未熟な桃は冷蔵しないでください。硬い桃は常温で追熟させ、香りと柔らかさが出てから野菜室(0〜5℃)で包んで冷蔵すると甘さと日持ちが両立します。
桃の保存に適した温度は何度ですか?追熟は約20〜25℃の常温、食べ頃は野菜室の0〜5℃で保存し、長期保存は−18℃以下で冷凍。状態に応じて温度を切り替えることが重要です。
固い桃はどうやって追熟させればいいですか?風通しの良い冷暗所で20〜25℃の常温に置き、新聞紙やキッチンペーパーで包んで2〜3日追熟。香りが出て指で軽く押して弾力が出たら食べ頃です。
桃はデリケートな果物で、保存方法を少し間違えるだけで風味や甘さが損なわれてしまいます。「冷蔵庫に入れると甘くなくなる」「常温だとすぐ傷む」といった声も多く、保存に悩む人は少なくありません。桃は保存する温度とタイミングを工夫することで、甘さと日持ちを両立させることが可能です。
そこで今回は桃をもっと美味しく、無駄なく楽しむための最適な保存温度を紹介します。
なぜ桃を冷蔵庫に入れてはいけないの?

「冷蔵庫に入れれば食材は長持ちする」というのは一般的な常識ですが、桃には当てはまりません。桃の香りや甘さを最大限に引き出すためには、冷やすタイミングがとても重要なのです。
冷蔵庫に入れると甘さが落ちる理由とは?
桃は収穫後もしばらくのあいだ、「追熟(ついじゅく)」と呼ばれる過程を経て、エチレンガスを放出しながら糖度や香りを高めていきます。
しかし、冷蔵庫のような低温環境(約0〜5℃)では、このエチレンの働きが弱まり、追熟が止まってしまいます。その結果、本来の甘さや香りが十分に引き出されず、硬くて風味の乏しい桃になってしまいます。
参考:モモ、ブドウの貯蔵及び輸出試験の取り組みについて
参考:もも編 - 青果物 品質保持・栽培・流通 管理マニュアル
保存温度別の桃の正しい保存方法

桃は冷気と乾燥に弱いため、常温で保存するのが基本です。桃のみずみずしい甘みを保つためには、風通しのよい冷暗所で保存するようにしましょう。直射日光が当たらない涼しい場所がおすすめです。
| 桃の状態 | 保存方法 | 推奨温度 | 保存期間目安 |
|---|---|---|---|
| 硬い・未熟 | 常温(追熟) | 20〜25℃ | 1〜3日 |
| 食べ頃 | 冷蔵(野菜室) | 0〜5℃ | 2〜4日 |
| 熟しすぎ | 冷凍保存 | −18℃以下 | 1ヶ月程度 |
①桃の常温保存方法
- 桃の賞味期限は2~3日
桃は傷みやすく賞味期限の短い果物です。基本的に常温で保存し2~3日中に食べましょう。すでに少し柔らかめの桃は、そのまま置いておくと傷んでしまう恐れがあるため、キッチンペーパーや新聞紙に優しく包んで、家の中の冷暗所や日陰で保管するのがおすすめです。
エアコンや扇風機の風に当たると水分が奪われ乾燥してしまいます。直射日光の当たらない風通しのよいところで、なるべく自然に保存すると美味しさが保てます。
常温保存した桃の食べ方
常温保存した桃は、食べる1~2時間前から冷やしておくと美味しく食べられます。冷蔵庫に入れて軽く冷やしたり、冷水を入れたボウルで冷やしたりしましょう。冷やすことで果肉が引き締まり、皮が剥きやすくなります。桃に付いた水気をきれいに拭き取ってカットすれば、果肉が潰れず手もあまり汚れません。
②桃の冷蔵保存方法
- 保存期間は1週間
桃は冷気と乾燥に弱いため冷蔵保存はあまりおすすめできません。冷気が当たると水分が抜けて乾燥してしまい、さらに冷やし過ぎると糖度が下がり甘みが落ちてしまいます。
桃を冷蔵保存したい場合はラップや新聞紙、アルミホイルなどで1個ずつ包んで冷気と乾燥から守りましょう。ビニール袋に入れて野菜室で保存すれば、1週間ほど長持ちします。
他の果物と一緒に保存しない
桃を保存する際は、他の果物と一緒に保存しないようにしましょう。果物や野菜の中には、熟す過程でエチレンガスを放出するものがあります。桃はエチレンガスに敏感なため、他の植物のエチレンガスの影響を受けて早く熟してしまい、変色する恐れがあります。
特にリンゴ、バナナ、梨、トマト、アボカドなどは注意が必要です。桃が過熟しないように離して保存すると長持ちして美味しく食べられます。
③桃の冷凍保存方法
- 保存期間は3~4週間
桃は冷凍することで長期間保存できます。丸ごとでも皮を剥いてカットした後でも冷凍可能です。どちらも冷凍用保存袋に入れて空気を抜いた状態にすれば、3~4週間ほど持ちます。
食感は変わりますが、すぐ食べきれないときは冷凍保存しましょう。冷凍日を保存袋に記入しておくと忘れずにすみますよ。
丸ごと冷凍保存する方法
準備物
- キッチンペーパー
- ラップ
- 冷凍用保存袋
冷凍保存する手順
- 桃をやさしく水で洗う。
- キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取る。
- 桃を1個ずつラップで包む。
- 冷凍用保存袋に入れて空気を抜く。
- しっかり封をして冷凍庫で保存する。
カットして冷凍保存する方法
準備物
- レモン汁
- ラップ
- 冷凍用保存袋
冷凍保存する手順
- 桃の皮を剥いて種を取り除く。
- 食べやすい大きさにカットする。
- 変色防止のため全体にレモン汁をかける。
- 重ならないように並べてラップで包む。
- 冷凍用保存袋に入れて空気を抜く。
- しっかり封をして冷凍庫で保存する。
【参考】
ももを楽しむ 農林水産省
冷凍保存した桃の食べ方

