シュロの木の伐採は要注意!伐採方法・処分・根の処理や業者に依頼する費用相場も解説

シュロの木は成長が早く、大きくなると剪定や管理が難しくなるため、伐採を検討する人も多い樹木です。しかし、シュロの木は幹に繊維が多く絡みついているため、普通の木より伐採が難しいのが特徴です。
そこで今回は自分で伐採する方法や、業者に依頼する場合の費用相場を紹介します。また、伐採後の根の処理方法も合わせて紹介します。シュロの木の伐採を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
シュロ(棕櫚)の木はどんな木?

シュロの木は、ヤシの木の仲間です。日本では「和棕櫚(ワジュロ)」という種類を多く見かけます。南国風の雰囲気が感じられ庭園や公園、街路樹として植栽されています。

幹径が10~15cm、樹高は3~7mほど大きく生長する常緑高木です。10m以上高く育つこともあり、密集した繊維状の皮が生えているため、剪定や伐採が難しいと言われています。
- 【学名】:Trachycarpus fortunei
- 【分類】:ヤシ科シュロ属
- 【原産地】:中国、日本など
- 【成長速度】:比較的早く年間30~50cm程度成長する
- 【耐寒性・耐暑性】:強い(-10℃程度の寒冷地でも生育可能)
シュロの木の特徴
①寿命が長い
シュロの木は成長が比較的早い樹木であり、環境が整っていると年間30~50cm程度伸びることがあります。特に幼木のうちは成長が早く、数年で 2~3mに達することもあります。放置すると5~10m以上に達することがあり、高くなると剪定や管理が難しくなり、伐採を考えることも増えます。
暑さや寒さ、乾燥や湿気にも強く、土質も選ばないため育てる手間がかかりません。降雨で自然に育ち、一度植えたら枯れない生命力の強さをもっています。
②幹に繊維が密生
シュロの木の幹には、茶色い繊維質の毛が多く絡みついています。この繊維は水に強く、滑りにくいため縄やホウキの材料として昔から活用されてきました。ただし、剪定や伐採時には、この毛が絡まって作業しにくいこともあります。
③根が浅く、倒れやすい
シュロの木は成長すると背が高くなる一方で、根が浅く広がるため、強風や台風時に倒木のリスク があります。高さがあるシュロの木が建物の近くにある場合は、倒れると屋根や壁に被害を及ぼすこともあります。
シュロチクとは別品種
「シュロチク」という細長い葉をつけた美しい植物は、シュロの木と名前がよく似ていますが別の植物です。観葉植物として人気があり、店舗や家庭用のインテリアに活用されています。シュロの木よりも樹高が低くコンパクトです。苗を購入する際は、シュロの木と間違えないように気をつけましょう。

シュロの花言葉
シュロの木には「勝利、戦勝、祝賀」という花言葉があります。古代ギリシャ時代の競技大会で、優勝者にはシュロで作った枝が贈呈されていたことが由来とされています。
他にも「不変の友情」という花言葉もあり、寿命の長さや幹の丈夫さなどシュロの木の特性から付けられたと考えられます。
悪い言い伝えはない
シュロの木には悪い言い伝えはありません。「縁起の悪い木」や「凶木」などと言われることがありますが、これはシュロの木が釣鐘をつく棒として使われているためです。
寿命が長く、葉や繊維を使って様々な生活用品に活用されていることを考えると、縁起の悪い言い伝えはないと言えるのではないでしょうか。
シュロの木の伐採が必要になる理由は?

