一般的に秋植え球根の植えつけに適した時期は10月~11月頃です。気温は肌寒くなってくる15℃前後がベストです。北海道などの積雪のある地域では、雪が積もる前に植えましょう。
植え付けた球根が発芽しない原因は?植え付けた球根が発やしない主な原因は、球根自体の品質不良(乾燥、腐敗など)、植え付けの深さが不適切(土が浅すぎる・深すぎる)、水分過多または不足、植え付け後の温度が高すぎることなどが考えられます。
秋植え球根とは、その名のとおり秋に植える球根で、翌年の春から夏にかけて花を咲かせます。チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、ムスカリ、ラナンキュラスなどです。今回は秋植え球根の植え方や、おすすめの品種を紹介します。
秋植え球根とは?

「秋植え球根」とは秋に植え、翌年の春から初夏にかけて美しい花を咲かせる球根のことを言います。秋植え球根は、植え付けの適期が9月~11月頃で、寒さに強く冬越しが可能な品種が多いのが特徴です。
また、秋植え球根は一度植えれば年を越えて花を楽しめるものも多く、手軽に植え付けが可能です。栽培初心者でも育てやすい種類が多く、冬の間も土中でしっかりと根を張り、春になると一斉に芽を出して花を咲かせます。
秋植え球根の選び方

球根を育てるためには、はじめに球根を準備しなければなりません。いい球根の選び方ポイントをご紹介します。
- 球根が重くずっしりしている
- 球根に傷がなくツヤがあるもの
球根を選ぶ時に柔らかいものや、斑点などが付いているものはよくない球根です。このような球根は花を咲かせない可能性もありますので、選ぶ時は注意しましょう。はじめて球根を育てる方は、注意点やポイントなどが書かれているようなパッケージのものを選ぶと安心です。
夏に植える花(一年草、多年草)については下記の記事で詳しく紹介しています。

日照条件に適した品種を選ぶ
秋植え球根は日当たりの良い場所を好む種類が多いですが、半日陰でも育つ品種もあります。チューリップやヒヤシンスは日当たりの良い場所で元気に育ちますが、スイセンやアリウムなどは比較的日陰にも適応しやすいです。植える場所の日照条件に合わせて品種を選ぶと、球根がより良い成長を遂げます。
開花時期を考慮する
秋植え球根には、早春から晩春まで開花時期が異なる種類があります。クロッカスは早春に咲くため、春を待ち望む一番初めの花として庭を彩ります。一方、チューリップやスイセンは少し遅れて咲き、春本番に向けて庭全体を華やかにする役割を果たします。開花時期を意識して種類を選ぶと、長期間にわたり庭を楽しめます。

秋植え球根を植える時期

一般的に秋植え球根の植えつけに適した時期は、10月~11月頃です。気温でいうと、肌寒くなってくる15℃前後がベストです。しかし、北海道などの積雪のある地域では、雪が積もる前に植えましょう。
球根の中にも耐寒性の強いものや弱いものなど、それぞれの特徴に合わせて植えつけのベストタイミングがあります。耐寒性の弱い球根を早く植えつけてしまうと、早いうちに葉が出てきてしまう可能性もあります。秋のうちに葉が出てきてしまい、冬には寒さで葉が傷んでしまう恐れもあります。
反対に耐寒性のある球根は早めに植えつけて問題ないでしょう。早めに植えつけて、寒くなる頃までにしっかりと根を張らせた方が、春の育ち方が違います。
秋植え球根を植えるタイミングを逃してしまっても、積雪がなければ植えてみましょう。その年はうまく咲かなかったとしても、次の年に花を咲かせてくれることもありますので、植えておいてもいいでしょう。
秋植え球根の植え付け方法

秋植え球根の植え方は球根の種類によっても違いますし、植える場所によっても異なります。ここでは、プランターや花壇で育てる場合の球根の植え方を紹介します。
鉢植え(プランター)の植え方
鉢植え(プランター)にもいろいろな種類がありますが、プランターに植える場合は深さが限られるので根を張りやすいように球根自体は土の表面から浅い位置に植えましょう。土はホームセンターなどで売られている培養土を利用するといいでしょう。
鉢植え(プランター)に植える間隔
- クロッカス・・・5号鉢に浅めに5球
- ムスカリ・・・5号鉢に浅めに5球
- ラナンキュラス・・・5号鉢に3球
- フリージア・・・6号鉢に7球
- チューリップ・・・7号鉢に芽の出る方向を揃えて7球
- スイセン・・・5号深鉢に1球
- ヒヤシンス・・・5号深鉢に浅めに1球
- ユリ・・・10号深鉢に1球
花壇の植え方
花壇に植える場合は、浅すぎると球根が霜のダメージを受けることがありますので注意しましょう。土については作物が栽培できるような土質であれば問題ありません。日当たりや風通しが良く、水はけがいい場所を選びましょう。
秋植え球根にもさまざまな種類があるので、球根を植える深さや間隔もばらばらです。深さの目安は球根1~2つ分、余裕をもって3つ分の深さを取って植えましょう。並べる間隔は開花する時期の花壇をイメージして植えていくというのが理想です。球根が成長して地上部に出てきた時に、隣の葉と触れ合わないように間隔を取ることがポイントです。
秋に植えるおすすめの球根13品種

