冷蔵庫や食器棚、タンスなど、高くて重い家具を優先的に転倒防止しましょう。これらは倒れると大きな被害をもたらす可能性があります。
地震対策において家具の転倒防止対策は重要です。大地震が発生して家具が転倒すると被害が大きくなってしまいます。そこで今回は家具の転倒防止対策が必要な理由やグッズの種類、部屋別の家具転倒防止対策を紹介します。
家具の転倒防止対策が必要な理由は?

地震大国である日本では、家具の転倒が大きなリスクとなります。家具の転倒防止対策が必要な理由を詳しく紹介します。
家具の転倒で負傷する
大きな地震が発生すると家具が転倒したり、移動します。転倒、移動した家具に潰されたり、当たったりすればケガをする恐れがあり危険です。また、転倒した家具が窓ガラスや、食器棚のガラスに当たって割れる恐れもあります。割れたガラスによるケガも考えられます。
家具の転倒により避難経路が塞がれる
家具が転倒したり、移動してドアが開けられないなど避難経路を塞がれてしまう恐れがあります。こちらも家具の転倒防止対策が必要な理由の1つです。
火災の原因になることもある
家具が転倒、移動して、コンロや暖房器具のスイッチに当たってスイッチが入り、火災につながることもあります。
家具転倒防止の基本

家具の転倒防止対策や、地震対策を具体的に紹介します。
家具配置
家具の配置を工夫することで、転倒のリスクを大幅に減らすことが可能です。重心を低く保つために、家具を壁に沿って配置しましょう。特に背の高い家具は、部屋の中央よりも壁に近い位置に置くことで、地震や強い衝撃があった際に安定性を保ちやすくなります。
また、棚やキャビネットなどの収納家具は、重い物を下部に収納することで、重心を低く保てます。
家具は壁にしっかりつける、万が一転倒した際のことも考え、転倒した時にベッドに被さらない位置に配置する、出入り口付近や廊下に家具を置かないことが重要です。
家具や物をできるだけ減らす
家具や物が多く乱雑な部屋は、地震が発生した際に家具や物が転倒、移動しやすく、避難経路を塞ぐ可能性が高いです。転倒、移動した家具に当たりケガする確率も高まります。家具の転倒防止対策及び地震対策として、まずは家具や物を極力減らしましょう。
重い物は下
家具を設置する際は、重心を考慮することが重要です。本棚や収納棚は重い物を下部に配置し、軽い物を上部に置くことで、転倒のリスクを最小限に抑えられます。重量のバランスを保つことで、家具が安定しやすくなり、予期せぬ転倒を防げます。
また、重い物を上に収納する頭でっかちな収納は、家具が転倒しやすいです。また、家具の積み重ねや家具の上に重い物を置くのも避けましょう。
家具転倒防止グッズで家具を固定する
家具を壁や床にしっかりと固定することは、転倒防止において非常に重要です。特に地震が頻発する地域では、家具の固定が欠かせません。家具と壁の間に固定具を取り付けることで、地震や衝撃があった場合でも家具が倒れにくくなります。
家具転倒防止グッズの種類

家具転倒防止グッズには様々な種類があります。代表的な固定具とその使用方法を紹介します。
家具転倒防止の種類
L字金具
壁と家具をしっかりと固定するための金具です。家具の上部を壁に直接固定することで、地震時の転倒リスクを大幅に軽減します。設置は簡単で、家具の裏側に金具をネジで取り付け、壁にも同様に固定するだけです。大型家具と壁をネジでしっかり固定するため、転倒防止効果は高いです。
壁の種類によってはネジを使えない壁や、補強しなければネジを使えない壁もあります。壁内の間柱(まばしら)や、桟(さん)にネジでしっかり固定する必要があります。
壁内のどこに間柱や桟があるか?確認する方法として、下地探知用センサーする、壁を叩いて音で判断する、建築施工業者に確認するなどの方法がありますが、不安な場合は専門業者に依頼しましょう。
壁にネジ穴があいてしまうため、賃貸物件の場合は大家さんか管理会社に確認が必要です。
固定用ストラップ(ベルト式)
家具と壁を柔軟に結びつけるストラップは、地震の揺れに対して柔軟に対応できる利点があります。取り付けも容易で、壁に穴を開ける必要がない。粘着テープで固定するタイプもあります。
しっかり固定するのであれば、ネジタイプでしっかり固定することをおすすめします。ネジタイプの場合、壁にネジ穴があいてしまうため、賃貸物件では大家さんか管理会社に確認が必要です。
転倒防止ジェルマット
家具や電化製品の底に敷いて家具の転倒、移動を防止する転倒防止グッズです。強力な粘着性があるため、軽い家具の固定には最適です。
ポールタイプの突っ張り棒
高さが調整可能なポールタイプの突っ張り棒は、天井と家具の間に設置することで転倒を防ぎます。特に高い棚やキャビネットに使用するのがおすすめです。
DIYでできる固定方法
自宅で簡単にできる家具固定のDIY方法を紹介します。
準備物
- L字金具
- ネジ
- ドライバー
- メジャー
- 鉛筆
家具を固定する手順
- 家具を壁に寄せた状態で、L字金具を取り付ける位置を鉛筆でマークします。
- マークした位置にL字金具をネジで固定します。まず家具側に取り付け、その後壁側に固定します。
部屋別の家具転倒防止対策

