洗濯機の寿命は一般的に7〜10年程度が目安とされています。家電公正取引協議会の基準では「設計上の標準使用期間」は7年ですが、使用環境やメンテナンス状況によって実際の耐用年数は異なります。ドラム式は6〜8年、縦型は8〜12年とされ、構造の違いが寿命に影響します。使用頻度が高い家庭では摩耗が早まる傾向もあるため、異音や機能低下などの初期症状が出た場合は早めに点検・買い替えを検討するのが賢明です。
洗濯機に異音や乾燥不良が出たときは寿命のサインですか?洗濯中の異音や乾燥機能の低下は、洗濯機の寿命が近づいているサインの可能性があります。モーターの摩耗、センサーの異常、内部部品の劣化などが主な原因で、複数の症状が同時に現れる場合は注意が必要です。特に「脱水できない」「エラーが頻発する」「乾燥に時間がかかる」といった現象は、経年劣化による故障の前兆であることが多く、修理対応か買い替えの判断が必要になります。年式が古い場合は部品供給が終了している可能性もあります。
洗濯機が動かないときは修理すべきか判断する方法は?洗濯機が動かなくなった場合、まずは電源接続やフィルターの詰まりなど、基本的なトラブルを確認します。それでも解消しない場合、修理か買い替えかの判断は「製造年数」と「修理費用」が基準となります。一般的に製造から7年以上経過している場合は買い替えを検討するのが現実的です。また、修理費用が購入価格の3分の1を超える場合も、コストパフォーマンスの面から買い替えの方が有利とされています。保証期間内かどうかも忘れず確認しましょう。
洗濯機の調子が悪くなると、「修理で直せるのか?」「買い替えるべきか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。異音がする、脱水が弱い、乾燥機能が効かないといった症状は、洗濯機の寿命サインの可能性があります。
そこで今回は、洗濯機の平均寿命や、修理と買い替えを判断するための基準をわかりやすく紹介します。さらに、寿命を延ばすための正しい使い方やメンテナンス方法も紹介します。無駄な出費を防ぎ、賢く家電を使い続けるためのヒントが満載です。
洗濯機の平均寿命は?何年もつ?

洗濯機の寿命は平均7〜10年とされますが、タイプによって大きく異なります。ドラム式は6〜8年、縦型は8〜12年が買い替えの目安です。これは、構造の複雑さや摩耗しやすさによる差が主な理由です。
「標準使用期間」と「実際の使用年数」は違う
家電の寿命を把握するには、以下の2つの基準を知ることが重要です。
- 【設計上の標準使用期間】:製品が安全に使えると定められた年数(目安は7年)
- 【実際の平均使用年数】:故障や買い替えが実際に起こるまでの平均期間
家電公正取引協議会のガイドラインでは、洗濯機の設計標準使用期間は7年と定められていますが、これは安全に使える年数であって、使えなくなる年数ではありません。
ドラム式と縦型で寿命が違う理由
| タイプ | 平均寿命の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ドラム式 | 6〜8年 | 構造が複雑で故障リスクが高い |
| 縦型 | 8〜12年 | シンプルな構造でメンテナンス性が高い |
ドラム式洗濯機は、横向きの回転ドラムによって衣類をたたき洗いするため、部品への負担が大きくなりやすく、また構造が複雑なため故障しやすい傾向があります。
一方、縦型洗濯機は構造がシンプルで、水を多く使ってしっかり洗うため、耐久性が高く寿命が長いとされています。
参考:消費生活用製品安全法 設計標準使用期間の標準的な JEMA 一般社団法人 日本電機工業会
参考:家電の寿命はどのくらい?買い替えのベストなタイミングは?かんでんWITH YOU
洗濯機の寿命が近づいた時のサイン

洗濯機の寿命が近づくと、異音や動作不良などの前兆が現れることがあります。そのまま放置すると故障が進行し、修理費用が高額になったり、使用中に突然停止したりするリスクもあります。
以下のような症状が複数当てはまる場合は、買い替えや点検を検討することをおすすめします。
洗濯中に異音がする(キュルキュル・ゴトゴト)
今まで聞いたことがない「キュルキュル」「ガタガタ」や「キーン」という音がする時や、激しい振動が発生したりする場合は、内部の部品が摩耗している可能性があります。長期間使用している洗濯機では、モーターやベアリングの故障が原因であることが多いです。