秋植え球根にはさまざまな種類があり、それぞれに個性や魅力があるため、ガーデンやプランターに彩りを添えられます。おすすめの球根を紹介します。
チューリップ

チューリップは春に花を咲かせる代表的な植物です。形や色の種類も豊富でとても人気のある花です。チューリップは冬の寒さにしっかり当てないとキレイな花は咲きません。
また、球根の植えつけも十分に気温が下がってから行いましょう。土の温度が高いうちに植えてしまうと、球根が腐ってしまうことがありますので注意してください。栽培時期も早咲き、普通咲き、遅咲きとあるので種類によっては開花時期がバラバラなります。咲かせたい時期によって品種を選んでいいかも知れませんね。
- 【植えつけ時期】・・・10月~12月
- 【開花時期】・・・3月下旬~5月中旬
チューリップの育て方については下記の記事で詳しく紹介しています。

スイセン

スイセンはほのかに香る球根植物で初春に花を咲かせます。色は白色や黄色が多いですが、それ以外もピンクやオレンジなど色合いも豊富です。大きな特徴しては、数年は植えっぱなしでも毎年出てくる球根でとても便利です。
- 【植えつけ時期】・・・9月~10月
- 【開花時期】・・・11月~4月
ヒヤシンス

一度は耳にしたことがあるヒヤシンスは有名な秋植え球根の一つです。花の特徴としては、太い茎の先に星の形に似た花をつけます。色もピンクや紫、白などとても鮮やかです。
チューリップと同じように寒さに当てないと花を咲かせませんので寒いところに置いて育てましょう。ヒヤシンスも数年は植えっぱなしで問題ない植物です。
- 【植えつけ時期】・・・10月~11月
- 【開花時期】・・・2月~4月
ムスカリ

春にブドウのような花を咲かせる秋植え球根です。色は紫、青、白、ピンクなどたくさんの色を咲かせます。とても小ぶりな植物なので、寄せ植えなどにも使える便利な花です。小さな花ですが、広い空間に群生させるととても美しい光景になります。
植えっぱなしで問題ありません。早く植えつけると葉が伸びすぎてしまうので、やや遅めに植えつけましょう。
- 【植えつけ時期】・・・10月~11月
- 【開花時期】・・・3月~4月
ラナンキュラス

花びらが幾重にも重なりとても可愛らしい花を咲かせます。茎が長く切り花としてもとても人気のある植物です。開花後の球根は、放っておくと土の中で腐ってしまうので梅雨の前に掘り上げましょう。
- 【植えつけ時期】・・・10月中旬~11月下旬(15℃以下)
- 【開花時期】・・・3月~5月
オキザリス

オキザリスは種類が豊富で性質がそれぞれ異なりますが、丈夫で育てやすく長期間楽しめます。多くの種類は、晴れた日の太陽が照っている間だけ花を開き、曇りや雨の日は花を閉じます。
- 【植えつけ時期】・・・9月~10月中旬
- 【開花時期】・・・10月中旬~2月
ハナニラ(イフェイオン)

道端や花壇に植えっぱなしにしても春に青色からピンク、白の星形の花を咲かせる丈夫な植物です。1回植えつけたら数年植えっぱなしにしてもよく増えて、年々豪華になります。
- 【植えつけ時期】・・・9月~11月
- 【開花時期】・・・3月~4月
アネモネ

アネモネは赤色や青、白色やピンクなど品種が豊富です。水はけと日当たりのいい場所に植えつけ、多肥にしないように管理すれば、何年も植えっぱなしで花が咲きます。気温が高い10月までは、球根は植え付け前に吸水処理しておくと失敗が減ります。11月以降は吸水処理しないで植え付けても大丈夫です。アネモネは寒さには強いですが霜には弱いので、霜が降りないように気を付けましょう。
- 【植えつけ時期】・・・10月~11月
- 【開花時期】・・・2月~5月
アリウム

アリウムはたくさんの種類があり、大輪から小輪まであります。小輪系は数年植えっぱなしで管理できます。生け花やフラワーアレンジメントにも利用されています。秋に植えつけると、すぐに芽を出すタイプと、冬になってから芽を出すタイプがあります。
- 【植えつけ時期】・・・9月~10月
- 【開花時期】・・・4月中旬~6月
スノーフレーク

スノードロップやスノーフレークは、可憐な花で春を告げるシンボルとして人気の高い球根の花です。スノーフレークの草丈は30~40cmと背が高めで、丈夫で育てやすい球根植物です。
- 【植えつけ時期】・・・9月中旬~11月
- 【開花時期】・・・3月中旬~4月中旬
クロッカス

クロッカスの別名は「春サフラン」や「花サフラン」と呼ばれています。クロッカスが早春の日を受けて一斉に花開きます。花色は黄色や白色、紫色などがあります。
- 【植えつけ時期】・・・10月下旬~11月中旬
- 【開花時期】・・・2月~4月
フリージア

暖かな春の風が吹くようになると黄、白、桃、紫と色とりどりの花が天に向いて、香りのよい花を咲かせます。寒害を受けやすいので、鉢植えであれば凍らない場所に移動させましょう。
- 【植えつけ時期】・・・10月~11月
- 【開花時期】・・・3月中旬~4月上旬
ユリ

ユリは花や開花期など様々な種類があります。ユリは風通しが良く明るい場所での生息を好みますが、種類によっては半日陰を好む場合があるので種類を確認しておきましょう。
- 【植えつけ時期】・・・9月中旬~11月
- 【開花時期】・・・5月~7月
百合の種類から球根を植え替える方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は秋植え球根の植え方や、おすすめの品種を紹介しました。春に庭やプランターにチューリップやスイセンがたくさん咲いている様子が見られたら素敵ですね。それぞれの球根の特徴を知っておくと、春には色とりどりの花をどんどん咲かせてくれることでしょう。
挑戦したいけど自分では自信がない時や、広すぎる庭の花植えは業者に依頼できます。業者に依頼すれば育て方やレイアウトなど相談できますよ。