リビングルーム
リビングルームは家族が集まりやすく、大型家具が多い場所です。特にテレビや本棚などは、転倒のリスクが高い家具と言えます。
テレビの転倒防止
テレビは地震の揺れに敏感で、容易に倒れてしまうことがあります。専用の固定用ストラップを使用して、テレビをテレビ台に固定するか、壁に取り付けることで安定させましょう。また、テレビ台自体もL字金具やストラップで壁に固定することで、より安全な環境を整えます。
本棚の転倒防止
本棚は高くて重心が高いため、転倒しやすい家具の一つです。本棚の上部をL字金具や、ポールタイプの突っ張り棒で壁に固定することが重要です。また、棚には重い本を下に配置し、軽いものを上に置くことで、重心を低く保つようにしましょう。
キッチン
キッチンには食器棚や冷蔵庫など、転倒のリスクがある家具や家電が多くあります。
食器棚の転倒防止
食器棚は中の食器が重く揺れに弱いため、しっかりと固定する必要があります。L字金具やストラップで壁に固定し、棚の扉が開かないように耐震ラッチを取り付けることも推奨されます。また、上段に重い物を置かないようにしましょう。
冷蔵庫の転倒防止
冷蔵庫は重量があるため、一度倒れると大きな被害をもたらす可能性があります。冷蔵庫の足元に転倒防止マットを敷いたり、壁に固定するためのストラップを使用することで、揺れに対する耐性を高められます。
寝室
寝室は就寝中の安全を確保するために、特に転倒防止対策が重要です。
衣装ケースやタンスの転倒防止
衣装ケースやタンスは、地震が起きた際に大きなリスクとなる家具です。これらもL字金具やストラップで壁に固定することが必要です。また、衣装ケースは重い衣類を下段に収納し、軽い衣類を上段にすることで、バランスを取りましょう。
就寝中の安全確保
就寝中はすぐに避難が難しいため、ベッドの近くに重い家具を置かないように心がけることが重要です。また、枕元に懐中電灯やスマートフォンを置いておくと、緊急時に素早く対応できます。
子供部屋
子供部屋では、子供が活発に動き回るため、家具の安全対策が特に重要です。
子供向け家具の安全対策
子供がよじ登ったり、押したりしても倒れないように、家具をしっかりと固定する必要があります。子供用の本棚やタンスは、L字金具や固定用ストラップで壁にしっかりと固定しましょう。また、家具の角にはクッション材を取り付け、万が一ぶつかっても怪我をしにくくする工夫も大切です。
家具の配置
子供がよじ登りやすい場所に家具を置かないようにし、ベッドや窓の近くには倒れやすい家具を置かないようにしましょう。また、子供が遊ぶスペースを広く取ることで、家具への接触を減らせます。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は家具の転倒防止対策が必要な理由やグッズの種類、部屋別の家具転倒防止対策を紹介しました。大地震に備えて、家具の転倒防止対策しておくことは極めて重要です。
家具の種類や大きさに合わせて家具転倒防止グッズを選び、正しく取り付けましょう。大型家具の転倒防止対策に金具を取り付ける際には、注意を払わなければなりません。自信がない場合は、業者に依頼することをおすすめします。