衣類のポケットに入っていた小銭などが、洗濯槽にぶつかっている音かもしれません。洗濯槽を確認して何も落ちてなければ、業者に確認した方がいいでしょう。
脱水力が弱く、衣類がびしょびしょのまま
モーターやセンサーの異常が疑われます。回転音がしていても、実際に脱水できていない場合は、内部の機構に不具合が生じている可能性があります。
液晶部分に「脱水エラー」という表示が出れば、衣類の詰め込み過ぎが考えられます。
問題はエラー表示が出ない場合です。考えられることは排水口や排水ホースの汚れです。排水口とホースを覗き込んで汚れによる詰まりがないか確認してみましょう。排水ホースの詰まりを掃除することで、元通り使える場合もあります。
乾燥機能の低下や生乾きが続く
温風ユニットや湿度センサーの故障が原因で、乾燥機能が正常に作動していない状態です。乾燥フィルターの目詰まりやホコリの蓄積も併せて確認しましょう。
水漏れや排水不良が起きる
ホースやパッキンの劣化によって水が漏れるケースがあります。排水フィルターの詰まりや破損でも、排水が滞ることがあります。
突然の停止や水漏れが頻繁に起きる場合は、ポンプやホースなどが劣化しているサインです。これらのトラブルが続くと、大規模な故障に繋がることもあるため、早めの点検が必要です。
ホースからの水漏れは下記が考えられます。
- ホース自体に穴があく
- 蛇口とホースとの接続部分にあるパッキンゴムの劣化
- 汚れによる詰まり
洗濯機からの水漏れする原因については下記の記事で詳しく紹介しています。
エラー表示が頻繁に出る・突然停止する
洗濯機の「エラーコード」が表示される頻度が増えるのも寿命が近づいているサインです。簡単なエラーなら再起動で解消することもありますが、頻発する場合は内部の電子部品が劣化している可能性が高いです。
エラーメッセージが頻発する際は、使用説明書に記載の対処法を確認し、それでも改善しない場合はメーカーに相談しましょう。
洗濯機の買い替えを検討する判断基準

洗濯機の調子が悪くなったとき、「修理すればまだ使えるのでは」と考える人は少なくありません。しかし、判断を誤ると修理費がかさんだうえにすぐ買い替えが必要になるケースもあります。ポイントは、製造年数と修理費用のバランスを冷静に見極めることです。
修理費用の目安
| 故障箇所 | 修理費用の相場 |
|---|---|
| 排水ポンプ | 8,000〜15,000円 |
| 基板交換 | 20,000〜35,000円 |
| 乾燥ヒーター | 25,000〜40,000円 |
上記はあくまで一例ですが、複数箇所が故障している場合や出張費を含めると、トータルで数万円かかることもあります。
修理と買い替え、どちらを選ぶべきか?
以下の条件に当てはまるかどうかをチェックすることで、判断がしやすくなります。
買い替えを検討すべきケース- 製造から7年以上経過している
- 修理費が本体価格の3分の1を超える
- エラー頻発や複数箇所の不具合がある
- メーカー保証が切れており、部品供給が終了している
修理を優先していいケース
- 購入から5年以内で保証が有効
- 修理費用が1〜2万円程度で済む
- 高価格帯のモデルや業務用製品
- 故障箇所が明確で、部品在庫がある
洗濯機の部品は、製造終了後7年間を目安にメーカーから供給されます。それ以降になると、修理対応が難しくなることがあり、特に制御基板や乾燥ユニットなどの専用部品は入手困難になる傾向があります。
部品保有期間と修理対応の特徴
| メーカー | 部品保有期間 | 修理対応の特徴 |
|---|---|---|
| Panasonic | 7年 | 延長保証制度が充実しており、サポートの柔軟性が高い |
| 日立 | 7年 | 部品の在庫が安定しており、ドラム式モデルの修理実績が多い |
| シャープ | 7年 | 年式によっては部品取り寄せに時間がかかることがある |
| 東芝 | 7年 | モデルによって修理可能かどうかが異なり、対応にばらつきがある |
洗濯機の寿命を延ばす正しい使い方とメンテナンス方法

洗濯機は使い方ひとつで寿命が大きく変わります。毎日の使い方や定期的なメンテナンスを意識するだけで、寿命が5年以上延びるケースもあります。修理業者によると、「故障の約4割は使用方法や清掃不足によるもの」とされています。
以下の基本的な習慣を守ることで、洗濯機の負担を減らし、トラブルの予防につながります。
洗剤は適量を守る
