40℃前後の湯に酸素系漂白剤を溶かして30〜60分浸け置きし、やわらかいスポンジで優しくこすってから十分にすすぎます。
浴槽のピンク汚れはどう掃除すればいいですか?重曹と中性洗剤を1:1で混ぜたペーストを塗り、ラップで10〜15分パック。細いスポンジでやさしくこすり、シャワーで洗い流します。
浴槽の水垢はクエン酸で落ちますか?小さじ1のクエン酸を水200mlに溶かしてスプレーし15分放置。やわらかい布で拭き取り、水ですすげば中和されて除去できます。
毎日使う浴槽は、見えない汚れがたまりやすく、気づかないうちに黒ずみやピンク汚れが発生してしまいます。こまめに掃除しているのに再発してしまう原因は、汚れの性質に合った対処ができていないことが多いからです。
そこで今回は、浴槽に現れる汚れの種類や原因、掃除方法を紹介します。さらに、毎日取り入れられる予防習慣や、再発を防ぐコツについても丁寧に解説します。
なぜ浴槽はすぐに汚れる?

浴槽をきれいに掃除しても、数日後にはすぐに汚れが目立ってしまうことがあります。こうした悩みを抱えているご家庭は少なくありません。なかでも「ピンク汚れ」や「黒ずみ」が繰り返し発生する原因を知ることが、根本的な対策の第一歩となります。
ピンク汚れ
ピンク汚れは、赤カビと呼ばれることもありますが、実際にはロドトルラという酵母菌が原因です。この菌は空気中に広く存在し、湿気とわずかな栄養分(皮脂や石鹸カスなど)を栄養源にして素早く増殖します。わずか1〜2日で再発することもあるため、見つけたら早めの掃除が肝心です。
黒ずみ汚れ
浴槽のフチや角に現れる黒ずみは、皮脂や垢などの有機汚れに黒カビが付着・繁殖したものです。掃除が行き届きにくい場所では、湿度と栄養分が溜まりやすく、黒カビが根を張って頑固な汚れになります。
お風呂のカビ取りについては下記の記事で詳しく紹介しています。
水垢や石鹸カス
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が、水垢となって浴槽に残ると、石鹸カスや菌の温床になります。見た目には透明なことも多く、気づかないうちに汚れを助長しているケースもあります。
【参考】
カビ対策マニュアル 文部科学省
汚れの種類別に浴槽を掃除する方法