シュロの木は成長が早く丈夫なため、庭木や公園樹として人気がありますが、大きくなりすぎると管理が大変になり、伐採を考えるケースも少なくありません。そこでシュロの木を伐採する主な理由について紹介します。
成長が早く、スペースを取る
シュロの木は年間30~50cmほど成長し、放置すると5~10m以上の高さになることもあります。狭い庭や住宅地では、思った以上に大きくなりすぎてスペースを圧迫することがあります。
伐採を検討するケース
- 成長しすぎて庭の景観を損ねる
- 枝や葉が隣家や道路にはみ出してしまう
- 高くなりすぎて剪定ができない
台風や強風で倒れやすい
シュロの木は根が浅く、強風に弱いという特徴があります。そのため、大きくなると台風や、強風の際に倒木リスクが高まるため注意が必要です。倒れると屋根や壁が破損したり、車や通行人に危険を感じる場合は早めに伐採を検討しましょう。
落ち葉や毛が飛び散り、掃除が大変
シュロの木は、枯れた葉や幹の繊維(毛) が落ちやすく、周囲が汚れやすいのもデメリットの一つです。庭や玄関が常に汚れてしまい掃除の手間が増え、管理が大変になります。風が強い地域では、隣家へ飛んでトラブルの原因になることもあるため、伐採を検討することが多いです。
周囲の植物の日当たりを妨げる
シュロの木は、扇形の大きな葉を広げるため、周囲の植物に日陰を作りやすいという問題があります。シュロの木の位置や成長を考えずに植えてしまうと、後から日当たりの問題に気づき、伐採を決めるケースが多いです。
シュロの木の伐採方法

シュロの木を伐採する方法は「自分で伐採する(DIY)」か「業者に依頼する」かの2つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットや、具体的な手順や費用を紹介します。
自分で伐採する方法
シュロの木は表面がモシャモシャした繊維状の皮で覆われています。この皮がチェーンソーに引っかかってしまうため、伐採する時はチェーンソーを使う前に「ナタ」で皮を剥がしておきましょう。
繊維の奥には水分を多く含んだ頑丈な幹が隠れており、伐採作業はとても重労働です。伐採前に葉や花、皮を切り落として幹を枯れさせると、切りやすくなり処分もしやすくなります。

準備物
- ナタ
- チェーンソーまたはのこぎり
- 剪定バサミ
- ハシゴ
- ロープ
- 作業着(長袖、長ズボン)
- 軍手
- ヘルメット
- ゴミ袋
シュロの木を伐採する手順
- ハシゴを立てかけて上の部分をロープで固定する。
- 繊維の皮をナタや剪定バサミで少しずつ剥く。
- 上から40~50cmくらいずつチェーンソーで切り落とす。
- 切り倒せる高さにまで短くなったら、根元を切り取る。
- 切り落としたシュロの木を小さく細かくしてゴミ袋に入れる。
- 自治体の方針に沿って処分する。
高さがあると倒れる方向のコントロールが難しく、転倒やケガのリスクが高いです。5m以上の木は危険なので業者に依頼した方がいいでしょう。
伐採を業者に依頼する
自分で伐採できない時は、無理せず庭木の専門業者に依頼しましょう。チェーンソーやナタなどを使い慣れていない方には危険な作業です。業者に依頼すると作業費や出張費がかかりますが、安全のためには無理しないのが一番です。
シュロの木の伐採は、木の幹が5m以上あると1本あたり45,000円~80,000円ほど費用かかります。さら処分費用がかかるのが一般的です。
庭木の高さ | 料金相場 |
---|---|
高さ3m未満 | 10,000円~30,000円 |
高さ3~5m | 30,000円~100,000円 |
高さ5m以上 | 100,000円以上 |
木の伐採費用については下記の記事で詳しく紹介しています。

