換気扇の油汚れが落ちにくい原因は、冷えて固まった油にホコリや煙の粒子が付着し、粘着性の高い汚れになるためです。市販の中性洗剤では分解力が弱く、表面しか取れないことがあります。対処法としては、40〜50℃のお湯で油を緩めた後、アルカリ性の洗剤(セスキ炭酸ソーダや業務用洗剤)を使い、しっかり浸け置きしてからブラシで落とすと効果的です。
換気扇のフィルターにこびりついた油汚れを効率よく落とす方法は?フィルターの油汚れには、熱めのお湯とアルカリ性洗剤での「浸け置き洗浄」が最も効率的です。40〜50℃のお湯にセスキや重曹を溶かし、30分ほど漬けてからスポンジや歯ブラシでこすります。焦げつきがある場合は、ステンレスブラシやメラミンスポンジを併用すると落としやすくなります。掃除後はしっかり乾燥させて再装着してください。
重曹やセスキで換気扇の油汚れは本当に落ちるのか?重曹やセスキ炭酸ソーダは軽度〜中度の油汚れには有効です。重曹は研磨作用があり、表面のベタつきに強く、セスキはアルカリ性で油を化学分解する力があります。ただし、長期間放置された頑固な汚れには効果が弱く、業務用の強力洗剤やプロの分解洗浄が必要なケースもあります。汚れの程度に応じて使い分けましょう。
換気扇の油汚れがなかなか落ちず、困っていませんか?ベタつきや嫌な臭い、さらにはカビの原因にもなる頑固な汚れは、自己流の掃除では簡単に取れないことが多いです。
そこで今回は、1日で汚れを落とす方法や、重曹・セスキ炭酸ソーダ・市販洗剤の使い分けを紹介します。プロに依頼すべきかどうかの判断基準や、自分での掃除に限界を感じたときに頼れる、信頼できる業者の探し方も紹介します。
換気扇の油汚れが落ちにくい理由と掃除の重要性

料理をするご家庭で、換気扇の油汚れに悩む方は少なくありません。なぜ換気扇に油汚れがこびりつきやすく、なかなか落ちないのか、また掃除の重要性について解説します。
油分が冷えて固まり、頑固に付着する
レンジフードや換気扇に付着する油汚れは、キッチンでの調理によって発生する油煙や蒸気が主な原因です。料理で食材を加熱すると、白煙のような蒸気が立ち上ります。発生した蒸気の中に、たくさんの油が含まれているため白くなります。
これらの油分は時間が経つにつれて固化し、ホコリや汚れと混ざり合うことで頑固な汚れへと変化します。頻繁に揚げ物や炒め物する家庭では、油汚れの蓄積が早まります。
ホコリと混ざり、静電気で付着しやすくなる
空気中のホコリと油が混ざると、ねばついた汚れとなってファンやフィルターに強固に付着。さらに静電気が加わることで、汚れはより取れにくくなります。
酸化が進み、黒く焼き付くことで落としづらくなる
長期間放置された油汚れは酸化し、茶色〜黒色に変化。こげのように固まり、市販の洗剤だけでは除去が困難になることもあります。
汚れの放置は大きなリスクに直結する可能性もある
油汚れを長期間放置すると酸化が進行し、茶色から黒色に変化して焦げのように固まります。この状態になると、市販の洗剤だけでは十分に落とすことが難しくなります。
換気扇の油汚れを1日で落とす方法

油汚れが付いた換気扇の掃除を始める前に、必ず確認してほしい3つの注意点や、1日で効率よくピカピカに仕上げる方法を紹介します。
①電源を切る
掃除の最中に誤って、換気扇が動き出すとケガすることもあります。よくある事故は換気扇の部品を外している時や、掃除中に脚でIHコンロのスイッチに触ってしまい換気扇が回ってしまう事故です。とても危険なので換気扇を掃除する前はコンセントを抜いておき、できればブレーカーも落としておいた方が安心です。
②足場を固定する
換気扇は頭より上の設置されているため、掃除するには足場が必要になります。椅子を踏み台代わりに使うことも多いでが、できるだけ安定感のあるものを足場として使いましょう。
踏み台の周りには何も物が置いていない状態にしましょう。滑り防止マットなどを踏み台の下に敷くと、より安全性が高まります。

③換気扇周りを養生する
頭上にある換気扇を掃除していると落としたはずの油汚れや、ホコリが飛び散ることもあります。余計な仕事を増やさないように汚したくない壁、床、コンロは、新聞やゴミ袋などをかぶせて養生しましょう。

