不要になったプリンターは、「自治体の粗大ごみ」「家電量販店の回収」「不用品回収業者」などで処分できます。自治体によっては粗大ごみとして回収されないこともあるため、事前確認が必要です。メーカー回収やリサイクルショップでの引き取りも選択肢の一つです。内部にデータが残っている場合は初期化を行い、個人情報保護にも注意しましょう。
プリンターを処分する際にインクカートリッジはどうする?プリンター本体とインクカートリッジは分けて処分するのが基本です。未使用の純正インクは、家電量販店やメーカーによる回収プログラムで引き取られることがあります。使用済みカートリッジも、専用回収ボックスを設置している店舗が多く、適切にリサイクルされます。自治体の可燃ごみ・不燃ごみに出す前に、環境への配慮としてリサイクルを検討しましょう。
壊れたプリンターでも買取してもらえますか?壊れたプリンターでも一部のリユース業者では部品取り目的で買取される場合があります。ただし、製造から年数が経っているモデルや動作確認ができないものは、基本的に無償回収または処分費用がかかるケースが多いです。状態によって対応が分かれるため、事前に無料査定を受けて対応可能な業者を比較するのが確実です。
使わなくなったプリンターを処分したいけれど、「どこに出せばいいのか」「粗大ごみなのか、それともリサイクル対象なのか」と迷っていませんか?
家庭用と事業用では処分方法や守るべきルールが大きく異なります。そこで今回は家庭用プリンターの処分方法と、法人が注意すべき産業廃棄物としての対応を紹介します。無駄な出費やトラブルを避けるために、正しい知識を身につけておきましょう。
プリンターは粗大ごみ?家電リサイクル?

プリンターは基本的に「家電リサイクル法」の対象外です。つまり、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンのように特定のリサイクル料金が定められている「家電4品目」には該当しません。
ただし、家庭用プリンターが「粗大ごみ」か「不燃ごみ」か、小型家電リサイクル対象かは、自治体によって異なります。
自治体の分類 | 対応例 |
---|---|
粗大ごみ | 「一辺が30cm以上」などサイズ基準あり |
不燃ごみ | 小型インクジェットなどが対象 |
小型家電リサイクル | 回収ボックスに投函(対象製品要確認) |
壊れたプリンターは小型家電リサイクル法の対象
壊れたプリンターは「小型家電リサイクル法」によりリサイクルの対象です。「小型家電リサイクル法」とは、従来の家電リサイクル法の家電「エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫」以外の不用になった電化製品もリサイクルの対象となりました。小型家電リサイクル法の回収対象となる品目はパソコン本体、携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラ、電子レンジなど約100品目にも及びます。
小型家電リサイクル法の回収対象品目
- 携帯電話端末
- パソコン(タブレット端末を含む)
- 電話機、ファクシミリ
- ラジオ
- デジタルカメラ
- ビデオカメラ
- ICレコーダー、ヘッドホン及びイヤホン等音響機器
- 電子書籍端末
- 電子血圧計
- 電子体温計
- ヘアドライヤー
- 電気かみそり等理容用機器
- 懐中電灯
- ゲーム機
- カーナビ
- 電子レンジ
- 電子炊飯器
- 扇風機


家電リサイクル法の家電は処分する時にリサイクル料や収集運搬料金などが発生しますが、小型家電リサイクル法はリサイクル料や収集運搬料金などは発生しません。
事業用プリンター(複合機など)は別扱い
企業などで使っていた業務用プリンターや複合機は「産業廃棄物」扱いとなり、自治体の粗大ごみでは処分できません。適切な許可を持つ処理業者への依頼が必要で、処分時には「マニフェスト交付(管理票)」も求められる場合があります。
家庭用プリンターを処分する5つの方法