伐採後のシュロの根の処理方法

シュロの木を伐採した後、根をどう処理するかが問題になります。シュロの根は浅く広がるものの、放置すると腐るまでに時間がかかり、庭の邪魔になることがあります。地面に埋まったままだと、完全に分解されるまで 5~10年ほどかかることもあります。そこで根の処理方法について紹介します。
除草剤を使った根の枯らし方
準備物
- ドリル
- ビニールや防草シート
- スコップ
除草剤を使う手順
- ドリルで根の表面に穴をあける。
- 穴に除草剤を注入する。
- ビニールや防草シートで覆う。
- 数週間~数ヶ月で根が枯れるので、最後にスコップで取り除く。
以下の成分が含まれる除草剤を使用すると、シュロの根を枯らすのに効果的です。
薬剤名 | 成分 | 特徴 |
---|---|---|
ラウンドアップ | グリホサート系 | 根までしっかり枯らす、効果が高い |
サンフーロン | グリホサート系 | 土壌への影響が少なく、環境に優しい |
バスタ液剤 | グルホシネート系 | 効果は強めだが、若干時間がかかる |
根を掘り出す方法
時間と労力がかかりますが、費用をかけずに完全に根を取り除けます。高さ1m以下のシュロなら、手作業で掘り出せることもあります。
準備物
- スコップやツルハシ
- ノコギリやチェーンソー
スコップでの根の掘り出し手順
- スコップやツルハシで根の直径の2~3倍の範囲を掘り起こす。
- 幹に近い大きな根からノコギリやチェーンソーで切断する。
- 残った細い根を取り除く。
業者に依頼して重機(ユンボ・バックホー)を使う場合は、30,000円~100,000円程度費用がかかります。高さ5m以上のシュロや、大きな庭の改造時には業者に依頼するのが現実的です。抜根の費用相場については下記の記事で詳しく紹介しています。

防草シートで覆って自然分解を待つ方法
準備物
- 防草シート
- 砂利や重し
防草シートを使う手順
- 切り株の上から防草シートを被せ根に日光や空気が当たらないように完全に覆う。
- 風で飛ばないようにシートの上に砂利や重しを乗せる。
- 1年ほど放置して根を枯らす。
シュロの木の役に立つ使い道

シュロの木は伐採後も木材や繊維を再利用できるため、捨てずに活用するのもおすすめです。昔から日本では、シュロの幹や葉、繊維をさまざまな用途に活用してきました。以下に、シュロの木の有効活用方法を紹介します。
皮は箒やワックスに使える
シュロの木の繊維は、しなやかで伸縮性があります。水にも強く丈夫なため、繊維を束ねて箒(ほうき)に使えます。
さらに、皮には植物性油脂が含まれているためワックス効果が期待できるでしょう。畳やフローリングを皮で掃除すると、表面に油膜が張られ保護効果が得られます。

皮をタワシにできる
シュロの木の繊維は、食器や炊事用具を洗うタワシにできます。柔らかくしなる繊維が細かいすき間に入り込み汚れをしっかり落としてくれます。野菜洗いや茶渋を落とすときにも便利です。

幹はお寺の鐘をつく棒に使われている
固くて丈夫なシュロの木は、幹がお寺の鐘をつく棒に使われています。柔らかい繊維質でできた幹は弾力性があり、鐘を傷めることがありません。固すぎず柔らかすぎず、真っすぐ伸びたシュロの木は、「ゴォーン」と低く響く良い音が出ると言われています。
実を漢方薬にできる
シュロの木の実は「棕櫚実(しゅろじつ)」と呼ばれ、花が終わると緑の実が成り、完熟するとブルーベリーのような青黒い実に変化していきます。完熟した実を直接食べることはできませんが、アントシアニンが多く含まれていることから、乾燥させて漢方薬として使われています。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は自分で伐採する方法や、業者に依頼する場合の費用相場を紹介しました。シュロの木の表面は繊維状の皮で覆われているため、剪定や伐採が難しい樹木です。伸びすぎて見た目が悪くなっても簡単に手入れができません。
安全にシュロの木を伐採するためには、自分で作業できる範囲を見極め、必要に応じて業者に依頼することが大切です。業者に依頼すれば、伐採から処分・根の処理まで一括で対応してくれるため、手間がかからず安心です。無理して事故やトラブルを避けるためにも、専門の業者に相談し、安全かつスムーズに伐採を進めましょう。
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利用者の口コミ
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