洗剤を多く入れると汚れが落ちるイメージはありますが、泡立ちによってセンサー誤作動や排水不良の原因になります。特にドラム式では少量高濃度タイプの使用がおすすめです。規定量を超えた洗剤が、すすぎきれずに衣類や洗濯槽に残ってしまいます。
柔軟剤の注ぎ口に白く固まっているものがあれば入れ過ぎです。残ってしまった洗剤や柔軟剤は不衛生なだけでなく、洗濯機の寿命を短くする可能性があるので注意しましょう。
洗濯物を詰め込みすぎない
洗濯機に洗濯物を詰め込み過ぎると思わぬトラブルになりやすいです。規定の量は洗濯槽の6~7割と言われています。それ以上詰め込むと洗濯機に大きな負担となり、故障原因となります。
具体的には洗濯槽の底の部分にある「パルセーター」という羽のような部品が、衣類の重みに耐えきれず回転がスムーズにできません。その結果パルセーターが不具合を起こしやすくなります。
フィルターは週1回を目安に清掃
排水フィルターや乾燥フィルターの目詰まりは、水漏れや乾燥効率の低下を招きます。定期的なチェックと掃除を習慣化することが重要です。
月に1回は槽洗浄を行う
市販の洗濯槽クリーナーを使って、黒カビや雑菌の繁殖を防ぎましょう。とくに梅雨時期や湿気の多い季節はこまめな洗浄が効果的です。洗濯槽の洗浄については下記の記事で詳しく紹介しています。
使用後は元栓を閉める
元栓を開けたままにしておくと蛇口とホースをつないでいるパッキンゴムに負担がかかり、最悪の場合水漏れが発生します。洗濯が終わったら元栓を閉めましょう。
不在時に水漏れしたら惨事になります。家族の誰かが在宅していれば最小限の被害ですみますが、日中誰もいない環境の人は「洗濯機の使用後は元栓を閉める」ことを習慣にしましょう。
おすすめの洗濯機モデル(2025年)

洗濯機の買い替えをご検討中の方に2025年の最新モデルから、おすすめの洗濯機をタイプ別に紹介します。
ドラム式洗濯乾燥機
パナソニック ドラム式洗濯乾燥機 LXシリーズ NA-LX127DR-W
洗剤を温めて泡にする「温水スゴ落ち泡洗浄」を採用し、黄ばみや部屋干し臭の元を洗い流します。最大容量は洗濯12kg、乾燥6kgで、大風量の乾燥機能や洗剤の自動投入機能も備えています。パナソニックは世界で初めて「ヒートポンプ方式」を採用し、風の通り道が短く、大風量のまま槽内へ風を送ることができるから、電気代も乾燥時間も効率的です。
日立 ドラム式洗濯機 ビッグドラム BD-SW120KL-W
乾燥フィルターをなくした「らくメンテ洗浄」機能を搭載し、洗濯槽や乾燥経路を自動で強力洗浄します。ナイアガラ洗浄と風アイロン機能で、衣類をしっかり洗浄・乾燥します。
縦型洗濯機
シャープ 全自動洗濯機 ES-GE6J-S
シャープ独自の「穴なし槽」を採用し、洗濯槽の裏側に生じた黒カビや汚れが侵入しにくく、清潔性と節水を両立しています。高濃度の洗浄液で繊維の奥の汚れにもアプローチし、強い水流で洗い上げます。
日立 インバーター洗濯機 BW-V80K-W
洗剤を少量の水で溶かして作った高濃度の洗浄液を浸透させてから、押し洗い・もみ洗い・たたき洗いでしっかり洗います。大流量のナイアガラ水流で洗い流すので、洗いムラが少ないのもポイントです。
パナソニック 全自動洗濯機 NA-FA10K3-W
最大10kgまでの衣類を一度に入れても、独自の「スゴ落ち泡洗浄」と「パワフル立体水流」によってしっかり洗い上げられます。洗剤の自動投入タンクへの入れやすさやボタン操作のしやすさ、洗濯物の出し入れしやすさなど、細部まで工夫されています。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は洗濯機の平均寿命や、修理と買い替えを判断するための基準をわかりやすく紹介しました。洗濯機の寿命は一般的に7~10年とされており、異音・乾燥不良・脱水力の低下などが現れたら買い替えや修理を検討すべきサインです。
修理費用が本体価格の1/3を超える場合や、製造から7年以上経過している場合は、買い替えのほうがコストパフォーマンスに優れるケースもあります。
また、普段の使い方やメンテナンスによって寿命を延ばすことも可能です。少しでも異変を感じたら、まずは洗濯機クリーニングの専門業者に相談して、内部の汚れや故障の兆候をチェックしてもらいましょう。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
洗濯機の修理費用と寿命のバランスは?