家庭用プリンターを処分する方法は、目的(無料で処分したい・すぐに処分したい・できれば売りたい)によって適した手段が異なります。主な処分方法をわかりやすく解説します。
自治体の粗大ごみ・不燃ごみに出す
- 【概要】:多くの自治体で、プリンターは粗大ごみまたは不燃ごみとして処理されます
- 【費用】:300円〜800円程度(粗大ごみの場合)
- 【手続き】:事前予約制・粗大ごみ処理券の購入が必要な自治体もある
- 【注意点】:サイズによって分類が異なる(例:一辺30cm以上 → 粗大ごみ)
自治体によって不燃ゴミ、粗大ゴミ、リサイクルゴミなど扱いが異なりますので、自分の住む自治体に直接確認するかホームページで確認しましょう。
市区町村 | ゴミ分別 | 処分料金 |
---|---|---|
北海道札幌市 | 燃やせないゴミ | 指定のゴミ袋に入れば燃やせないゴミとして処分できます。 |
東京都新宿区 | 粗大ごみ | 高さ20cm以下400円・20cm~30cm以下900円・30cm以上1,300円 |
神奈川県横浜市 | 50cm未満は燃やすごみ・50cm以上は粗大ごみ | 粗大ごみの場合は200円 |
愛知県名古屋市 | 粗大ごみ | 250円 |
大阪府大阪市 | 粗大ごみ | 200円 |
福岡県福岡市 | 燃えないごみ | 指定のゴミ袋に入れば燃えないごみとして処分できます。 |
【参考】
札幌市 小型家電の無料回収
粗大ごみの処理手数料一覧 - 新宿区
市では収集しないごみとリサイクル - 横浜市
粗大ごみ手数料のめやす(暮らしの情報)
品目別収集区分一覧表(50音順) - 大阪市
福岡市 ごみの分け方一覧表(50音順)
家電量販店での引き取りサービスを利用する

- 【概要】:家電量販店では買い替え時に古いプリンターを引き取ってくれます
- 【条件】:新しいプリンター購入時が基本
- 【費用】:無料または数百円程度
- 【メリット】:買い替えついでに処分できてラク
プリンターを買い替える時に家電量販店などで引き取ってもらう処分方法です。家電量販店ごとに引き取り条件や費用が異なります。購入前に確認しておきましょう。
店舗名 | リサイクル料 |
---|---|
ヤマダ電機 | 1,100円 |
ケーズデンキ | 1,100円 |
エディオン | 550円 |
ビックカメラ | 1箱1,958円 |
ヨドバシカメラ | 1,100円 |
【参考】
ご不要の「小型家電回収サービス」スタート!
家電リサイクル - CSR | ケーズデンキ
小型家電リサイクル - エディオンメンバーズサイト
パソコン・小型家電リサイクル、承ります
ヨドバシ.com - 小型家電リサイクル回収承ります
訪問回収の場合は別途回収費用が必要です。
費用はかかりますがメーカーによっては、不要になったプリンターを回収してくれます。メーカーに問い合わせてみましょう。
【参考】
シャープ使用済み複写機・複合機回収及び再資源化処理について
キヤノン グリーンリサイクルサービス 概要環境への取り組み
プリンター・スキャナー・パソコンなどの処分や廃棄の方法
小型家電リサイクルボックスに投函する
- 【概要】:市役所・公民館・スーパーなどに設置された回収ボックスに投函できる制度
- 【対象品目】:市区町村ごとに異なるが、プリンターが含まれていることも多い
- 【費用】:無料
- 【注意点】:ボックスの投入口サイズに収まる機種のみ対象
フリマサイトや中古買取店で売却する

売れそうなプリンターなら、リサイクルショップに売るという処分方法もあります。ただ、高性能プリンターや新しいモデルでなければ、買い取ってくれない場合が多いようです。現に、私の古いプリンターの場合、処分費用を求められたので、引き取ってもらいませんでした。
- 【概要】:壊れていないプリンターや未使用インクがある場合は、売却して現金化するのも一案
- 【売却先】:メルカリ/ラクマ/ハードオフ/リサイクルショップ
- 【価格相場】:2,000〜10,000円(機種・インク有無による)
- 【注意点】:出品・発送などの手間あり。印刷テストを済ませておくと売れやすい
売れやすいメーカー
- エプソン
- キヤノン
- ブラザー
不用品回収業者に依頼する

