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屋根塗装

瓦屋根はどんな時に修理が必要?瓦屋根のメリットから屋根を修理する方法、費用相場まで解説

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近年は地震や台風など自然災害の影響を受け、瓦屋根が被害を受けることが多くなっています。瓦屋根の破損は瓦の落下被害や雨漏りにつながるため早めに修理が必要です。そこで今回は瓦屋根の種類や特徴、修理方法や費用相場を紹介します。

瓦屋根の種類は?

瓦屋根の種類は?
瓦屋根の種類は?

建物の屋根材として瓦は昔から広く使われており、現在でも個人住宅から公共の施設に至るまで幅広いジャンルの建物に使われています。瓦屋根と一言で言っても種類があり、代表的な屋根瓦と特徴を紹介します。

粘土瓦の特徴

日本家屋の瓦屋根といえばこれと言う程、粘土瓦は最もポピュラーな瓦と言ってもいいでしょう。屋根瓦は、粘土質の土を成形して高温で焼きます。粘土瓦にも種類があり「釉薬瓦(ゆうやくがわら)」「無釉薬瓦(むゆうやくがわら)」の2種類に分かれます。

釉薬瓦(陶器瓦)は粘土で成形後、ガラス質の釉薬(うわぐすり/ゆうやく)を塗布して焼き入れした瓦のことで、色やツヤに変化をつけられます。耐水性に優れており、色あせもしにくい釉薬瓦は瓦自体の耐用年数は半永久ともいわれています。

無釉薬瓦(無釉瓦)は、釉薬(うわぐすり/ゆうやく)を塗らずに焼き入れした瓦のことです。古くから残る城や寺社でも多く見られるため、耐久力が高いことがわかります。

いぶし瓦、素焼き瓦、錬込瓦、窯変瓦といった種類があり、多く採用されているのはいぶし瓦と素焼き瓦です。いぶし瓦は焼き入れした後に釜の中でいぶすことによって、表面に炭素膜を作り味のある黒~銀の色味になるのが特徴的です。

素焼き瓦は粘土を焼いた時の色がそのまま活かされるので、自然な風合いを堪能できます。酸化炎焼成による赤色のため赤瓦と呼ばれることもあります。洋風建築で人気のスペイン瓦やテラコッタ瓦、沖縄県でよく見かける琉球瓦も素焼き瓦の一種です。

セメント瓦、コンクリート(モニエル)瓦の特徴

セメント瓦、コンクリート瓦は「セメント、水、砂」を主原料としています。一般的には塗装で色付けしますが、セメントに顔料を混ぜて最初から色をつけているタイプの商品もあります。セメント瓦については下記の記事で詳しく紹介しています。

セメント瓦
セメント瓦とは?セメント瓦の特徴からセメント瓦を補修する方法をまとめて紹介

粘土瓦は瓦の角が丸くなめらかですが、セメント瓦やコンクリート瓦の場合は角がギザギザの形をしています。色やデザインが豊富であり、粘土瓦よりも寸法の狂いが少ないため施工が容易ですが、粘土瓦より耐久性が低く重量もあるため最近はあまり使われなくなりました。

瓦屋根の3つのメリット

瓦屋根の3つのメリット
瓦屋根の3つのメリット

瓦屋根を葺く建物は北海道や寒冷地を除く日本全国で非常に多いですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

耐久性がある

瓦屋根最大の特徴は高い耐久性があり、板金屋根やスレート屋根と比較しても耐久性が自慢です。築年数が50年以上経った住宅を見ても、昔のトタン屋根は錆びたり腐食しますが、瓦屋根の住宅は外壁はボロボロでも瓦だけはいいコンディションを保っています。

特に粘土瓦の釉薬瓦は耐久性が高く、大きな飛来物で割れない限りは半永久に保ちます。

遮熱効果がある

瓦屋根は遮熱効果が高い屋根材で、厚みのある瓦自体が熱を吸収して室内や天井裏に熱が直接伝わるのを防いでくれます。

デザイン性がある

瓦屋根を使った建物は数寄屋造りの和風邸宅、南欧風のオシャレな住宅、カフェ、荘厳な由緒ある寺院、沖縄県によくみられる青い空によく映える赤瓦など、板金屋根やスレート屋根にはない美しさを表現できる屋根材です。

瓦屋根の3つのデメリット

瓦屋根の3つのデメリット
瓦屋根の3つのデメリット

メリットが多い瓦屋根ですが、デメリットもあります。

屋根重量が重くなる

瓦屋根最大のデメリットは板金屋根やスレート屋根より、屋根材自体の厚みがあるためどうしても重量が重くなります。

また、瓦屋根を葺く下地に使われている土(土葺き)や、瓦を引っ掛ける瓦桟という木材が必要になるため重量も加算されます。

災害時の危険性

大震災や台風などで、屋根瓦が落下したり飛んでしまう危険性があります。最近の屋根瓦はねじ止めしたり棟瓦をワイヤー固定していますが、そうでない瓦は強風で飛んでしまったり、大きな地震で脱落してしまう危険性があります。

施工費が高い

瓦屋根は板金屋根やスレート屋根と比較すると割高になります。屋根材自体の単価が高く、施工する職人の専門性が高いため施工単価が高めになりま。

東北のとある工務店に聞いた話ですが、地方の集落では新築工事で家の屋根が瓦屋根ではなくスレートや板金屋根だったりすると「ああ、あの家は予算がなかったんだね」という人が未だにいるそうです。

瓦屋根の構造は?

