百合(ユリ)の育て方|ユリの種類から球根を植え替える方法までまとめて紹介
百合(ユリ)の花は初心者でも育てやすい花の1つです。地植えでも鉢植えでも育て方のコツを知れば簡単に楽しめます。そこで今回はユリの植え替え方法、普段のお手入れ方法や花ガラの管理について紹介します。
百合(ユリ)はどんな花?
ユリは北半球の温帯地域を原産地とする多年草です。白、赤、オレンジ、黄、ピンクなど、さまざまな色があります。ユリは寒さに強く、暑さにも弱くないのが特徴で初心者でも育てやすいといわれています。
ユリは減少傾向にありますが、日本の山にはヤマユリ、ササユリ、テッポウユリなどが咲いており、昔から愛されている花です。ユリは庭植え、鉢植え、切り花、ユリ根の食用など用途や楽しみ方もさまざまな花です。
ユリの種類
ユリの原種(野生種)は100種類以上あるとされ、交配品種を含めると130品種ほどのユリが存在しています。特に日本では15種類の原種が自生しており、世界的にも「美しい野生ユリの宝庫」として有名です。
ユリの開花時期
- スカシユリ系・・・5月下旬~6月上旬
- オリエンタル系・・・7月中旬~下旬
- テッポウユリ・・・6月中旬~下旬
ユリの球根
ユリの球根自体は皮で包まれていないため、乾燥に弱いのが特徴です。いい球根を選ぶポイントは、球根の下から根が伸びているものを選ぶことです。乾燥して、しな~っとしてしまった球根は避けましょう。球根を購入したら、乾燥を避けるためになるべく早く植えましょう。
ユリの原種と日本の代表的な野生ユリの種類
ユリの分類には諸説あり、花の形や花の向きによってさまざまな分けられ方がされています。そこで100種類以上ある原種を4つの系統に分類している説を紹介します。
亜族 | 特徴 | 代表的な品種 |
---|---|---|
テッポウユリ属 | ラッパのような筒状の花を横向きに咲かせる。アジア地域に多く分布している。 | テッポウユリ、ササユリ、タカサゴユリ、オトメユリ、リーガル・リリーなど |
ヤマユリ属 | 漏斗状の大輪の花を横向きに咲かせる。花弁の基が裂開している。 | ヤマユリ、サクユリなど |
スカシユリ属 | 盃状や茶碗型の花を上向きに咲かせる。世界中に広く分布している。 | イワトユリ、エゾスカシユリ、ヒメユリなど |
カノコユリ属 | 花弁が反り返った花を下向きに咲かせる。たくさんの花が咲く多花性の性質をもっている。 | オニユリ、カノコユリ、クルマユリ、マルタゴンン・リリーなど |
テッポウユリ
テッポウユリは5~7月に開花する奄美・沖縄諸島原産のユリです。ラッパのような形をした花を横向きに咲かせます。純白の花びらが一際目を引き、ブーケや生け花によく使われます。
ヤマユリ
ヤマユリは全国の山の斜面に自生しているユリです。花びらに黄色い筋と褐色の斑点がある白い大きな花を6~7月ごろに咲かせます。生け花によく用いられるため生花店でも多く取り扱われています。
ヒメユリ
ヒメユリは直径5cmほどの星型をしたオレンジ色のユリです。日本および中国・朝鮮半島に分布し、6~7月に開花します。1本の茎に4~5輪の花を上向きに咲かせるのが特徴です。
カノコユリ
カノコユリは四国・九州と台湾・中国に分布しているユリです。7~9月に花びらを反り返らせて下向きに咲かせます。花びらの斑点がピンク色をしており、鹿の子の模様であることから名付けられました。
ササユリ
ササユリは6~7月にテッポウユリのようなラッパ状の花を咲かせます。透明感がある淡いピンク色の小花と華奢な草姿が特徴です。可憐な姿が愛され花材として用いられてきましたが、近年は流通量が減り入手困難になっています。
コオニユリ
コオニユリは7~8月に鮮やかなオレンジ色の花を下向きに咲かせる種類のユリです。花びらが反り返っており、赤褐色の小さい斑点がたくさんあります。
スカシユリ
スカシユリは5~8月に直径10cmほどの盃状の花を上向きに咲かせます。花びらの基部に隙間ができることから「透かし」の名前が付けられました。背丈が低く、オレンジや黄色の明るい花が特徴です。
ヒメサユリ(オトメユリ)
ヒメサユリは日本の一部にしか自生していない貴重なユリです。直径5~6cmの淡いピンク色の花を下向きに咲かせます。はかなげな雰囲気から「オトメユリ」とも呼ばれています。
ユリの原種を交配して作られた園芸品種は、8系統に分類されます。日本で流通している代表的な品種を紹介します。
系統名 | 特徴 |
---|---|
アジアティック・ハイブリッド | ヒメユリやオニユリなどアジア原産のユリを元に交配された品種。香りが弱く、花が上向きに咲く。 |
マルタゴン・ハイブリッド | タケシマユリとマンタゴン・リリーを交配した品種。花びらが反り返っており、花が下向きに咲く。日本では見かけない。 |
キャンディダム・ハイブリッド | マドンナ・リリーを中心にヨーロッパの原種と交配された品種。日本で栽培されることは少ない。 |
アメリカン・ハイブリッド | 北アメリカ原産のユリを元に作られた品種。反り返った大輪の花を咲かせる。日本では一般的ではない。 |
ロンギフローラム・ハイブリッド | 日本のテッポウユリと台湾原産のタカサゴユリを交配した品種。花は横向きに咲くが、上向きに咲く種類もある。 |
トランペット・ハイブリッド | 中国原産のユリを元に作られた品種。横~下向きに咲き、黄色い品種が多い。日本では切り花品種は少ない。 |
