植木鉢にはサイズがあります。植物が大きくなってきたら、新しいサイズの植木鉢に植え替えなくてはなりません。元気な状態で長く楽しむには、適切な時期に植替える必要があります。最近なんだか「観葉植物の元気がない…」「なかなか成長しない…」などの症状は、植え替えしていないことが原因で起こっているかもしれません。植物の植え替えする時に「鉢から抜けない…」と困ることがあります。根が生長しすぎて詰まっている根詰まりが原因です。
植木鉢のサイズ表記単位は「号」です
使っている植木鉢が古くなってきた時や、植木鉢のデザインを変えたい時、植物が大きくなってきた時など植木鉢を買い替える時があります。知り合いから株分けしてもらう場合もあるかもしれません。
お店やインターネットで植木鉢を探すと「6号植木鉢」や「8号植木鉢」という表記になっています。「号」という単位は植木鉢特有の単位で、あまりサイズのイメージがつかめません。植木鉢のサイズの単位が「号」になったかというと、元々植木鉢のサイズは「寸」で表していた名残りなのだそうです。
大正時代にメートルが導入され、寸尺の単位が禁止されてしまいました。しかし、当時の人々は植木鉢を「寸」で計ることに慣れており、急に新しいメートル単位を受け入れることが困難だったため「寸」を「号」に置き換えて使用することにしたと言われています。
>つまり、「号」=「寸」です。1寸は約3cmですので、1号も同じく約3cmとなります。植木鉢のサイズは1号~12号まであります。植木鉢のサイズ表記は、植木鉢の上部を測った数字が表記されています。丸い植木鉢なら上部の円の直径、角型の植木鉢なら横の長さを測った数字が植木鉢のサイズとなります。
植木鉢のサイズで土の量は変わる
植木鉢を買うと同時に、植物を植えるための土も必要になります。植木鉢のサイズによって当然土の量も違います。土を購入する時の注意点について知っておきましょう。
植木鉢の素材によって土の量は変わる
主流の植木鉢は「素焼き植木鉢」や「テラコッタ植木鉢」という陶器の植木鉢です。陶器の植木鉢には厚みがあります。メーカーや店によって植木鉢の厚みを含める外側の直径(外径)なのか、含めない内側の直径(内径)なのか表記の基準が違います。
厚みが薄いプラスチック素材のもの、陶器より厚みがある木製素材のものなど植木鉢の素材によって中に入れる土の量が変わります。植木鉢のサイズはだいたいの目安として考えて、少し多めに土を購入しましょう。
植木鉢の形状によっても土の量は変わる
植木鉢には色々な形があります。
・「普通植木鉢」や「スタンダード植木鉢」と呼ばれる上部の口径と同じくらいの深さの植木鉢
・「浅植木鉢」や「平植木鉢」と呼ばれる上部の口径の長さに比べて平たい浅い植木鉢
・「深植木鉢」と呼ばれる上部の口径の長さより深い植木鉢
・壺のような特殊な形など
植木鉢のサイズが同じでも、植木鉢の形によって土の量が変わります。浅い植木鉢より深い植木鉢の方が土の量は多くなります。
土の量を計算する式を紹介します。
・丸い植木鉢…半径(cm)×半径(cm)×3.14×高さ(cm)×0.6~0.7=容量(ml)
・角型の植木鉢…縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)=容量(ml)
根詰まりしている時の4つのサイン
土が水を吸わない
根詰まりが進み鉢の中が根ばかりになると土が水を吸わなくなります。通常、土の中は「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」になっており、土の隙間に水がたまったり、空気が入っています。しかし、根がギュウギュウに詰まっていると団粒構造が崩れて、水やりしても水をためられません。土がすぐ乾いてしまう時は根詰まりを疑いましょう。