桃を丸ごと冷凍した場合は、食べるときに皮を剥く必要があります。冷凍状態の桃に流水を30秒ほど当てて皮を剥きましょう。冷凍した桃は、実と皮の間にすき間ができるため、流水を当てると皮がスルっと剥けます。
また、自然解凍する場合は、冷凍した桃を保存袋に入れたままキッチンカウンターなどに置きましょう。2~3時間程度で解凍できます。解凍した後の桃は、酸化して変色する場合がありますが衛生上問題ありません。色が変わる前にすぐに食べるようにしてください。
冷凍した桃を解凍する手順
桃を解凍する手順
- 冷凍したまま皮に薄く十字の切り込みを入れる。
- 流水を切り込み部分に当てて皮を手でゆっくり剥く。
- 皮を剥いたら15~30分ほど常温に置いておく。
- 半分ほど解凍できたら食べやすい大きさにカットする。
冷凍した桃は、食べるときに解凍しすぎないのがコツです。半解凍で食べると、自然な甘みとシャリシャリしたシャーベットのような食感を味わえます。完全に解凍してしまうと、水分が溶け出して食感が悪くなるため、半解凍がおすすめです。適度な固さを確認したら冷たいうちに食べましょう。
冷凍桃を使ったレシピ

冷凍保存した桃は、スムージーに最適です。冷凍した桃を使うことで、氷を使わずにスムージーを作れます。桃の風味がそのまま生きているため、新鮮な桃が手に入らない時期でも爽やかなデザートを楽しめます。
材料
- 冷凍桃・・・1個
- ヨーグルト・・・1/2カップ
- 牛乳・・・1/3カップ
- バナナ・・・好みの量
- ハチミツ・・・好みの量
スムージーの作り方(1人前)
- 材料を全てミキサーに入れて滑らかになるまで混ぜ合わせて完成。
必要に応じて桃や牛乳を追加してください。バナナやハチミツを加えると甘みが増すだけでなく栄養価も高くなりおすすめです。
桃の甘さと日持ちを両立するベストな保存タイミング

桃の美味しさをしっかりと引き出し、なおかつできるだけ長持ちさせたい場合は、「追熟させてから冷蔵する」のがポイントです。
冷やす前に適切に追熟させることで、糖度と香りが十分に高まり、冷蔵保存しても味や風味が落ちにくくなります。
保存の黄金手順
①購入直後(硬めの状態)
風通しがよく直射日光の当たらない常温で1〜2日保存する。
②食べ頃(香り・弾力が出てきたタイミング)
香りが強くなり、指で軽く押すとわずかに柔らかさを感じたら、ポリ袋に入れ、キッチンペーパーで包み野菜室に移動する。
食べ頃の見極めポイント
- 表面に赤みが増し、全体がふっくらと丸みを帯びてくる
- 香りが甘く強く感じられるようになる
- 指で軽く押すと、わずかな弾力がある
- 【色】:全体的に鮮やかなピンクや赤みがかった色
- 【香り】:新鮮な桃は、甘い香りが漂います
- 【手触り】:適度に柔らかさを感じる桃が新鮮で美味しいです
- 【形と表面の状態】:桃の形が均一で、表面に傷やシミがないもの
- 【重さ】:同じ大きさの桃であれば、重い方が水分を多く含んでおりジューシーです
固い桃は追熟させる
完熟前のまだ固い桃は、2~3日常温で置いておくと熟して柔らかくなります。涼しい場所に置いておくと、桃のお尻部分から徐々に柔らかくなってきます。見た目や触った感触も柔らかく変化してきますが、少し強く押してしまうと桃がその部分から傷んでしまうため、柔らかさを調べる際は慎重に扱いましょう。
桃の変色を防ぐ方法