オリエンタル・ハイブリッド | ヤマユリやササユリを中心に交配、改良された品種で、大型で優雅な花姿が魅力。カサブランカやマルコポーロが代表的 |
その他の交配種 | ①と⑤、⑤と⑦、⑥と⑦から生まれた品種などがある。 |
自分でユリの球根を植える方法
ユリの球根を植えるのに最適な時期は10月~11月です。ユリの球根を「鉢植えする方法」と「地植えする方法」を紹介します。
ユリの球根を鉢植えする方法
準備物
- ユリの球根
- 植木鉢
- 石
- 土
ユリの球根を鉢植えする手順
- 植える球根の3倍の大きさで、直径が深い植木鉢を用意する。
- 植木鉢の底に石を敷き、その上から土を入れる。土はユリ用や赤玉土、腐葉土などを組み合わせた物を使用する。
- ユリの球根1個分以上の深さに球根を植えて完了。
梅雨や豪雨の時は、軒下などへ移動させてあげましょう。
ユリの球根を地植えする方法
準備物
- ユリの球根
- ユリの種類に合う土
ユリの球根を地植えする手順
- 球根を植える1週間~2週間前に、土を深さ30cm以上耕しておく。
- 1.5~2個分の球根の深さに、間隔を球根3個分空けながら植えて完了。
地植えの場合、植えるユリの種類にあった土に植えましょう。
- テッポウユリ・・・粘土質、日当たりを好む
- ヤマユリ、ササユリ、オリエンタル系・・・軽めで無機質な土、半日陰を好む
- スカシユリ・・・砂質で水はけのよい土、日当たりを好む
ユリの正しい水やり方法と肥料のやり方
ユリの球根を植えたら、日々のお世話が必要です。ユリの水やりと肥料のやり方について紹介します。
ユリの正しい水やり方法
百合の鉢植えに水やりする時は、土の表面が乾いたら水を与えましょう。ユリは乾燥に弱いので、たっぷりと水やりをして乾燥しないように注意しましょう。
ユリを地植えの水やりは植える時に水をたくさん与えたら、あとは基本的に天候に任せて大丈夫です。何日も雨が降らない時や、日照りが続き土が乾いた状態が続く場合は水をあげましょう。
ユリの正しい肥料のやり方
ユリの肥料は球根を植える時に、緩効性の化成肥料を少しだけ撒きましょう。その後は粒状の肥料、液体の肥料どちらでも使いやすい方を与えましょう。肥料の種類によって、与える時期が違うので注意して下さい。
- 粒状・・・芽を広げ始めたときと花が咲き終わった後に1回ずつ
- 液体・・・芽が出始めてからは2週間に1回
ユリの花が咲いた後にする2つのこと
ユリは花を咲かせた後、種をつけないように管理してあげる必要があります。
花ガラを管理する
ユリは花を咲かせた後、種を付けます。この種を付けることで球根の栄養を奪うため、花を摘み取る必要があります。枯れて落ちる前に葉や、茎は残して花首の部分から切り取りましょう。手で花を摘み取るか、消毒したハサミを使いましょう。
他の植物に使ったハサミを使いまわすとウィルス性の病気にかかる心配があるので、面倒でも消毒しましょう。ウィルス性の病気にかかると葉に緑色で濃淡の筋ができたり、葉が縮れたり、株が萎縮するといった症状があらわれます。ユリにとって一番厄介な病気ともいわれ発病した株を抜き取る必要があります。
球根の堀りあげ
秋(11月頃)になって葉が枯れたら茎を地際から切り取り、球根を掘りあげましょう。ユリの球根の堀りあげは、地植えで2~5年に1回程度が目安です。鉢植えの場合は、できれば毎年少なくとも2年に1回するようにしましょう。
ユリを植え替えする時期とポイント
ユリの植え替えに適した時期
ユリを地植えしている場合は、植え替えるのは2~5年に1回が目安になります。ユリの植え替える時期は9月末~11月中旬がいいとされています。一般的には10月がベストともいわれているので、時間に余裕があれば10月に植え替えられるといいでしょう。
ただし、夏に枯れてしまう品種もあるので、そのような品種は10月まで待たずに早めに植え替えしましょう。
ユリの植え替えするポイント
地植えしているユリを植え替える場合は、土の深さ30cm以上よく耕して球根の1.5~2倍の深さに植え替えましょう。
鉢植えしているユリを植え替える場合は、球根の直径3倍の深さのある鉢を選びましょう。鉢底石を多めに敷いて、球根1個分の深さに植えましょう。
地植えなら2~5年は植え替える必要はありませんが、鉢植えは毎年植え替えるのが理想です。
まとめ
今回はユリの植え替え方法、普段のお手入れ方法や花ガラの管理について紹介しました。ユリの種類によって好む環境が違います。水や肥料のやり方や、花ガラの管理などもありますが、手をかけて育てたユリがキレイに咲くととても嬉しいですよね。
地植えでも、鉢植えでも花のある暮らしは気持ちを穏やかにしてくれるはずです。球根の堀あげや、植え替えを適切にすることで何年もキレイなユリを楽しめます。
しかし、毎日忙しくてなかなか自分では花の手入れや、植え替えができないという人もいますよね?自宅での栽培はもちろんですが、会社やお店をお持ちの方で「外にたくさんの花を咲かせたい・・・」けど、自分では難しいという場合もあると思います。そんな時は、庭や花の手入れの業者に依頼しましょう。業者ならではの知識と技で、美しく仕上げてくれます。
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