松の剪定は素人には難しい!?松の剪定時期や方法、業者に依頼する料金相場を紹介
古くから松の木は縁起の良い木として愛されてきました。最近は剪定が大変そうだという理由で、庭に松の木を植える人が減ってきています。そこで今回は松の剪定を自分で剪定する方法や、業者に依頼する料金相場を紹介します。
松を剪定する時期や頻度は?
松を剪定する頻度
松の木は基本的に5~6月頃と、10~12月頃の年2回剪定します。
春のみどり摘み
5~6月にする剪定は「ミドリ摘み」という剪定です。春先になると枝の先端から松の新芽が伸びてきます。新芽が長くなったものをミドリと呼んでおり、ミドリ摘みとは伸び過ぎた新芽を短くする剪定のことを指します。
秋の剪定のための準備作業として、不要な芽を摘み、不格好になる枝を折ります。時間や予算がない場合は省略しても構いません。
秋の透かし剪定ともみあげ
10月~12月にするのは「もみあげ」と「枝透かし」という剪定です。もみあげとは古い葉や多すぎる葉をむしり取る作業です。
枝透かしとは不要な枝を切り落として整理する剪定のことです。伸び過ぎた枝や枯れた枝を切り落として、樹木の形を整えたり、どの枝にも日光が当たるようにすることが目的です。上から下、奥から手前と、三次元で少しずつ剪定を進めていくのが一般的です。もみあげは枯れた葉や、余分なものを手でむしり取る松特有の作業です。
年1回にまとめて剪定してもいい
松の剪定は必ずしも年2回に分けて行わなければならないというものではありません。面倒なら年1回にまとめて行うこともできます。行う時期は春でも秋でもどちらでも構いません。
ただ、ミドリは秋になると固くなるので、春のまだ柔らかいうちに摘みとるほうが楽です。そのため5月~6月頃にミドリ摘みし、それと同時にもみあげと枝透かしをすませる人が多いようです。
松の剪定は上から下へ、そして手前から奥にすると効率良く進められます。また、最初から全体を仕上げようとするのではなく、枝ごとに扇型のまとまりをつくりながら、地道に1本ずつ枝を整えていき、最終的に仕上げるように進めると上手くいきます。
代表的な松の種類
代表的な松の木は3種類あります。基礎知識として覚えておくと、専門業者に依頼する時に役立ちます。
黒松の特徴
黒松は黒の樹皮が大きな特徴で、全体的に割れ目があります。赤松よりも硬く、枝も太いことから雄松とも呼ばれています。
赤松の特徴
赤松は雌松とも呼ばれており、黒松と比べて赤っぽい樹皮です。葉と枝が細くなっており、比較的柔らかい感触になっています。
五葉松の特徴
五葉松は水平に張り出す枝ぶりが特徴的で、大きな盆栽として楽しめます。暗めの色の樹皮になっていて、一部の地域では姫小松という呼称です。松の木の剪定は、だいたい春と秋に行います。欠かさずに全体の手入れを実行することで、美しい外観を楽しめます。
松の春の剪定「ミドリ摘み」する方法
自分で松を剪定する場合は、以下の専用器具が必要です。
準備物
- 剪定用のハサミ
- 植木用のハサミ
- 剪定用のノコギリ
- 脚立
- 汚れても構わない服装
ミドリ摘みする手順
- 枝の内側にある小さな芽を除去する。簡単に取れる古い葉(茶色い葉、濃緑の葉)を取る。
- 太すぎる枝(親指~小指くらいの太さ)を元の部分から切る。
松全体の形は半球のような形になるように小枝を「Yの字」もしくは「中止め」で剪定しましょう。複数の小枝を揃えるためには「Yの字」に揃えるのが基本です。
松の木に適した剪定用バサミが必須で、細かい作業には植木バサミを使用します。切れ味や作業スピードという点を考えると、他の用途のハサミを流用するのはオススメできません。松の木からは松脂という樹液が出ているので、作業服は汚れることが大前提です。
松の秋の剪定「もみあげ」する方法
枝透かしのやり方について説明します。
準備物
- ゴム手袋
- ゴミ袋
- 植木バサミ
- 剪定バサミ
- 剪定ノコギリ
- 脚立
- 汚れてもいい服装
もみあげする手順
- 松の木を遠くから見て完成形をイメージする。
- 全体のイメージを掴んだら不要な枝を切り落とす。
- 再度、遠くから松の木を見て、全体の形がきれいに仕上がっているか確認し完了。
不要な枝とは枯れている枝、曲がって生えている枝、他の枝とぶつかっている枝、重なって生えている枝、直線的に突き出している枝、勢いがよく太い枝、葉が密集している枝、上や下や内側など伸ばしたくない方向に生えている枝を根元から切り落としましょう。
葉が密集している枝を剪定する時は、松の木の枝分かれしているところで真ん中の枝を切り、枝がY字型になるようにします。
松の木を含めて庭木は中心部分の枝に栄養分が集中します。そのため中心部分の枝を残しておくと、どんどん成長して他の枝とのバランスが崩れてしまいます。また、葉が多いので日光を遮り、他の枝の発育を妨げるデメリットもあります。
中心部分の枝を切り落としておけば左右の枝の成長が促され、全体的にバランスのとれた形の樹木になります。一本ずつ不要な枝を切り落とし、各枝をY字型に揃えたら、全体のシルエットが半円型になるように整えます。上の枝は短めに、下の枝は長めに残して仕上げていくと、理想的なシルエットの松の木になります。
松(クロマツ)の秋冬剪定する手順動画
時間のある方は、以下の動画で手順をわかりやすく確認できます。
業者が行う松の手入れは?