桃は皮を剥いたらすぐに食べることが望ましいです。桃の皮を剥いたりカットしたりすると、果肉に含まれているポリフェノールと酸化酵素が空気中の酸素に触れ、化学反応を起こし茶色に色が変わってしまいます。
皮を剥いてしまった桃を少し置いておきたい場合は、レモン汁をかけて保存用袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。桃の変色を防ぐためには、塩水や砂糖水に5~10分ほど浸す方法もおすすめです。- 【レモン汁】:レモンを搾って全体に振りかける
- 【塩水に浸す】:水1カップに塩小さじ1/5程度を入れた塩水に浸す
- 【砂糖水に浸す】:水1カップに砂糖大さじ1程度を入れた砂糖水に浸す
家事のことで困ったことがあればプロに相談するのがおすすめ
今回は桃をもっと美味しく、無駄なく楽しむための最適な保存温度を紹介しました。桃の甘さと日持ちを両立させるには、冷蔵庫に入れるタイミングが非常に重要です。未熟なうちは常温でしっかりと追熟させ、食べ頃になったら野菜室で適切に冷やしましょう。この保存ステップを守るだけで、風味豊かな桃を最後まで美味しく楽しめます。
また、熟しすぎた桃は冷凍保存してスムージーやデザートにリメイクすることで、食品ロスの防止にもつながります。
果物の管理や保存に手間を感じる方は、家事代行や家政婦サービスを利用して、日々の食材管理をプロに任せてみてはいかがでしょうか。丁寧なサポートによって、毎日の暮らしがより快適でゆとりのあるものになります。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
食べ頃の桃はどのように保存すれば日持ちしますか?
食べ頃になったら野菜室で保管するのが最適です。理由は低温で追熟が止まり甘さを維持できるためで、キッチンペーパーで包みポリ袋に入れて冷気や乾燥から守ると日持ちと風味の両立が効率的です。
箱買いした桃をムダにしない保存のコツは?
熟度別に分類して管理してください。理由は硬い物は常温で追熟、食べ頃は野菜室へ移すことでロスを減らせるためで、トレイや新聞紙で1個ずつ仕分けすると消費計画が立てやすく省エネにもつながります。
熟しすぎた桃の保存と活用法は?
すぐ食べるか速やかに冷凍保存して加工に回すのが良いです。理由は過熟で品質が落ちやすく、冷凍すれば風味を保ってスムージーやジャムに使えるためで、解凍後は加熱調理やデザートに向きます。
切った桃の正しい保存方法はありますか?
カット後はレモン汁をかけて密閉容器で冷蔵してください。理由は酸化で変色しやすいためで、ラップで密封し野菜室に入れると乾燥を防げます。消費は1〜2日以内が目安です。
桃の変色を防ぐ具体的な方法は?
切ったらすぐに酸化防止処理をしてください。理由はポリフェノールの酸化で茶色くなるためで、レモン汁や軽い塩水・砂糖水に浸してから密閉保存すると色落ちを抑えられ、料理や保存効率も向上します。
冷凍保存した桃はどんな料理に向きますか?
スムージーやシャーベット、ジャムなどの加工向きです。理由は解凍で食感が変わるためで、半解凍でそのままシャリ感を楽しんだり、加熱してコンポートやジャムにすれば保存性と利便性が高まり食品ロス対策にもなります。
他の果物と一緒に保存しても大丈夫ですか?
基本的に分けて保存してください。理由はリンゴやバナナなどのエチレンを放出する果物で早熟を招くためで、桃の追熟や食味に影響するので別トレイに分ければ品質維持と無駄な冷暖房負荷の増加を防げます。
桃を保存するときにやりがちなNG行為は何ですか?
未熟な桃をすぐ冷蔵することが最大のNGです。理由は低温で追熟が止まり糖度が上がらないためで、乾燥や重ね置きも避け、風通しの良い常温で追熟→食べ頃で野菜室へ移す手順が故障リスクのある機器過使用を防ぎます。
野菜室での保存を長持ちさせる包装のポイントは?
1個ずつ包んで密閉するのが効果的です。理由は冷気による乾燥や接触での傷みを防げるためで、キッチンペーパー→ポリ袋の順で保護すれば、冷蔵庫のコンプレッサー稼働を無駄に増やさず電気代を抑えつつ寿命延長の観点でも効率的です。