下葉が黄色くなる
鉢の中で根が詰まると新しい根が伸びるスペースが足りなくなり、根が絡んで傷ついてしまいます。根詰まりによって根にストレスがかかり正常の働きができないため、下葉が黄色くなったり葉が落ちたりします。今までより葉の色が薄い、花が咲かないなど生育の悪さを感じたら根詰まりを疑いましょう。
鉢底から根が出ている
鉢底の穴から根が伸びていると、根詰まりを起こしている可能性が高いです。鉢植えで育てている植物は、根が放射状に広がりながら外に向かって伸びる性質があります。鉢底から外に向かって伸びている状態は、鉢の中に根が伸びるスペースがない「根詰まり」状態であることが分かります。
鉢にヒビが入っている
根詰まりした鉢は根の圧力によって破損することがあります。鉢にヒビが入ったり割れたりしたら鉢が小さくなって根詰まりしている可能性が高いです。
観葉植物を植え替える時の3つの注意点
古い土を使わない
観葉植物の植え替えする時は、新しい土を使いましょう。古い土や、使用済みの土は土本来の力がほとんど残っておらず、観葉植物が上手く育ちません。園芸店やホームセンターなどで売られている「観葉植物用の土」などを使って植え替えしましょう。
適した時期に植え替えする
植え替えに適した気温は15℃以上だといわれています。5月中旬~9月中旬までに植え替えするようにしましょう。観葉植物の原産地は熱帯が多く、ほとんどの種類が寒さに弱いです。冬に観葉植物を植え替えすると負担がかかり、枯れてしまうこともあります。観葉植物の植え替えに適した時期が過ぎている場合は、無理に植え替えせずに暖かくなってから植え替えましょう。
最適なサイズの鉢を選ぶ
根がしっかりと生長するように、ひとまわり~ふたまわり大きいサイズの鉢に植え替えます。しかし、大きすぎる鉢は根腐れの原因になるので注意しましょう。大きな鉢に植え替えたから「5年は植え替えしなくて大丈夫!」ということはないので注意して下さい。大は小を兼ねるとは言いますが、観葉植物の植え替えは適切なサイズの鉢を選ぶことが大切です。
自分で観葉植物を植え替える方法
【道具】
・植え替える植物
・土
・鉢
・鉢底ネット
・鉢底石または軽石
・ハサミ
・支柱
・ゴム手袋または軍手
・ビニールシートまたは新聞紙
・ジョウロ
- 1.古い鉢から観葉植物を抜き出す
- 古い鉢から観葉植物を丁寧に抜きます。プラスチック鉢の場合は外側からもむようにすると簡単に抜けます。上手く抜けない場合はプラスチック鉢の時はハサミなどで切り、陶器の鉢の時はカナヅチなどでたたいて割ってしまうのもひとつの方法です。抜いた後は観葉植物の根をほぐし3分の1程度の土を落とす。
- 2.新しい鉢を準備してネットや鉢底石を準備する
- ひとまわり大きな鉢を準備し、鉢底にネットを敷いてく。排水がよくなるようにネットの上に鉢底石を入れる。鉢底石の量は鉢の深さの分の6分の1程度で大丈夫です。
- 3.新しい鉢に少し土を入れて観葉植物を植える
- 新しい鉢に少し土を入れて、傾きがないように観葉植物を植える。鉢と観葉植物の間に土を足していく。根の部分は細かく土が入り込みにくいので、鉢を軽く叩いたりして隙間がないように丁寧に土を入れる。土を入れる高さは鉢のふちより4cm以下がベストです。観葉植物の背丈が1m以上ある場合は支柱も使って植える。
- 4.ジョウロを使って観葉植物に水やりする
- 植え替えが終わったら、ジョウロを使ってまんべんなく水やりする。株を前後左右にゆすりながら水やりすると、根の隙間に入り込めなかった水が入り込んでいきます。水やり後にすぐ水がひけば問題ありませんが、水やり後に土が沈んでいくようであれば、少し土を足してあげる。