賃貸住宅の原状回復はどこまで必要?貸主と借主の負担と費用の相場

賃貸住宅にお住いの方は、退去時に「原状回復」が必要です。国土交通省が定めたガイドラインによって、貸主と借主の負担すべきものが明確になっています。トラブルを避けるために、しっかり把握しましょう。今回は、賃貸住宅の原状回復と費用相場などをご紹介します。

更新日:2018/12/04
 
賃貸住宅の原状回復はどこまで必要?貸主と借主の負担と費用の相場

賃貸住宅を借りると、借りた人には引っ越すときに部屋を原状回復してから退去するという義務があることは、みなさんご存知ですよね。

しかし、そもそも原状回復って何?
どこまで必要なの???

このあたりを詳しく知っている方は、少ないのではないのでしょうか。

近年、賃貸住宅の貸主と借主の間で、原状回復についてのトラブルが増えています。そのため、原状回復についてのガイドラインが定められています。

これを知っておくと、トラブルも避けられて安心です。

  • ほっとくん
    ほっとくん

    はじめまして。
    プロの技で、あなたを笑顔に!を本気で目指しているほっとクンと申します!
    今回は賃貸の原状回復について、よくわからない…と困っている人の助けになりたいと思っています!

今回は、賃貸住宅の原状回復義務についてご紹介します。貸主と借主の負担すべきもの、原状回復工事の費用相場や業者についても解説します。

賃貸住宅の原状回復義務とは?

賃貸住宅の原状回復義務とは?
  • こまるちゃん
    こまる

    今度、引っ越しをするから今の賃貸住宅を出るんだけど。
    原状回復義務って一体なに???


  • ほっとくん

    昔は「借りる前の状態に部屋を戻すこと」だったんだけど、今は変わってきたんだ。
    今の原状回復の考え方から説明するね。

賃貸住宅の原状回復というと、以前は「借りる前の状態に部屋を戻すこと」だと考えられていましたよね。

しかし、何年か住んでいれば、住民が故意に部屋を汚さなくても経年劣化によって壁や床は傷んでいくものです。

つまり、賃貸住宅を借りている人にも原状回復義務はありますが、賃貸住宅の貸主であるオーナーにも原状回復義務はあります。

ただ、借りている人がどこまで部屋を原状回復すべきかと、貸主が負担すべき原状回復の範囲があいまいだと、賃貸住宅を借りている人とオーナーとの間に退去時の原状回復トラブルがおこります。

実際に「全国消費生活情報ネットワークシステム」に寄せられる相談件数は、年間14,000件にも及ぶそうです。

相談内容は、「敷金を全額原状回復に使うと言われて返還されなかった」、「退去後に法外な額の床の修繕費用を請求された」などです。
こういったトラブルは、お互いにとてもしんどいことですよね。

2015年3月、120年ぶりに民法改正が閣議決定され、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しました。

その中で、賃貸住宅を借りている側と貸している側の原状回復について、双方が負担すべき範囲を示しています。

ガイドラインの定義では、以下のとおりになっています。

賃貸住宅を借りている人

「部屋を借りた時の状態に戻す」ということではなく、故意、過失によって部屋を損傷した場合の原状回復をする。

賃貸住宅のオーナー

経年劣化や通常消耗による部分を原状回復する。

  • ほっとくん
    ほっとくん

    う~ん。わかるようで、わかりにくいなぁ…。というあなたへ。
    もっと具体的に、お互いが負担すべき内容を次で説明するね。

賃貸住宅を借りた人が負担すべきもの

賃貸住宅を借りた人が負担すべきもの
  • こまるちゃん
    こまる

    借主が全部を負担するものかと思ってたんだけど、違うんだね。
    ちょっと安心したぁ~。


  • ほっとくん

    そうだね。でも、こまるちゃん…確か落書きしてママに叱られてなかったかな?
    あれは、借主の負担に入るんだよ~。

賃貸住宅を借りた人の原状回復義務は

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

と定義されています。

つまり、わざと部屋を汚してしまった時や不注意で部屋を汚してしまった場合、賃貸住宅を借りた人が部屋の原状回復費用を負担します。

例えば、下記のようなケースは賃貸住宅を借りている人が負担します。

  • 子供が壁に落書きをした
  • 壁にネジや釘で大きな穴があいた
  • カーペット床にインクをこぼしてシミがついた
  • 兄弟げんかでドアに穴があいた
  • 部屋の模様替えで家具を動かす時に天井や床に傷がついた
  • ヘビースモーカーのため壁紙が変色し、クリーニングでは落とせないほど臭いがついている
  • 風呂やトイレを掃除していないために水アカやカビが繁殖
  • 台所の換気扇の掃除を怠っていたためひどい油汚れがある
  • 結露を放置しており窓枠が腐っている

このように、明らかに部屋を借りている人の故意でおきた住宅の損傷や、日常の掃除をしていないための損傷部分は、賃貸住宅を借りている人が原状回復費用を負担します。

引っ越しまでに修繕するか、退去時に敷金から原状回復費用を差し引かれることとなります。

賃貸住宅のオーナーが負担すべきもの

賃貸住宅のオーナーが負担すべきもの
  • こまるちゃん
    こまる

    あぁ~、そっかママにごめんなさいしなきゃ(泣)貸主はどんな負担をするの?


