アクリル製品に毛玉ができた場合は、まず手で大きな毛玉を優しく取り除きましょう。その後、毛玉取り器やカミソリを使い、表面を軽くなでるように処理します。強くこすらないように注意し、製品を傷つけないようにしましょう。また、仕上げに柔らかい布で表面を整えると、見た目がきれいになります。定期的にケアすることで、毛玉の発生を最小限に抑えられます。
冬のおしゃれ着に欠かせないアクリル素材のの洗い方は、いくつかのポイントを押さえれば家庭にある洗濯機でも、手洗いでもどちらでも大丈夫です。そして何より大切なのが干し方です。今回はアクリル素材の洗い方や、型崩れしない干し方のポイントを紹介します。
アクリル素材とは?

アクリルとはセーターやニットによく使われている素材で、ウールに似た化学合成繊維です。石油を原料としてつくられており、天然繊維にないメリットもありますがデメリットもあります。
アクリル素材のメリット
- 軽くやわらかいので着心地がいい
- 保湿性が高くあたたかい
- 縮みにくい
- しわになりにくい
- 天然繊維よりカビや虫に強い
アクリル素材のデメリット
- 毛玉ができやすい
- 伸びやすい
- 吸水性がなく汗を吸わずベタベタする
- 吸湿性がないので摩擦で静電気がおきやすい
アクリル素材を洗濯機で洗う方法

準備物
- 洗濯ネット
- 洗剤


アクリル素材を洗濯機で洗う手順
- 衣類を裏返して洗濯ネットに入れる。
- 洗剤と柔軟剤を投入して「手洗いコース」か「ドライコース」で開始する。
- 脱水は30秒~1分程度の短時間にして完了。
裏返して入れると毛玉ができにくくなります。また、汗や皮脂汚れは裏側についているので、裏面を表に出すことで汚れを落としやすくなります。他の洋服と一緒に洗うと摩擦で毛玉ができやすくなるのでなるべく単品で洗いましょう。
水洗いで構いませんが、より洗剤の能力を引き出したいのであれば30℃~40℃のぬるま湯を使うと汚れ落ちがやくなります。洗剤は普段の使っているアタックや、トップといった弱アルカリ性洗剤で大丈夫です。
脱水は1分以上脱水すると、脱水の強い回転力で衣類が伸びてしまいます。
アクリル素材を手洗いする方法

大切な衣類は手洗いした方が衣類を傷める心配がありません。時間のある時はなるべく手洗いしましょう。
準備物
- 洗面器
- 洗濯ネット
- 洗剤
- 柔軟剤
- タオル
アクリル素材を手洗いする手順
- 洗面器または洗面台のシンクに水を張り、水量に合わせて洗剤を入る。
- アクリルの衣類を裏返して洗濯ネットに入れて洗浄液に浸す。
- のまま放置してつけ置き洗いするか、軽く押し洗いする。
- 洗面器からアクリルの衣類を取り出して洗浄液を捨てる。
- 洗面器にキレイな水を張り直して再度入れてすすぎ洗いする。
- 洗面器に水を張り直して分量通りの柔軟剤を入れて、アクリルの衣類を軽く浸す。
- もう一度きれいな水を張り再度入れてすすぎ洗いする。
- タアクリルの衣類をオルで包んで水気を取って、洗濯機で10秒~1分程度脱水して完了。
アクリル素材を洗う時の注意点

アクリルは柔らかく傷が付きやすい素材のため、洗濯するにはいくつかの注意点があります。そこで基本的な注意点やコツを紹介します。大切な衣類を長く美しい状態で保つために、ぜひ参考にしてください。
洗濯表示を確認する
アクリル素材の衣類は自宅で洗えますが、衣類によっては他のデリケートな素材が混じっています。洗濯表示に「×」がついている衣類はクリーニングに出しましょう。
また「洗濯機で軽く洗う」「洗濯機で非常に弱く洗う」などとマークによって洗い方を変える必要があるため洗濯表示はよく確認しましょう。

【参考】
消費者庁 新しい洗濯表示
高温に弱いのでお湯は40℃以下にする
洗濯表示のマークに書かれている「30」や「40」という数字は、「30℃まで」や「40℃まで」など水温の上限を意味しています。もともとアクリルは高温に弱い素材です。数字が書かれていない場合でも、水温は40℃までにとどめましょう。
優しく丁寧に洗う
洗濯機を使う時は、必ず水流の弱い「手洗いコース」や「ドライコース」で洗いましょう。手洗いの時は強くもんだりこすったりせず、手のひらで軽く押すようにして洗います。すすぐ時も水の中を泳がせるようにして優しくすすぎましょう。
アクリル衣類を型崩れしないように干すポイント

アクリル素材の洋服は伸びやすいので、ハンガー干しはやめましょう。袖部分の水分の重みで首や肩が伸びたり、型崩れしてしまうため干し方に注意しましょう。
お腹の部分で折って竿にかける
竿にかけて干す手順
- 袖を垂らさないよう、脇部分から内側へ折りたたむ。
- 左右の袖先が首部分を通って反対側の肩に重なるように折る。
- 洋服の真ん中を竿に二つ折りにかけて干します。ちょうどお腹の部分で折って竿にかけるようにして完了。
右袖の脇の付け根を折って袖先を左側の肩へ、左腕の脇の付け根から折って袖先を右側の肩へ渡すようにしましょう。
平干しネットを使う
「平干しネット」を使って平らに干しましょう。平干しネットはホームセンターや100円均一の店で購入できます。ピンチハンガーの上で寝かせるように干したり、逆さにしたカゴの上に置いて干せます。

3段になっており、同時にたくさんのものを干せるので便利です。Tシャツなら10枚、ニットなら6枚、枕なら2~3個を一度に乾かせます。使わないときはたたんでコンパクトに収納できるのもいいですね。

平置きで乾燥させるのに便利なネットです。ベランダだけでなくお風呂場で使ったり、部屋干しできます。72cmのワイド角で大きめのセーターでも十分干せて、2段、3段と積み重ねての使用も可能です。
M字干しする
マフラーやストールなど長いものや毛布など大きいものは、2本の竿または2本のハンガーに引っ掛けてM字の形に干します。
アクリル製品を乾燥させる際の注意点

アクリル衣類を長く美しく保つためには、乾燥させる際は注意を払うことが大切です。乾燥させる際に避けるべきポイントを紹介します。
アイロンがけ
アクリル素材は高温に弱いので温度を「低」に設定しましょう。そして必ず当て布を使いアイロンがけしましょう。
スチーム機能を使う場合は洋服に直接アイロンをかけるのではなく、少し浮かせた状態でアイロンをかけます。そうしないとアクリルの風合いがなくなり、縮んでペラペラの洋服になってしまいます。
乾燥機の使用はNG
アクリル素材の洋服は乾燥機を使って乾かすと洋服が傷んでしまいます。乾燥機の高温と強い回転にアクリル繊維が耐えられず、型崩れするため使用はやめましょう。
洗濯機の掃除はプロへ依頼するのがおすすめ
今回はアクリル素材の洗い方や、型崩れしない干し方のポイントを紹介しました。アクリル素材の衣類は家で洗えますが、干し方のポイントをおさえて衣類が傷まないように大切に扱いましょう。
そもそも「洗濯機が汚れていて気になる…」という人は、ハウスクリーニング業者に依頼して、分解洗浄してもらうのもオススメです。着る服がキレイだと仕事や家事もはかどります。