洗濯機の修理費用は故障箇所によって異なり、排水ポンプは8,000〜15,000円、基板交換は20,000〜35,000円程度が目安です。購入から7年以上経過している場合は、修理しても別の箇所がすぐに故障するリスクが高く、結果的に買い替えの方が安く済むケースもあります。反対に、高価格帯モデルや保証期間内であれば修理を優先するメリットがあります。判断に迷う場合は、事前に修理見積もりを取り、総額と年式をもとに総合的に判断しましょう。
洗濯機を長く使うためのメンテナンスや正しい使い方は?
洗濯機の寿命を延ばすには、日常の使い方と定期的なメンテナンスが重要です。洗剤は適量を守り、洗濯物は8割以下にとどめることで内部負荷を軽減できます。週1回のフィルター掃除や月1回の槽洗浄も、排水不良やカビ対策に有効です。また、通気性の良い場所に設置することで内部結露を防ぎ、電子部品の腐食リスクを抑えられます。実際、修理業者の多くは「故障の約4割が使用方法や清掃不足に起因している」と指摘しています。
メーカーごとの洗濯機の部品保有期間と修理対応状況は?
洗濯機の部品保有期間は、主要メーカー(パナソニック・日立・シャープ・東芝)ともに「製造終了後7年」が基本です。ただし、年式や機種によっては在庫切れで修理不可の場合もあります。日立やパナソニックは比較的部品供給が安定しており、シャープや東芝はモデルによって対応状況が異なります。修理の可否を確認したい場合は、製造年・型番をもとに各メーカーのサポート窓口での確認が確実です。
設計上の標準使用期間と実際の使用年数にはどれくらい差がある?
家電公正取引協議会が定める洗濯機の設計上の標準使用期間は7年ですが、実際の使用年数は平均で8〜10年程度とされています。これは設計上、安全性が保証される期間と、ユーザーが使い続ける年数に差があるためです。縦型は12年近く使用されることもあり、ドラム式は部品の摩耗が早く6〜8年での買い替えが一般的です。安全性と性能を考慮し、標準期間を超えた使用には注意が必要です。
洗濯機の故障を防ぐためにやっておくべき日常のケア方法は?
洗濯機の寿命を延ばすには、日常的なメンテナンスが重要です。洗剤は適量を守り、洗濯物は槽の8割以下にとどめて負荷を軽減しましょう。週1回のフィルター清掃と、月1回の洗濯槽クリーナーによる槽洗浄も有効です。また、設置場所の通気性を確保し、湿気による基板腐食を防ぐこともポイントです。こうした基本的なケアの積み重ねが、故障リスクの軽減と寿命延長につながります。
洗濯機が壊れる前に現れるトラブル事例と対処法は?
洗濯機の寿命が近づくと、異音、脱水不足、乾燥不良、水漏れ、エラー表示の頻発といった症状が現れやすくなります。たとえば、キュルキュルという音はベルト摩耗、脱水できない場合はモーターやセンサー異常の可能性があります。こうした前兆を放置すると重大な故障につながるため、複数の症状が見られる場合は点検や買い替えの検討が必要です。早期対応がトラブルの拡大を防ぎます。
10年以上使っている洗濯機は買い替えたほうが良いですか?
10年以上経過した洗濯機は、たとえ動いていても買い替えを検討するタイミングです。部品の供給が終了しているケースが多く、故障時の修理が困難または高額になる傾向があります。また、消費電力や節水性能も最新モデルに比べて劣るため、電気代や水道代の面でも非効率です。突然の故障による生活の支障を避けるためにも、使用年数が10年を超えたら早めの入れ替えが推奨されます。

