて解説します。
芝生に雑草が生える根本的な原因とは?

雑草対策を始める前に、まずは発生の根本原因を理解することが重要です。
芝生に雑草が増えてしまうのは、単に手入れの頻度だけではありません。土壌環境の悪化が進むことで、雑草が優勢になるケースが多く見られます。注意すべきなのがpHのバランス、水はけ、そして通気性の問題です。
土壌環境の悪化
芝生の健康にとって、土壌の状態は非常に重要です。以下の条件が揃うと、雑草が優位に生育します。
- 土壌のpHが極端に酸性またはアルカリ性に偏っている
- 排水不良により水が溜まりやすい
- 踏み固めによる通気性の悪化
農研機構の調査では、pH6.0〜7.0が芝にとって理想的とされています。土壌のpHが酸性寄りになるとスギナやカタバミが増える傾向が確認されています。
【参考】
農研機構セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum(Walt.)
芝生の密度不足
管理不足で芝の密度が落ちると、地面が露出しやすくなり、雑草の種が定着しやすくなります。芝を厚く育てることで、雑草の入り込む隙間を減らせます。
種子と地下茎による繁殖
雑草は以下の方法で芝生に侵入し、定着します。
- 【スズメノカタビラなど】:種子が風や鳥によって運ばれる
- 【スギナやドクダミなど】:地下茎で広がり、根絶が難しい
これらは早期発見と対応がカギになります。
薬剤に頼らない自然派除草の基本

無農薬でも、芝の健康を維持しながら雑草を抑える方法は十分にあります。安全かつ効果的な自然派のアプローチを紹介します。
雑草を抑える自然派除草
無農薬で芝生を美しく保つには、日々の管理がカギになります。以下の3つは、専門家も推奨する基本的な手法です。
①芝刈りで密度アップさせる
定期的な芝刈りは、芝生の密度を高め、雑草が入り込む余地を少なくします。特に夏場は伸びが早いため、1〜2週間に1度の刈り込みがおすすめです。
②手取り除草で根から除去する
雑草は地表だけでなく、根からしっかり除去することが重要です。スギナやドクダミなど地下茎のある雑草は、専用の除草フォークなどを使い、根ごと掘り出すのが効果的です。
③目土(目砂)で芝の成長を助ける
薄く均一に目土をまくことで、芝の根付きが良くなり、雑草の侵入を防ぎます。排水性と通気性が改善され、結果的に芝が雑草に負けにくい環境になります。
避けるべき自然派除草
①重曹や酢の過剰使用
一見ナチュラルに思える重曹や酢ですが、濃度が高すぎると土壌の微生物を破壊し、芝そのものも枯れる危険性があります。土壌pHが乱れることで、かえって雑草が生えやすくなることもあります。
塩で雑草を枯らす方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

②黒マルチ・防草シートの使用
雑草を物理的に遮断する防草資材は、芝にも日光や空気が届かなくなるため、全体が枯れるリスクがあります。芝生と共存させたい場合には不向きな手法です。芝生以外に防草シートを敷く方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

芝生の雑草対策スケジュール

芝生に雑草が生えるタイミングや対策方法は、季節ごとに異なります。1年を通して適切なメンテナンスを行うことで、無農薬でも雑草の発生を最小限に抑えることが可能です。2025年の気候傾向も意識した月別の対策スケジュールをまとめました。
春(3~5月)|芝生の目土入れと発芽前の雑草対策
春は芝が目覚めるタイミングです。雑草の発芽前に手取り除草することが効果的です。また、目土(目砂)を薄く均一にまくことで芝の成長を助け、雑草の侵入を防げます。スギナやカラスノエンドウなど、早春から出る雑草はこの時期に徹底除去しましょう。
また、芝刈り開始(5〜6cmを目安に)しましょう。

夏(6~8月)|芝刈りの頻度アップ
夏は芝も雑草も旺盛に育つ時期のため、芝刈りの頻度を上げて密度を保つことで、雑草の侵入をブロックできます。
また、日差しと地温の上昇を活かして、抜いた雑草を乾燥させて再生を防ぐといった工夫も有効です。水やりは朝に行い、過湿を避けることでコケの発生も防ぎます。
秋(9~11月)|エアレーションと根絶対策
秋は気温が落ち着き、芝のメンテナンスに最適な時期です。エアレーション(穴あけ)で通気性を高め、根の発育を促進します。また、肥料は控えめにして病害虫予防しましょう。
このタイミングで地中に残る多年草の雑草(チドメグサ、ヒメクグなど)を抜き、冬越しをさせないよう徹底除去しましょう。

