エアコンの電気代を節約する方法|電気代の計算方法や電気代を抑えるコツを紹介
エアコンの電気代は、消費電力(kW)×使用時間(h)×電力料金単価(円/kWh)で計算します。例えば、1kWのエアコンを5時間使用し、料金単価が25円/kWhの場合、電気代は1×5×25=125円です。
エアコンの運転モードで電気代に違いはある?エアコンの運転モードによって電気代に違いがあります。冷房や暖房モードは多くのエネルギーを消費しますが、除湿モードや送風モードは比較的消費電力が低いです。自動運転モードは、設定温度に応じて効率的に切り替わるため、通常は電気代を抑えられます。適切なモード選択で節電が可能です。
冷房と暖房はどちらのほうが電気代がかかる?一般的に、暖房の方が冷房より電気代が高くなります。これは、暖房では外気温が低い冬の環境から室内を暖めるために多くのエネルギーが必要であるためです。また、エアコンの効率は暖房より冷房の方が高いことが多く、暖房は長時間使用されることが多いため、電気代が増えます。具体的には、暖房の電気代は冷房の約1.5〜2倍になることがあります。
年々、夏の暑さが厳しくなるなか、「エアコンの電気代は気になるけれど、冷房はつけっぱなし」という方も多いのではないでしょうか。さらに、電気料金の値上がりも、家計にとっては大きな負担です。
そこで今回はエアコンの効果的な使い方や、節電方法を紹介します。エアコンを適切に利用して、電気料金を下げ、暑い夏を快適に乗り切りましょう。
なぜ涼しくなるの?エアコンの仕組み
エアコンの節電や、節約方法を知るにはエアコンの仕組みを知っておくと理解しやすくなります。まずは、エアコンの仕組みから紹介します。
部屋が涼しくなる仕組み
エアコンを設置する際、エアコン本体と室外機をセットとして取り付けますが、その二つをつなぐパイプの中を「冷媒」という物質が流れています。室内機と室外機の間で冷媒を含んだ空気を交換し合うことで、室内には冷えた空気が入り、室外には部屋の熱い空気が逃げていくようになっています。
エアコンを使用する中で、最も電力を使用する過程はどこにあるのでしょうか?
夏にエアコンを使用すると室外機付近が熱くなっているのを感じたことはありませんか?それは、室外機に移動した「冷媒」が、室内の熱い空気を外に放出しているためです。その役割を担う部分は、エアコンの心臓とも言われる「圧縮機(コンプレッサー)」です。この過程の消費電力が最も大きく、その割合はエアコンの消費電力の80%ともいわれています。そのためエアコンの電力のほとんどが、圧縮機で使われていると言えます。
冷房・除湿(ドライ)の違いは?
冷房と除湿(ドライ)の機能の違いについても紹介します。冷房は部屋の「温度」を下げるのに対して、除湿は「湿度」を下げる機能があり、空気中の水分を集めて室外に出し、室内にはさらりとした乾いた空気を取り入れてくれます。
梅雨の季節など湿気が多く、部屋のジメジメした空気がわずらわしい時は、部屋の温度を下げることなく湿気を解消してくれる除湿がおすすめです。除湿と冷房の違いについては下記の記事で詳しく紹介しています。
エアコンの電気代の計算方法
エアコンの電気代の計算方法を知ることで、節電や節約の効果を実感できるようになります。1時間あたりの消費電力は、エアコンのメーカーや機種によって異なりますので、電気代を計算する前に、取扱説明書やカタログで、エアコンの消費電力を確認してください。
電気代の計算式
- 電気代=消費電力 (KW)×使用時間 (時間)×電力単価 (円/kwh)
このように、エアコンの電気代は消費電力、使用時間、電力単価の3つの要素で簡単に計算できます。
消費電力 (kW) | エアコンの消費電力は、通常エアコンの仕様書やラベルに記載されています。例えば、2.5 kWと表示されている場合、このエアコンは1時間あたり2.5キロワットの電力を消費します。 |
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使用時間 (時間) | エアコンを使用する時間です。例えば、1日8時間使用する場合は「8」となります。 |
電力単価 (円/kWh) | 電力会社からの請求書や契約内容に基づいて決まります。例えば、1 kWhあたりの単価が27円の場合は「27」となります。 |
実際に消費電力が2.5KWのエアコンを1日8時間使用し、電力単価が27円/kwhの場合の電気代を計算してみましょう。
1日の電気代例(8時間使用の場合)
例えば、消費電力が2.5 kWのエアコンを1日8時間使用し、電力単価が27円/kWhの場合の電気代を計算してみます。この場合の電気代は次のように計算されます。
- 1日の電気代 = 2.5(kW)×8(時間)×27(円/kWh) = 540円
1ヶ月の電気代例(8時間使用の場合)
さらに、これを1ヶ月分(30日)に換算すると、電気代は次のように計算されます。
