ゼニゴケは湿気が多く、日陰の場所によく生えます。庭の水はけが悪い場所、苔やカビが発生しやすい場所、コンクリートや石の隙間などが好条件です。また、有機物が豊富な土壌や腐葉土の周り、排水が不十分な場所にも繁殖しやすく、特に日当たりの少ない環境を好んで広がります。
ゼニゴケを駆除する方法は?ゼニゴケを駆除する方法は「専用の駆除剤」「熱湯」「木酢液」「石灰」「バーナー」の5つあります。土壌や植物への影響に注意し使用しましょう。
庭に広がるゼニゴケは、湿気の多い場所や日陰を好み、一度発生するとどんどん繁殖してしまいます。放置すると見た目が悪くなるだけでなく、滑りやすくなって転倒の原因になることもあるため、早めの対策が必要です。
そこで今回はゼニゴケを自分で駆除する方法や、再発を防ぐための予防策を紹介します。庭や駐車場などでゼニゴケの発生に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゼニゴケとは?

ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)は、苔類(タイ類)に分類されるコケ植物の一種です。日本全国に広く分布し、湿気の多い場所や日陰の地面、コンクリートの隙間などに生育します。ゼニゴケはガーデニングや日本庭園など、見栄えが重要な場所には不向きな見た目をしています。子供の手のような見た目で、色もあいまって不気味です。
ゼニゴケの繁殖
光沢がほとんどない深い緑色の葉をしており、葉状体につけるカップ状の無性芽器があります。この中にたくさんの無性芽が作られ、水がカップから溢れると散らばりクローンとして繁殖します。水がたまりやすく風通しや日当たりの悪い土地に発生して、タンポポみたいに風で胞子が飛び繁殖します。
ゼニゴケは雄株と雌株があり、受精により胞子を作る方法でも繁殖します。この2種類の繁殖は通年活発に行われているため、少しでも無性芽や胞子が残ると再びゼニゴケが増えてしまいます。
ゼニゴケが生える原因
- 【湿気】:水はけが悪い場所に発生しやすい
- 【日当たり不足】:日陰になる場所でよく見られる
- 【酸性土壌】:pHの低い土壌はゼニゴケが育ちやすい
- 【有機物の多い環境】:腐葉土や苔の多い場所に発生しやすい
ゼニゴケの駆除方法

ゼニゴケは湿気の多い環境で広がりやすく、放置するとどんどん繁殖してしまいます。以下の手順で効果的に駆除しましょう。
ゼニゴケを物理的に取り除く(手作業)
物理的に取り除く手順
- 軍手をつけ、ゼニゴケを手で剥がす。
- ヘラやシャベルでこびりついた部分を削る。
- ブラシで表面をこすり落とす。
- 乾燥させて完全に除去する。
専用の駆除剤
ゼニゴケには専用の駆除剤が販売されています。
- 希釈タイプ
- 顆粒タイプ
- スプレータイプ



希釈タイプは散布後数日~数週間で枯れ始めますが、持続性あまりありません。スプレー式は環境に優しく散布後、数日かけて枯れる即効性がありますが、こちらも同じく持続性はありません。
顆粒タイプはピンポイントで使用でき効果の持続性はありますが、即効性はなく匂いが強い商品もあります。
専用の駆除剤は1,000円~2,000円程度で購入できます。しかし、あまり大量に散布すると近所の目も気になります。庭などの状況を見ながら駆除剤タイプの使い分けが必要です。
熱湯
熱湯をゼニゴケに直接かけて枯らします。狭い範囲で繁殖している段階では有効です。
ゼニゴケを熱湯で駆除する手順
- 沸騰したお湯をゼニゴケに直接かける。
- 30分ほど放置した後、ヘラでこそぎ落とす。
- 水はけを良くするため、土をならす。
木酢液(酢)
酢を原液のままゼニゴケにかけると翌日には枯れる即効性があります。お湯に酢を混ぜてゼニゴケにかけるのもいいでしょう。

石灰(消石灰)
石灰をゼニゴケにまんべんなくかけると2~3日で枯れます。アルカリ性の石灰はゼニゴケが好きな酸性の土壌を、アルカリ性へと変化させる効果があります。ゼニゴケをスコップで剝がして、石灰を土に混ぜながら空気を含ませて土壌改良しましょう。土の性質を変化させることでゼニゴケを生えにくくします。
ゼニゴケを再発させない予防法