冬(12~2月)|雑草の種子対策と芝の保護
芝が休眠する冬は、雑草も一見目立ちませんが、落ちた種子が春の発芽に備えて地面に残る時期です。見つけ次第、小さな芽でも手で取り除いておきましょう。
また、凍結や踏圧で芝が傷むのを防ぐため、不要な踏みつけを避け、保護ネットを使うなどの対策も有効です。
月 | 芝刈り | 除草 | 目土入れ | エアレーション | 保護対策 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | × | △(芽取り) | × | × | ○ |
2月 | × | △ | × | × | ○ |
3月 | △ | ○ | ○ | × | △ |
4月 | ○ | ○ | ○ | × | × |
5月 | ○ | ○ | △ | × | × |
6月 | ◎ | ○ | × | × | × |
7月 | ◎ | ○ | × | × | × |
8月 | ◎ | ○ | × | × | × |
9月 | ○ | ○ | △ | ○ | × |
10月 | ○ | ○ | × | ○ | × |
11月 | △ | ○ | × | ○ | × |
12月 | × | △ | × | × | ○ |
芝生に生える代表的な雑草の種類

芝生に生えてくる雑草は見分けがつきにくいです。雑草の特徴を知っていれば、今後の芝生の手入れに役立てられます。芝生に生える代表的な雑草の種類と特徴を紹介します。
スズメノカタビラ(イネ科)の特徴
スズメノカタビラは1年中見られる代表的な雑草です。芝刈りをしても衰退せず、その下で穂をつけて繁殖する特徴があり抜きやすい特徴もあります。同じイネ科の雑草にヒメシバという広線形で柔らかい葉が特徴の雑草、オヒシバという株元付近が白い雑草もあります。
カタバミ(カタバミ科)の特徴
カタバミは春から夏に花をつけて、地下茎で繁殖するハート型の雑草です。とても抜きにくい性質があります。
コニシキソウ(トウダイグサ科)の特徴
コニシキソウは春から夏にかけて生えてくる雑草で、茎が紫色で地面に這うような形で生えています。
チドメグサ(セリ科)の特徴
チドメグサは春から秋に生えてくる雑草です。全体が緑色で湿ったところを好み、芝生の隙間をはうように生えています。引き抜こうとすると、すぐにちぎれるので簡単には除草できません。
ツメクサ(ナデシコ科)の特徴
ツメクサはその名前の通り爪に似た形で、春から夏によく見られます。こちらも簡単に引き抜くいのが特徴です。
スギナ(トクサ科)の特徴
スギナは一番厄介とも言われる雑草で、名前の通り杉の葉に似た雑草で葉っぱを引っ張るとすぐにちぎれてしまいます。芝生と似ていることもあり、知らぬ間に芝生の隙間に生えて気づいたときには一面に広がっていることもあります。
その他(蒲公英、薺、仏の座、シロツメ草)の特徴
その他の雑草の種類は「タンポポ」「ナズナ」「ホトケノザ」などがあります。「シロツメクサ」は一般に(クローバー)として名前が知られています。そういった草も芝生にとっては天敵となる雑草になります。

芝生に生えた雑草の自然派ケア用品とおすすめグッズ

無農薬で芝生をきれいに保つには、自然素材と便利な道具を上手に活用するのがポイントです。専門知識がなくても使いやすいアイテムを取り入れることで、芝生の健康管理や雑草対策がぐっと手軽になります。
便利な道具リスト
①除草フォーク(地下茎対応)
ドクダミやスギナなど、根が深く張る雑草の除去に便利。地中の根ごとしっかり取り除けるため、再発防止に効果的です。
手作業での雑草を取り除く際は、雑草が小さいうちに抜くことが効果的です。雨の後や、芝生が湿っている状態では、根が抜きやすくなります。

②エアレーションスパイク
踏み固められた芝生の通気性を改善。根の成長を促進し、雑草が育ちにくい環境づくりに役立ちます。
③芝刈り機(高さ調整可能)
芝の長さを適切に保つことで、光が地表まで届かず雑草の発芽を防げます。高さ調整が可能な機種を選ぶと季節ごとの対応もラクです。初心者や女性が使いやすいおすすめの草刈機については下記の記事で詳しく紹介しています。

④目土バケツとふるい
芝の間に目土をまくときに活躍。均一に土を落とせるので、芝の隙間を埋めて雑草侵入を抑制できます。
自然素材による雑草抑制と土壌改善
①木酢液
酢酸を含む天然素材。雑草の葉に直接スプレーすると光合成を妨げて徐々に枯らす効果があります。ただし、芝にかからないよう注意が必要です。
②米ぬか
微生物の働きを活性化させることで、芝生の根の育成を促し、雑草が入り込む余地を減らす土壌環境を作ります。天然の肥料としても優秀です。
③腐葉土
保水性と排水性のバランスを整えることで、芝の根腐れや乾燥を防ぎます。その結果、健康な芝が育ち、雑草の発生を抑える効果を発揮します。

手に負えない時はプロへ依頼するのがおすすめ
今回は雑草が生える根本的な原因や、薬剤に頼らずにできる自然派の除草対策を紹介しました。芝生に雑草が生えるのは、土壌環境の乱れや芝の密度不足など、いくつかの要因が重なって起こります。薬剤に頼らずに雑草を抑えるには、日々の芝刈りや手取り除草、目土によるケアなど、地道な管理が欠かせません。
季節に応じたメンテナンスを続けることで、健康的で美しい芝生を保つことができます。
ただし、雑草が広範囲に広がっていたり、地下茎の根絶が難しい場合は、プロの手を借りるのが確実です。お悩みの方は、実績ある業者に相談してみましょう。