プロの職人は、松の木を自分の子どものように扱います。10年、20年を超えたお世話が珍しくなく、依頼主の家庭との長い付き合いとなります。
依頼主の希望に沿ってプロデュース
松の木をきちんと扱える職人は造園業者に所属しています。庭の見直が必要になるケースが多く、職人同士で顧客の引継ぎしているからです。全く手入れされていない松の木は、数年かけて下地を作り直します。日当たりが悪ければ生垣やブロック塀を壊して、フェンスに取り換えることも提案します。
職人にとって松の木とは半生の付き合い
手作業で進めていく松の木の剪定は毎年完璧に手入れをしていても、1シーズン数日がかりの作業になります。そのため腕がいい職人ほど、自分を専任にしてくれる顧客を好みます。依頼主にとって大事な松の木ですが、職人にも我が子と同じぐらい大切な存在です。
20年以上の付き合いがある松の木ともなれば、自分の半生を費やした成果になります。誰が見ても美しく、庭と住宅を引き立てる松の木は担当している職人の最大の喜びです。お金を出す側だからと傲慢にならずに、実際に作業する職人の気持ちを理解したいですね。
業者に松の剪定を依頼する料金相場は?
松の剪定は造園業者が受け付けています。ホームページに松の木の剪定事例が豊富に掲載されている事業者がオススメです。料金は業者によって異なりますが、相場を参考に安すぎたり、高すぎる業者は避けた方が安心でしょう。
松の剪定を依頼する料金相場
松の木の剪定では、職人1人の1日作業で30,000円程度です。数日かかる作業の場合は、日数をかけた料金がかかることになります。
これは伐採した枝葉の処理が入っている金額で、比較する場合は必ず同じ条件かどうか確認しましょう。大量の枝葉は特別な扱いになることが多く、特に松の木の樹皮などは処分が面倒です。剪定してくれた職人に、持って帰ってもらった方がオススメです。
職人1人の半日作業で、枝葉の処分なしの場合は15,000円程度になります。
同じ人に担当してもらうのがポイント
松の剪定は熟練の腕でも人によって細かい流儀が違う上に、完成形へのイメージが変わります。そのため、同じ職人に担当してもらいましょう。
その期間は長く、松の木と共に10年以上の長い付き合いになります。間性なども関係してくるので、早めに信用できるプロを見つけましょう。造園業者は地元の顔役になっているので、きちんとした職人を派遣してくれます。料金が安いだけで依頼するのではなく、自分のイメージ通りに仕上げてくれるプロを選びたいものですね。
松の剪定は10年後を考えよう
人間のように長く生きる松の木は、枝ぶりや、全体の姿によって評価が決まります。住宅と合わせて1つの絵になるため、信頼できる職人と二人三脚で頑張りましょう。
家と共に受け継ごう
親から相続した家や、中古物件の庭に松の木があったら早めに剪定するのが鉄則です。育った木はそう簡単に引っこ抜けないため、上手く付き合っていく必要があります。
松の木のオーナーは、お金を惜しまずに職人を呼ぶタイプと、完全に放置するタイプの二極化です。どちらにしても、これからの10年後を考えて、丁寧に剪定することが大切です。外からすぐに見られる大きさの松の木は、自分たちの代理人でもあることを意識しましょう。
地域の顔になるようにしよう
戸建て生活には、日常的なご近所付き合いも付随します。「いつ見ても見事な松の木ですね~」と言われるとやはり嬉しいものです。お金をかけて手入れするのは大変ですが、満足度が大きく変わるのではないでしょうか?地域の顔となる松の木に剪定するにはプロの力が必要です。
まとめ
今回は松の剪定を自分で剪定する方法や、業者に依頼する料金相場を紹介しました。低い松は自分で剪定することも可能ですが、二階建ての大きさでは素人の手に負えません。確かな知識と実績がある造園業者に相談しましょう。
熟練の職人に見てもらえば、時間をかけて誰もが感嘆する松の木に剪定してくれます。あまり費用をかけられない場合にも、せめて1年に1回秋ごろに最低限の手入れを依頼しましょう。理想は春と秋の職人による剪定ですが、業者に相談して状況に合わせて手入れしましょう。
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