紙魚の主な発生原因は「湿気・紙類・ホコリ」の3つです。湿度が高く、紙やノリなどのセルロースを含む素材が多い場所では繁殖しやすくなります。換気が不十分だったり、掃除の行き届かない本棚や押し入れの奥などは、紙魚にとって最適な環境です。梅雨時期や冬の結露なども要注意です。
紙魚を自力で駆除するには何を使えばいいですか?紙魚を自力で駆除するには、ピレスロイド系の殺虫スプレーやホウ酸団子、粘着トラップなどが有効です。スプレーは即効性があり、動きを止めたいときに便利です。ホウ酸系ベイト剤は巣ごと駆除でき、トラップは生息範囲の把握に役立ちます。天然素材のラベンダーやシダーを使った忌避剤もありますが、駆除効果は限定的です。家庭内で駆除する場合は、安全性と設置場所に注意しながら複数の方法を併用すると効果的です。
紙魚が好む場所はどこですか?家の中で注意すべき場所は?紙魚は暗くて湿気のある場所を好みます。家の中では、押し入れ・クローゼット・本棚の裏・洗面台の下・浴室のすみ・畳の下・壁紙の裏などが主な潜伏場所です。紙魚の好物である紙類やホコリがたまりやすく、通気性が悪い場所は特に要注意です。日頃から風通しを良くし、乾燥剤を置いたり、定期的に掃除を行うことで、紙魚の住処になりにくい環境をつくることができます。
家の中で突然現れる銀色に光る小さな虫、紙魚(シミ)は、本棚や押し入れ、洗面所など湿気の多い場所に潜み、書類や本を食べる不快な害虫として知られています。放っておくと繁殖して、被害が広がるおそれもあります。
そこで今回は、紙魚の正体や発生原因、効果的な駆除方法、再発を防ぐための予防策、安全に対処する際の注意点を紹介します。最新情報をもとに、専門家の視点からわかりやすくまとめた、快適な住環境を守るための実践ガイドです。
紙魚(シミ)とは?

紙魚(シミ)は、湿気を好む小さな昆虫で、古い本や壁紙、衣類などを食べる習性があります。主に紙やデンプン質のものを食べるため、古書や文書保管にとって特に厄介な存在です。
チャタテムシとは?家の中に現れる小さな虫の正体と駆除法については下記の記事で詳しく紹介しています。
紙魚の特徴
紙魚(しみ)は、体長0.7〜1.5cmほどの細長い害虫で、銀白色のうろこに覆われた体と多くの足を持つのが特徴です。夜行性で光を嫌い、湿気と温かさのある場所を好むため、家の中では押し入れ・本棚・洗面所などにひそんでいることが多くあります。
- 体長は10mm前後
- 銀~灰黒色
- ダンゴムシを平べったくしたような形
- 3本の長いしっぽがある
紙魚の主な食べ物
主なエサは、紙やノリ、段ボール、壁紙の裏打ち、パソコンのケーブル被膜などに含まれる「セルロース」という成分です。大切な本や書類、電化製品にまで被害が広がるため、知らぬ間に深刻な損害を招くこともあります。
紙魚の寿命
紙魚の寿命は2〜8年と長く、1匹のメスから数百〜数千個の卵が産まれることも。繁殖力が非常に高いため、「1匹見かけたらすでに複数いる」と考え、早めに駆除・予防策を講じることが大切です。
なぜ家に出るの?紙魚の発生原因と潜む場所

紙魚(しみ)は、偶然現れるわけではありません。家の中に潜むには必ず「原因」と「環境」があり、それを知ることで予防と対策がしやすくなります。
発生の主な原因
紙魚が増える最大の原因は、湿気とエサとなる紙類、そしてホコリです。梅雨など湿度が高くなる時期や、風通しの悪い場所では繁殖が加速します。
紙魚はセルロース成分(紙・のり・ダンボールなど)を好み、ホコリや人の髪の毛、フケなどもエサになります。掃除が行き届いていない場所は格好の住処となります。
紙魚がよく潜む場所
- 押し入れやクローゼットの奥
- 浴室や洗面所のすみ
- 本棚や書類ケースの裏側
- キッチン下・洗面台下の収納スペース
- 壁と床の隙間、畳の下、壁紙の裏側
これらの場所は暗く湿気がこもりやすく、かつ人目に触れにくいため、紙魚の温床になりやすいポイントです。見えない場所にも潜んでいる可能性があるため、目に見える1匹を甘く見ず、定期的な清掃や除湿を意識しましょう。家の湿気対策とおすすめグッズについては下記の記事で詳しく紹介しています。
紙魚(シミ)を駆除する方法