浴槽の素材によって、適切な掃除方法や使用する洗剤の選び方が異なります。素材に合わない洗剤や掃除道具を使うと、傷や変色の原因になることもあります。代表的な浴槽素材ごとの注意点を紹介します。
| 素材 | ピンク汚れ | 黒ずみ | 水垢 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| FRP/アクリル | 重曹ペースト | 酸素系漂白剤(薄め) | クエン酸スプレー | 研磨・金属不可 |
| ホーロー | 中性洗剤 | 酸素系(短時間) | クエン酸(短時間) | 強酸・強アルカリNG、傷つけない |
| ステンレス | 中性/重曹 | 酸素系 | クエン酸 | 塩素長時間/スチールウールNG |
- 【アクリル素材】・・・アクリルは軽くて滑らかな表面が特徴ですが、傷つきやすいデリケートな素材です。中性洗剤や専用の浴室用洗剤を使用しましょう。
- 【ステンレス素材】・・・耐久性が高く水垢やサビに強いステンレスですが、表面の光沢を保つには注意が必要です。研磨剤やスチールウールは避けましょう。
- 【ホーロー素材】・・・ホーローは耐熱性と耐久性が高い反面、酸やアルカリに弱い特徴があります。酸性洗剤や漂白剤は表面を侵食する可能性があるため使用を控えましょう。
浴槽の汚れには「ピンク汚れ」「黒ずみ」「水垢」など種類があり、それぞれに合った掃除方法を選ぶことで、効率よく清潔な状態を保てます。ここでは汚れの種類別に掃除方法を紹介します。
ピンク汚れの掃除方法
重曹の特徴
- 重曹は「弱アルカリ性」の性質をもっている
- 重曹は研磨作用がある
- 重曹は消臭効果がある
浴槽全体の掃除方法
準備物
- 重曹(粉末)
- スポンジ
浴槽全体の掃除手順
- 残り湯にお湯を足して浴槽をいっぱいにする。
- 重曹1カップを浴槽に入れて混ぜる。
- 湯垢や皮脂汚れが気になる風呂椅子や子供のおもちゃ等を浴槽に入れて一晩つけ置きする。
- スポンジで浴槽をこすり洗いして、しっかり洗い流して完了。
ペースト状の洗剤で掃除する方法
ピンク汚れには、重曹(弱アルカリ性)と中性洗剤を混ぜたペースト状の洗剤が効果的です。以下の手順で試してみましょう。
準備物
- 重曹(粉末)
- 食器用中性洗剤
- スポンジ
- ラップ
ペースト状の洗剤で掃除する手順
- 重曹と中性洗剤を1:1で混ぜ、ペーストを作る。
- 汚れ部分に塗り、ラップで10〜15分パックする。
- 細スポンジで優しくこすり洗いする。
- シャワーで汚れを洗い流して完了。
重曹ペーストを作る時は水は少しずつ加え、緩くなりすぎないように注意して作りましょう。
浴槽に重曹を入れる重曹風呂については下記の記事で詳しく紹介しています。
黒ずみ汚れの掃除方法
黒ずみにはオキシクリーンなどの酸素系漂白剤を使った浸け置きが有効です。しつこい汚れに効果を発揮します。
準備物
- 酸素系漂白剤
- スポンジ
黒ずみ汚れの掃除手順
- 浴槽に40℃前後のぬるま湯をため、酸素系漂白剤を溶かす。
- 30分〜1時間放置して汚れを浮かせる。
- スポンジで全体をやさしくこすり、水ですすぐ。
水垢・石鹸カスの掃除方法
アルカリ性の水垢には酸性のクエン酸がぴったりです。水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムの固着を中和して除去できます。
クエン酸の特徴
- クエン酸は「弱酸性」の性質をもっている
- クエン酸は消臭効果がある
- クエン酸は除菌効果がある
弱酸性の性質をいかして、落とせる汚れは水垢汚れです。浴槽掃除でクエン酸を使うなら下の記事を参考にしてくださいね。
クエン酸を使う時の注意点
- クエン酸は大理石には使えません
- クエン酸は鉄製品に使用すると錆の原因になります
- クエン酸は塩素系洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するためとても危険です
準備物
- クエン酸
- スプレーボトル
- スポンジ
水垢・石鹸カスの掃除手順
- クエン酸(小さじ1)を水200mlに溶かしてスプレーボトルに入れる。
- 汚れにスプレーし、15分ほど放置する。
- 柔らかい布やスポンジで拭き取り、水ですすぐ。
浴槽掃除におすすめの掃除グッズと洗剤

正しい掃除方法だけでなく、目的に合った洗剤や道具を選ぶことで、浴槽掃除の効率と仕上がりは大きく変わります。ここでは、実用性の高い洗剤と道具を厳選して紹介します。
市販で買えるおすすめ浴槽用洗剤
①バスマジックリン(花王)
中性洗剤のため、浴槽・床・壁など幅広い素材に使用できます。日常的な軽い汚れの掃除に最適です。
②カビキラー(ジョンソン)
塩素系漂白剤が黒カビを強力に除去します。ゴムパッキンや排水口の黒ずみに対して高い効果を発揮します。カビキラーの使い方については下記の記事で詳しく紹介しています。
③オキシクリーン(グラフィコ/アメリカ製)
酸素系漂白剤は、浴槽全体の浸け置き洗浄に活用できます。塩素特有のにおいが少なく、扱いやすいのも魅力です。
肌と環境にやさしいナチュラル洗浄
自然派志向の家庭にも人気の素材です。汚れの性質に応じて使い分けましょう。
- 【重曹】:弱アルカリ性で皮脂汚れやぬめり、黒ずみに効果
- 【クエン酸】:酸性で水垢・石鹸カス・ミネラル汚れに有効
- 【セスキ炭酸ソーダ】:重曹より洗浄力が高く、油汚れ・皮脂に強い
プロも使う浴槽掃除の便利グッズ
- 【柄付きブラシ】:手の届きにくい浴槽のフチや排水口まわりを効率よく掃除できる
- 【やわらかスポンジ】:浴槽の表面を傷つけずに洗浄可能。アクリルやFRP素材にも安心して使用できる
- 【スクイージー】:掃除後に水滴をしっかり取ることで、水垢やカビの再発を防止できる
浴槽の汚れを防ぐ習慣

浴槽をきれいな状態でキープするには、こまめな掃除だけでなく、日々の「予防習慣」が重要です。再発を防ぐために、簡単に続けられるルーティンを紹介します。
汚れをためない3つの習慣
- 入浴後に冷水シャワーで浴槽内を流す
- スクイージーで水滴をしっかり除去する
- シャンプーボトルや洗面器の底を拭き水分を残さない
週に一度本格的に掃除する