ゼニゴケは一度除去しても環境が変わらなければ再発しやすい植物です。発生しにくい環境を作ることで、長期的な対策をしましょう。
土壌を改善してゼニゴケを生えにくくする
水はけをよくする
- 土壌の排水性を改善するために、砂利を混ぜたり、改良土を使う
- 地面の凹凸をなくし、水が溜まらないようにする
- 水がたまりやすい場所は、透水性のある土や砂を混ぜる
pH調整する(酸性を中和する)
- 苦土石灰や消石灰をまいて土壌をアルカリ性にする
- pHのバランスを保つため、年に1~2回メンテナンスする
風通しと日当たりを良くする
風通しを改善する
- 密集した草木を整理し、空気が通りやすくする
- 高低差をつけて植栽を配置することで、通気性を高める
剪定して日光を当てる
- ゼニゴケは日陰を好むため、周囲の草木を剪定して日光を確保する
- 壁際や庭の隅にゼニゴケが生えやすいので、そこに光が届くように調整する
防草シートや砂利を敷く
- ゼニゴケが生えやすい場所には、防草シートを敷くことで発生を防ぐ
- 防草シートの上に砂利やウッドチップを敷くと、湿気を抑えながら見た目もよくなる
- コンクリートやレンガの隙間にも砂利を敷く
駆除業者に頼むべきケース

ゼニゴケは自力で除去することも可能ですが、状況によっては専門業者に依頼した方が効率的な場合もあります。以下のケースでは、駆除業者に頼むことを検討するといいでしょう。
ゼニゴケの範囲が広すぎる場合
ゼニゴケが庭全体や広範囲に広がっている場合、手作業での除去は非常に手間がかかるため、業者に依頼することで迅速かつ効果的に駆除できます。また、一度除去しても短期間で再発を繰り返す場合は、土壌の改善や環境の見直しが必要となるため、プロの知識と技術を活用するといいでしょう。
建物や構造物に被害が及んでいる場合
ゼニゴケが外壁や屋根などの建物に広がっている場合は、業者に依頼することが賢明です。外壁や屋根にゼニゴケが付着すると、見た目が悪くなるだけでなく、湿気による劣化を引き起こす可能性があります。また、高所の作業が必要な場合は、安全性の観点からもプロに任せた方が安心です。
ゼニゴケがコンクリートや石畳に発生し、滑りやすくなっている場合も、転倒の危険を防ぐために早めの対策が必要です。業者であれば、高圧洗浄や適切な薬剤を使用し、安全に除去できます。
自力での駆除が難しい場合
自力での駆除が難しいと感じる場合も、業者に依頼することを検討しましょう。ゼニゴケの除去は腰をかがめての作業が多いため、体力的に厳しい場合や、高齢の方には負担が大きくなります。
また、除草剤や高圧洗浄機を使いたいが、適切な使用方法が分からない、または周囲の環境への影響が気になる場合も、専門の知識を持つ業者に依頼することで、安全かつ確実に駆除できます。
長期的な防止策をしたい場合
ゼニゴケの発生を長期的に防ぎたい場合も、業者に相談することをおすすめします。単にゼニゴケを除去するだけでなく、防草シートの施工や土壌改良を含めた再発防止策を提案してもらうことで、効果的にゼニゴケの発生を抑えるられます。
また、庭や駐車場の環境を根本的に見直し、ゼニゴケが生えにくい状態を維持したい場合には、外構リフォームや排水対策を兼ねた施工を依頼するのもいいでしょう。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回はゼニゴケを自分で駆除する方法や、再発を防ぐための予防策を紹介しました。ゼニゴケは繫殖力が旺盛です。根本的な解決はゼニゴケが発生しにくい環境にするのがオススメです。土を掘り返して柔らかくして傾斜を作り、水はけや風通しよくして日光に当てるようにしましょう。
庭全体の土壌の改良したい場合や専用の駆除剤や、土に石灰を混ぜたりする手間や定期的なお手入れなども含め時間と労力がかかることは事実です。忙しい人やゼニゴケの駆除に抵抗のある人は、業者に依頼するがオススメです。