紙魚(しみ)を1匹でも見かけたら、すぐに行動を起こすことが重要です。放っておくと家の中で繁殖し、被害が拡大するおそれがあります。ここでは、市販の駆除グッズから自然素材を使った方法まで、すぐに実践できる対策を紹介します。
①ピレスロイド系殺虫スプレーで即効駆除
最も手軽で即効性が高い方法です。紙魚を直接見つけた場合は、動きを封じる効果のあるピレスロイド系スプレーを使用しましょう。すき間や壁際、家具の裏など、潜伏しやすい場所にピンポイントで噴射するのが効果的です。
② ホウ酸団子・ベイト剤で巣ごと駆除
紙魚が出入りしそうな場所にベイト剤を設置し、誘引して食べさせる駆除方法です。巣に戻った後も作用が続くため、根本対策として有効です。ただし、小さな子どもやペットがいるご家庭では設置場所に注意が必要です。
③粘着トラップで生息状況を把握
目に見えない紙魚の動きを把握するには、通り道や湿気の多い場所に粘着トラップを設置しましょう。捕獲と同時に、どこにどれくらい生息しているかの目安になります。
④ラベンダー・シダーなど天然成分の忌避剤
紙魚は特定の香りを嫌う性質があります。ラベンダーやシダーウッドの精油を使った天然成分のスプレーは、化学薬剤を使いたくない方におすすめ。予防と軽度の発生対策に適しています。
⑤燻煙剤(バルサン)で家全体をリセット
広範囲にわたって紙魚が発生している場合は、燻煙タイプの駆除剤(バルサンなど)を使うのが効果的です。部屋全体に薬剤を行き渡らせることで、隠れている個体にも対処できます。ただし、使用前には火災報知器の養生やペットの避難など準備が必要です。
【参考】
虫ケア用品(殺虫剤・防虫剤)アース製薬
紙魚を再発させない予防策

紙魚(しみ)を駆除したあとも油断は禁物です。発生しやすい環境が残っていれば、再び家の中に現れるリスクがあります。根本的な対策として、日常の湿度管理と住環境の見直しが欠かせません。
湿度管理
紙魚は湿度が高い環境を好むため、室内の湿度を50%以下に保ちましょう。湿気がこもりやすい浴室、キッチン、地下室などでは、除湿機を使用して湿度を管理しましょう。
湿気の多い場所に除湿剤を置き、湿度を下げることで紙魚が住みにくい環境を作ります。押入れや本棚などは、湿気がこもりやすいため注意が必要です。梅雨の時期や湿度の高い季節には、除湿機を活用して室内の湿度をコントロールすることも効果的です。
収納の工夫
書籍、書類、衣類などは密閉できる収納ボックスに保管することで、紙魚の侵入を防げます。また、収納場所に防虫剤を置くことで、紙魚を予防しましょう。本の収納については下記の記事で詳しく紹介しています。
こまめに掃除する
ホコリやゴミが溜まると紙魚の隠れ場所になります。床や家具の裏、棚の奥なども含めて、定期的に掃除しましょう。トイレの虫を防ぐにはトイレを徹底的に掃除することです。トイレ掃除のやり方については下記の記事で詳しく紹介しています。
紙魚は人体やペットへの害はある?