一番ラクな処分方法が不用品回収業者に回収依頼する方法です。不用品回収業者に依頼すれば家まで回収に来てくれますが当然費用がかかるため、プリンター1台だけではなく他の不用品とまとめて処分するのがオススメです。

トラックの種類 | 料金相場 |
---|---|
軽トラック/1台 | 8,000円~15,000円 |
1トントラック/1台 | 20,000円~28,000円 |
2トントラック/1台 | 28,000円~35,000円 |
単品回収 | 3,000円~10,000円 |
プリンター処分の方法ごとの比較表

家庭用プリンターの代表的な処分方法を「費用・手間・即日対応の有無」で比較した表をまとめました。
処分方法 | 費用相場 | 手間 | 即日対応 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
自治体のごみ回収 | 300円〜800円程度 | 予約・処理券の購入が必要 | ☓ | 時間に余裕があり費用を抑えたい人 |
家電量販店の引き取り | 無料〜数百円 | 購入時限定/持ち込み | △(購入同時のみ) | 買い替え予定のある人 |
リサイクルボックス | 無料 | 自分で運ぶ必要あり | ☓ | 小型機種を環境に配慮して処分したい人 |
フリマ・買取店 | 収益あり(数千円) | 撮影・出品・発送など | ☓ | 少しでも高く売りたい人 |
不用品回収業者 | 3,000円〜6,000円 | 電話やWebで依頼 | ◯ | 急ぎの人/まとめて処分したい人 |
事業用プリンターの処分方法と法人が守るべきルール

企業で使用したプリンターや複合機は、産業廃棄物としての処理が原則です。レーザープリンターや大型複合機は重量や機能も異なるため、自治体の粗大ごみ回収には出せません。
処分の流れ
- 型番、サイズ、稼働年数、リース契約の有無を洗い出す。
- 産業廃棄物収集運搬業者に見積もり依頼する。
- 契約・マニフェスト交付
- 各メーカー公式のリセット手順を参照し、内部データを初期化する。
- 処分証明書またはリサイクル証明書の発行依頼も可能です。
業務用機器は、リース契約終了時にリース会社が回収するケースもあります。
【参考】
廃棄物問題検討委員会 産業廃棄物の適正処理について
処分を委託できる主な業者
- リネットジャパンリサイクル(環境省認定)
- オフィスバスターズ(法人向けIT機器回収専門)
- ダイワ環境ソリューション(中小企業対応)
参考:パソコン回収のリネットジャパン | リネットジャパン リサイクル
参考:法人向けパソコン買取 オフィスバスターズ
プリンター処分前にやるべきこと

プリンターを処分する前に忘れてはならないのが、内部データの削除とインクの処理です。個人情報の漏洩や環境汚染を防ぐためにも、以下のポイントを確実に押さえておきましょう。
プリンター本体の初期化
現代のプリンターには、以下のようなデータが本体内に残っている場合があります。
- 印刷・スキャン履歴
- Wi-Fi設定(SSID・パスワード)
- クラウド連携アカウント(Google Cloud Print など)
初期化の方法
- 【Canon】:ニュー→設定→初期化→全設定リセット
- 【EPSON】:ホーム→設定→本体設定→全データ消去
- 【Brother】:設定→初期設定→ファクトリーリセット
詳細な操作方法は各メーカーの公式サポートページを参照してください。
インクカートリッジ・トナーの取り外しと処分