- 月間電気代 = 540円 × 30日 = 16,200円
つまり、この条件でエアコンを毎日8時間使うと、1か月の電気代は16,200円となります。
運転モードによる電気代の違い
代表的な3つの運転モードによる、電気代の違いを紹介します。毎日のちょっとした心がけで、電気料金は違ってきます。電気代をおさえながら節約しても、涼しく快適な室内空間を目指しましょう。
運転モードによって電気代は異なる
弱冷房除湿 | 冷房よりも電気代が安いです。 |
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再熱除湿 | 室温を変えずに湿度を下げるため、冷房よりも電気代が高いです。 |
送風モード | 最も電気代が安く、室内の空気を循環させるだけのため消費電力は非常に低いです。 |
一般的にはリモコンの「除湿」ボタンが「弱冷房除湿」と考えていただいて問題はなく、「カラッと除湿」といったボタンがあれば「再燃除湿」とお考えください。
「弱冷房除湿」とは、室内の暖かく湿気を含んだ空気を取り込み、冷たく除湿した空気を送り込んでくれる機能を果たし、冷房ほど冷えませんが室内はさらっとして、やや冷たい空気に変わるので、弱めの冷房といえるかもしれません冷房を使用するよりも、電気代は安くなります。
「再燃除湿」は、室温を下げることなく、除湿する機能のことです。空気を室温よりも冷やして除湿した後、適切な温度に温め直した風を室内に送りだすという仕組みになっています。除湿した空気を再度温め直すため、弱冷房除湿よりも電気代は余計にかかりますが、除湿だけしたいときに役立ちます。「再燃除湿」が搭載されている機種は、ハイスペックなエアコンが中心です。
「送風モード」とは、内部のファンによって室内に風を送り出したり、冷房を使用後、エアコン内部を乾燥させたりするときに使用します。室内の温度や湿度を変えられませんが、空気を入れ換えに使用したり、エアコン内部を乾燥させるために利用すると便利です。
室温と設定温度の差は電気代に影響する
エアコンは、室内の空気を冷やしたり暖めたりすることで快適な温度を維持します。その維持に必要なエネルギーは、室温(現在の部屋の温度)と設定温度(希望する温度)の差によって大きく影響されます。
冷房の場合、室温が高く、エアコン運転開始時の設定温度が低い場合、エアコンはより多くの電力を消費します。
外が非常に暑い場合、室温も高くなります。このとき、エアコンを冷房モードで使用して設定温度を低く設定すると、エアコンは室温を下げるために多くのエネルギーを消費します。例えば、室温が35℃で設定温度が25℃の場合、10℃の差を埋める必要があります。設定温度が低いほど、エアコンは長時間稼働し続ける必要があり、その分電気代が高くなります。
エアコンの設定温度は夏は28℃・冬は20℃と推奨されています。これは電気代の節約だけでなく、省エネにもつながる、最もお得な設定温度ということになります。
「冷房」と「除湿」の電気代の違い
エアコンの冷房と除湿の仕組みは、基本的には同じです。ただ、冷房が温度を下げることを優先し、除湿は湿度を下げることを優先しています。冷房と除湿による電気代の違いですが、再熱除湿 > 冷房 > 弱冷房除湿のようになります。
部屋の温度や湿度などの環境やエアコンの設定温度次第では、冷房よりも弱冷房除湿の方が電気代がかかる場合があります。一気に温度を下げたいのに、電気代が弱冷房除湿の方がかからないからといって弱冷房除湿で運転し、設定温度になるまで時間がかかってしまえば、逆に電気代がかかってしまう可能性があります。
電気代が無駄にかかるエアコンの使い方
これまで何気なく操作していたのが、実は電気代の無駄につながっているかもしれません。電気代を無駄にしないために、エアコンの正しい使い方を再確認しましょう。
こまめにオンオフ繰り返す
エアコンをオンオフ繰り返してしまうと、オンにした時にかなりの電力が消費されます。オフにしたとしてもクリーンモードになっていれば、少しの電気を使用してエアコンの中を冷やして熱を逃がそうとします。
こまめにオンオフしてしまうとどうしても電力を多く消費してしまうので、電気代が高くなってしまいます。
エアコンを最初から弱運転で使う
最初から弱運転すると室温を下げるためにエアコンはフル稼働します。弱運転は設定温度になるまでに時間がかかってしまいその分消費電力がかかり、その結果電気代が余計にかかります。
そのため、エアコンに「自動」で運転してくれる機能があれば、ぜひ活用してみましょう。部屋が冷えるまでは強風に、部屋が冷えた後は自動で弱風や微風になり、最も効率よく部屋が快適になるように調整してくれます。
エアコンと部屋のサイズが合っていない
電気代を節約するには、部屋の広さに適した機種を選ぶことも大切です。エアコンのサイズは、カタログなどに「適用畳数6~9畳」といった表記がされていますが、適用畳数6~9畳と記載がある場合「6畳~9畳の部屋に最適」という意味でありません。