換気扇の油汚れを1日で落とす手順

準備物
- ゴム手袋
- 洗浄用スポンジ・ブラシ
- 重曹またはセスキ炭酸ソーダ
- 40〜50℃のお湯
- バケツまたは大きめのビニール袋
- マイクロファイバークロス
- ウタマロクリーナー
換気扇の外し方については下記の記事で詳しく紹介しています。

換気扇の油汚れを落とす手順
- フィルターやファン、カバーなど取り外せる部分を外し、作業しやすい状態にする
- バケツやビニール袋にお湯を張り、重曹やセスキを入れて洗浄液を作る
- 洗浄液に外したパーツを30〜60分程度つけ置きする
- 浸け置きで浮いた汚れを、スポンジやブラシで落とす
- 本体部分はウタマロクリーナーなどをスプレーし、油汚れを浮かせてからクロスで拭き取る
- すべてのパーツをしっかり乾燥させてから元に戻して完了

この流れに沿って作業すれば、業者に頼まなくても見違えるほどキレイに仕上げることが可能です。時間がある週末や休みに、ぜひチャレンジしてみてください。
参考:キッチン レンジフード(換気扇)| 住まいのお手入れパナソニック ホームズ クラブ
参考:レンジフードのお手入れ | Ch. 商品取扱・お手入れ動画 住まいの設備と建材
換気扇の油汚れにおすすめの市販洗剤5選

換気扇の油汚れには、専用の洗剤を使うのが効果的です。ここでは洗浄力・素材への優しさ・コスパを総合評価し、プロも愛用する市販洗剤を厳選して紹介します。
市販のおすすめ洗剤
- 【ウタマロクリーナー】:400円程度で、中性タイプで素材にやさしく、頑固な油汚れも分解
- 【茂木和哉 油汚れ用】:900円程度で、酸性洗剤で酸化したしつこい油汚れに強力対応
- 【セスキ炭酸ソーダ】:300円程度で、手頃な価格と高い洗浄力、環境にもやさしい
- 【ジフ クリームクレンザー】:250円程度で、研磨剤入りでこびりついた汚れを削り落とせ
- 【マジックリン 換気扇用】:350円程度で、スプレータイプで手軽に使える

洗剤の特徴と使い分け方
洗剤 | 特徴 | 得意な汚れ | 注意点 |
---|---|---|---|
重曹 | 弱アルカリ性/研磨力あり | 焦げ、こびりつき | アルミに使用NG |
セスキ | アルカリ性/水溶性高い | 軽度の油汚れ | 高温で使わないと効果減少 |
中性洗剤 | 素材に優しい/泡立ち良好 | 日常の軽い油汚れ | 頑固な汚れには力不足 |
油汚れに最も効果的なお湯の温度
- 【重曹】:50℃で最も効果を発揮。焦げ付きにも対応可能
- 【セスキ】:60℃で最高の洗浄力。ぬるま湯では効果が弱い傾向
- 【中性洗剤】:40~50℃が最適。60℃では泡立ちが悪くなり効果減
重曹の使い方や、セスキ炭酸ソーダの使い方、中性洗剤の使い方については下記の記事で詳しく紹介しています。



換気扇の油汚れを再発させない予防習慣

頑固な油汚れに苦労したくないなら、日常的な予防習慣を取り入れることが何より重要です。ちょっとした意識と工夫で、掃除の手間を大きく減らせます。
揚げ物や炒め物の後にサッとひと拭き
調理直後の温かいうちに、換気扇の外側や壁まわりを布巾で軽く拭くだけで、ベタつき汚れの定着を防げます。
月1回の軽掃除ルーティンを習慣化
徹底的な掃除でなくてもOK。セスキ水で拭くだけの簡単なお手入れを、月に1回の習慣にするだけで汚れの蓄積を抑えられます。
フィルターは3ヶ月を目安に交換
汚れがこびりついたフィルターは吸引力が低下し、内部に汚れが入りやすくなります。定期交換で換気性能と清潔さをキープしましょう。
調理開始前から換気扇を回す
調理中ではなく火をつける前からスイッチONが理想。油煙を逃しやすくなり、換気扇への付着を大幅に防げます。
油はね防止アイテムを積極活用
コンロ用のフタや油はねガードを使うことで、油が広範囲に飛び散るのを防げます。換気扇だけでなく壁や床の汚れ対策にも有効です。
換気扇の油汚れをプロに頼むべきタイミングと判断基準