見た目に不快感を覚える方も多い紙魚(しみ)ですが、実際に害はあるのでしょうか。そこで紙魚が人体やペットに与える影響について、科学的な視点からわかりやすく紹介します。
紙魚は毒を持っておらず、人間や動物を噛むこともありません。寄生虫を媒介することもないため、直接的な健康被害はほとんどありません。つまり、紙魚そのものには危険性はほぼないといえます。
注意すべき間接的なリスク
糞や死骸
紙魚の糞や死骸がたまると、室内のハウスダストの一部になり、喘息やアレルギー体質の方にとっては刺激源となる場合があります。
駆除剤による二次被害
ホウ酸団子や殺虫剤など、駆除に使う薬剤の中には、ペットや小さなお子さまにとって有害な成分が含まれていることがあります。駆除剤は成分をよく確認し、誤飲や皮膚接触のリスクがないよう設置場所に配慮することが大切です。
【参考】
厚生労働省 家庭用品の安全対策
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は紙魚の正体や発生原因、効果的な駆除方法、再発を防ぐための予防策、安全に対処する際の注意点を紹介しました。紙魚(シミ)は湿気やホコリ、紙類を好み、気づかないうちに家の中で増殖する厄介な害虫です。正しい知識と対策を知っておくことで、被害を最小限に抑えることが可能です。
水回りは紙魚が好む環境のひとつです。トイレ周辺に紙魚が出るようであれば、湿気や汚れの蓄積が原因かもしれません。快適な空間を保つためにも、トイレクリーニングの専門業者に一度相談してみましょう。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
紙魚を見かけたとき、放置するとどうなりますか?
紙魚を放置すると、繁殖によって被害が拡大するおそれがあります。1匹のメスから数百~数千個の卵が産まれるため、見えないところで大量に増えている可能性もあります。紙類をかじって穴をあけたり、書類や壁紙を劣化させたりするため、放置は禁物です。さらに、死骸や糞がハウスダストとなり、アレルギーを引き起こすリスクもあります。1匹でも見つけたら、すぐに駆除と発生環境の見直しを行うことが重要です。
湿気以外に紙魚を防ぐ方法はありますか?
湿気対策が基本ですが、それ以外にも複数の予防法があります。例えば、紙類を密閉容器で保管する、本棚や押し入れに乾燥剤を置く、壁や床のすき間をコーキングで塞ぐなどが効果的です。また、掃除をこまめに行い、ホコリや食べかすをためないことも重要です。紙魚はエサとなるセルロースがあれば発生するため、「湿気×エサ×すき間」の三拍子を断つ環境改善が、最も確実な予防手段です。
紙魚の卵はどこにあり、どう対処すればいいですか?
紙魚の卵は非常に小さく、畳の下・壁紙の裏・家具のすき間など、人目につかない湿気の多い場所に産みつけられます。発見は難しいですが、ホコリや紙くずがたまりやすい箇所を重点的に掃除することで、卵の駆除につながります。燻煙剤(バルサンなど)やベイト剤は卵や潜伏中の個体に効果的です。見つけにくいからこそ、「潜んでいる前提」で広範囲に対策するのが重要です。
紙魚は人体やペットに害がありますか?
紙魚は人を刺したり噛んだりすることはなく、毒も持っていないため、基本的には無害です。ただし、糞や死骸がハウスダストとなり、アレルギーや喘息の原因になることがあります。また、ホウ酸団子などの駆除剤はペットや小さな子どもにとって危険な場合があるため、使用する際は設置場所と成分に十分注意が必要です。
紙魚を自然素材で駆除できますか?
紙魚は強い香りを嫌う習性があるため、ラベンダーやシダーウッドなどの精油を使った忌避剤が予防に効果的です。ただし、あくまで寄せつけにくくする方法であり、発生数が多い場合の完全な駆除には向きません。天然素材で対処したい場合は、精油スプレーとともに、除湿・掃除・紙類の密閉保管などの環境改善を併用することが重要です。
紙魚が出やすい季節や時期はいつですか?
紙魚の発生が特に多くなるのは、湿度が高く気温も上がる梅雨〜夏の時期です。6月〜9月にかけては、押し入れや浴室のすみなどで繁殖しやすくなります。また、冬の結露で湿気がこもる場所でも出現することがあります。年間を通じて湿気がたまりやすい環境では油断できません。発生ピーク前に除湿対策やトラップの設置を行っておくと、被害の拡大を防げます。
紙魚と似た虫と見分けるにはどうすればいいですか?
紙魚は体長7〜12mmほどで、銀白色のウロコに覆われ、魚のように滑るような動きが特徴です。チャタテムシは1〜2mmとさらに小さく、やや透明感のある体で、飛ぶこともあります。一方、シバンムシは丸みがあり、茶色〜赤褐色の甲虫で、乾燥食品や木材を好みます。見た目や動き、出現場所の違いを観察することで、種類の特定が可能です。不安な場合は駆除業者に相談するのもひとつの方法です。