瓦屋根の構造は?
瓦屋根の構造は?

屋根の面と面が重なる頂点部分を「棟(むね)」と呼びます。面が重なりあう部分で隙間ができるため、屋根の構造の中でも雨漏りが発生しやすい場所です。

瓦屋根

瓦は、屋根の外側に敷く屋根材です。建物の見た目としての役割と雨水を受け流す役割を持っています。風雨にさらされたり紫外線を浴びたり、過酷な環境から建物を守る部分のため瓦屋根にする場合は、種類をしっかり考えて選ばなければいけません。

ルーフィング

瓦と野地板の間に敷く防水紙を「ルーフィング」といいます。瓦に隠れている部分のため見ることはできませんが屋内の雨漏りを防ぐ重要な構造材です。ルーフィングの耐用年数は20~30年程度と言われています。破れたり剥がれたりすると建物を雨水から守れなくなるため、修理の際は必ず点検が必要です。

野地板

ルーフィングの下に設置されているのが「野地板(のじいた)」です。瓦屋根とルーフィングを敷く土台となる重要な構造材です。最近では、「構造用合板」と呼ばれる強度の高い素材が使われています。

垂木

瓦屋根の土台となっている木材が「垂木(たるき)」です。屋根の傾斜に沿って垂れ下がるように斜めに取りつけられている構造材で、どのような屋根にも必ず設置されています。屋根の荷重を支える役割があるため、重い瓦屋根には太い垂木が使われています。

瓦屋根の修理が必要か確認するポイント

瓦屋根の修理が必要か確認するポイント
瓦屋根の修理が必要か確認するポイント

棟瓦が歪んでいる

棟瓦とは屋根の頂点部分に施工されている瓦を差します。瓦屋根を確認する時は棟瓦が歪みなく真っすぐになっているか確認しましょう。少しでも歪んでいると徐々に歪みが大きくなり、地震の時に崩れてしまいます。

瓦が割れている

台風などの暴風雨の後は、飛来物やアンテナが倒れて瓦が割れたり欠けたりすることがあります。瓦が割れると、その破損部分から雨水が侵入してルーフィングや野地板を傷めます。雨漏りに繋がるため、瓦が割れている場合は放置しないようにしましょう。

瓦がズレたり外れている

瓦屋根は、強風や地震の影響で瓦がズレたり外れたりすることがあります。固定されていない瓦は、落下する恐れがあり危険です。また、ズレている部分から雨水が浸み込み雨漏りに繋がります。

漆喰が剥がれたり崩れている

瓦屋根の瓦と瓦は、漆喰(しっくい)で隙間を埋めています。漆喰が剥がれたり崩れたりすると雨水が浸み込んでしまいます。また、瓦を固定している漆喰が弱っていると、強風や地震で瓦が落下して危険です。漆喰の傷みは棟の歪みにも繋がるため、早めに見つけて修理しましょう。

瓦屋根を修理する方法と費用相場

瓦屋根を修理する方法と費用相場
瓦屋根を修理する方法と費用相場

葺き替え

瓦屋根の葺き替えは、瓦全体を新しい瓦に交換する修理方法です。深刻な異常がある場合は、野地板やルーフィングの補修や交換することもあります。屋根全体の劣化や雨漏りなどの問題を全て解決できますが、大規模な工事となるため費用も140~200万円程度かかると考えましょう。

葺き直し

瓦屋根の葺き直しは、屋根の下地部分のみを修理し瓦は新調しない方法です。瓦を全て取り外し、野地板やルーフィングを修繕や交換して、また元の瓦を並べます。瓦を再利用するため工事費が100~150万円ほどにおさえられます。

カバー工法

瓦屋根のカバー工法は、今の瓦屋根をそのままにして上から新しい屋根で覆う方法です。瓦の下地部分の撤去や破棄費用がかからないため、工事費80~120万円程度が目安になります。

瓦や野地板などに異常が進行していても放置してしまうリスクがあり、新しい屋根が数年で崩れてしまう可能性も頭に入れておく必要があります。また、屋根の重量が増すため新しい屋根材に瓦屋根を選ぶことはできません。

部分修理

部分修理は瓦屋根の壊れた部分のみを修繕する工事です。損傷している瓦をめくり新しい瓦に差し替えたり漆喰を塗り替えたり、狭い範囲の修理に向いています。工事費を安く抑え短い工期ですむため急いで補修したい場合におすすめです。

まとめ

今回は瓦屋根の種類や、修理の費用相場を紹介しました。瓦屋根は外観がよく耐久性がある屋根材ですが、台風などの強風で飛ばされたり破損したりします。

瓦屋根は瓦の種類や破損個所によって修理の方法が異なり、しっかり目で見て確認することが重要です。屋根塗装など経験豊富な専門業者に修理を依頼しましょう。

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