インクやトナーは、「可燃ごみ」や「資源ごみ」として処分するのではなく、専用の回収ボックスに入れるのが望ましいとされています。多くの家電量販店には、この回収ボックスが設置されており、適切なリサイクルに協力できます。
不安を感じたらプロへ依頼するのがおすすめ
今回は家庭用プリンターの処分方法と、法人が注意すべき産業廃棄物としての対応を紹介しました。プリンターの処分方法は、家庭用と事業用でルールや対応が大きく異なります。家庭用であれば自治体回収や家電量販店、不用品回収業者、リサイクルボックスの活用、さらには買取やフリマでの再利用まで、目的に応じた方法を選べます。
一方、事業用プリンターは産業廃棄物としての扱いとなり、法令に基づいた適切な処理が求められます。データの初期化やインクの処分も忘れてはいけません。安全・確実な対応のためには、専門の業者に相談・依頼するのが安心です。
よくある質問
この記事に関するよくある質問
プリンターは粗大ごみとして出せますか?
自治体によってはプリンターを粗大ごみとして受け付けていますが、可燃・不燃ごみとして出せる場合もあります。基準はサイズや重量によって異なり、家庭用と業務用で処分方法が分かれることもあります。事前に自治体のホームページで処分区分と申込手順を確認しましょう。粗大ごみとして出す場合は、事前予約や有料処分券が必要なことがあります。
法人で使用していたプリンターはどう処分する?
法人用プリンターは「産業廃棄物」に該当するため、一般的な家庭ごみとしては処分できません。適切な許可を持つ産廃処理業者への依頼が必要です。また、リース契約中の機器は返却手続きが必要な場合があります。事前に契約内容を確認し、データの消去や運搬の有無も含めて、法人向けの回収サービスを利用することが推奨されます。
古いプリンターはどこに持ち込めば処分できますか?
古いプリンターは、家電量販店の回収カウンターや自治体の粗大ごみ受付で処分できます。大手量販店では、購入の有無にかかわらず引き取ってくれるサービスもあり、リサイクル対応が可能です。また、自治体によっては一般ごみで処分できる場合もありますが、サイズや重量によって異なるため、事前確認が必要です。搬入先や料金体系を比較すると、よりスムーズに処分できます。
プリンター処分にかかる費用はいくらですか?
プリンターの処分費用は、方法によって異なります。自治体の粗大ごみ回収では数百円~1,000円程度が相場です。家電量販店では無料回収されるケースもありますが、店舗や条件によっては500〜2,000円の費用がかかることも。不用品回収業者に依頼する場合は、回収費用や出張料金が別途必要になる場合があります。複数の選択肢を比較するのが経済的です。
データ保存機能付きのプリンターは処分前に初期化が必要?
スキャン履歴や無線設定などが記録される複合機タイプのプリンターは、処分前に初期化を行うべきです。特に法人用途で使用した場合は、個人情報や社内データの流出リスクを避けるためにも、メニュー画面から「全リセット」や「出荷時設定に戻す」機能を活用してください。説明書がない場合は、メーカー公式サイトに記載されている操作手順を確認すると安全です。
リサイクルできるプリンターとできないプリンターの違いは?
基本的にほとんどの家庭用プリンターはリサイクルが可能です。特に、資源有効利用促進法の対象製品である一部メーカーのプリンターは、リサイクルマークの有無にかかわらず回収対応されます。一方、部品が破損しているものや改造品、大型業務用プリンターはリサイクル対象外とされる場合があり、不用品回収業者や産廃処理業者の対応が必要になることがあります。
法人向けプリンターの処分で注意すべき点はありますか?
法人で使用していたプリンターの処分は、産業廃棄物の扱いとなる場合があるため、一般ごみとしては処理できません。必ず、産業廃棄物収集運搬の許可を持つ業者に依頼する必要があります。また、リース契約中のプリンターは勝手に処分できないため、契約内容を確認し、返却または所定の手続きに従うことが必要です。加えて、データ初期化とセキュリティ対策も重要なポイントです。