蛍光灯でもシーリングや電球タイプをLED化する場合は大きな問題はありませんが、直管型蛍光灯を交換する時は注意が必要です。そこで今回は蛍光灯をLED化するメリットや、蛍光灯をLEDにする時の注意点を紹介します。
蛍光灯をLEDする3つのメリット

蛍光灯からLEDにするメリットは大きくわけて3つあります。
電気代の削減ができる
LED化の最大のメリットといえば、電気代の削減です。LEDは他の光源と比較して消費電力は半分以下となることが多く、大幅に電気料金を削減できます。また、発熱量が低く周囲の温度を上昇させることがないため、夏場では空調効率が高まります。家計にとって、こんなに嬉しいメリットはありませんよね。
交換の手間が省ける
LEDは寿命が非常に長く、一度交換したら交換する手間を省けます。約40,000時間程度の寿命といわれており、毎日10時間使用したとしても10年以上は交換する必要がないということになります。
虫を寄せ付けない
紫外線をあまり含んでいないため、虫を寄せつけません。外部照明に適しており、また製造工場など虫が混入すると不都合を生じる場所では効果を発揮します。
蛍光灯の種類

蛍光灯は家庭やオフィスなどで広く使用されていますが、さまざまな種類に分類できます。大きくわけて「ランプの種類」と「点灯方式」に分類できます。
ランプの種類と特徴
丸形蛍光灯
一般家庭のシーリングライトに使用されている、丸い形状の蛍光灯です。
電球型蛍光灯
白熱電球と同じ形状の蛍光灯です。
コンパクト形蛍光灯
ダウンライトやスタンド式の照明器具に使用するコンパクトサイズの蛍光灯です。
直管型蛍光灯
オフィスや工場などで使用されることが多い細長い形状の蛍光灯です。
点灯方式の種類と特徴
スターター形
グローランプという小さな点灯管を使って点灯させる方式です。点灯まで少々時間がかかりますが、器具の価格が安く、かつては一般家庭に広く普及していたタイプとなります。
ラピッドスタート形
グローランプを使用していない蛍光灯で、即時に点灯するよう安定器を大きく設計されているということが特徴です。ちなみにラピッド(rapid)とは「速い」という意味があります。
インバーター形
インバーター回路で構成されているため、即時に点灯することが可能となっている方式です。他の2つの点灯方式と比較しても明るく、また消費電力が低いというのが特徴です。
蛍光灯をLEDにする時のランプの選び方

蛍光灯をLED化する時は、ランプを選ぶ必要があります。従来の蛍光灯とLEDは異なる点があり、大きくは「明るさ」と「照射角度」です。
明るさ(ルーメンlm)
従来の蛍光灯の明るさを「ワット(w)」で表しますが、LEDの場合は「ルーメン(lm)」になります。これはワットが消費電力を意味しているおり、数値が大きいほど明るくなります。LEDは消費電力が小さくても明るいため、同等に扱えないためルーメンを使用しています。
ルーメンも数値が大きくなるほど明るくなり、以前使用していたもののワット数を参考とし比較表などで判断して決定します。さらに色温度による違いもあります。

- 電球色
- 温白色
- 白色
- 昼白色
- 昼光色
「電球色」は赤色や黄色などの色味を持つ最も強い暖色系で、「昼光色」は青色などの色味を持つ最も強い寒色系となります。色温度によって室内の雰囲気が変わるため、好みの演出が可能です。また色温度の単位は「ケルビン(K)」で表され、数値が低いほど暖色系、高いほど寒色系の色となります。
照射角度
従来の蛍光灯は全方位に光を発しますが、LEDの場合は一定の角度に対してのみ照射するため、光の広がり方についても選択する必要があります。使用する位置によっては光の角度を調整するなど、用途で判断しなくてはいけないケースもあるでしょう。
直管型蛍光灯をLED化する時の注意点

従来の蛍光灯からLEDに交換する場合、互換性のあるものが多く販売されています。しかし、電気を使用するだけに、何らかの間違いがあると事故につながる場合があります。
特に直管型蛍光灯については、LED化することで多くのメリットを得られますが、適切な工事が必要ようです。直管型蛍光灯には、下記の通り3つの種類があります。
- 直流電源内蔵/商用電源直結形
- 直流電源非内蔵/直流入力形
- 直流電源内蔵/既設安定器接続形
このうち上2つについては、適切な電気工事してからLED化することが必須です。蛍光灯は放電によって発光する光源ですが、光を安定さる役割を持つ安定器という装置が必ず内蔵されています。安定器はLEDには必要としないため、安定器を取り外すバイパス工事しないままLED化すると、安全に使用できない場合があります。
また一番下の場合、工事不要として販売しているケースもあります。しかし、安定器を残したままLEDに交換したとしても、安定器自体が電力を消費し続けるため、最大限の経済効果を得ることは難しくなります。
さらに安定器は機能しないまま残っている場合、器具内で経年による劣化は進行するため、そのことに気づきにくく、最悪のケースでは発火するなど事故に発展することもあります。直管型蛍光灯のLED化は、バイパス工事を前提として検討することが望ましいでしょう。
直管型蛍光灯のLED化のバイパス工事

従来の蛍光灯をLED化する時に必要なのが、安定器を取り外す「バイパス工事」です。バイパス工事とは、LED蛍光灯に全く機能しない安定器を取り外して、LEDランプと直結する配線の工事のことです。
安定器の取り外しは完全に取り外すのではなく、回路を切断する工事で、基本的に装置自体は器具内部に残ります。バイパス工事は製品によって配線の内容が異なるため事前確認が必要ですが、主に給電が片側でする場合は「片側配線」、両側でする場合は「両端配線」となります。バイパス工事は配線工事となるため、電気工事士の有資格者による施工が法律によって定められています。
まとめ
今回は蛍光灯をLED化するメリットや、蛍光灯をLEDにする時の注意点を紹介しました。蛍光灯をLEDにすることは多くのメリットがあります。蛍光灯の交換するタイミングで、検討されてみるのはいかがでしょうか?
電気工事士による工事が必要な場合があるため、わからないことは専門家に相談して、安全に交換して下さいね。