重曹やオキシクリーンでの浸け置き掃除したり、「カビくん煙剤」などで目に見えないカビを除去する。
使っていない時も対策する
- 浴槽のフタを閉めて湿気を管理する
- 換気扇はなるべく24時間回し続ける
浴室換気扇の掃除方法や、換気扇がうるさい時の対処法については下記の記事で詳しく紹介しています。
忙しい時にはプロへ依頼するのがおすすめ
今回は浴槽に現れる汚れの種類や原因、掃除方法を紹介しました。浴槽の黒ずみやピンク汚れは、皮脂やカビ、水垢などが原因で発生します。それぞれに適した洗剤や掃除法を取り入れることで、汚れを効率よく落とし、再発も防げます。日々のちょっとした習慣や、週に一度の本格的な掃除を取り入れることで、清潔な浴槽を長く保つことが可能です。
しかし、汚れが頑固で落ちにくい場合や、手間をかけずに一気にリセットしたいときは、浴室クリーニングの専門業者に依頼するのがおすすめです。プロの技術で見違えるようにキレイになります。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
浴槽掃除はどのくらいの頻度で行うべきですか?
目安は週1回の本格清掃と、入浴後の冷水シャワー+水切りの習慣化です。日常の時短ケアで再発を抑え、汚れが蓄積しにくい状態を維持できます。家族が多い家庭や湿気がこもる環境では、頻度をやや増やすと効率的です。
浴槽の素材別に、使ってよい洗剤や道具は違いますか?
違います。FRP/アクリルは研磨や金属たわしNG、ホーローは強酸・強アルカリに弱く、ステンレスはスチールウールや塩素の長時間放置を避けます。素材に合わせることで傷や変色を防ぎ、清掃の効率と仕上がりが安定します。
ピンク汚れ(赤カビに見える汚れ)の原因と対処法は?
原因はロドトルラという酵母菌で、湿気と皮脂・石鹸カスを栄養に急増します。重曹と中性洗剤のペーストを塗布し、ラップで10〜15分パック後にやさしく洗い流すのが効果的。発生源を断つため、入浴後の水切りと換気を徹底します。
黒ずみ・頑固汚れが落ちないときの有効な手順は?
40℃前後の湯に酸素系漂白剤を溶かして30〜60分浸け置きし、やわらかいスポンジで洗浄します。塩素系より扱いやすく、浴槽全体のリセットに有効。仕上げの十分なすすぎと換気で再付着を防ぎ、清掃の効率も高まります。
水垢・石鹸カスにクエン酸は本当に効きますか?
有効です。クエン酸小さじ1を水200mlに溶かし、汚れにスプレーして15分放置後に拭き取り、最後に水ですすぎます。アルカリ性のミネラル汚れを中和して除去でき、鏡や縁の白残り対策にも役立ちます。大理石や金属には注意が必要です。
重曹・クエン酸・塩素系などの併用で注意点はありますか?
酸性のクエン酸は塩素系洗剤と絶対に混ぜないでください。有毒ガスの危険があります。組み合わせる場合は用途を分け、必ず十分にすすいでから別の薬剤を使います。素材適合と換気を徹底し、安全性と作業効率を両立させましょう。
日常でできる再発防止のコツはありますか?
入浴後に冷水シャワーで表面温度を下げ、スクイージーで水滴を除去し、ボトル底や風呂椅子を拭くのが基本です。湿気をためない動線づくりが時短と衛生の両立に有効で、週1回の重曹浸け置きと月1回の防カビ対策で安定します。
換気扇はどのくらい回すべき?省エネと両立できますか?
可能なら24時間連続運転が理想です。水分と栄養の滞留を抑え、ピンク汚れやカビの再発防止に寄与します。電気代より衛生維持の効果が大きく、掃除の頻度と負担を下げる「時短投資」に。あわせて浴槽フタの活用で湿気管理を徹底します。
エプロン内部や排水口まわりの対処はどうすべき?
自力清掃は届きにくく汚れが残りがちです。柄付きブラシややわらかスポンジで定期ケアしつつ、蓄積時はプロの高圧洗浄やコーティングを検討。見えない箇所を整えると再発防止の効率が上がり、臭い・詰まりのトラブル抑制にもつながります。
プロに依頼する目安と作業時間は?
浸け置きや酸・アルカリの使い分けでも落ちない水垢・黒カビ、素材劣化が疑われる場合が目安。標準作業は1.5〜2時間が一般的で、エプロン内部洗浄や鏡のうろこ除去などオプション追加で延長します。短時間で見違える仕上がりが期待できます。