  • ほっとくん

    経年劣化や自然消耗による部屋の損傷を負担する義務があるよ。
    具体的な例を紹介するね。

一方、賃貸住宅の貸主であるオーナーは、経年劣化や自然消耗による部屋の損傷の原状回復費用を負担する義務があります。

新しい借主に部屋を貸し出す前に、劣化部分を回復します。借主が通常使用で損傷した分は、入居期間中の家賃で支払われているとみなされますので、借主が負担する義務はありません。

賃貸住宅のオーナーが負担すべき項目の例をみてみましょう。

  • 家具が設置されたあとのカーペット床のへこみ
  • テレビや冷蔵庫の後ろの壁の電気ヤケ
  • 日照などの自然現象でおこった壁紙やフローリングの色落ち
  • 風呂やトイレを清掃していてもおこる経年劣化による損傷
  • 畳、網戸の交換
  • 壁の画びょうやピン等の小さな穴

昔は、賃貸住宅を退去する時のハウスクリーニング代は、借主が負担するものと考えられており、当然のように敷金から差し引かれていました。

しかし、原状回復ガイドラインが定義されたことにより、借主が通常の使用で摩耗したところに関しては、貸主がクリーニング代金を負担するべきだと変わってきています。

契約時に、特約で「退去時にハウスクリーニング代として、3,000円差し引く」などという具体的な項目が無い限り、退去時のハウスクリーニング代は貸主が負担すべき費用です。

原状回復工事業者の選び方と依頼

原状回復工事業者の選び方と依頼
  • こまるちゃん
    こまる

    原状回復の工事は、どんな業者に依頼したらいいの?


  • ほっとくん

    依頼できる業者と、貸主と借主のどちらがどんな依頼をする必要があるのかを見ていこう!

原状回復工事を依頼できる業者

原状回復工事を行う業者は、建設会社や工務店、原状回復工事専門業者などです。

一般的に、建設会社や工務店は、工事を下請け業者に依頼するため料金が高くなりがちです。個人で工事をしている会社に直接依頼した方が、料金は安くすみます。

ただ、建設会社に依頼すれば下請けの個人会社の職人の仕事ぶりをチェックしてもらえますし、繁忙期でもスケジュール調整を行って対応してもらえるメリットがあります。

原状回復工事はどちらが依頼する?

原状回復工事は、大抵の場合、退去時に賃貸住宅のオーナーが業者に依頼します。

ただ、オーナーの原状回復義務があるといっても、部屋を借りていた人が、部屋を返す前にきちんと部屋を掃除し、壊れたところは直さなければなりません。

借りている部屋の壁や床を大きく傷つけた場合は、退去時まで放置しておいて法外な費用を請求されるより、傷つけた段階で自分の納得のいく業者に依頼して速やかに処置したほうがよいでしょう。

その場合、リフォーム会社に依頼する方法があります。「賃貸住宅の壁紙が剥がれてしまった」「傷を補修してほしい」という要望に応えてくれます。

また、普段なかなか部屋を掃除出来ない方は、年に一回程度ハウスクリーニング業者に掃除を依頼してみてはいかがでしょうか。

ただし業者に依頼する際には、賃貸住宅のオーナーにも報告しておきましょう。

賃貸住宅は借りている人の持ち物ではなく、貸しているオーナーが所有する財産です。貸主がきちんと了承したうえで、工事をしないといけませんよね。

賃貸住宅の原状回復工事の費用相場

賃貸住宅の原状回復工事の費用相場
  • こまるちゃん
    こまる

    原状回復にかかる費用の相場を教えて~!


  • ほっとくん

    一般的な原状回復工事の費用相場と、借主の負担分について説明するね。

賃貸住宅での原状回復工事の費用は、いくらくらいかかるのかが気になりますよね。

貸主であるオーナーが工事を依頼した時の費用相場を見てみましょう。

  • 壁紙の張り替え費用…1平米あたり1,000円
  • 壁紙の傷の補修費用…10,000円~60,000円
  • 畳の交換費用…1畳あたり4,000円~35,000円
  • フローリングの張り替え費用…1畳あたり20,000円~60,000円
  • フローリングの傷の修繕費用…8,000円~60,000円

退去時の原状回復工事について借主は、この費用を全額負担するのではなく、経年劣化による負担削減が認められています。

例えば、壁紙の場合は耐用年数6年となっています。入居0年目なら壁紙の工事費用は、100%借主が負担しなければなりません。

しかし、入居3年であれば50%の負担をすればよく、さらに入居6年目なら借主が壁紙の工事費用を負担する必要はありません。

この経年劣化の負担計算式は、耐用年数が壁、床、浴室、台所など部位別に細かくガイドラインで定められています。

まとめ

今回は、賃貸の原状回復についてご紹介しました。

ちょっと難しい話になりましたが、原状回復義務について詳しく知っていることが、敷金トラブルを防ぐことになります。

部屋を借りた人と貸した人がどこまで費用負担すべきか、契約時にきちんと納得いくよう取り決めておきましょう。

また、賃貸住宅を借りる人は原状回復工事業者の適正価格を調べておき、退去時に相場以上の請求をされて損しないようにしておくのも大切です。

そして、また次に引っ越してくる人が気持ちよく部屋を使えるようにしてから退去するのもマナーです。

忙しくて、こまめな掃除をしていなかった…という場合は、ハウスクリーニング業者に作業を依頼することもできます。

キッチンやお風呂やトイレなどの水回りは、特にキレイにしておきたいもの。お世話になったお部屋に感謝して、気持ちよく返しましょう。

ハウスクリーニング業者を探す時は、ほっとラインを使えば予約前に不安な事を無料で業者に質問することができ、もちろん作業予約することが可能です。まずは、ご自身にあった安心な店舗を探してみてください。

※この記事に含まれる情報はお客様の責任でご利用ください

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