正確には木造住宅の場合は6畳、マンションやアパートなど鉄筋住宅の場合は9畳が目安という意味なので、勘違いしないようにしましょう。
エアコンは部屋の広さに対して大きすぎても小さすぎても、無駄な電力を消費してしまうため、電気代を節約するためには最適なサイズを選びましょう。
同時に複数台使用する
エアコンを複数使用していると当たり前ですが、1台使用するよりも倍の電力がかかってしまうので電気代がかさみます。
扇風機やサーキュレーターを利用することで、複数台のエアコンを同時に使用せずに済むケースもありますので、以下で紹介する方法をぜひお試しください。
エアコンの電気代を節約する10のコツ
暑い夏に毎日のように使用するエアコンの電気代を節約する方法を10選紹介します。どの方法も気軽に試せる節約術ですので、さっそく節電・節約してみましょう。
扇風機やサーキュレーターを併用する
暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気は下に溜まります。扇風機やサーキュレーターを併用することで空気を循環させて温度ムラをなくしましょう。室温が設定温度に近づきやすくなり、電気代をおさえられます。家で何台かエアコンを稼働させているというご家庭は、扇風機で空気を回してエアコンを1台にしても涼しい風を送れるようにしましょう。
自動運転で使用する
エアコンはスタート時には設定温度に近づけようと、一生懸命働くため大きな電力が必要です。設定温度になれば設定温度をキープするだけなので小さな電力ですみます。カタログや取扱説明書などに記載された消費電力欄の(最小出力運転時の消費電力~最大出力運転時の消費電力)を見てみてください。その差は10倍以上です。
電気代を抑えたいからと、エアコンをこまめに入り切りしても逆効果になる可能性があります。自動運転に任せるのが一番です。自動運転にすれば冷房と除湿の使い分けに悩むこともありません。
30分以内の外出であればつけっぱなしにする
エアコンをこまめに入り切りしても逆効果になる可能性があります。エアコンをつけっぱなしにすると電気代がもったいない気がしますが、30分以内の外出であれば、つけっぱなしにした方が電気代を抑えられる可能性が高いです。
定期的にエアコンを掃除する
エアコンが汚れているとエアコンの効率が下がり、電気代の上昇につながります。エアコンフィルターは2週間に1回、室内機、室外機は使用頻度にもよりますが1年に1回は掃除しましょう。
室外機の周りを塞がない
室外機は室内と室外の空気の通り道です。室外機にカバーを付けたままエアコンを使用したり、室外機の周りに物を置いて塞いだりするとエアコンの効率が下がり、電気代の上昇につながります。日除けカバーの選び方からオススメ商品については下記の記事で詳しく紹介しています。
夏場は室外機に日除けをする
夏場の直射日光にさらされていると室外機周辺の温度は上がり、エアコンの効率が下がり、電気代の上昇につながります。室外機を塞がない位置に植木を植える、よしずを設置するなどの対策して日陰を作りましょう。
服装を工夫する
夏は涼しい服装、冬は暖かい服装をすることで、エアコンの設定温度を冷房時は高く、暖房時は低く設定でき電気代の節約につながります。
窓の断熱を考える
熱が出入りしやすい窓の断熱は、電気代の節約につながります。遮熱性の高いカーテンを使用する、断熱シートを貼る、二重サッシにするなど、窓の断熱を考えましょう。窓の断熱対策については下記の記事で詳しく紹介しています。
電力会社を見直す
電力会社では安いプランの提供などもしています。2016年の「電力自由化」によって基本プランを自分で選べ…、見直しも簡単にできるようになりました。
いま使用している電力会社よりも、さらに安く電気を使用できる可能性が高いので、一度見直してみるのもいいでしょう。
エアコンを買い替える
古いエアコンは購入当時は電気代もかからなくてよかったかもしれませんが、今はさらに節電できる省エネなエアコンが販売されています。古いエアコンを使用している場合は、新しいエアコンに変えて消費電力をおさえるのも一つの手ですね。
エアコンの寿命については下記の記事で詳しく紹介しています。
エアコンの使い方を見直して電気代を節約しよう
エアコンは使い方次第で電気代をおさえられます。目的別に運転モードを使いわけたり、定期的に掃除して運転効率を下げないようにしましょう。
ただ、エアコンクリーニングは少々面倒です。簡単なフィルター掃除は自分でやるとしても、大変なエアコン内部の掃除や室外機の掃除はプロの力を借りるといいかもしれません。専門業者によるエアコンクリーニングを試してみませんか?
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利用者の口コミ
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