換気扇の掃除は自分でできる範囲もありますが、状況によっては無理をせず専門業者に任せることが安全で確実です。以下のようなケースでは、プロのクリーニングを検討しましょう。
- ネジが固くてファンが外せない
- 内部から異臭や黒カビが発生している
- 構造が複雑で分解に自信がない
無理に自分で対処しようとせず、不安を感じた時点で専門業者に相談するのが賢明です。定期的にプロの手を借りることで、キッチン全体の衛生レベルも大きく向上します。
換気扇クリーニングの費用相場
- 【レンジフード型】:10,000円~15,000円
- 【プロペラ型】:9,000円~12,000円
手に負えない時はプロへ依頼するのがおすすめ
今回は1日で汚れを落とす方法や、重曹・セスキ炭酸ソーダ・市販洗剤の使い分けを紹介しました。換気扇にこびりついた油汚れも、正しい洗剤と手順を知っていれば、自分で1日できれいに落とせます。重曹やセスキ炭酸ソーダ、ウタマロクリーナーなどを汚れの種類に応じて使い分ければ、頑固な汚れも驚くほどすっきり落とせます。
とはいえ、内部の分解が必要なタイプや、手の届かない場所、長年放置された汚れなどは、個人で対応するのが難しい場合もあります。無理をして故障させてしまう前に、確かな技術を持つレンジフードクリーニングの専門業者に依頼するのが、安心かつ確実な選択です。
プロの力を借りることで、換気効率も見た目も一新され、キッチンが快適な空間によみがえります。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
長年放置した換気扇の油汚れにはどんな洗剤が有効?
長期間放置された油汚れには、業務用のアルカリ性洗剤やオイルスケール専用クリーナーが有効です。これらは一般的な家庭用洗剤よりも界面活性剤の濃度が高く、こびりついた汚れを浮かせて分解する力があります。ただし、素材によっては塗装を傷める可能性があるため、使用前に目立たない場所で試すことが推奨されます。
レンジフード内部の油汚れを安全に掃除する手順は?
レンジフード内部の掃除は、感電や部品破損を避けるために電源を必ず切ってから行います。まずフィルターとカバーを外し、ファンを取り出せる構造ならマニュアルを確認しながら慎重に分解します。洗浄にはアルカリ性洗剤を使い、十分に乾かしてから再組立てしてください。構造が複雑な場合や異臭・異音がある場合は、無理せず業者へ依頼するのが安全です。
油汚れのひどい換気扇を掃除する頻度はどれくらいが適切?
換気扇の油汚れを防ぐためには、3か月に1回の掃除が理想です。特に揚げ物や炒め物が多い家庭では、1〜2か月ごとの点検も効果的です。放置すると油が固まり、ベタつきや臭い、機械の不調につながることもあります。定期的な軽掃除に加え、年1回の分解洗浄を行うことで、換気性能を長く維持できます。
換気扇の油汚れにウタマロクリーナーは使える?
ウタマロクリーナーは中性タイプで、軽度の油汚れには対応可能です。フィルターや整流板の表面など、日常的な掃除には適しています。ただし、長年蓄積した頑固な汚れやファン内部のこびりつきには洗浄力が不十分なことも。汚れの程度に応じて、アルカリ性洗剤やプロのクリーニングも検討すると安心です。
換気扇掃除で触りたくない油汚れをラクに落とすコツは?
直接ベタつきに触れたくない場合は、浸け置き洗浄とゴム手袋の併用が有効です。フィルターやファンは取り外して、40〜50℃のお湯とセスキ炭酸ソーダで30分ほど浸け置きすると、ブラシで軽くこするだけで汚れが落ちやすくなります。スクレーパーやスポンジ付きトングを使えば、手を汚さず掃除できます。
アパートや賃貸物件の換気扇でも油汚れを安全に落とせる?
賃貸物件でも、中性〜弱アルカリ性洗剤を使えば素材を傷めず掃除可能です。ウタマロやセスキは塗装面にやさしく、原状回復の観点からも安心です。ただし、強力な業務用洗剤や金属ブラシは塗膜を傷つけるリスクがあるため、使用は避けましょう。不安な場合はプロのクリーニングを利用するのも一つの方法です。
換気扇の油汚れが原因で動作不良になることはある?
換気扇に油汚れが蓄積すると、ファンの回転が鈍くなり、吸引力の低下や異音の原因になります。さらにモーターに過剰な負荷がかかり、発熱や焼き付きによって故障を招くケースもあります。動作音の変化や吸い込みの悪化を感じた場合は、早めに油汚れを除去し、必要に応じて専門業者に点検を依頼することが重要です。